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[ 音楽 ]

 「なごやウィメンズ・クラシック(Nagoya Women’s Classic)」がオアシス21で開催されています。音楽学者中村ゆかりさんプロデュースによる「名古屋を中心に活躍するプロの女性クラシック音楽家」のコンサートです。オアシス21を管理する名古屋市栄公園振興株式会社と愛知芸術文化センターとの連携企画でもあります。平成25年度は、9月、10月、3月に3回開催されました。

 第1回は9月18日(水)「パッション-美しき情熱-」と題して、10人の女性によるNWC弦楽アンサンブルと4人の女性のNWSサキソフォンカルテットの演奏で、なごやウィメンズ・クラシックの幕開けに相応しいとても華やかで祝祭的なコンサートでした。


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NWC弦楽アンサンブル


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NWSサキソフォンカルテット

 

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全員の集合写真

 


 第2回は10月29日(火)「ヒーリング-艶やかなる癒し-」と題して、朝倉ゆきさんのフルートと田中敦子さんのハープのデュオ、神谷紘実さんのマリンバ独奏でした。心に染み入るメロディで心癒されるようなコンサートでした。


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朝倉ゆきさん(左)と田中敦子さん(右)

 

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神谷紘実さん

 

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全員の集合写真

 

 そして、第3回の3月4日(火)は「ラヴ-麗しき愛-」と題して、「愛」にちなんだ楽曲が中心です。
 最初に登場したのは、福本姉妹。姉の真弓さんは愛知県立芸術大学大学院生でピアニスト、妹の真琴さんは東京芸術大学学生でチェリスト。ご両親も音楽家で、理想的な音楽一家です。「愛のあいさつ」「愛の夢」などの有名曲から「情熱大陸」まで、美しく、気品あるメロディを奏で、とても爽やかな感動を与えてくれました。 

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福本真弓(右)さんと真琴さん(左)

 

 次の登場は、寺本姉妹。姉のみなみさんはピアニスト、妹のみずほさんはヴァイオリニスト。お二人ともヨーロッパに留学された後、日本で活躍しています。曲はベートーヴェンの名曲と昔の愛の歌謡曲をつなげて編曲した「ハルイチ・ヴァン・ベートーヴェン」。すごい曲です。次々と知っているメロディが立ち現れます、優れた編曲と超絶的な技巧、情熱的な演奏に圧倒されました。
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寺本みなみさん(右)とみなとさん(左)

 

 最後が、アカペラ・グループの「ラウラ」とピアニストの金澤みなつさん。「ラウラ」は全員プロの声楽家だけあり、声量、リズム、ハーモニーとも完璧。すごい迫力です。「ラウラ」は、普段は、生の声で教会音楽などを歌っているのですが、今回はマイクを通した演奏です。楽しく華やかな曲ばかりで、とても楽しめる演奏でした。
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金澤みなつさん(左)とラウラ

 

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全員の集合写真

  まだまだ寒い中でしたので、最後まで座って聴かれたお客さんも大変でしたが、若きアーティトの熱演に寒さも吹っ飛んだのではないでしょうか。

 

 次回は4月16日(水)18時から。第1回に登場したNWC弦楽アンサンブルの演奏です。どうぞお楽しみに。

A.M
 
 

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2013年2月14日から17日までの4日間、港大尋さんを講師にお迎えして、舞台芸術家のための音楽セミナーを開催しました。
 

 

舞台に立つ役者やダンサーたちが、「音楽」の要素を理解しそれを活かすことが出来るように、という長年の思いを経てようやく実現できた企画です。
今回は、応募もたくさんいただき熱心な方々ばかりの参加となりましたが、日々の舞台の創作過程で音楽の合わせ方を持て余してきたという、実際の悩みを抱えていらした方も多くいらっしゃいました。
 

【講師の港大尋さん】

 

 

 

 

  

まず初めは、ドラムスティック技法を学び、呼吸の取り方やリズムの感覚を体感することから始まりました。
BGMとしてただ流れていた音楽が、順を追って音楽を理解することで、合わせたり拮抗させたり、多様なアプローチから踊ったり演じたり、一つの重要な要素として皆さんの舞台に新たな息吹が吹き込まれたようです。
 

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講師の港さんのギターやピアノなどはもちろん、マリンバ奏者の田中紫織さんも加わり、3、4日目は受講者の発表でライブ演奏をつけていただいたりして、さながら観客のない贅沢なオムニバス小公演の宝庫でした。

もちろん、日本や西洋のリズムや音楽の理論的なことも講義で交えながら、中身のぎっしり詰まったセミナーでした。

seminar-4.jpg 【上:港さんと田中さんのセッション! 中・下:音と連動して動きを探っています】

県内はもとより東京や淡路島など遠方からも、皆さんこのセミナーのために時間を割いてご参加くださいました。
通常、役者あるいはダンサーなど同じ舞台を基盤にしていても、こうして交わる機会は少ないので、人数の絞られた4日間では今後につながる交流の場として、次へのステップにもなったようでした。
この企画を通して、皆さんのさらなる今後のご活躍を楽しみにしています。

 

「舞台芸術家のための音楽セミナー 音楽をより深く理解し、作品創作にいかすために」
会場 愛知県芸術劇場大リハーサル室(愛知芸術文化センター地下2階)
プログラム構成・講師 港大尋(作曲家・ピアニスト・ギタリスト)
ゲストミュージシャン 田中紫織(マリンバ奏者)
アシスタント 仲田優希(ダンサー)
担当 唐津絵理(愛知芸術文化センター 文化情報センター主任学芸員)

 

アンケートより
・集中的に音楽、音について考えること、自身の感性と向かい合うことができる場になりました。たくさんの意見を聞けたのもとてもよかった。今回できなかった内容を、次回是非やっていただきたいです。“違和感をもってしまう舞台作品”になってしまう原因をもっと追究してみたいです。(30代、女性)

・舞台と音楽、この組み合わせのセミナーがなぜ今までなかったのか驚くくらいの素晴らしい切り口でした。(20代、男性)

・音楽との向き合い方のバリエーションを感じ取ることができました。(30代、女性)

・内容のすべてについて理解できたとは思わないのですが、これまでの疑問のヒントになったり、自分にとっての新たなテーマが見つかり、とても有意義でした。港さんの考えていらっしゃることはとても豊かで、興味深いと感じました。ぜひ、定期/継続して実施してほしいです。芸文=港さんの講義=定番…みたいなイメージが超理想です。(40代、女性)

・いろんなことが体験して学べたのが楽しかったです。いろんなジャンルの人が参加していたのもよかったです。(女性)

・個性派ぞろいのメンバー、そして魅力的な内容、ありがとうございました。(20代、男性)

・音に対して根本的なところから再度見直すことができ有意義でした。次回あるならば、音による空間への影響、空間を作り上げていく音の変化などについて取り上げていただけると幸いです。ありがとうございました。(40代、男性)

・とても勉強になりました。音楽はほとんど詳しくないのでよかった。体験できたのがよかった。(50代、女性)

 

(K.Y)

 

[ 音楽 ]

 「クリムト展」も終盤に近づいた1月27日(日)の午後、「ウィーン・ガラ・コンサート」が10階愛知県美術館前のフォーラムで開催されました。クリムトがウィーンで活躍したことから「音楽の都ウィーン」をテーマに、ベートーヴェンから映画「第3の男」まで、ウィーンで活躍した作曲家たちの珠玉の名曲を1時間にわたり紹介しました。

 今回は、初めての試みとして、11階の展望回廊への階段の踊り場に電子ピアノを置き、ステージとし、また、電子ピアノにJBLの高級スピーカーをつなげました。
 10階のフォーラムは、天井がそれほど高くないため、ヴァイオリンやオーボエの音色がよく響き、素晴らしい音響効果となりました。庭園がガラス越しに見える素敵な会場は超満員で、立見の方も含め約300人の方に楽しんでいただきました。

 司会は、音楽学者の中村ゆかりさん、演奏は、ピアノの金澤みなつさん、ヴァイオリンの波馬朝加さん、オーボエの柴田祐太さんの3人で、全員、愛知県立芸術大学音楽学部を卒業しています。金澤さんと波馬さんは同大学の大学院博士前期課程を修了し、さらに金澤さんは同後期課程に在学中です。柴田さんは東京芸大大学院の修士課程に在学中で、それぞれ優れた演奏家としても活躍しています。
ウィーンガラ1.jpg司会の中村ゆかりさん


 さて、コンサートは、ベートーヴェン(1770-1827)の「月光ソナタ」が金澤さんのピアノソロで静かに始まりました。会場のざわめきも静まり、美しい音楽の世界に誘われました。続いて、波馬さんの艶やかなヴァイオリンの音色とともにヴァイオリンソナタ「春」が奏でられました。新春にふさわしい清々しい薫りが会場に漂いました。

 シューベルト(1797-1828)の「アヴェ・マリア」は、1回目がオーボエとピアノの二重奏で、2回目はオーボエをイングリッシュホルンに持ち替え、演奏されました。オーボエの演奏はとても大変だそうで、「世界で一番難しい木管楽器」とも言われています。柴田さんの哀愁がこもったオーボエは、心の奥深くに染み入るようでした。

 ブラームス(1833-1897)の作品では、ピアノソロによる「ワルツ第15番」に続き、ピアノ、ヴァイオリン、オーボエによる「ハンガリー舞曲第5番」を演奏しました。ピアノとヴァイオリン、オーボエの編成は大変珍しいものですが、金澤さんの見事な編曲で、3人のアンサンブルは呼吸がぴったり。楽しみながらの演奏で、喜びが伝わってきます。
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左から金澤さん(Pf)、波馬さん(Vn)、柴田さん(Ob)


 クライスラー(1875-1962)はヴァイオリニストとしても有名ですが、ウィーン情緒あふれる小品も多く書いています。「愛の喜び」はオーボエとピアノ(編曲)、「愛の悲しみ」はヴァイオリンとピアノという編成です。愛する者の心の動きをとても繊細に表現していました。

 次のJ.シュトラウス2世(1825-1899)の「アンネン・ポルカ」「トリッチ・トラッチ・ポルカ」はウィーンのニュー・イヤー・コンサートでもお馴染みです。3人の楽しそうな演奏に、思わず踊りたくなってしまいます。
極め付けは、レハール(1870-1948)のオペレッタ「メリー・ウィドゥ」から「唇は語らずとも」(「メリー・ウィドゥ・ワルツ」としても有名)です。波馬さんの美しいヴァイオリンの音色に導かれ、オーボエを吹きながら階段を下りてくる柴田さんの姿はとても素敵で、二人でワルツを踊りだすかのようにロマンティックな雰囲気でした。オペレッタの舞台では、2人は流れてくるワルツの調べに抗しきれずに踊りだすそうです。

 映画「第3の男」は、ハリー・ライム役のオーソン・ウェルズでも知られていますが、音楽を担当したのはティター奏者のアントン・カラス(1906-1985)です。少しおどけたような音楽が、オーボエとヴァイオリンの2重奏で奏でられました。編曲もとてもおしゃれです。

 アンコールはマーラー(1879-1964)の交響曲第5番から第4楽章の「アダージェット」(ジンガー編)をピアノソロで金澤さんがとても美しく演奏しました。この曲は映画「ベニスに死す」で有名になった、大変、甘美的な音楽です。マーラーとクリムトは親交があり、マーラーの夫人のアルマは、クリムトとも親密な関係にあったと言われています。また、「ベートーヴェン・フリーズ」の黄金の騎士は、マーラーがモデルとも言われています。
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 「アダージェット」を演奏する金澤さん
 

 曲の間には、中村さんが作曲家や曲の解説を演奏者へのインタビューを交えて楽しくお話しいただき、ウィーンとクリムトに思いを寄せながら、華やかなコンサートは終了しました。

ウィーンガラ4.jpg終演後の記念撮影

(A.M)
 

愛知初公演となるコンフェティ劇団「チックタックの秘密のとびら」 金沢公演を観てきました。

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この作品には子供達をワクワクさせる仕掛けが沢山つまっているのだけれど、ペーパークラフトのようなドールハウスの舞台美術は少女の頃にワープさせてくれます。


でも意外なことに、男子にとてもうけていたのは、男性パフォーマーたちのユニークなやり取りでした。
ミュージシャンのパーカッショニストさんはプロの技と遊び心がいっぱいで、マイムパフォーマーさんとの即興的な掛け合いは演劇というより、まるでライブに立ち会っているかのようです。

ヒロインの女性はお人形さんみたいに可愛いくてチャーミング。
 

詩的でファンタスティックでイマジネーションを喚起させてくれる、まさに大人も子供も、男子も女子も楽しめるパフォーマンスです。

 

 

愛知芸術文化センターでの公演は、8月8日と9日です。

なお、舞台美術が劇場にもなっている素敵なインスタレーションを、さらに万全の体制でお見せできるように、会場を小ホールに変更させていただきました。
当日券も発売予定ですので、ぜひお越しくださいね(^O^)/

 

ロビー開場は30分前、整理券をお配りします。(整理券の順番にご入場いただきます)
劇場へのご案内は10分前となります。
専用の客席をセッティングしますが比較的狭いので、お荷物はホワイエでお預かりできるように対応します。
また、客席内へは靴を脱いでのご入場となりますのでご承知ください。

 

(E.K)


 

[ 音楽 ]

 5月27日(日)の午後、美術館ロビーに3人の可愛い魔女(笹野大栄さん(箏)、大橋淑恵さん(ヴァイオリン)、大脇薫さん(ソプラノ))が登場し、魔術や魔女に関連したコンサートが開催されました。この3人の方々は、愛知県で活躍する芸術家などで構成される団体、愛知芸術文化協会(ANET)の若手・中堅の芸術家のグループ“てな”のメンバーです。“てな”は社会貢献を主な活動の一つとし、各地でチャリティコンサートなどを行なっています。
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左から大脇薫(Sp)さん、大橋淑恵(Vn)さん、笹野大栄(箏)さん。

 さて、オープニングは、魔法使いの帽子とマントを着けた3人の魔女が登場したので、観客の皆様はびっくり。琴とヴァイオリンとソプラノという異色の編成で、和楽器と洋楽器が溶け合った不思議で幻想的な世界が現出しました。『魔女の宅急便』や、オペラ『アルチーナ』など魔女がテーマの音楽やパガニーニの奇想曲など悪魔をテーマとしたもの、レスピーギの「Nebius」など幻想的な作品等、中には珍しい曲も含まれ、趣向をこらした多彩なプログラムでした。

 なお、プログラムの中の「キビタキの森」(1979年作曲)は、作曲家の宮田耕八朗が福島県白河の「キビタキの森」を訪ねたときの印象を表した邦楽曲で、自然の美しさが見事に表現された素敵な音楽です。今回、東北復興のチャリティのため、琴で演奏されました。
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 会場の盛大な拍手に応えたアンコールの『もののけ姫』のテーマ曲が演奏されました。観客の皆様には、素敵な美術品に囲まれ、最後までファンタジーの世界を楽しんでいただきました。

 

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 演奏会終了後には、魔女の姿の出演者が募金箱を持って立ち、会場の皆様から合計38,350円の義援金をいただきました。義援金は、全国美術館会議を通して被災地の文化財、美術品救援活動に充てられます。どうもありがとうございました。

 (A.M)

[ 音楽 ]

 5月26日(土)の午後、美術館ロビーにモーツァルトの美しい弦楽四重奏が響き渡りました。演奏したのは、モーツァルト200メモリアルの皆様で、舘奈緒さん(第1ヴァイオリン)、荒川芳子さん(第2ヴァイオリン)、小川克子さん(ヴィオラ)、深谷展晃さん(チェロ)の4人によるカルテットです。

 モーツァルト200メモリアル(主宰:熊崎雅芳)は、モーツァルト没後200年の1991年に創設された団体で、モーツァルトの様々な曲の演奏会を開催しています。愛知芸術文化センター主催のフレッシュコンサートでも何度も素晴らしい演奏を披露いただいております。

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 さて、魔術展とモーツァルトとは一体、何の関係があるのかと思われる方もあるでしょう。魔術や魔法といった世界は、西欧の音楽やオペラでもよく描かれています。モーツァルトもオペラ「魔笛」で、魔法の世界を楽しくメルヘンのように描いています。

 今回のメイン曲である「不協和音」は、第1楽章の冒頭に、作曲当時としては、極めて大胆な和声効果を持つ序奏が置かれていることから、こう呼ばれています。序奏の後は、モーツァルトらしい、明快な曲が始まります。美しい旋律と転調の妙が、弦楽四重奏というがっちりとした形式の中に完全に調和した作品です。室内楽の最高傑作の一つです。

 4人の演奏は、4つの声部がある時は調和して一つとなったり、ある時は親密に対話したり、ある時は対決したり、カルテットの醍醐味が味わえる名演で、あっという間の30分でした。

 最後は、誰でも知っている名曲中の名曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク(小夜曲)」の第1楽章でした。とても優雅で美しい演奏に、観客の皆様も満足そうな表情でした。

 ロビーには吉本直子さんの《白の棺》なども展示してあり、観客の皆様は美術作品を観ながらのコンサートで、他では味わえない時空を超えた感動を覚えられたことと思います。

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左から荒川芳子さん(2nd Vn)、 舘奈緒さん(1st Vn)、熊崎雅芳さん、深谷展亮さん(Vc)、小川克子さん(Va)。

(A.M)
 

[ 音楽 ]

 1月8日(日)のお昼時、芸術文化センターのフォーラムは新年にふさわしい雅やかな響きで満たされました。地下2階のマルチビジョン前がステージとなり、雛壇には真っ赤な毛せんが敷かれ、いつもと違った雰囲気を醸し出しました。長唄と篠笛をメインとした「新春邦楽コンサート」の開演です。
演奏は「NPO法人伝統芸能・音楽教育サポート・ネットワーク」の皆様でした。皆様は、この地区を中心に伝統文化の普及や子どもたちへの教育を行なっている団体です。文化庁からの助成金を受け講習会なども行なっています。
 会場には100人以上の方が集まり、じっくりと邦楽の響きを味わっていました。日曜日ということで、通りすがりの方も多く耳を傾けていました。
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【「NPO法人 伝統芸能・音楽教育サポート・ネットワーク」の皆様】

 

 さて、オープニングは名曲「越後獅子」から始まります。三味線と鼓にのせて長唄が語り唄います。出演者には長唄吉住会のお師匠さんも加わり、レベルの高い本格的な演奏でした。
余談ですが、「越後獅子」はイタリアのオペラ作曲家プッチーニがオペラ「蝶々夫人」でこのメロディーを使用したり、ロシアの作曲家プロコフィエフがピアノ協奏曲第3番第3楽章でこのメロディーを使用したり、多くの作曲家に影響を与えています。歌謡曲では美空ひばりも歌っていますね。
 次は「雛鶴三番叟」です。「三番叟」はお祝いで踊られることの多い演目ですが、長唄としても有名です。新春のお祝い気分を盛り上げていただきました。
 
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【『雛鶴三番叟』を演奏する皆様】

 

 そのほか、「山桜の歌」や「楽の音」、有名な日本民謡を集めた「民謡組曲」が篠笛のみにより演奏されました。篠笛の暖かく澄んだ音色は心を清らかにし、陽気な調べは祭りにふさわしく心を陽気にさせ、甲高い響きは心に緊張感をもたらせます。篠笛の幅広い魅力をたっぷりと味わうことができました。

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【『民謡組曲』を演奏する皆様】

 

 盛大な拍手に応え、アンコールは日本人の心のふるさとと言える「さくら」を合奏して、コンサーを終了しました。
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【アンコール:『さくら』を演奏する皆様】

 

 日本の伝統芸能を継承・普及することの大切さを感じさせられるコンサートでした。
「NPO法人伝統芸能・音楽教育サポート・ネットワーク」の皆様の今後のご活躍を期待いたします。

(A.M)
 

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

新年あけまして、早速ではございますが1月7日(土)に『パフォーミング・アーツ・ガーデン2012』が開催されます。
この催しでは、愛知を拠点に活動しているアーティストを公募し、選出した10組のアーティストと1組のゲストが1日でパフォーマンスを行います。ダンスだけでなく、音楽や映像と身体表現のコラボレーションなど、様々なジャンルのアーティストの作品を一度に観られるという、他にはなかなかないボリュームの公演です。
また、公演の企画・制作を愛知県文化情報センターとアートマネジメント実践講座の受講生が中心になって行ったり、チラシデザインも愛知の若手デザイナーにお願いするなど、地域に密着した催しとなっています。

 

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本日、ゲスト出演するC/Ompanyが名古屋入りするなど、本番に向けての準備が着々と進んでいます。

 


 

 

 

【左はC/Ompanyのみなさんです】


 

 

 

入場も無料となっておりますので(要整理券)、是非この機会に愛知のパフォーミングアーツシーンを目撃してください!


また、最後になりましたが、本年も愛知文化情報センターの自主事業をよろしくお願い申し上げます。

 

 

【パフォーミング・アーツ・ガーデン2012】

・日時   2012年1月7日(土) 13:30開場 14:00 開演
・会場   愛知県芸術劇場 小ホール
・料金   入場無料(要整理券) ※全席自由
      *当日12:30より入場整理券を小ホール前にて配布します。  
・出演者及び当日プログラム(こちらからご覧ください↓↓)
http://www.aac.pref.aichi.jp/bunjyo/jishyu/2011/11pag/index.html

 

(T.Y)
 

[ 音楽 ]

11月29日に初演する、音楽とダンスのコラボレーション作品「プロメテウスの光」の製作が最後の段階に来ています。

先日は、ダンスの稽古を見に行ってきました。

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伊藤美由紀さんから送られた、今回の音楽の録音に合わせて、約35分の作品となってきています。

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3名の女性ダンサーと、男性1名、鈴木さんが、音をつかみながら身体を動かしてゆく様を見ながら期待が高まって来ました。

 


実際には照明が加味され、いっそう深みが増す舞台となりそうです。

  

(左は、今回振付を行い、自らも踊る鈴木ユキオさん) 

 

 

 

なお、この公演の前半は、オンド・マルトノのソロやピアノとのデュオ曲の演奏。
たっぷりと、世界最古の電気楽器の一つ「オンド・マルトノ」の音色をお楽しみいただけます。


現在チケット発売中です!プレイガイド、ぴあ、イープラスなどで扱っています。
ぜひ新しい作品を観に来て下さい!

11/29(火)19:00-
「オンド・マルトノ・コンサートとコラボレーション・ダンス公演」
チケット 一般2,700円(前売り)、学生1,500円(前売り・愛知芸術文化センタープレイガイドでのみ取扱)

オンド・マルトノという楽器をご存じですか?


1928年(昭和3年)にフランスで発明された電気を使った楽器です。
電気を使った楽器としては、同じ頃ロシアで発明された「テルミン」という楽器に続いて古くからある、アコースティックとエレクトロニクスが合体したような楽器です。

オンドマルトノ全体.jpg これがオンド・マルトノです!】


スピーカー.jpg

 

写真中央のオルガンのような本体だけでなく、その周囲にある銅鑼のようなものや弦を張った葉っぱのような形のものは、実はスピーカー。


つまりこれら全部で1つの楽器なのです。本体の鍵盤を弾くと、また鍵盤の前にあるリボンを押さえるようにして演奏すると、その音が周囲のスピーカーか

ら出されます。
スピーカー自身が銅鑼や弦からできているため、とてもアコースティックな音がします。

【左はシュロの葉の形をしたパルムスピーカー】


 

 

9月21日には、愛知県芸術劇場大リハーサル室にて、「2台のオンド・マルトノによるレクチャー」を開催し、この楽器の歴史や構造、特徴について、演奏を交えながら語っていただきました。
講師は、岐阜県在住のオンド・マルトノ奏者である、市橋若菜さんと、坪内浩文さん。

    レクチャー写真.jpg【レクチャーの様子です。右が市橋さん、中央が坪内さんです。】


そして今、この楽器による音楽とダンスによる、新しい舞台作品の創作が進んでいます!


作品タイトルは「プロメテウスの光」。
曲を作曲したのは、名古屋在住の作曲家、伊藤美由紀さんです。
愛知県立芸術大学を卒業した後、マンハッタン音楽院やコロンビア大学で学んだ伊藤さんは、現在フランスやメキシコなど海外からも作曲の依頼がある、気鋭の作曲家。
今回の曲は、このオンド・マルトノに、ギター、クラリネット、さらにエレクトロニクスも重ねた音楽となりました。
9月には、初めて音あわせを行い、録音して、振付家・ダンサーのもとに送られました。

 

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【録音の風景です】


そして、この曲にダンスを振付け、演出を行うのは、現在日本で最も活躍中のコンテンポラリー・ダンサーの一人、鈴木ユキオさんです。
舞踏出身で、今や国内外で公演やワークショップを重ねている鈴木さんは、ミュージシャンとのコラボレーションも豊富ですが、オンド・マルトノという楽器を知ったのは今回が初めてだそう。
音高を滑るように行き来し揺れるような音色のオンド・マルトノや、メロディに縛られない伊藤さんの曲に、大変共感したと言います。
というのも、鈴木さんご自身も、日常の動きとダンスの境界、あるいはその揺れにとても興味があったから。

 

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【インタビューを受ける鈴木ユキオさん】

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                 【鈴木さんの過去のダンス作品の写真。
                  右は「犬の静脈に嫉妬せず」(青山円形劇場、2009年)
                  左は「HEAR」(金沢21世紀美術館、2010年)】


こうして創られつつある作品は、11月29日に小ホールで上演します。

さてどのような作品が生まれるのか。
ぜひ皆様自身が確かめてください!
現在チケット好評発売中です!

公演の前半は、オンド・マルトノのソロやピアノとのデュオ曲の演奏。
たっぷりとオンド・マルトノ自身の音色をお楽しみいただけます。


11/29(火)19:00-
「オンド・マルトノ・コンサートとコラボレーション・ダンス公演」
・チケット 
一般2,700円(前売り)
学生1,500円(前売り・愛知芸術文化センタープレイガイドでのみ取扱)


なお、11/25には、「鈴木ユキオ ダンスワークショップ」も開催。
経験者クラスのほかに、どなたでも参加できる一般クラスもあります。
申込みは11月13日まで(必着)。受講無料です!  ※受付終了しました

(A.F)

[ 音楽 ]

10月2日(日)、第5回AACサウンドパフォーマンス道場本公演を行いました。

「AACサウンドパフォーマンス道場」は、若手アーティスト育成支援事業として、「音」を核に据えた新しいパフォーマンス作品の企画案を若手アーティストたちから公募し、書類選考、優秀な作品企画に、ブラッシュアップと劇場で上演する機会を与えるプロジェクトです。10月2日は、その成果を発表する劇場上演の日。4つの入選作品が上演されました。

1. 井藤雄一 『fmiSeq』 

コンピュータの映像そのものに伴って出される音を、映像を変化させることで操作し奏でていく作品。それによってコンピュータを一種の楽器として捉えるというのがコンセプトです。
最初に、そうした作品の意図を、その場で井藤さん自身が文字を入力し、説明していきます。文字の映像が変わるのに伴って出される音が変化し、映像そのものが音を発していることが観客にも伝わります。そうしたプロローグのあと、一気に、様々な画面の操作と音の演奏に向かいました。音はすべていわゆるノイズ音で、特に映像が変わる時に大きく発音します。大音響と点滅する画面は、万人が好むところではないにしろ、構成力とリズム感を持った上演、その迫力は一つの作品の完成を感じさせるものでした。
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2. ヒッチハイカー 『ヒッチハイク』
俳句と、街中や学校や川辺など様々な場所で録音された様々な環境音。二者を出合わせることで観客の心のなかに豊かな風景を描き出す・・・。入選として選ばれた際の企画からは紆余曲折を経て、ばっさりと潔くシンプルに仕上げてきた作品でした。
パフォーマンスは2部構成で、前半は音を聴いて正岡子規、夏目漱石の句集の中から選句し朗読。後半は、音を頼りに即興で俳句を作り朗読しました。空間も、着流しに高下駄を履いた出演者と、パソコンを操作し環境音を出す出演者の対照。俳句という最も短い詩とそれを詠み上げる声、そして実際に耳に届く環境音。俳句がこのサウンドパフォーマンスに登場したのは初めてで、これまでのどの作品とも異なる表現となりました。
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3. 堀江俊行 『ずれ木魚』
木魚を淡々と一定のスピードで叩き続けるパフォーマー。そこにさまざまにずれた音を絡ませていくことで、聞き手の音楽を聴いているという状態自体にアプローチするというのがコンセプトです。
シンプル極まりないパフォーマンスであるからこそ、どのようにずらしていくのかが、プレゼンテーションでも議論となっていました。ずれ方によっては、ミニマルミュージックのように聞こえるが、それは作者の意図するところなのか。もっと多様にずらしていく方がよいのか、あるいはずれに動じず延々と叩き続ける姿を見せるのか。
結果として、公演では、木魚を叩き続けるところから始まり、途中多様なずれを聞かせて、終わりに向けての緩やかな流れが感じられました。
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4. 垣尾優×高村聡子 『一撃1200』
動きと声と音。それらを合わせ、耳を澄まして音を聴かせることを意図した、20分の演劇的な作品。音を聴かせるに焦点を当てるという当初の目的は、プレゼンテーションを経るごとにひらめきをもって付け加わる様々な要素に紛れてしまった感がありましたが、金だらいとコインを小道具として使い、女性の高村さんと、男性の垣尾さんそれぞれが語る声や動作に伴う音が合わさり、身体訓練を極めパフォーマーとしては群を抜いた二人が織りなす、ストーリーがあるような無いようなパフォーマンスは、所々で笑いも生じる楽しいものでした。
垣尾優×高村聡子 『一撃1200』.jpg


上演の後は、15分休憩中に、観客よりオーディエンス賞の投票が行われました。
そして、公開講評&審査会。今回顔ぶれを変えた新しい選考委員によって、まずは一組ずつ、丁寧に講評が述べられました。こうした斬新な作品は、作品の意図、上演の技術力、音(音楽)・映像・ダンス(身体行為)などの構成要素、全体の演出など、多方面の要素から質や完成度が問われるものであり、すべてに高レベルに達するのは大変難かしいことです。今回上演された入選4作品についても、若いアーティストの意欲はありそれぞれよくできた点もあるが、まだまだ課題は多いというのが全体の意見でした。

選考委員の方々.jpgその後、優秀賞を決める審査となりました。どこに評価軸を置くのか、その結果どのように選ぶのかを舞台上で考えを述べ、悩みながら、予定時間を2時間近くも超過して、ようやく優秀賞を決定しました。選考委員が悩みながらも真剣に選ぶ様子を見せたことがまた、新しい作品の創造やアーティストの育成につながっていくことを期待したいと思います。


そして、今回も、優秀賞とオーディエンス賞が決定。受賞されました方、おめでとうございます!毎回、選考委員が選ぶ優秀賞と、観客が選ぶオーディエンス賞が一致しないのは面白いところです。

 優  秀  賞 : 堀江俊行 『ずれ木魚』
 オーディエンス賞: 垣尾優×高村聡子 『一撃1200』

彼らに続く若いアーティストの作品を、来年も期待しています!
 (A.F)
 

[ 音楽 ]

9月10日(土)18時から、第5回AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション2を行いました。

 

「プレゼンテーション1」は、書類選考で入選となった4組のアーティスト自身が直接自分の作品について説明し作品のデモンストレーションを行ったのに対し、2回目となる今回は、本公演の会場である小ホールでの、いわばテスト上演です。
それに対して、やはり、選考委員が質問をしたり、感想や可能性や評価する点を述べました。

 

 道場プレ2:審査員.jpg 

【選考委員のみなさんです】

 

道場プロジェクトの醍醐味は、書類選考で選ばれた入選作品がどんどんかわっていくところ。

今回のプレゼンテーションでは、1回目のプレゼンテーションで話した通りの作品を小ホールという劇場のサイズに合わせて上演する人もいれば、指摘されたところなど一部を変更してくる人、そして根本的に練り直してしまう人など。

今回も、それぞれの出演者が上演した後、選考委員から出された様々な意見も取り入れながら、これから約3週間をかけて、出演者は最後のブラッシュアップを行って作品の完成度を高めていきます。

最終的にどんな形に仕上がるのか、どうぞお楽しみに!!

 

本公演は10月2日(日)13:30から。
観客の皆様にも「オーディエンス賞」を選んでいただきます。
チケットは当日券のみの1000円です。


ぜひ若いアーティストの表現を応援しに来てください!!

 

 

道場プレ2:fmiseq.jpg 道場プレ2:ずれ木魚.jpg

道場プレ2:ヒッチハイカー.jpg 道場プレ2:一撃.jpg

左上:井藤雄一『fmiseq』 右上:堀江俊行『ずれ木魚』
左下:ヒッチハイカー(島本和秀×浜田洋輔)『ヒッチハイク』 右下:垣尾優×高村聡子『一撃1200』

 

 (A.F)

[ 音楽 ]

8月23日(火)16時30分過ぎから20時過ぎまで、第5回AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション1を行いました。


会場は、伏見・長者町にオープンしたばかりの「アートラボあいち」。

この場所は、昨年開催された「あいちトリエンナーレ2010」で「ATカフェ」として親しまれてきた会場でしたが、交流と若いアーティストの作品づくりや発表の場所として再度使っていこうとオープンしました。

ここで、書類選考で入選となった4組のアーティスト自身が、直接自分の作品について説明し、作品のデモンストレーションを行いました。

それに対して、選考委員をはじめ集まった観客の方々が、質問をしたり、感想を言い合ったり、また可能性や評価する点を延べ、期待することや批評を延べるなど、長時間意見を交わしました。

 選考委員.jpg

【選考委員のみなさんです】

 

最初は、井藤雄一さんによる『fmiseq』

 fmiseq01.jpg fmiseq02.jpg 

 

コンピュータそのものを一種の楽器として捉え、映像とシンクロして音を奏でていく作品です。

システムについて簡単に説明があり、音と映像が直接つながって映像をコントロールすることで音を奏でていく作品がテスト的に上演されました。

ここではあえてモノクロで幾何学的な模様の映像でしたが、今後どのように変わっていくか、あるいはパフォーマンスとして組み立てられていくのか、可能性が膨らむ作品です。

 

 

2組目は、ヒッチハイカー(島本和秀×浜田洋輔)というグループによる『ヒッチハイク』

 ヒッチハイカー01.jpg ヒッチハイカー02.jpg

 

島本さんが俳句を詠む声と、俳句の17文字に様々なシーンで録音された環境音を割り当て流すことによって生まれる音空間は、まるで自然のなかや街の中にいるような風景を、聴く者の心のなかにもたらしてくれます。

本公演では3句ほど詠むそうですが、どんな風景が現れるのか、楽しみです。

 

 

休憩を入れて、後半最初は、堀江俊行さんによる『ずれ木魚』

 ずれ木魚01.jpg ずれ木魚02.jpg

 

機械ではない人間が演奏するからには逃れることのできない僅かな「ずれ」に着目し、木魚を叩いた時に生じるずれをコンピュータで拾って、木魚の音と様々にコラボレーションさせていくような作品です。

口頭で説明をしながら、片手で木魚を叩き、右手ではパソコンを操作して音を操るその様こそ、立派なサウンドパフォーマンスという感想が出るほど、一人で何役もこなしていました。

本公演では、あくまでシンプルさを追求するのか、そうではなく豊穣なパフォーマンスとするのかによって、全く違った作品にしあがりそうです。

 

 

最後は、垣尾優×高村聡子による『一撃1200』

 一撃01.jpg 一撃02.jpg

 

高村さんを中心に20分(1200秒)をカウントダウンして唱えていく中に、「聴く」ことにまつわる様々な台詞を盛り込み、垣尾さんを中心に身体動作をくわえる演劇的な作品。

プレゼンテーションでは、5分間(300秒)をカウントダウンしていく仮作品を発表しました。

本公演の台本はこれから煮詰めていくそうで、どのような作品に仕上がるのか、期待が高まります。

 

 

これらの作品は、第2回のプレゼンテーションの時には、またさらなる発展した姿へと進んでゆきます。

ぜひその過程を見に来てください!プレゼンテーションはすべて無料です!!


(A.F)

7月20日(水)に東北復興支援チャリティコンサートが行われ、吉田文さんと平山素子さんがコンサートホールで初共演されました。

チャリティ平山さん1.jpg  吉田さん1.jpg

【左:平山素子さん、右:吉田文さん】

 

記者発表の場で「最近コンテンポラリーダンスに興味をもっていたところです」とおっしゃっていた吉田さん。平山さんも共演を楽しみにされていて、初共演とは思えないほど息の合ったコラボレーションでした。


パイプオルガンの演奏で幕を開けたコンサートの中でお二人の競演は2曲。吉田さんが奏でるパイプオルガンの荘厳な旋律と、平山さんの祈りを込めた舞により、お二人の「祈り」がホール全体に広がりました。

 

 二人:公演中1.jpg 二人:公演中2.jpg

【本番中のお二人の様子です。息の合った素敵なコラボレーションでした!】

 

一部ですが、お客様からご協力いただきましたアンケートをご紹介させていただきます。


・パイプオルガンと現代ダンスのコラボレーションの不思議な世界に魅了されました。(60代・男性)

・平山さん・吉田さん、共に初めてでしたがとても感動しました。気迫と美が共存していて素晴らしかったです。(20代・女性)

・ダンスもオルガン演奏もとてもステキでした。やっている方たちのひたむきな気持ちを感じて、私も何かしなきゃと思いました。(20代・女性)

・お二人の祈りと観客の祈りが一つになった。素晴らしいコンサートだったと思います。(30代・女性)

 

当日は、台風の影響で天気が不安定であったのにも関わらずたくさんの方々にお越しいただきましてありがとうございました。

二人:公演後1.jpg 二人:公演後2.jpg

【終演後には、義援金の呼びかけにもご協力いただきました。右はその様子です。】

 

(T.Y)
 

東北復興支援チャリティコンサート『 吉田文&平山素子 オルガンとダンスの華麗な競演-愛知ゆかりのアーティストによる復興への祈り-』が開催されます!


本日、お二人によるリハーサルが行われました。

 華麗なる1.jpg

 

 

華麗なる2.jpg

 

吉田さんの荘厳なオルガンの音色に合わせて、平山さんが即興で動きの流れを考えていらっしゃいます。


お互い初めての試みとあって、たくさんのアイディアを出されていました。

 

 

 

 

華麗なる3.jpg

(演奏台に腰掛ける平山さん)

 

東北への祈りを込めたお二人のパフォーマンスは、リハーサルの段階からとても幻想的な雰囲気が漂う、神秘的な空間がつくりだされていました。

本番はいったいどのようなパフォーマンスを見せていただけるのでしょうか。

 

今回のコラボレーションはとても稀少な機会だと思いますので、ぜひお越しくださいませ!!


日 時 : 2011年7月20日(水)19:00-
会 場 : 愛知県芸術劇場 コンサートホール
料 金 : 無料  ※全席自由
*満席の場合は、入場をお断りすることがございます。
*チャリティとしてお一人様500円以上のご協力をお願いします。
*チャリティとしていただきましたお金は、被災地の芸術文化の支援として用いさせていただきます。
出 演 : 吉田文(オルガン)、平山素子(ダンサー)

 

(T.Y)
 

キッズプログラム『バックステージツアー 親子で劇場体験&探検』を、8/3(水)に開催します。

 

今年で開館19年を迎える愛知芸術文化センター。

3つの劇場があり、なかでも大ホールとコンサートホールは国内でも屈指の設備を誇るオペラやコンサートの専門劇場です。

奈落や照明を吊るバトンが織り成す舞台機構のショーがあったり、照明や音響・舞台の操作を体験できるコースがあったり、親子で一緒に舞台の裏側をのぞいていただけます。

 

これまでにも夏休みに、親子で体験していただく「バックステージツアー」としてほぼ毎年開催してきましたが、今年はひと味違います!!

なかでも、コース(2)「コンサートホール探検ツアー」では、台本と演出に柴幸男さんを迎え、劇団「あおきりみかん」の俳優の松井真人さんが皆さんを劇場の裏側へお招きいたします。

先日、お二人が打ち合わせにいらっしゃいました!

 打合せ.jpg

(打ち合わせの様子)

 

打合せ2.jpg

 

 

 

さて、どんな探検になるのか、楽しみですね!

応募は往復はがきにて7/22(金)必着 

多数の応募をお待ちしています。

 

(左の写真はコンサートホールの下見の様子。パイプオルガンは本当に大きいですね。)

 

 

 

 

 

(T.Y)

[ 音楽 ]

現在、小ホールで上演するパフォーマンスの企画案を募集中の「第5回AACサウンドパフォーマンス道場」。

その選考委員の方々が今年は一新していますので、ここで改めてご紹介します!

 

山本裕之さん(作曲家、愛知県芸術大学音楽学部准教授)

 山本裕之SC_0148mini.jpg

まず、これまでに引き続き、名古屋市や愛知県に在住あるいは活躍されているアーティストの方として、山本裕之さんにお願いしました。

山本さんは、作曲家で、現在愛知県立芸術大学准教授でもあります。
その作品は、日本の作曲賞で最も主要な、武満徹作曲賞第1位(2002年、審査員は湯浅譲二)、第13回芥川作曲賞(2003年)を続けて受賞され、正統派の現代音楽の作曲家として新しい音の作品を創り活躍されています。

また自ら「音ヲ遊ブ 日本の現代音楽」というウェブサイトを運営して情報交換の場をつくり、多様な音の表現に関心を寄せておられます。

道場では、音を扱うアーティストの立場から選考やブラッシュアップに関わっていただきます。

 

 

 

 

畠中実さん(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]主任学芸員)

 畠中portraitmini.jpg

今年からは、アーティストではなく企画者の立場から関わっていただこうと、お二人の方にお願いしました。

一人は、NTTインターコミュニケーションセンター [ICC]主任学芸員の畠中実さんです。
畠中さんは1996年の開館準備よりICCに携わり、メディア・アート系の催しを多数企画してこられました。

主な企画には「サウンド・アート―音というメディア」展(2000年)、「ローリー・アンダーソン 時間の記録」展(2005年)、「みえないちから」展(2010年)など。「みえないちから」展では、昨年まで道場の選考委員を務めてくださった、佐近田展康さん、三輪眞弘さんによるユニット・フォルマント兄弟の《フォルマント兄弟の“お化け屋敷”》が展示されました。

畠中さんの企画では、展示だけではなく多数のライブ・パフォーマンスも開催され、パフォーマンスにも幅広い見識をお持ちです。

 

 

 

桜井圭介さん(音楽家、ダンス批評、吾妻橋ダンスクロッシング・オーガナイザー)

 桜井.jpg

 もうひとかた新しく、音楽と関わる他のジャンルの方として、桜井圭介さんにお願いしました。

桜井さんは、作曲家・編曲家として、ミクニヤナイハラ・プロジェクト、砂連尾理+寺田みさ子、ほうほう堂などのパフォーミング・アーツ・グループの作品創作に関わるとともに、「吾妻橋ダンスクロッシング」のオーガナイザーとして活躍されています。
「吾妻橋ダンスクロッシング」はコンテンポラリーダンス、現代美術、演劇、お笑いなどジャンルを横断したパフォーミング・アートの最先端を取り上げる公演で、ストレートでポジティヴな表現にこだわっておられます。

 

 

 

 

 

主催の愛知芸術文化センター側の企画学芸員としては、継続して藤井明子が関わります。

 

このように今年は昨年までとは全く違ったメンバーによる選考委員なので、応募される企画も自ずとこれまでにはなかった新しい企画になるのではないかと、期待しています。

それぞれの選考委員からのメッセージは、こちらをご覧ください。↓
http://www.aac.pref.aichi.jp/bunjyo/jishyu/dojo/index.html

 

応募締め切りは7/11まで。多数の応募をお待ちしています!!

 

(A.F)

2011年7月20日に愛知芸術センターコンサートホールにて、東北復興支援チャリティコンサートの一つとして、『吉田文&平山素子 オルガンとダンスの華麗な競演』が行われることになりました。


オルガニスト吉田さんの荘厳華麗なオルガンとともに、平山さんが「復興への祈り」を込めて踊ります。お二人は初めての共演ですが、お互い楽しみにされているそうです。

 

吉田さんは震災時、ドイツに滞在中だったそうで、「遠く離れていても出来ることを」と教会で日本のために祈るドイツの人々の姿に感銘を受けたそうです。
一人一人の祈りの心が集まって生まれる調和と、パイプオルガンの一つ一つ音が合わさり音楽になることが重なったそうです。
「客席を含めたホール全体で調和が生まれれば嬉しいです」とお話しされました。


平山さんは、『After the lunar eclipse/月食のあと』リ・クリエイションの公演会場のひとつである兵庫県立芸術文化センターを例に挙げ、「劇場が元気に発信していくことで、心の復興に繋がるのではないかと思います。」とおっしゃっていました。

 

7月22・23日に、愛知芸術文化センターの小ホールで行われる《平山素子ソロプロジェクト『After the lunar eclipse/月食のあと』 リ・クリエイション》での細部までこだわった完成度の高い作品と、音とのコラボレーションによる、即興的要素のある純粋な身体を見比べることができるのも貴重な機会ですね。

 

ぜひお越しください!

 hirayama 020.jpg

(吉田文さん、平山素子さんのお二人です!)

 

日 時 : 2011年7月20日(水)19:00-
会 場 : 愛知県芸術劇場 コンサートホール
料 金 : 無料  ※全席自由
*満席の場合は、入場をお断りすることがございます。
*チャリティとしてお一人様500円以上いただきます。
*チャリティとしていただきましたお金は、被災地の芸術文化の支援として用いさせていただきます。
 出 演 : 吉田文(オルガン)、平山素子(ダンサー)


(T.Y)

[ 音楽 ]

「第5回AACサウンドパフォーマンス道場」の作品企画案の公募が始まっていますが、これに関連して、6/12(日)14:00から、新旧の選考委員によるシンポジウムを行いました。
さらにその様子はUstream中継されました。

AAC道場.jpg 

実は愛知芸術文化センター主催の催しがUstream中継されたのは初めてなのでした。


シンポジウムでは、まず他には類を見ない特徴をもつ、この若手アーティスト育成プログラムの、開始からこれまでを振り返りながら、“道場”らしさを確認しました。

それは、書類選考で入選と決まったアーティストには、作品を上演するチャンスが与えられるのですが、上演までの間に、2回の「プレゼンテーション」などのブラッシュアップ・プログラムを受けていただくということ。
作品を磨き上げることを重要視していることが、このプロジェクトの大きな特徴です。

もう一つは、「音(サウンド)」と「パフォーマンス」の2つの条件を満たせば、どのような形でも応募可能であるということ。


このプロジェクトの立ち上げから第4回まで継続して選考委員を引き受けてくださった、佐近田展康さん、三輪眞弘さんが中心となり、記録映像も交えながらお話し、今回新しく選考委員を引き受けてくださった山本裕之さんは主に質問役として、いろいろと聞き出していただきました。

過去のいくつかの入賞作品の映像をみながら、さらに話を進めて、最後に、これからの道場に期待するものとして、入選者が企画案をブラッシュアップさせて作品を仕上げていくというプロセスを重視するという、道場らしいこの方法を継続しながらも、新しい選考委員に入れ替わったことにより、まずはこれまでにはなかった企画の応募があってほしい、ということで、シンポジウムが終了しました。


なお、シンポジウムの詳細は、Ustreamのアーカイブでいつでもご覧いただけます。
冒頭の数秒間が欠けてしまっています。どうぞご容赦ください。
↓↓↓
http://www.ustream.tv/recorded/15330089


作品企画案の募集は7/11(火)まで。多数の応募をお待ちしています!


(A.F)

[ 音楽 ]

第5回AACサウンドパフォーマンス道場プロジェクト 作品企画案公募開始!

「AACサウンドパフォーマンス道場プロジェクト」は、若手アーティスト育成支援事業として、2006年度から行っているプロジェクトです。

AAC道場-1.jpg

AAC道場-2.jpg(過去のAAC道場の様子です)


「音を核としたパフォーマンス(サウンドパフォーマンス)」の企画案を一般公募し、発展性のある優秀な作品を「入選」として書類選考のうえ、愛知県芸術劇場小ホールで上演するチャンスを与えるものです。
入選者には、制作補助金として賞金20万円が与えられるほか、上演までの間に、ブラッシュアップ・プログラムを受講していただき、選考委員・主催者も一丸となって「作品を磨き上げる」ことを重視するユニークなコンテストです。


今年は、これまでからの道場独自のスタイルや重視する点は継続しながら、選考員を一新し、これまで以上に多数多様な作品企画案を期待します。


新しい選考員は、

桜井圭介(音楽家、ダンス批評。吾妻橋ダンスクロッシング・オーガナイザー)

畠中実(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]主任学芸員)

山本裕之(作曲家、愛知県芸術大学音楽学部准教授)

藤井明子(愛知芸術文化センター愛知県文化情報センター主任学芸員)

です。


募集開始に合わせて、これまでのAACサウンドパフォーマンス道場の記録映像の上映会とミニシンポジウムを行います。
チャレンジを考えておられる方、まずは上映会&ミニシンポジウムを覗いてください!!


入場無料・定員30名/会場:地下2階アートプラザビデオルーム
 (スケジュール)
6/7(火)17:00- 第1回・第2回AACサウンドパフォーマンス道場記録映像

6/8(水)17:00- AACサウンドパフォーマンス道場特別公演第1部(2011/01/22開催)

6/9(木)17:00- 第3回AACサウンドパフォーマンス道場記録映像

6/10(金)16:30- AACサウンドパフォーマンス道場特別公演第2部(2011/01/22開催)

6/11(土)17:00- 第3回AACサウンドパフォーマンス道場記録映像

6/12(日)14:00- 「こんな作品を待つ!?AACサウンドパフォーマンス道場で期待するもの」
            出演:佐近田展康、三輪眞弘、山本裕之、藤井明子
            *新旧の選考委員によるミニ・シンポジウム

 

(A.F)

[ 音楽 ]

                                                                                                          (Photo : Riki Takahashi 4点とも)
加藤訓子1.jpg

3月11日、12日に小ホールで開催されるこの公演。楽器の主役はなんとドラム缶です。ソロ演奏者の加藤訓子さんは打楽器奏者。その名の通り、打楽器はいろいろなものを叩いて音を出すわけですが、今回使われるのはその多くが彼女自身の意向によりつくられた楽器です。ドラム缶には弦みたいな金属線が張ってあったり、鍵盤みたいなのが載っていたり、バネが揺れていたり、、、と見ているだけでも大変ユニーク。もちろん、ドラム缶からつくられる有名な楽器、スティールパンもあります。

加藤訓子2.jpg

加藤さんは、これらを、まるでダンスするように身体を動かして、演奏していきます。叩くバチも、木琴用のマレットのほか、金槌や木槌も登場。様々な音色を表現していきます。

過去の公演の映像はこちらでご覧いただけます。↓
http://www.youtube.com/watch?v=PTw8ak7Ng8g

最後は観客の方々にも参加してもらって、よく知られたアノ曲を演奏するということで、いったいどんなコンサートになるのか、楽しみです!

ぜひ多数ご来場ください!!詳細はこちら↓
http://www.kuniko-kato.net/sse/


3月11日(金)19:30-
3月12日(土)13:00-/18:00-
愛知県芸術劇場小ホール
【チケット】
一般前売 3,500円・一般当日4,000円、学生2,000円
ウェブ割:一般前売3,000円  ticket@kuniko-kato. net (表題:SSE 予約にてメール送信)
チケットぴあ tel. 0570.02.9999 (http://t.pia.jp 加藤訓子で検索)

*この公演に対して愛知県文化情報センターは協力しています。

(A.F.)
 

2月19日(土)開催のパフォーミング・アーツ・ガーデン2011の当日の出演順をお知らせします。


<小ホール>

<13:30― 第一部開演>
1 Geonori
2 Kino Kugel
3 Bonds
4 至学館A
5 石原+田中
6 precious jewel

約10分間休憩

<15:10頃― 第二部開演>
7 ヒフプロジェクト
8 至学館B
9 魂宮時
10 OPT
11 生き音

約10分間休憩

<16:50頃― 第三部開演>
12 鈴村由紀 杉町明子
13 太めパフォーマンス
14 はるみぶし&ひろ
15 water drops
16 afterimage

移動&休憩


<地下2階フォーラム>

<18:30頃― 第四部開演>
17 Geonori―タバマ企画


[19時過ぎ  終演予定]


(A.F.)
 

[ 音楽 ]

“音を用いた新しいパフォーマンス作品”=サウンドパフォーマンスによる、多様なアーティストが一堂に会する公演を行いました。

出演者はなんと15組!!第1部、第2部に分けての上演でしたが、休憩も含めて約6時間もの長丁場で、お客様からは「とってもおもしろかった!!全部聴いたら疲れたけど。」という率直なお声を多数いただきました。

以下、特色あるパフォーマンス&アーティストを中心に、全公演を報告します。なかでも、音楽とただの音、作品か即興か偶然かなど、境界線を問うてくる作品は、いかにもサウンドパフォーマンス道場らしい、と思います。


第1部より
holon.jpgholon(幻燈ダンス)+ 福島諭(サウンド)「影向-YÔGÔ-」
名古屋を拠点に活動を続けるメディア・ダンス・パフォーマンス・ユニットholon(ホロン)と、新潟と東京を中心に活動する作曲家・演奏家の福島諭のコラボレーション。holonは、この道場第1回で、唯一の選考委員特別賞とオーディエンス賞をダブル受賞しました。また福島さんはやはり第1回道場で優秀賞を受賞。彼らは、このサウンドパフォーマンス道場で初めて出会い、以来、時々共演を重ねています。holonによる、OHPを使った独特の流動的で美しい光と、影のダンス。それに重なり寄り添う福島さんの音の響き。重層的な時空間に身をゆだねた時間でした。

MYK!!.jpgMYK!! (マイク!!)『CLAY MUSIC』
 今回もっとも若い、名古屋芸術大学サウンドメディアコース2年生を中心とするグループ。舞台に向かって右手(上手)にミュージシャン、左手(下手)にクレイ(粘土)の操作者が位置し、クレイ(粘土)の風景が変わっていく様子を撮影・加工して投影、音楽も演奏を加工して掛け合わせ、人の手によってユートピア(理想郷)が作られ壊れていく様を表現したコラボレーション。初めての舞台に取り組んだという成果の発表でした。


ikedamoe.jpg池田萠『improvisation for flute solo』
 “クラシック音楽のフルートの独奏のように見せかけながら、すべてが全くの偽り”、という作品。とはいえ、現代音楽のフルート独奏でも、息音を含む奏法や楽器の音と同時に声を出す発声奏法、キーを叩く打楽器的奏法など楽器音以外が多々登場する今日、ましてノイズや息や声が主流のサウンドパフォーマンス道場では、「偽り」には聞こえづらかったかもしれません。



mizunomikako.jpg水野みか子 『H-aki』 (演奏:中川さと子 (ヴァイオリン)、水野みか子(コンピュータ))
 こちらは、完全なヴァイオリンの生演奏と、そこに絡み、加工するコンピュータの音の共演。客席を四方から囲むようにスピーカーを設置し、音が動いたり、音に囲まれたりするように聞こえる曲でした。即興で進行する作品が多い中で、きっちりと構成されたこの作品は完成度の高さを感じさせました。なお水野さんは第1回から4回まで選考委員を務めていただきました。








tokuhisa.jpg徳久ウィリアム(ヴォイス)+竜巻太郎(ドラム)「即興デュオ」
 照明を全く使わない中でのヴォイスとドラムの即興デュオ。徳久さんはヴォイスソロで、第3回オーディエンス賞を受賞しています。暗闇の中、舞台左手から聞こえるドラムと、歩き回るいろいろな声。時に一瞬フラッシュが光りますが、目くらましとなって、ますます視覚には何も映りません。演奏が終わり挨拶のため出演者が登場したのですが、ドラムの竜巻太郎さんはタツマキ星人だったそうで、全身銀色でした。舞台上には2つの小屋?のようなものが置かれていて、左手側にドラムが載っていたのでした。

itou.jpg井藤雄一『fmi』
 コンピュータの画面がプロジェクターで投影され、画面にペンライトで光を当てると、その軌跡が映し出されたり、色彩が移り変わる作品。音もそれにつれて変化してゆきます。その色彩は、まもなく愛知県美術館で展覧会が始まるカンディンスキーの絵のように美しかったです。




adati.jpg足立智美(voiceほか)+田中悠美子(義太夫三味線)「即興デュオ」
声・各種センサー・自作楽器によるソロ演奏などで活動するパフォーマー・作曲家の足立智美。足立さんは第3回および第4回選考委員を務めていただきました。5年前に、「現代音楽家シリーズ第12回 : クリス・マン+足立智美(2005.7.12)」で、レクチャー&パフォーマンスを開催していますので、それをご覧になった方もいらっしゃると思います。
共演者は、義太夫三味線を携えて伝統から即興まで演奏を行う田中悠美子。田中さんは、大友良英、カール・ストーンら多様なミュージシャンと共演したり、ドイツ人演出家の第一人者ハイナー・ゲッペルス『Hashirigaki』、アメリカ前衛人形劇の寵児バジル・ツイスト『Dogugaeshi』などに出演する、希有な義太夫三味線演奏家です。当センターでも、10年前に、「特集公演 若手邦楽家の挑戦(2000.2.29-3.1)」で、野村誠、片岡祐介と一緒に義太夫節に基づく曲をオリジナルアレンジして演奏していただいています。
百戦錬磨の二人の即興演奏は、多種多様な音を自由に操り、勝手にやってるようで、ちゃんと計算された起伏がありました。音の洪水に飲み込まれ、あっと言う間の時間でした。


第2部
kaburagi.jpg鏑木章裕(サウンド)+舞澤智子・下垣浩(パフォーマンス) 『metamorphosen-変容-』
第2部は、ダンスとサウンドのコラボレーションから。白い木々に囲まれた沼のようなところから、命あるものが生まれ巣立っていく様子が描かれました。





baba.jpg馬場省吾+北條知子 『コンピュータ同士の将棋対局における棋譜読み上げ』
当日パンフレットに記されたアーティストの言葉によると、“現代の「何でもアートになり得る」という状況に立ち向かうための一つの術”、であるという作品。タイトルどおり、将棋の棋譜の読み上げを、通常と速めの速度で行っただけのパフォーマンス。賛否両論、デュシャンの「泉」のような作品になるか、といったところでしょうか。



kakio.jpg垣尾優(動き)×高村聡子(歌) 『息の先』
こちらは、音を聴くことについて考えさせ、実際に耳を澄まして音を聴くことを促す作品。歌の高村さんが様々な音について話し、またプロジェクターで多様な音が文字として投影され、実際にいくつかの音を立てます。一方、垣尾さんは、動くことによって様々な音を立て、高村さんが作るプロットに変化を与えていきます。




kurosawa.jpg黒澤勇人 『携帯電話のための5分間』
お客さんが、配られた楽譜に従って携帯電話の着信音を鳴らす作品。少し空席があったためややまばらな印象でしたが、満席であればもっと現象としての作品の形がくっきりと表れたかもしれません。






electro.jpgElectro-Acoustic Operation 『T.V. show “R”』 
ブラウン管テレビが生み出す、アナログノイズの音と、人手(黒子)によって光源が積み上がり移動して生まれる空間。Electro-Acoustic Operation(エレクトロ・アコースティック・オペレーション)の名称で活動する平尾義之さんによると、ブラウン管テレビを捨てる前に1991年初演のこの作品を上演しておきたかったとのこと。機材やテクノロジーの変化がパフォーマンスを変えていくことを物語ると感じました。


yasuno.jpg安野太郎 『音楽映画 第十番』
安野さんが第2回オーディエンス賞受賞したのも、この彼の代表作「音楽映画」シリーズでした。第3番で、名古屋の様々な場所やモノを映し出し、その名前や状況や印象を読み上げていく声を加工して重ねていくという作品。今回の第10番は、「自分と記憶と欲望」がキーワードで、自分撮りを多用しているとのこと。映像と読み上げの選択が、安野さん独特のおおらかさとユーモアセンスがあり、今回も爆笑の連続でした。



folmant.jpgフォルマント兄弟『せんだいドドンパ節』(演奏:岡野勇仁(MIDIピアノ))、『NEO都々逸』(演奏:岡野勇仁(MIDIピアノ)+田中悠美子(義太夫三味線))
フォルマント兄弟は、サウンド・メディア・アーティストの佐近田展康と、作曲家の三輪眞弘によるユニット。佐近田さんも三輪さんも、道場第1回から第4回まで選考委員を務めていただきました。まずは、自分たちの活動の趣旨―テクノロジーと芸術の今日的問題を《声》を機軸探求し、21世紀の《歌》を機械に歌わせることを目指すーについて、自らが語るトークの映像を流してから、そのときに生まれた『せんだいドドンパ節』を上演。岡野勇仁がMIDIピアノを弾くと、出てくる音は、架空の人物、高音キンの《声》となって、『せんだいドドンパ節』を歌うという作品。2曲目の『NEO都々逸』は、第1部で足立智美さんと共演した田中悠美子さんがお師匠さんで、岡野勇仁さんにお稽古をつけるという趣向。田中師匠にたしなめられた岡野さんがMIDIピアノを弾いて答えるやりとりを織り交ぜながら、現代的な都々逸を、岡野さんがMIDIピアノを弾くことで綴りました。2曲とも、笑みのこぼれる作品でしたが、実は高度なテクノロジーと演奏技術によって成り立っているのでした。

ikedatakumi.jpg池田拓実『テーブルの音楽(Table Music)』
最後は、昨年度の第4回優秀賞を受賞した、池田拓実さんの『テーブルの音楽(Table Music)』改訂再演。テーブルの上に物を置いてその音を取り込み加工してゆくとともに、その様子を映像で映し出し、置かれた物はしばらくすると色で覆い隠されてゆくというパフォーマンス。テーブルの上に物を置くという簡単な行為の音と映像は、テーブルマジックのように、変化していく楽しさがありました。最後に技術トラブルがあり、シンプルになってしまったのが、残念ですが、やはり優秀賞を受賞し、再演を重ねた結果の高い完成度が印象的でした。


【関連情報】
今回のAACサウンドパフォーマンス道場特別公演に出演した方々が多数出られる催しが、東京で開催されます。
”AACサウンドパフォーマンス道場の東京ヴァージョン”という印象です。

東京近郊にお住まいの方で、道場公演においでになれなかった方、こうした催しにもぜひご参加くださいね!


クリエイディヴ・ファンタジスタ「ライブで感じるメディアアート」
http://fantasista.creativecluster.jp/2011/02/211-12-live-fantasita.html



(A.F.)

 

 新年のウィーンはウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで始まります。このコンサートでは毎年楽しいJ.シュトラウス父子のワルツ・ポルカなどが中心に演奏されますね。これからの寒い季節、ウィーンは舞踏会シーズンです。ウィンナ・オペレッタでもワルツや舞踏会が欠かせません。今回、ニューイヤーということで「ウィンナ・オペレッタ映像特集」を企画しました。どうぞお楽しみください。
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ニューイヤーコンサート会場(ウィーン・ムジークフェライン大ホール)

オペレッタとオペラ、ミュージカルはどう違うのでしょうか
 オペレッタは「喜歌劇」とも訳され、歌・芝居・踊りが三位一体となった音楽劇です。オペラは音楽中心で作られるのに対して、オペレッタはセリフが非常に多く、演劇的な要素が大きいのが特徴です。また、内容も演じ方も、オペラに比べよりリアルなのでわかりやすく、初めてみる方でも理屈抜きに楽しめるものばかりです。19世紀から20世紀前半までが全盛期で、この後、ミュージカルが取って代わります。ミュージカルはマイクを通じて歌い演じますが、オペレッタは基本的には伝統的なオペラ歌手と同じテクニックを用いて、「ナマ」の声で歌い演じるという違いがあります。

ウィンナ・オペレッタの魅力
 「ウィンナ・オペレッタ」には独特の魅力があります。美しく甘いメロディ、心躍るリズム、ウィンナワルツやチャールダッシュ,フレンチカンカンなどの楽しい踊りにあふれています。また、テーマのほとんどは「愛」。何種類もの愛が同時に進行します。あらゆる種類の愛が一杯あふれ、愛の百科事典とも言えるでしょう。観客は舞台の登場人物との一体を求めて、一喜一憂しながら、最後はハッピーエンドに終わるのです。見ればどんなに疲れていてもたちまちハッピーとなる不思議な魅力にあふれていますね。まさに夢の世界です。

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ウィルヘルム・ローズ『ホーフブルクの宮中舞踏会』、1900年   チャールダッシュ

 ウィンナ・オペレッタは、歴史的には終わったとされていますが、今でもウィーンでは生き生きと息づいています。その中心がオぺレッタの殿堂ウィーン・フォルクスオーパーです。世界トップレベルのウィーン・シュターツオーパー(小澤征爾が最近まで音楽監督を務めた)とは違い、より庶民的なオペレッタ劇場です。筆者も20数年前の来日公演で初めて接しましたが、その魅力にすっかりはまってしまいました。現地にも行きましたが、独特の雰囲気があり、劇場がウィーンの日常生活に溶け込んでいるという感じがしました。
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ウィーン・フォルクスオーパー

 今回は、ウィンナ・オペレッタの「黄金の時代」と呼ばれるJ.シュトラウス2世、「白銀の時代」と言われるレハールやカールマンの作品を中心にお楽しみいただきます。気品のあるJ.シュトラウスからハンガリー的な色彩が色濃く出たレハール、ミュージカルに近づいているカールマンまでウィンナ・オペレッタの変遷をたどることができるでしょう。

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J.シュトラウス2世(1825-1899)       フランツ・レハール(1870-1948)   エメリヒ・カールマン(1882-1953)

今回の上映会の見どころ
 今回の映像はユニテル制作の映画がほとんどを占めています。映画ですので、舞台上演では見られないような現地の農村の風景や宮廷の情景、豪華な衣装、大変豪華でリアルなセットが見どころです。演技も歌も踊りも上手な美男・美女が登場するのも楽しみですよ。
 入門向けの作品としては、「こうもり」「メリー・ウィドゥ」「チャールダッシュの女王」がお勧めです。「こうもり」では、伝説的な指揮者、カルロス・クライバーの華麗な指揮ぶりも楽しめます。クライバーも下積みではオペレッタを多く振り、オペレッタで指揮者デビューを果たしています。オットー・シェンク演出のこの映像はスタンダードとなっています。「メリー・ウィドゥ」はワルツが有名で誰でも知っています。美しいメロディと踊りにあふれています。ドイツ語版(オリジナル)とフランス語版の2種類お楽しみください。
オペレッタでは、原語にこだわらず、現地の国の言葉で演じ歌われることが多いです。
 「チャールダッシュの女王」はストーリーも面白く、最高傑作の一つです。むせび泣くかのようなヴァイオリン、もの憂いジプシーの響き、そして激しいダンスは大変魅力的です。モッフォ、コロといった人気キャストと素晴らしいアンサンブルも見どころです。
 オペレッタの魅力に目覚めた方には、「ウィーン気質」「ルクセンブルク伯爵」「マリッツァ伯爵夫人」などはいかがでしょうか。美しいメロディは口ずさみたくなってきます。また、日本ではめったに上演されない演目には「オペラ舞踏会」「ドルの女王」「サーカスの女王」などがあります。いずれも豪華な映像でとても楽しめるものばかりです。
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「こうもり」挿絵                                「ロシアの皇太子」挿絵

 今回の上映を見逃した方も、アートライブラリーで視聴できますのでぜひご覧ください。

(A.M)



 

[ 音楽 ]

221210ブログ用第3回.jpg“音を用いた新しいパフォーマンス作品”の企画案を公募し、発展性のある優秀な作品を選び、若いアーティストにその作品を愛知県芸術劇場小ホールで上演する機会を与える、「AACサウンドパフォーマンス道場プロジェクト」。愛知芸術文化センターでは、若手アーティスト応援プロジェクトとして、2006年から開催しています。


今年は、その特別公演を開催します。第1回(2006年)から第4回(2009年)AACサウンドパフォーマンス道場プロジェクトで入選・発表したアーティストや選考委員によるパフォーマンスに加えて、一般から公募した作品を、ノンセレクションで一気に上演する公演です。

このたび、一般公募もふくめ、出演者が決定しました。“音を用いた新しいパフォーマンス作品”というだけあって、他では見れない&聴けない、面白い舞台作品が満載です。地元のアーティストも多数。この機会にぜひご鑑賞ください! チケットは、12月15日より販売開始です。

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「AACサウンドパフォーマンス道場プロジェクト 特別公演」

2011年1月22日(土)
第1部      13:30-15:30
第2部      16:30-19:00
愛知芸術文化センター愛知県芸術劇場小ホール

チケット
一般  1部・2部 前売り 各2,000円(当日2,500円)
通し券 3,000円(前売りのみ)
小中学生 1部・2部 各500円(前売り・当日ともに)
全席自由
*チケット取り扱い:愛知芸術文化センターPG TEL052-972-0430、チケットぴあTEL0570-02-9999(Pコード126-272)、イープラス http://eplus.jp/
*通し券、小中学生券は愛知芸術文化センターPGのみで販売。

(A.F.)

 「パフォーミング・アーツ・ガーデン2011」

2011年2月19日(土)に、愛知芸術文化センター小ホール、公共スペースにて「パフォーミング・アーツ・ガーデン2011」を開催します。

この催しは、昨年度から始まった、身体表現によるショーイングイベントです。愛知芸術文化センターのいろいろなスペースを使い、中部地区で活躍するパフォーミング・アーツのアーティストが表現します!昨年のパフォーミング・アーツ・ガーデンではどの会場もお客さんでいっぱい!!パフォーミング・アーツの新たな幕開けを感じさせる一日でした。

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写真:昨年度のパフォーミング・アーツ・ガーデン風景

今年度は愛知県文化情報センターと、アートマネジメント講座受講生にてこの催しを企画・制作しています。
あいちトリエンナーレ2010も行われ、愛知県のパフォーミング・アーツは、各地で注目を浴びており、作品発表の絶好のチャンスです。応募締切が近くなっておりますが、まだまだ多数の参加者を募集中です。イベントを一緒に盛り上げて下さるパフォーマーをお待ちしております!

(アートマネジメント実践講座研修生Y.S)



「AACサウンドパフォーマンス道場特別公演」

2011年1月22日(土)に、小ホールで、「音を使ったパフォーマンス」=サウンドパフォーマンス の公演を開催しますが、こちらの催しでもただいま出演者募集中です。

「AACサウンドパフォーマンス道場プロジェクト」は、毎年開催している若手アーティスト育成支援事業。今年は、これまで道場プロジェクトに関わったサウンドパフォーマーたちに加えて、一般からも出演者6組程度を募集し、公演を開催します。日本を代表するサウンド・パフォーマーの足立智美やフォルマント兄弟と同じ公演に参加するチャンスです!

こちらは公演の日にちは1月ですが、応募締切は11月末。多数の応募をお待ちしています!


写真:第2回道場の出演作品


 

あいちトリエンナーレ2010もあと2週間です! これまでにも、アートマネジメント実践講座研修生が行われたパフォーマンスの様子を報告してくれましたが、ここでまた3つまとめて紹介します。


まことクラヴ『長者町繊維街の日常』(9/3,4開催)

今回のまことクラヴの作品タイトルは『長者町線維街の日常』。会場に選ばれたのは婦人服などの企画・製造・販売を行っている繊維総合商社・丹羽幸(株)の荷さばき場。「会社見学へようこそ」という開演前のアナウンスがあり、丹羽幸の社員もパフォーマンスに参加。まことクラヴのメンバーと社員が一緒になって、丹羽幸の社歌を合唱したり、商品やまことクラヴ部員(!)をダンボール箱に詰めたりと、その場と人とを存分に生かしたものになっていました。

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「日常と非日常」が一緒になった作品。でも、社員が段ボールに服を詰めていく作業の手慣れた手つきは、正しいフォームがあるかのような無駄のない綺麗な動きで、見慣れない私にとっては非日常的な一つのパフォーマンスに思えました。逆に想像ではありますが、まことクラヴの部員は、毎日のようにパフォーマンスを考えたり実行しています。一般的な日常というものはどういうものか、考えてみたくなりました。

(アートマネジメント実践講座研修生T.Y)



umeda1.jpg梅田宏明『Adapting for Distortion』『Haptic』(9/11,12開催)

海外で活躍している梅田宏明は、映像、音、照明、振り付け、ダンスをたったひとりでやってしまう。しかも今回の作品は日本初上演だ。舞台は途中、休憩を挟んで25分ずつの2作品の上演となっている。

『Adapting for Distortion』

静寂の中で暗転したかと思うと、小さな光のドットが一列になって増えていった。遠くから聞こえてくるような雨音がだんだん強くなってくると、白い衣装にスキンヘッドの梅田が静かに中央に立つ。音響は一変してリズミカルなデジタル音に変わり、光の直線やグリッド線の激しい変化で舞台が埋め尽くされていった。彼自身の身体も生きたスクリーンとなり、2次元世界の3D映像の中にいるような不思議な感覚に襲われた。

『Haptic』

黒い衣装をまとった彼の体が、多彩な色の中でうねりながら、まるで浮き上がっていくようだった。

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意外にも彼は、自分の表現にダンスは不必要かもしれないと考えているという。納屋橋会場では実験的インスタレーションも行っている。彼の舞台は、ドンドン進化していきそうだ。

(アートマネジメント実践講座研修生I.K)



コンタクト・ゴンゾ『non title』(9/18-20開催)

コンタクト・ゴンゾのパフォーマンスはかなり独特です。コンタクト・インプロビゼーションというメソッドのダンスを軸に、彼らは接触(コンタクト)行為を非常に激しいものへと変化させました。そのためパフォーマンスが「殴り合い」と称されています。
彼らは、気持ちの中で「押す」と「殴る」をイコールにすることで、アウトプットする表情がなくなるのだと語っています。もちろん信頼関係を築いた上での行為でありますが、痛みを感じる行為ゆえに、観客は時として目を背けてしまいます。

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今回の3日連続のパフォーマンスは、それぞれ、梅田哲也(アーティスト、9/18)・姫野さやか(ドラマー、9/20)とのコラボによるものと、彼らのみのパフォーマンスと毎回違う演出で楽しめました。「コンタクト」を単に彼らの身体の接触としてとらえるか、コラボしたアーティストや観客を含むすべての人の出会い(コンタクト)ととらえてみるのも面白いかもしれませんね。

(アートマネジメント実践講座研修生S.K)


 

日差しは水の底まで届いている。水面のすぐ上に、雲ひとつない空。青と青に挟まれた世界で行われる今回のパフォーマンス。太陽に照らされ熱々になったコンクリートのにおいは、私を懐かしい気分にさせてくれた。プールサイドに体操座りして、これから行われるパフォーマンスを待つ。
ハーメルンの笛吹きのように、一列でリコーダーをならしながら野村誠さんを筆頭に音楽隊が入場してきた。彼らが順番に「ドッボーン」とプールに飛び込むたびに、舞い上がる大きな水しぶき。「びしょびしょだ!」もう、これからどれだけ水をかぶろうと平気になった。全部で7曲演奏された『プールの音楽会』から、数曲報告する。
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『バタ足クインテット』
二人の指揮者がプールの端と端に分かれ、水中に譜面台を立てて、指揮をし、その間を音楽隊がバタ足で行ったり来たり。指揮にあわせながらのバタ足。その光景だけでも十分におもしろいのに、途中で入る演者のブレス(息継ぎ)が、「はーーーっ」と必死! それがおもしろくて、おもしろくて。かなりの体力と肺活量を要する水中での演奏。演出だったのか?本気だったのか?観客もみな声を出して笑っていた。
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『ウォーター・トガトン』
竹筒を持った12人が竹と竹を打ち鳴らしたり、竹筒を水中に落とし込みながらプールの隅々を駆け回る。「トプーン、トプーン」12人がそれぞれの場所で竹筒を上下することで生まれるハーモニーは美しく、繊細な音に耳をそばだてた。
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『ペットボトル・ドラミング』
水面が平原だったなら、ペットボトルはそこに放たれた羊のよう。それぞれ手にもったペットボトルを打ち鳴らす音楽隊は羊飼い。ペットボトルの羊たちは、さすがに「メェ、メェ」とは言わいけれど、それぞれが波に揺られ、水面をたゆたい、ぶつかったり離れたり、それぞれが意思を持って音楽を奏でているみたいだった。
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『バタフライとゴジラ』。
ゴジラというのは野村さんの泳ぎのこと。小さい頃、水泳があまり得意ではなかった野村さん。バタバタと、もがきながら泳いでいる姿を見て、友人たちにまるでゴジラが暴れているようだと笑われた経験があり、野村さんは、その「ゴジラ泳ぎ」を肯定したかったそう。それが出発点となり、「ゴジラ泳ぎ」は水から生まれる音楽の共演という今回のパフォーマンスになったよう。野村さんの鍵盤ハーモニカのソロは、さすがだなぁと思わせる貫禄があった。
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『ウォーターパーカッションオーケストラ』
音楽隊は水中をぐるぐると行進。先ほどしんと静まり返っていた水面が、一気ににぎわい出す。キャラバンが浮き沈みするたびに、リコーダーも水中を浮き沈み。「ピーピー」「ぴょろぴょろ?」。リコーダーを水の中でならすとこんなにおもしろい音がするんだ!小さい時は、リコーダーを水の中でならすなんて、絶対叱られそうな気がしてできなかったのにな。そのせいか、なんだかこの音、とってもイタズラ心をくすぐられる。
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「楽しむ心」というのは、いつまでたっても失わないものなのかも知れない。
(アートマネジメント実践講座研修生 M.F)

堀川1.jpg少し遅くなりましたが、3月7日(日)、「あいちアートの森」堀川プロジェクトの展覧会の最終日に行われた、2つのパフォーマンスを報告します。

 

しとしと冷たい雨の降るなか、1つめのパフォーマンスは、伊藤家蔵で行われた、コマツアイ(ダンス)&山田亮(音楽)による「退屈なハナシ」。当初、庭と蔵の2シーンに分けて行う予定でしたが、雨のため、どちらも蔵の中の、展示会場での公演となりました。かなり狭い会場のため入場制限を行いましたが、窮屈ながらご来場いただいた方には全員鑑賞していただくことができてほっとしています。


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1つめのシーンは、展示されている、平林薫さんの映像インスタレーションとのコラボレーションを考えた作品で、音も、もともと平林さんの映像インスタレーションで使われている音をボリュームを上げ、そこに少しだけ別の音を加えていました。

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ダンサーのコマツさんが映像のなかに静かに伏した状態からはじまり、静かながら強靭でしなやかな動きが印象的でした。

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2つめのシーンは、山田亮の鍵盤ハーモニカの音からはじまりました。後半、音楽家の山田さんが動きを作ったり、ダンサーのコマツさんが笛を吹いたり、互いに浸食し合いながら、コミカルさも交えたパフォーマンスでした。

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堀川6.jpgそして、もう一つのパフォーマンスは、ほとりすなごや納屋橋で行った、太田一也(チェロ)with鈴村由紀(ダンス)。

こちらは、500円でのケーキセット付きのお席と、無料の立ち見がありましたが、満席!

ステージと観客の隔たり無く、間近でチェロの独奏を聞いた後、ダンスとのコラボレーションが展開されました。


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音階を行ったり来たりするような短調なチェロの音に合わせて、ダンスは時に激しく、時にゆっくりと即興で踊ります。最後、ダンサーが会場の外に出て窓の外を歩きながら踊りだすと、今度はチェロが激しく歌ってパフォーマンスは終了しました。
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「あいちアートの森」でのまちなかパフォーマンスは終了しましたが、今年は8月から10月にかけて「あいちトリエンナーレ2010」を開催します。その時にもこうしたまちなかでのパフォーマンスが行われます。どうぞご期待下さい!

(A.F.)

瀧田家2.jpg   2月28日(日)より、常滑市 廻船問屋瀧田家にて、
あいちアートの森パフォーマンスイベントが行なわれます。
廻船問屋瀧田家は江戸時代そのままの建物と風情がそのまま復元されたような建物。
150年前の雰囲気を味わえます。
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まずは、午後1時より、世界中から注目を受ける《ハイパー筝奏者》として名高い八木美知依さん。
現代音楽、ジャズ、さらにはJ-POPなどなど、様々なジャンルの音楽を、
独創的かつ繊細な演奏で、見事に八木美知依ワールドに染め上げていきます。
優しく、激しく、美しく、時に狂気的にする変貌するその音色・・・。
まだ八木さんの演奏を聴いた事のない方は、この機会に是非聴いてみてください。
きっと新しい音楽の世界が待っています。

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次に午後4時半からはCAKRA DANCE COMPANY。
ストリートの最上級<混沌>を根底に、前衛的な表現を繰り広げるダンスカンパニーです。
今年はバリで行なわれる世界芸術祭にも出演が決定しており、
中部地区のみならず、全国的、世界的にも注目を集めています。
そのダンスは、ストリート、コンテンポラリーなどというジャンルを越えた唯一無二のもので、
今回は、<アンドロイドスタイル>というチャクラオリジナルテクニックを駆使した作品になるとの事で、
非常に楽しみです!

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アートの森ロゴ.jpgしかも、なんと両公演とも観覧無料!
美術展示も行なわれており、絶対楽しめる内容になっていますので、
お誘いあわせの上、お越しください。

(Y.U)

アートの森ロゴ.jpg 2月11日(祝)冷たい雨の降るなか、円頓寺商店街で、まことクラブのパフォーマンスが行われました。
 商店街を愛好するまことクラブが、“円頓寺商店街の魅力を紹介してまわるツアー”という仕立てで、商店街のあちこちを巡り歩きます。

 ツアーコンダクターは、まことクラブ部長の遠田誠さん。旗をもってみんなを先導します。

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 最初に訪れたのはたばこ屋さん。ちょっとした文具も売っています。ガラス越しに見ているのは、パフォーマー扮するちょっと変わった店主。最後に外に現れました。

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 続いて年代物の看板を掲げた酒屋さん。説明中に、杯を手にしたヤクザなパフォーマーがふらりと通り過ぎてゆきます。

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 メガネ屋「美光」の店先からは、視力検査のTシャツを着た(でも手に持つのはぺろぺろキャンディとしゃもじ?)パフォーマーが出てきてダンスを踊り、

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 洋食の「はねエビ」の前では、ホッピングに乗ってハネ回るパフォーマーが現れ、

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 「ブティックイトウ」のショーウィンドウ越しに、値札のついたワンピースを試着し陶酔して踊るダンサーを眺めて、、

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 というように、それぞれの店のご協力を得て、パフォーマンスが繰り広げられます。

 今はもう少なくなったけど、商店街にはまだいそうな流しのおじさん。インタビューした後、1曲弾いてもらい、

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 その唄にあわせて踊る3人娘。

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 文具の宮田商店では、まことクラブが作った「円頓寺商店街の唄」が踊り付きで披露されました。

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 もう閉店してしまった水谷靴店のシャッターを開けると、

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 靴のインスタレーションの間から、輝く光と地を揺らすような低音のディジュリドゥーと太鼓の音が!


 長く整列してダンスが繰り広げられた後、最後は、観客の間をぬって、ダンサーが水谷靴店のなかで所狭しと踊りまくりました。

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 これにてツアー終了。元気の出る楽しいパフォーマンスでした!

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                                                                                     (写真:すべて加藤 光)

 堀川プロジェクトでは、最終日、3月7日(日)にもパフォーマンスが開催されます。狭い会場なので、入場制限があります。時間など詳細はウェブサイトで確認してくださいね。

(A.F.)

 

アートの森ロゴ.jpg 明日、2月11日(祝)は、13時からと15時から、堀川プロジェクト・円頓寺商店街で、まことクラブのパフォーマンスがあります。今日はその準備が行なわれました。
 メイン会場の一つとなる「水谷靴店」。今はもうお店はやっていませんが、明日だけは、靴がいっぱい吊るされている!?一番右の腕にピンクの腕章をつけているのが、まことクラブ部長の遠田誠さんです。

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 明日はこんな音楽の演奏もあるのかも!?

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 明日の13時と15時は同じパフォーマンスで、それぞれ約30分程度を予定していますで、ご都合の良いほうにぜひおいでください!

 集合は、円頓寺商店街の中央付近にある「金比羅神社」(下記左)です。皆様お待ちしています!

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 なお、まことクラブのメンバーのうち3人が、2月12日(金)19時からのトリエンナーレスクールにゲストとして出てくださいます。こちらもお待ちしています。


 そして、今日はもう一つ、堀川プロジェクト最後の3月7日(日)16時30分から「ほとりすなごや納屋橋」での、太田一也さん(チェロ)と鈴村由紀さん(ダンス)のパフォーマンスの打ち合わせもありました。

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 初対面のお二人でしたが、話がトントンと進んで、こちらも大変面白い公演になりそうです。

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「ほとりすなごや納屋橋」はカフェなので、このパフォーマンスだけは、500円で着席してケーキセット付(先着80名、定数を超えたら立見で無料)となります。どうぞご期待ください
 
(A.F.)

[ 音楽 ]

アートの森ロゴ.jpg   1月30日(土)午後2時から、広小路・朝日神社の境内で、鬼頭哲ブラスバンドの演奏が行われました。
 鬼頭哲ブラスバンドは、名古屋を拠点に、今年で結成10周年を迎える総勢30人弱の大所帯バンド。今回は、25名ほどの出演者が、栄の喧噪にも寒さにもまけず、大音量で吹きまくり、大声で歌いまくりました!天気もよく、比較的暖かな日で、見上げると神社の境内の木々の間から澄み切った青空が広がる、このブラスバンドにもってこいのシチュエーションでした。

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 鬼頭ブラスバンドの醍醐味は、なんと言っても演奏するのはすべて鬼頭哲作曲のオリジナル曲ということ。そして、なんとも楽しそうに演奏するところ。静かに聞かせるところでは音楽に愛があふれている感じ、ノってきたらパワー炸裂!

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 100名以上集まったお客さんは、一緒にリズムを取って楽しみました。予定の40分の演奏終了後、拍手鳴りやまず、1曲のアンコール曲を披露。名残惜しまれる演奏でした。

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                                                           (写真:すべて猪熊康夫)

 愛知県内6カ所の会場で、現代美術の展覧会とダンスや音楽の公演を開催し、アートとの出会いをつくる催し「あいちアートの森―アートが開くあいちの未来」 。そのうち、1月24日に東栄町プロジェクトが、1月31日には広小路プロジェクトが終了しましたが、堀川プロジェクトは現在開催中。残る3カ所の会場はこれから始まります。引き続きご期待ください!

(A.F.)


 
 

アートの森ロゴ.jpg 1月26日に、栄SMBCパークにて岡登志子さん、中村恩恵さん、垣尾優さんのダンスと、
内橋和久さんの音楽による即興セッションの公演が行われました。

 次の日に行う神戸公演と同じメンバーの公演なのに名古屋の公演は観覧無料!!
嬉しすぎます
満席になり、立ち見の方もいっぱいになりました

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 開演定刻になり、開演前アナウンスのあと、
音楽の内橋さんがおもむろに楽器の方へと歩いていきます。
そして、柔らかなサウンドがダキソフォンから響きだすと、
窓の外では垣尾さんが踊りだし、そこに中村恩恵さんのダンスが加わります。
窓越しに見えるお二人のダンスは、都会の雑踏と相反しながらも溶け込んでいきます。
街を行く人々は、その光景に思わず足を止めざるを得ないようです。

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 会場内に岡登志子さんが現れソロダンスが始まります。
次に中村さんも室内舞台に移動しソロが始まります。

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さらにお二人のデュオ。

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さらに垣尾さんの踊りも加わります。
振り付けされたわけではなく、即興でバラバラな動きのはずなのに、
震え、もがき、もだえながらも、耽美に...複雑に絡まり、渾然一体になる三人。

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 身体の[存在]は[無]へと向かっていきます。

 会場に響き渡る内橋さんの不思議なサウンドはループしながら、
壊れ、再構築されていきながら展開していきます。
「無」から「構築」され「破壊」し、また「再構築」されていく音は、
全てが即興の空間にストーリーを紡いでいくようです。
 内橋さんのギターと、世界に数台しか無いといわれるダキソフォンが相まって、
音の異次元空間、音のカオスに引きずり込まれます。
風の音、虫や鳥の鳴き声、水のような自然界の音、笑い声、弦楽合奏、破壊的なノイズにも聞こえ、
既存の楽器の枠組みを完全に越えています!

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 最後は三人のダンサー、音楽がそれぞれの[静寂]の中へ・・・
約45分の道程は[無の地点]にたどり着いたようです。
 [無]の余韻の後大きな拍手が巻き起こりました。

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 公演が終わった後、内橋さんの周りに人だかりが!
内橋さんのお話を聞いてみたい、楽器を見てみたいという方に囲まれていました。
思ったよりもシンプルな機材と、ダキソフォンの不思議な造形に驚きました。
 内橋さんの非常に興味深いお話も伺え、素晴らしい公演は幕を閉じました。

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 あいちアートの森では美術展示だけではなく、パフォーマンスイベントも数多く用意されています。
しかもほとんどが無料で観覧できます。
ぜひホームページやチラシをご確認のうえ、素晴らしい芸術体験を気軽に楽しんでください

(Y.U.)

アートの森ロゴ.jpg12月から、愛知県内6ヶ所で始まった、現代美術展&パフォーマンス・プロジェクト「あいちアートの森」。
6カ所のうち、現在開催中なのが、広小路・東栄町・堀川プロジェクトです。皆様、もう現代美術展の展示はご覧くださいましたか?美術館や画廊のようなホワイトキューブではない展示会場で、それぞれ、建物の特徴を生かしての展示など、大変おもしろいので、ぜひお出かけくださいね

さて、パフォーマンスも見所・聴き所満載に開催します。

まずは、1月26日(火)19時から、SMBCパーク栄にて開催する、「ダンス&ミュージック即興セッション「即興45min. 無の地点」。
これは、出演者が、3名の優れたダンサー、岡登志子・中村恩恵・垣尾優が、ミュージシャン内橋和久と行う即興セッションです。あまり広くない会場なので、どんな風に踊るのか、とても気になるところです。
神戸や東京で行う、同じ公演はもちろん有料なのに、名古屋では無料でご覧いただけます。この機会をぜひお見逃し無く!!
SMBCパーク栄は、かつてロボットミュージアムのあったところで、三越名古屋栄店の北側です。

1.26SMBCパーク.jpg


そして、もう1つは、1月30日(土)14時から、朝日神社にて、鬼頭哲ブラスバンドのコンサート。
名古屋を拠点に、オリジナル曲ばかりを演奏する元気なブラスバンドです。代表の鬼頭哲は、バリトンサックスの演奏者として国内外で活躍、「渋さ知らズ」や「東京中低域」といったグループのレギュラーメンバーとしても知られています。今回のブラスバンド・コンサートでは、25名以上が集合、栄の喧噪に負けない大音量で、寒さも吹き飛ばしてくれることでしょう。
こちらももちろん無料。朝日神社は丸善の北西側、中警察署栄交番の隣。約30分の公演は、屋外での立ち見となりますので、暖かくしてお出かけください!!

1.30 朝日神社.jpg



堀川プロジェクト(2010年1月5日―3月7日)の情報は、
美術館ブログでもご覧いただけます
 『まちあるき×アート』『テニスクラブ×アート』


(A.F.)

 

長者町チラシ.jpg 10月31日に行われた長者町パフォーミング街をご紹介します。
来年行われる『あいちトリエンナーレ2010』のプレイベントとして、
トリエンナーレ会場の一つである<名古屋市 長者町地区>の様々な場所を舞台にし、
ダンサーやミュージシャンが、同時多発的にパフォーマンスを繰り広げました!






長者町1.jpgトップバッターは「めんどルズ×THE PONDORS」
モリリン(株)の荷受所という繊維街独特な雰囲気の中で、
まずはTHE PONDORSがオリジナル楽曲を披露。

観客の皆さんも、段々と世界感に溶け込んできた頃、
めんどルズがそれに合わせて踊りだします。

レトロな雰囲気とダンスが調和し、不思議で楽しい空間です。
 



同時に、オープンしたての画廊STANDING PINE cubeにて、
「鈴村由紀」らが、太鼓や、声に合わせて、即興ダンスで魅せます。

男性顔負けの激しさは観客の皆さんも感心していました。
 

 


次は「魂宮時(タクジ)」。

ストリート出身ながらも、優しさや繊細さを兼ね備えた耽美なダンサー。

豊島ビル公開空地を舞台に、音も使わず、舞台装置も使わず、
まさにダンスのみで観客の心をつかんで離さないといったところです。







長者町4.jpg舞台をモリリン(株)荷受場に戻し、「afterimage(アフターイマージュ)」の公演です。

この男性だけのダンスカンパニーは、面白さ、いわゆるお笑い的要素も散りばめながら、
「キモチイイダンス」を提供し、お客さんは笑いながら、
afterimageワールドにはまっていました。
 




長者町2.jpg再び画廊STANDING PINE cubeでは、「コマツアイ」が生ギターと、
詩の朗読に合わせて、切なく優しいダンスを踊っていました。

寂しさの中に温かさを感じる作品が印象的でした。
 





そんな中、長者町の路上では謎の白塗り男「二足歩行クララ」が出現!

音の鳴る小さな車イスを曳きながら、あの名作のあのシーンをオマージュしたり、
アコーディオンとセッションしたりと、街をゆく人たちは不思議な踊りに驚きながらも、段々とその周りには人だかりが溢れていきました。
 


ゑびすビルパート?屋上では「CAKRA DANCE COMPANY」の公演がありました。
彼ら「CAKRA DANCE COMPANY」は現役のストリートダンサーでありながら、
前衛的な作品を提供し続けている舞踊団。
最初は人形のように微動だにしないダンサーが、観客の拍手をきっかけに踊りだすのですが、なぜか彼らが動く度に体から機械音がし、いくつかのビルに潜んでいた10人くらいのダンサーが徐々に掛け合いながら、群舞になり終わるという、時空の狂ったような、近未来的な作品に拍手が止まりませんでした。
 

場所は戻って豊島ビル 公開空地。

「田中三奈代」は布を使ったり、三味線とコラボレーションしたり、
さらには、お客さんを巻き込んでと、楽しいダンスをこれでもかというくらい魅せてくれます!



 






長者町3.jpgしかもその会場には、あのパフォーマンス・インスタレーション集団「クロノズ」が!

存在するだけでも異質な雰囲気が漂ってます。
 

 





最後は、東京からのゲスト「東野祥子×カジワラトシオ」
お二人とも世界からも注目を浴びるパフォーマーだけあって、
会場のモリリン?荷受場は、音、照明、演出、そしてダンス・・・
全てが今までとは全く違う雰囲気に!

エレベータ、トラック、蛍光灯など、その場にある【モノ】も、
即興で【舞台効果】に変えてしまうそのセンスは、さすが一流の表現者!と感服してしまいました。

その退廃的な狂気をも含んだような耽美な舞台に、観客の皆さんも心を奪われたように
見入っていました。
 



全ての演目が終わった後、出演者の皆さんで即興セッションが行われました。

ミュージシャンとダンサーが渾然一体となり、不思議で楽しい雰囲気で、
【長者町パフォーミング街(どおり)】は締めくくられました。
 




『レトロ×コンテンポラリー』というコンセプトのもと、
[懐古]的な長者町に、[同時代]性のパフォーマンスはぴったりマッチしていました。
あいちトリエンナーレ2010に向けて、長者町や、ダンスの魅力を再発見することができました!

(文中の呼称は敬称略です)

(Y.U.)
 

長者町リハーサル.jpg 先日このブログでも紹介した、「あいちトリエンナーレ2010」プレイベント「長者町プロジェクト2009」。すでに現代美術作品の展覧会は始まっていますが、1日だけのパフォーマンス・イベント「長者町パフォーミング街」が今週土曜日開催です! 

 すでに、現地でのリハーサルが進んでいますが、その1つ、ギャラリーでのパフォーマンスを紹介します。会場となるのは、ゑびすビルPART2の3階に新しくオープンしたギャラリー、スタンディングパインキューブです。現在ここでは、「田口健太展 “はじまり”」が開催されていますが、10/31にはこの場所で、ふたつのパフォーマンスを行います。

 リハーサルを行ったのは、「コマツアイ(ダンス)×Rolling由里子(朗読)×山田亮(音楽)」のコラボレーション。写真と絵画が融合した作品に囲まれた空間のなかで、緊張感にあふれた、言葉と音と動きによる時間を紡ぎます。

 このパフォーマンス、会場が狭いため、30人の入場制限がありますが、2回公演を行います。

 もう一つ、鈴村由紀、杉町明子のダンスと依田拓、松井アミの音楽によるコラボもあり。
 ほかの会場も含めて、当日は全部で9つのパフォーマンスが展開。加えてサプライズもあり!

 ということで、ぶらぶら街歩きをかねて、ぜひぜひご来場ください!!入場無料です。 


(A.F)

[ 音楽 ]

 10月10日(土)15:30-19:30、愛知県芸術劇場小ホールにて、第4回AACサウンドパフォーマンス道場本公演を開催します。
 
 このブログでも、何度もお伝えしてきた、AACサウンドパフォーマンス道場。7月の書類選考で入選となった4組のアーティストの作品が、「アーティストのための舞台技術セミナー(8/21)」「プレゼンテーション1(8/22)」、「プレゼンテーション2」という“ブラッシュアップ・プログラム”を経て、とうとう完成し、舞台で上演されます。
 今日の午前中、小ホールではまず全体に関わる舞台作りが行われました。今回は舞台を広く、客席の方に張り出して使います。客席は、一部取り払い、階段状に組み直しました。
 午後からは、各アーティストごとにリハーサルを行います。

本番直前!.jpg


トランスフォルミスト.jpg groove transformiste-INTER-DISCIPLINE;INTO-MUSIC-【グルーヴ・トランスフォルミスト―インター・ディシプリン;イントゥ・ミュージック―】 。
西洋の芸術音楽の書法を踏まえた作曲音楽を主軸に、プログラミングされた電子音響、音と関係/無関係の間を揺れる映像と身体パフォーマンスにより、21世紀初頭現在の超領域的なパフォーマンス作品を目指します。ピアノ2台、オーボエ、サックス、チェロ、ヴィヴラフォン、銅鑼、電子音響、映像、ダンスと盛りだくさんのパフォーマンス。
 

池田.jpg 池田拓実『テーブルの音楽(Table Music)』。
テーブル上に物を置いたり並べ替えたりする行為を映像で映しますが、置かれた物はちょうどそれが隠れる大きさの四角ですぐに覆われ見えなくなります。置いた時に出た音は録音され、加工され、合成され、どんどん変わります。物の位置、大きさ、色によって音色等が確定・変化。物と関わる行為そのものが、音になるパフォーマンス。



クラフトワイフ.jpg
 Craftwife【クラフトワイフ】『クラフトワイフのコンサート』。
音響合成プログラム言語SupreColliderで自作したソフトウェアを、iPhone片手にコントロールします。幕に映し出された大きな映像と、リアルな身体。メディアと知覚をテーマに「作ることーcraft」の精神を尊重したパフォーマンス。




クーデターズ.jpg coup d'etats【クーデターズ】『Frictional noise』。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)からインスピレーションを得たキャラクターによる、身体感覚を重要視した、音・映像・描画が融合した即興のノイズ・アクションペインティング。白い紙に大きく描かれた曼荼羅もしくは植物を思わせる絵画状の電気回路の上で、描いたり、刀を突き立てたりすることでノイズを発します。




ほかに、昨年、第3回AACサウンドパフォーマンス道場の優秀賞受賞者による、改訂再演もあります。

OO【オゥオゥ】  「object/process」
「音楽のライブ空間におけるリアリティー」というコンセプトに基づく作品。作品は、声楽のレッスンという形のようですが、その実態は・・・!?

鈴木悦久 「Adagio for Disklavier  自動演奏ピアノのためのアダージオ」
自動演奏ピアノと演奏者による、共演作品。
今回の曲では、鍵盤を使ったパズルを解いていくそうです。はたしてどんな曲になるのでしょうか?!

入場料は1,000円。若いアーティストたちの新しい作品にぜひ出会いに来てください!ご来場お待ちしています。

 
(A.F)

長者町.jpg 来年2010年8月21日から10月31日まで「あいちトリエンナーレ2010」が開催されることを、皆様はご存じでしょうか?テーマは「都市の祝祭 Arts and Cities」。愛知芸術文化センターでの現代美術展と、舞台芸術やオペラの公演。そして名古屋市美術館での現代美術展に加えて、まちの中にもアートが広がっていこうとしています。そこで注目されているのが、愛知芸術文化センターと名古屋市美術館の両会場からも歩いてすぐの長者町地区です。


 来年の開催に向けて、今年はプレイベントとして「長者町プロジェクト2009」が行われます。現代美術作品の展示がメインのプロジェクトですが、そのなかで1日だけ、パフォーマンス・イベント「長者町パフォーミング街」を開催します! 

 会場となるのは、普段は繊維卸会社として操業しているビルの荷受場だったり、公開空地だったり、ビルの屋上だったり。劇場とは全く異なる、まさに「まちなか」でのパフォーマンスが展開します。

 9月25日(金)と28日(月)には、メイン会場となる、モリリン株式会社名古屋支店の荷受場で、舞台監督や出演者のダンサーや音楽家が下見を行いました。


長者町会場見学中.jpg


 劇場じゃない、という条件を逆手にとって、もともとそこに置かれている幌付きトラックや、ローラー付きの荷台を使った演出案が飛び出し、私たちスタッフもびっくり!まだ何ができるか、どんな風にできるか、手探り状態ですが、これからどんどん詰めていきます。


長者町打合せ中.jpg
                                 (↑左から、舞台監督さん、ミュージシャンのカジワラトシオさん、
                                  ダンサーの東野祥子さん)

 「長者町プロジェクト2009」は、10月10日(土)から11月15日(日)まで。そしてパフォーマンス・イベントの「長者町パフォーミング街」は10月31日(土)13:00から15:30に開催します。これが来年のトリエンナーレにつながっていきます。 入場無料。お楽しみに!! 

(A.F.)

[ 音楽 ]

 9月10日(木)18:00-21:00、AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション2を行いました。

AAC道場プレゼン風景.jpg AACサウンドパフォーマンス道場は、愛知県が行っている若手アーティスト育成プログラムの1つで、7月の書類選考で入選となった4組のアーティストに、小ホールで作品上演の機会をつくり、その費用を負担します。加えて、このプロジェクトの特徴は、本公演に向けて、「アーティストのための舞台技術セミナー(8/21)」「プレゼンテーション1(8/22)」、そして今回の「プレゼンテーション2」という“ブラッシュアップ・プログラム”を経ていくことで、作品をより完成されたものへと作り込んでいくこと。(それぞれの様子はすでにブログにアップしてきましたので、ぜひあわせてお読みくださいね) 
 今回のプレゼンテーション2の会場は、本公演(10/10)と同じ、愛知県芸術劇場小ホールです。そのため、催しは、テスト上演とそれに対する選考員のコメントという形になりました。 


 本公演に至るまでにプレゼンテーションを重ねて、余分な部分をそぎ落としたり、構成を変更したり、別の演出を付け加えたりするところは、文章の推敲に似ているかもしれませんたとえばダンス公演の場合、止め通し稽古や通し稽古などのリハーサルで演出家や振付家がパフォーマーや舞台技術にダメ出しし、次の稽古のときには修正がなされ、本番に向けて急ピッチで創り込んで行きます。こうした作業を行えば行うほど、作品が締まって、完成度が上がります。 しかし、音楽を中心とした公演では、その時間や機会がなかなか持てないのが実情で、若いアーティストにはこうした経験のない人も多いと思います。道場では、作品創り自体に時間をかけ、そうした経験も積んでもらいたいと思っています。
 今回、プレゼンテーション2では、すべてのアーティストの上演がプレゼンテーション1から飛躍的に形となって現れてきました!そして限られた時間の中で舞台監督や音響、照明スタッフとも打ち合わせが進みました


AAC道場入選者プレゼンリハ風景.jpg
 最初は、Craftwife【クラフトワイフ】による 『Craftwife』。幕に映し出された大きな映像と、リアルな身体。プレゼンテーション1の時に指摘された「奥行き感」という課題を、紗幕の向こう側にパフォーマーがたたずむシーンから始まることで、みごとにクリアーしていました。ミニスカートをはいたパフォーマーが高い台に乗って体を揺らしてリズムを取りながらiPhoneを操作するテクノポップサウンドは、これまでのAACサウンドパフォーマンス道場には登場しなかったポップなパフォーマンス。その裏に、コピー/リアルやwifeという立場の問題が見え隠れしています。

craftwifeプレゼン2_1.jpg
 2組目は、coup d'etats【クーデターズ】による 『Frictional noise』。舞台上の白い紙に大きく描かれた曼荼羅もしくは植物を思わせるイラストは、鉛筆で描かれているため、パフォーマーの足や手は動きを重ねるたびに黒く泥がついたように汚れていきます。荒々しい息づかいの音と、一方でゆっくりとスローモーションのように動く映像は、とても迫力があり、イラストの上で、パフォーマーがひきずるたくさんのケーブルは、まるで血管のように、あるいは虫がうごめいた軌跡のように見えました。今回は衣装なしでしたが、本公演では白の衣装を用いるとのこと。パフォーマンス、映像のスイッチング、音のそれぞれの構成がこれからどうなっていくのか、楽しみです。

coup d'etatsプレゼン2_1.jpg
 そして、groove transformiste-INTER-DISCIPLINE;INTO-MUSIC-【グルーヴ・トランスフォルミスト―インター・ディシプリン;イントゥ・ミュージック―】 。今回なんと8名もの出演者、スタッフが(その多くが東京から)参加しました。本公演ではさらに2名増え、合計10名の大所帯のグループになる予定です。今回は、ピアノ2台、オーボエ、打楽器に電子音響が加えられ、音は非常に表情豊か。強い緊張感があります。さらに映像、ダンサー2名も加わり、作品の全体像が見えてきました。今後は、この豊饒な要素がどのように整理されるのか、期待が高まります。

groove transformisteプレゼン2_1.jpg

 最後は、池田拓実による『テーブルの音楽(Table Music)』。テーブル上に物を置いたり並べ替えたりする行為を映像で映しますが、置かれたものはちょうどそれが隠れる大きさの四角ですぐに覆われて見えなくなってしまいます。置いた時に出た音は録音され、加工され、合成され、どんどん変わります。プレゼンテーション1では机の上で行われるパフォーマーの手元と後ろに映された映像の両方を見比べることもできましたが、小ホールのように空間が広がると、もうパフォーマーの手元にはなかなか目が行きません。空間バランスと、物を置く手順や構成が、作品の仕上がりに大きく関わってくることは間違いないようです。
池田プレゼン2_1.jpg
 いかがですか?おもしろそう!と感じた作品はありましたか?一言で「サウンドパフォーマンス―音を用いたパフォーマンス」と言っても、その表現は本当に様々です。それが現代の音楽を取り巻くアートの一つの姿であり、このサウンドパフォーマンス道場のおもしろさの一つでもあります。
 10月10日の本公演では、観客の投票によって「オーディエンス賞」を決定します。ぜひ皆さんも気に入った作品に1票を投じてください。そして、選考委員が公開審査によって決定する優秀賞とのちがい、共通点も探してみてください。入場料は1,000円です。ただいま前売り券発売中!実は今回客席はかなり限られます。ぜひお早めにお買い求めください!!ご来場お待ちしています
 

[ 音楽 ]

 8月22日(土)16:30-21:00、AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション1が行われました。会場は、新栄にある、カフェ・パルル。書類選考で入選となった4組のアーティスト自身が、直接自分の作品について説明し、作品の一部をデモンストレーションしました。飲み物片手に、長時間、入選者のプレゼンテーションに聞き入り、意見を交わしました。
第1回プレゼンのはじまりです.jpg


 最初は、Craftwife【クラフトワイフ】による 『Craftwife』。名前から推測されるように、このグループは、ドイツのテクノポップ・グループ、「Kraftwerkクラフトワーク」を意識したグループで、iPhoneを片手に演奏します。もちろんコピーバンドではありません。wife(妻)なのです。どこまでがコピーでどこからがオリジナルなのか。wife?女性としてのパフォーマンスとは?そのあたりを考えさせる/あるいは全く考えさせないほど楽しいパフォーマンスになりそうです。Craftwife.jpg


 2組目は、coup d'etats【クーデターズ】による 『Frictional noise』。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)からインスピレーションを得たキャラクターに扮し、曼荼羅のように描かれたイラストの上で、ノイズ・アクションペインティングを行います。鉛筆の芯に含まれる黒鉛が電気を通すことから、そこから描画を音に変換。日本刀(金属)を、小道具兼音を発する楽器(?)として用いる、ガスマスクに取り付けた小型カメラでパフォーマーの手元を映像に写し、ガスマスクに仕込んだマイクでパフォーマーの喘ぎをリアルに伝えるなど、視覚的にも聴覚的にも、ものすごくユニークでインパクトの強いパフォーマンスのようです。
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 そして、非常に長い名前のグループ、groove transformiste-INTER-DISCIPLINE;INTO-MUSIC-【グルーヴ・トランスフォルミスト―インター・ディシプリン;イントゥ・ミュージック―】 。東京芸術大学大学院などに在学中のメンバーによるこのグループは、生楽器による作曲された音楽の演奏に、電子音響を融合させ、さらに映像と身体パフォーマンスなどを加えて、21世紀初頭現在の超領域的なパフォーマンス作品を目指しています。4企画のなかで、最も、いわゆる「現代音楽」っぽい作品ですが、プレゼンテーションでは、断片しか紹介されず、次回どうなるかが期待されます。
groove transformiste-INTER-DISCIPLINE;INTO-MUSIC-.jpg

 最後は、池田拓実さんによる『テーブルの音楽(Table Music)』。テーブルを真上から監視するカメラとテーブル付近の音を拾うマイク用いて、テーブル上に物を置いたり並べ替えたりする行為から加工音や合成音を発するパフォーマンス。作品名から、18世紀ドイツの作曲家テレマンの有名な作品集「食卓の音楽(ターフェルムジーク)」を思い出す人もいらっしゃるかもしれません。しかし、宮廷の宴席で好んで演奏された室内楽という「ターフェルムジーク」とは全く違った、現代的な音によるパフォーマンスになりそうでした。
池田拓実.jpg


 これらの作品は、第2回のプレゼンテーションの時には、またさらなる発展した姿へと進んでゆきます。ぜひその過程を見に来てください!プレゼンテーションはすべて無料です!!

(A.F)

[ 音楽 ]

 8/21(金)17:00-20:00 「アーティストのための舞台技術セミナー」を開催しました。このセミナーの目的は、アーティストや舞台機構に興味を持つ一般の人に、愛知県芸術劇場小ホールの機能や舞台技術の基礎知識を具体的に伝えることです。音楽やダンスや演劇などに関わるアーティストや企画者、主催者が、こうした知識を得ることで、作品の創作や公演を行うのに役立ててもらおうという意図がありました。
舞台技術セミナー.jpg
毎年1回、今年で4回目の開催ですが、年々受講者が増えています。内容は少しずつ改善を加えています。今年は73名の方が受講されました。

 
 まず、小ホールの舞台機構を動かし、舞台やバトンを実際に昇降させてみました。
舞台やバトンを昇降させてみました.jpg


 そして、舞台についての基礎知識のお話。たとえば、長さの単位はメートル法ではありません。なんと、尺間法なのです。講師の横にあるのは、平台というよく使われる台で、様々な大きさがありますが、この台はサブロクと呼ばれます。なぜなら長さが3尺×6尺、つまり約90センチ×約180センチ、畳1枚の大きさです。このように、日本の劇場の場合、かつての芝居小屋からの伝統と、西洋の劇場の歴史を受け継ぐ装置や言葉、そして、現代のコンピュータ制御によるテクノロジーが合体しているのです!! 
舞台についての基礎知識を説明しています.jpg


 また小ホールは客席を様々な形に設けることが出来ます。そこで今回受講者の方には客席の設置を少し体験していただきました。
客席設置を体験.jpg


 舞台の次は、照明。光が3原色で出来ており、赤・緑・青を重ねると白い光になることを実演(写真1)。同じ人物に当てても光の当たる方向によって影の出来方が異なり、ずいぶん見え方やイメージが違うことや(写真2)、フィルターを用いて様々な形の光をつくり出せることも、実演しました(写真3)。さらに照明を吊り込むキャットウォークに、ヘルメットと安全帯をつけて上がってみました(写真4)。照明.jpg


 最後は、音響について。多種類のマイクについての解説や、小ホールの色々な場所に設置されたスピーカーから音を出してみての聞こえ方の違いなどを体験していただきました。
音響について.jpg


講師:高橋誠、福井孝子、大坂正晴(愛知県舞台運営事業協同組合)

(A.F)

[ 音楽 ]

 8月22日(土)、AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション1が行われます。先日の書類選考で入選となった4組の作品案。実は、選考の基準は、作品の完成度、ではなく、どれだけ発展性があるか、プランをいいものに実現させられるだけの力があるか、でした。なので、入選作品案はこれからどんどんと変わっていきます。このプログラムのおもしろさの一つは、作品が創られる過程を垣間見ることにあります。


 プレゼンテーションでは、まず、若いアーティスト自身に、直接自分の作品について説明してもらいます。作品の一部をデモンストレーション的に上演していただく場合もあります。どうやって作品を創っているのか。何を表現したいと考えているのか。ぜひ直接聞いて、会場にいらしたお客様もどしどし質問してください!「観客の視点」。それはとても大事なことなのに、往々にして抜け落ちることが多いです。自分(たち)の表現したいことと観客の視点の交差点をどこに見つけられるか、それは一つのポイントでしょう。


第1回道場のプレゼン1の様子1.jpg
(第1回道場のプレゼン1の様子。作品の一部をデモンストレーションしています。)


 そして、先輩アーティストである選考委員がするどい質問を投げかけていきます。「こうした方がいい」とは言いません。「どうしたい?」「なぜそうしようと考えているのか?」「この点を考えてみたか?」入選者自身がどう発展させていくべきか、答えを見つけていくようにアドバイスしたり、課題を整理したりしてゆきます。


第1回道場のプレゼン1の様子2.jpg


 選考委員や観客からの質問に答えます。異なる視点からの意見は作品を再考するきっかけになります。

 そうして第2回のプレゼンテーションの時には、またさらなる発展した姿の作品へと進んでゆきます。ぜひその過程を見に来てください!プレゼンテーションはすべて無料です!!

(A.F) 

現在、書類選考中!

2009年07月24日

6/1から7/10まで公募された、第4回AACサウンドパフォーマンス道場の作品企画案。本日、選考委員会が開催されて、ただいま選考会議中です!!

選考中.jpg

 応募者のプレゼンテーション資料はあらかじめ各委員に送付されてあり、会議では、まず一人ひとりの応募者のプレゼンテーション資料と、資料映像や資料音を丹念に見て、つき合わせながら、この応募者のコンセプト、今回やりたいこと、今回の作品の一番ポイント、などを確認しながら、それぞれの委員が意見を述べていきます。プレゼンテーション資料ではわかりにくかった表現の細かなやり方も、ビデオをみて、ああこうやってるんだ、ということを言い合いながら、まずは応募者がどんなサウンドパフォーマンスをやりたいか、やろうとしているのかを確認します。

 そのあとで、各委員が入選と思う作品案をあげてゆき、徐々に4案に絞り込みます。毎年、レベルが高く、とても4案に絞り込むのに時間がかかります。それぞれの委員が、なぜその作品案を入選としたいのか、どちらを入選にしたほうがいいのか、徹底的に議論します。

議論中.jpg

 今年も、かなりレベルが高く、僅差で入選と落選が決まりそうです。結果は、7月31日、ウェブサイト上で発表します。

お楽しみに!

(A.F)
 

[ 音楽 ]

「AACサウンドパフォーマンス道場」は、作品の企画案を公募し、優秀な作品を書類選考、入選作品を小ホールで上演してもらうプロジェクトです。単に優劣を決めるのではなく、制作費の補助やブラッシュアップ・プログラムなど、若いアーティストを応援し、作品を磨き上げることを重視するユニークなコンペティションです。
(*AACはAichi Arts Center(愛知芸術文化センター)を意味します。)
AACプレゼン.jpg
 ↑ブラッシュアッププログラムでのプレゼンテーション1

今年で第4回を迎えるこのプロジェクト。募集する作品は、「サウンドパフォーマンス」です。そもそも「サウンドパフォーマンス」って一体なに?と思われるかもしれません。
サウンドパフォーマンス ―音を使ったパフォーミング・アート― は、古くて新しいアートです。音楽やダンスは人類の歴史と重なる長い歴史をもち、一方で近年はメディア・テクノロジーを融合させた新しい可能性が無限に広がっています。そこで、あえて条件を「音が作品の重要な要素であること」と「舞台に人間の身体そのものが登場するパフォーマンスであること」の2点とし、それを満たせばどんな形でもOKとしています。

例えば、第1回に入賞した、山口崇洋「音響書道 ― Sound Calligraphy」。筆や紙にセンサーを取り付け、「書」を書く時の音が響く作品です。紙に墨が垂れる音、筆が紙に乗ったときの音、筆使い、パフォーマーが動く音などが、加工されて劇場内に響きわたりました。
山口崇洋.jpg


第2回にオーディエンス賞を受賞した、安野太郎「音楽映画第三番(名古屋) 世界は律動でできている」は、舞台いっぱいに名古屋の様々な場所の風景を次々に映し出し、パフォーマーが目に入ったものの名前や状況を読み上げます。早口で繰り返したり、時にはゆーっくりと語るなど、言葉だけなのにリズム感があり、さらには前に読み上げた声がオーバーラップして、とても複雑な音の層ができあがりました。
安野太郎.jpg



そして第3回で優秀賞を受賞した鈴木悦久「自動演奏ピアノのための組曲 ― Chromatic scale variation ― 」。音はピアノだけで、音階などシンプルな曲ですが、演奏するのはピアニストとピアノ自身。ピアノとパフォーマーが、お互い弾き比べたり聞き合ったり、様子をうかがいながら演奏します。実は、ピアノとピアニストはあるゲームで勝負をしているという作品でした。
鈴木悦久.jpg


いかがですか?今までどこにもなかった、新しい体験をさせてくれるような、独創的で挑戦的な現代のサウンドパフォーマンス作品を期待しているのです。今年の第4回ではどんな企画案が集まってくるのでしょうか?
ただいま6月から募集を開始するために、静かに準備を進めています。詳細は、愛知芸術文化センターのウェブサイトに掲載します。皆様、どうぞご期待ください!

(A.F)

2009年、本年も愛知芸術文化センターをご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます<( _ _ )>

さて今年最初の話題は、少しだけ前にさかのぼります。
毎年秋、小ホール恒例となっている振付家の岡登志子さん率いるアンサンブル・ゾネのダンス公演が2008年11月27日に開催されました。今年度の公演では、音楽家の高瀬アキさんが音楽監督として加わられています。

AAC55.jpg岡さんと高瀬さんは、2007年11月6日に大リハーサル室で開催されたイベントーク(注★)で共演し、即興デュオを繰り広げた間柄。それはまさに真剣勝負の即興パフォーマンスでした。


←(当時の内容は、愛知芸術文化センター広報誌 『AAC』 55号から、ごらんいただけます)
 



そもそもお二人の関係は、岡さんが高瀬さんの演奏に一目ぼれしたところから始まったとのことですが、そこからすでにいくつかの新しいパフォーマンスが生まれています。舞台芸術はまさに人間の芸術、だからの人と人とのつながりから生まれるもの。劇場は、その場を創り出すもの。そのことをあらためて感じて感じる公演でした。
岡×高瀬即興デュオ.jpg
 ↑「イベントーク 岡登志子&高瀬アキ 即興デュオ」より (撮影:Osamu Awane)
 

高瀬さん.jpgところで、高瀬さんは、彼女のパートナーである名ピアニストのアレキサンダー・フォン・シュリッペンバッハさんとの双頭バンド、ヨーロッパのスタープレイヤーたちを集めたベルリン・コンテンポラリー・ジャズ・オーケストラ(BCJO)でも活動をされています。

今回の公演では、オリジナル曲の作曲やダンスとの即興のほか、BCJOの幻のCDの演奏など、音楽ファンでも納得の多様な音楽を堪能することができました。


  ← 「イベントーク 岡登志子&高瀬アキ 即興デュオ」より 
(撮影:Osamu Awane)



 

 



岡さん.jpgそして、音楽に触発された今回のダンスはというと、以前にもましてさらに飛躍的な進化をみせてくれました。

高瀬さん評するところの「ひたむきな力強い意思と、深い精神性をもつ美しい一瞬を舞うことの出来る舞踊家(当日のパンフレットより)」である岡さんですが、生演奏の上にさらに今回は14名ものダンサーが出演することによって、いつもの作品にダンサーのパワーと多様性が加わって、重層的な世界が出現していました。

そう、まさに化学反応ですね、これこそコラボレーションならではの跳躍力だと思います。


  アンサンブル・ゾネ ダンス公演 「Still Moving」 より→
  (撮影:Naoshi Hatori)    

アンサンブル・ゾネ.jpg
 ↑アンサンブル・ゾネ ダンス公演 「Still Moving」 より(撮影:Naoshi Hatori)

 さてさて、次はどんな出会いと進化を目撃できるのでしょうか。その貴重な機会に遭遇できるのは、たまたま公演に立ち会った「あなただけ」の特権。是非劇場に足を運んで、お気に入りのパフォーマンスを見つけてくださいね。

岡さん、高瀬さん.jpg
 ↑「Still Moving」 公演終了後の岡登志子さん&高瀬アキさん、劇場のホワイエにて

(注★)イベントークとは?=====
愛知芸術文化センターの開館以来、「身体」をテーマに公演とトークを組み合わせて開催してきた企画です。ジャンルを横断するようなコラボレーションや、ジャンルにカテゴライズできないような身体表現の新たな局面を切り開くパフォーマンスを中心に紹介しています。

(E.K)

名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会にお邪魔しました。常任指揮者のティエリー・フィッシャーによって<ツァラトゥストラシリーズ>と題された今年のシーズン、第7回目のテーマは「舞踏の歌」です。
踊りと音楽の発祥はほぼ同時だったのではないかと言われるほど、踊りと音楽の関係は切り離すことができません。踊りには音楽が不可欠なのです。にもかかわらず、これからのクリスマス・シーズンに日本中で上演される『くるみ割り人形』などで有名なチャイコフスキーの三大バレエをはじめ、バレエのために書かれた優れた音楽は沢山ありますが、経費的な理由などでテープ演奏が主流な現在、実際にオーケストラ演奏で上演される機会が少なくてとても残念!ですから有名な音楽からめったに演奏されない音楽まで、充実したラインナップでのこのようなコンサートはとても魅力的です
 

大友さんトーク風景.jpg振り返れば1999年5月、ストラヴィンスキーの『春の祭典』を、名フィルさんと一緒にコンテンポラリーダンスで上演するという新しい試みを行いました。実はこの作品が、バレエのために書かれた音楽であるという歴史的な事実に反して、『春の祭典』が日本で上演される場合、そのほとんどがコンサート形式のものだったのです。(1913年、バレエ・リュスの新作バレエとして、伝説のダンサー、ニジンスキーの振付で上演。この音楽の成功が、ストラヴィンスキーのその後の評価を決定的なものにしたんです。)
当時は、『春の祭典』誕生の当時の生き生きとした世界を体現してみたい、という気持ちで、名フィルさんを中心とした100名を越す音楽家たちと共に舞台を創り上げました。そのときの指揮者が、今回のコンサートと同じ大友直人さんです。


←『春の祭典』出演者によるアフタートークでの大友さん。
(撮影:南部辰雄)

亡き高円宮殿下からのご紹介だったのですが、そのときには大友さんはダンスとの共演、さらに名フィルさんでの指揮は初めてと話しておられました。その後、東京文化会館の音楽監督として、ダンスカンパニー、H・アール・カオスと東京交響楽団による『ボレロ』の企画をされるなど、ぐっとダンスとの距離が身近になられたよう。そして「舞踏の歌」をテーマにした名フィルさんでの演奏会。なんか色々なご縁が、見えない糸で繋がっているようで嬉しいです。

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↑1999年 オーケストラとダンスによるH・アール・カオスの『春の祭典』より(撮影:南部辰雄)
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↑オーケストラ演奏でのダンス公演は、迫力が違います。(撮影:南部辰雄)
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↑公演と関連して、『春の祭典』初演時の舞台衣装やデザイン画、ピナ・バウシュやモーリス・ベジャール等様々な振付家のバージョンによる『春の祭典』の写真などの展示も行いました。

今回のコンサートは、「剣の舞」で有名なハチャトゥリアンのバレエ『ガイーヌ』、ショスタコーヴィッチの『バレエ組曲』、ルーセルのバレエ『バッカスとアリアーヌ』、ラヴェルの『ボレロ』そして同じくラヴェルの歌曲集『シェエラザード』が演奏されました。特に、『シェエラザード』では、フランスから一時帰国をされたソプラノ歌手の浜田理恵さんが素晴らしい独唱を聞かせてくれました。オーケストラの演奏とコンサートホールに響きわたる歌声、中央で指揮をする大友さんの立ち姿が、踊っているようでしなやかでとても美しかったです。
「また一緒に面白い企画をしたいね」と有難いお言葉をいただきました。

大友さん.jpg
↑コンサート直前の大友直人さん、楽屋にて。

(E.K)

いよいよ本番の日。多くのお客様にご来場いただき会場はとても賑やかでした。

リハーサル中のアルディッティSQ.jpg
↑リハーサル中のアルディッティ弦楽四重奏団

アルデッティSQはとてもかわいらしいお人柄で楽屋でもいつもニコニコされていて、スタッフにもジョークを言ったりして場を楽しい雰囲気にしてくれました。
公演中ホールに広がった笑い声で彼らの人柄も伝わったのだと思いました。
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↑こちらもリハーサル中の風景。素敵な笑顔のアーヴィン・アルディッティさん。カメラを向けるとお茶目な表情で近づいてきてくれました

前半はアルデッティSQによる現代音楽の演奏でした。3曲目の「弦楽四重奏曲第4番(ヌルシンハ)」の作曲者、西村さんもご来場されていました。あまり現代音楽に慣れていない私は最初はその響きと音量に驚きましたが、次第に鼓動のような不思議な響きに引きつけられていきました。
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↑「弦楽四重奏曲第4番(ヌルシンハ)」演奏中のアルディッティ弦楽四重奏団
西村さんとアルディッティSQ.jpg
↑写真中央が作曲家、西村 朗さん。関西からかけつけて下さいました。


後半はダンサーの白井さんも加わったコラボレーション作品です。白井 剛さん.jpg

白井さんのダンスはしなやかで自由。空間すべてと優しく戯れているようでした。

右手に風船、左手に紙飛行機.jpg
↑白井さんのリハーサル風景。右手には風船。左手には紙飛行機を持っています。
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↑上の写真の風船と紙飛行機は、白井さんに導かれながら舞うように浮かびます。
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↑アルディッティ弦楽四重奏団と白井さん。時には離れて・・・
演奏に寄り添うように.jpg
アルディッティSQに囲まれて.jpg
↑時にはお互い寄り添うように。

またこのような会場が一体となるような公演が行われたら素敵だなと思いました。

終演のあいさつ.jpg

(記事:サポートスタッフ S.T、 撮影(リハーサル風景以外):サポートスタッフ 加藤 光)

「続きを読む」で、公演終了後の写真が見られます♪

コンサートホールに入ると真っ先に目に入るのが大きなパイプオルガンです。このパイプオルガンは開館からずっとホールでの公演を見守っています。今回の公演は様々な公演を観てきたオルガンもさぞかし驚くでしょう
パイプオルガンの前で倒立!.jpg

↑パイプオルガンの前で倒立!不思議な光景です


舞台に広がる映像・照明が作り出す幻想的な空間は普段のコンサートホールとは全く違う雰囲気です。明日はこの空間にアルデッティSQの演奏と白井さんのパフォーマンスが加わりさらに厚みのある空間に変貌すると思うと今から期待が高まります。
照明が不思議な空間をつくります.jpg柔らかな光に照らされて.jpg
↑照明の効果により、普段とは違う顔に見えるコンサートホールの舞台

また、公演で使われるキラキラした風船の色がパイプオルガンのシルバーと統一感があって素敵ですね。ぷかぷかと浮かぶ風船とずっしりと構えるパイプオルガンの対比も面白そうです。
独特の雰囲気を持つパイプオルガン.jpg
↑宙に浮いているのが銀色の風船。中に入っているのはヘリウムガスです。

コンサートホールすべてをつつみこみ、どんな公演が行なわれるのかますます楽しみになりました。
(サポートスタッフ S.T)

いよいよ公演まであと1週間!チケットをお持ちの方は楽しみにお待ちいただいていることでしょう。
ところで、
「世界最高の現代音楽カルテット“アルディッティ弦楽四重奏団”と日本のコンテンポラリーダンス界の旗手“白井 剛”との夢のコラボレーション公演」
といわれても、音楽に詳しくもない私たち一般市民には、どんなものかわからなくて敷居が高いですよね?
「良いか悪いか判断がつかないものに出かけていって、時間を無駄にしたくなーい!」というあなたのために、公演の一部をYouTubeの中に動画でご用意しました♪
ご自分の目と耳でじっくりお確かめください。
 

(Y.M)


 

 

12月3日にコンサートホールで開催される「アルディッティ弦楽四重奏団×白井剛」公演の大きな見所ひとつは、ケージの音楽によるダンスと音楽のコラボレーションですが、話題はコラボレーションだけではありません。
アルディッティ弦楽四重奏団(SQ)は、現代音楽を演奏したら右に出るものはいないというほど、高度な演奏テクニックをもった世界的なカルテットです。しかも愛知初公演となります。

コンサートの第1部では、イギリスの現代音楽家・J.クラークによる「弦楽四重奏曲(2002–03)」と、B.ファーニホウによる「ドゥム・トランシセット1–4」が日本で初めて披露されます。
また日本を代表する作曲家の西村朗による「弦楽四重奏曲第4番(ヌルシンハ)」が演奏されます。
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 ↑作曲家 西村朗さん。すてきな笑顔でインタビューに答えてくださいました

実は西村さんとアルディッティSQは、1988年以来の長いお付き合い。西村さん最初の弦楽四重奏曲《ヘテロフォニー》の改訂曲をアルディッティが演奏したのがきっかけです。92年には、初めてアルディッティのために、弦楽四重奏曲2番目となる《光の波》(Pulse of the light)を創作しました。このときにリーダーのアーヴィン・アルディッティは、「とにかくすっごく難しいアンサンブルの曲を書いて欲しい」と、リクエストしたとのこと。そこで腕を振るった西村さん。楽譜をみたアーヴィンは、「こんな難しいのを書きやがって」と言ったとか。でも彼らは奇跡をもいえる素晴らしい演奏を見せてくれたそうです。

西村さんによると、「弦楽はカンタービレ(歌うように、の意)の世界。だからリズム教育を重視していない日本のカルテットには、緻密なアンサンブル曲の演奏は難しく」、特にインドネシアのケチャの影響を受けたリズムが重要な西村さんの音楽は、打楽器的なリズムコントロールができる弦楽奏者にしか演奏ができない、ということでした。西村さんの弦楽曲を演奏できるほぼ唯一のカルテットといえるのでしょう。
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 ↑熱く語る西村さん

97年にはルーアン(仏)の現代音楽祭「ノルマンディの10月」の委嘱により、三番目のカルテット《エイヴィアン(鳥)》(Avian)、そして、2007年に東京オペラシティの「同時代音楽フェスティバル コンポージアム2007」において初演された四番目のカルテット《ヌルシンハ》を生み出しました。中でも今回の《ヌルシンハ》は、アルディッティSQの卓越した表現力をいかすべく書かれたストーリー性のある音楽です。そして今現在、世界中でアルディッティSQしか演奏できない音楽。その演奏が今から気になりますね。

次々に新しい曲に挑戦し、年間に数十曲に亘るレパートリーを生み出しているというアルディッティSQへの作曲家の信頼は厚く、西村さんもそのおひとりです。
アルディッティSQへの西村さんの賛辞は、
「アーティスティックなのに電気的で複雑な倍音コントロールができる」
「作曲家の意図以上に、曲を読み込んで演奏する」
と、絶対的な信頼をおかれています。
アルディッティSQは、現代の音楽界の進歩のためにいまや欠くことのできない存在なのです。
アルディッティがチェロを演奏する様子を再現.jpg
 ↑アルディッティがチェロを演奏する様子を再現してくれる西村さん
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 ↑アルディッティのヴァイオリンの弾き方を再現


ところで、難曲というと、音楽そのものが難しいかのような心持ちになってきますが、それは、演奏するのが難しく、高度なテクニックと表現力を必要とするということ。聴いている側は、演奏される音楽を聴くと同時に、高度な演奏を行う演奏家のすばやい動きや、演奏家どうしのやりとり、白熱したボディ・トークを愉しんでいただきたいと思います。
「綿密に計算されたアンサンブルは、4人多重構造のシンフォニックに挑むようなもの」、とは西村さん。
4人の演奏がひとつになって初めて完成するアンサンブルのスリリングな迫力を、是非間近で体験してください。


(E.K)

プレシアター・メニュー付きチケットは、販売を終了いたしました。ありがとうございました。

12/3 「アルディッティ弦楽四重奏団×白井 剛」のチケット購入をご検討中の方にお得な情報です♪

愛知芸術文化センターの10、11階にこの夏オープンした、
カリフォルニア料理レストラン『ウルフギャングパック レストラン&カフェ』でのランチと、
「アルディッティ弦楽四重奏団×白井 剛」のS席がセットになった、
プレシアター・メニュー(食事)付きチケット(3,500円)が11/5(水)より販売されます!

今回、特別にご用意させていただくプレシアター・メニューは、
ボリュームも十分にあるアメリカン・スタイルで、デザートも付いた1,500円相当のメニューです。
お食事を楽しんでいただいた後に、ゆったりと公演を観ることができます。

ちなみに「プレシアター・メニュー」とは、劇場に出かける人のための、
特別メニューのことをいいます。
かなりお値打ちに、きちんと食事を取ることができるメニューとなっています。
特にイギリスやアメリカの劇場近辺のレストランで見かけることが多いようですが、
最近は、日本でもこの「プレシアター・メニュー」を取り入れるレストランも増えてきたとのこと。
この機会に、ぜひどうぞ!

このチケットは、ウルフギャング・パックでのみの販売となります。 
メニューなど、詳細はウルフギャング・パック 052-957-5755 までお問い合わせください。

↓レストランの詳細はこちら(ウルフギャング・パックHP)
www.wp-japan.jp/shop/cafe_aichi.html

↓「ぐるなび」ウルフギャング・パックのページ
http://r.gnavi.co.jp/n062420/

 

 

「アルディッティ弦楽四重奏団×白井剛 『アパートメントハウス1776』」公演に関して、
白井剛さんのインタビューが「チャコット ウェブ マガジン『DANCE CUBE』」に掲載されています。
『アパートメントハウス1776』は、今回で3回目の再演とのこと。
以前の舞台を振り返りつつ、今回のツアーの見どころなどを語っていらっしゃいます。
愛知芸術文化センターでは12月3日(水)に上演されます。
インタビューを読むと、当日の公演が待ちどおしくなります。

↓白井剛インタビュー(チャコット ウェブ マガジン『DANCE CUBE』)
http://www.chacott-jp.com/magazine/interview-report/interview/int0811c.html 

こちらにも、9月に開催されたワークショップ終了後のインタビュー記事が載っています
↓白井剛インタビュー(『Arts&Theater→Literacy』)
http://blog.so-net.ne.jp/arts_and_theater_literacy/2008-10-29#more

「アルディッティ弦楽四重奏×白井剛」コラボレーション公演は、
第1部がアルディッティ弦楽四重奏による演奏、
第2部がカルテットと白井さんによる音楽とダンスのコラボレーションという構成。
そのため、ダンスが登場する舞台としては珍しくコンサートホールで上演されます。

そこで、映像をどこに投影するか、舞台をどのように使用するか、などなど、
演出・ダンスの白井剛さんとスタッフさんたちによる、打ち合わせが行われました。
スタッフ打ち合わせ.jpg舞台監督さんと打合せ.jpg
↑舞台監督さん、映像スタッフさんと入念な打合せ。空間を生かすための色々なアイディアが飛び交います。技術スタッフさんに演出の希望を伝える白井さん.jpg
 ↑技術スタッフさんに演出の希望を伝える白井さん
技術スタッフさん舞台上に図面を広げて打ち合わせ.jpg
 ↑技術スタッフさん、舞台に図面を広げて打合せ

舞台の演出では、照明や映像などを効果的に活かすため、
通常ブラックボックスと呼ばれる黒い箱型の劇場を使用することが多いのですが、
今回の会場は、天然木で囲まれた明るいコンサートホール。

映写の位置を確認する白井さん.jpg
 ↑映写の位置を確認する白井さん
コンサートホール全体を確認する白井さん.jpg
 ↑コンサートホール全体を確認する白井さんの後姿

白いドレープに見立てた装飾が施された天井、見た目も美しいパイプオルガン、
これらを活かすために、あえて人工的な大道具を持ち込まずに、
コンサートホールそのものの美しさをそのまま感じてもらえるようなシンプルな演出にすることになりました。

客席から舞台を眺める白井さん.jpg
 ↑客席から舞台を眺める白井さん

さて、どんな舞台空間が出現するのでしょうか?!12月3日をお楽しみに!!
  
(E.K)

[ 音楽 ]

10月4日(土)、愛知県芸術劇場小ホール、AACサウンドパフォーマンス道場の公演。
完成された作品を発表する公演ではなく、ブラッシュアップの完成形を模索しながらのある種、特別な「一度きりの公演」に向け、出演者は2日の朝一から舞台上の仕込み、リハーサルが独特の緊張感の中進められてゆきました。
進行状況は、愛知県文化情報センターサポートスタッフや、舞台技術スタッフ(舞台、照明、音響)の手厚いご協力もあり、順調に進んでいました。しかし、この順調さがある結果を暗示していたのかもしれません・・・

舞台裏.jpg
↑ 舞台袖にある影アナマイクやモニター、インカム。ここで舞台監督が指示を出します。今は休憩中。
 

 15:30、予定通り開演。
 

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↑ 中上淳二 「lightimagefourdance」(ライトイメージフォーダンス)
10月1日のブログにある3m×3mの巨大な箱の正体は、人が入ってのパフォーマンスだったんですね!

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↑ 00 (オゥオゥ)   「object」(オブジェクト)

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↑ 鈴木悦久    「自動演奏ピアノのための組曲 ?Chromatic scale variation?」

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↑ 徳久ウィリアム 「VOIZ」(ヴォイズ)
 
ここまでが今年の入選作品です。それぞれの見ごたえのある作品に仕上がっていました!
この後は、昨年の受賞者の再上演がありました。

[b] Laptop orchestra 「Mirroring」.jpg
↑ 第2回AACサウンドパフォーマンス道場優秀賞受賞者 再上演
  [b] Laptop orchestra(ビー・ラップトップ・オーケストラ) 「Mirroring」(ミラーリング)
 

公演後、選考委員の皆様による公開審査で「優秀賞」を選びます。しかし、意見が2作品に分かれました。
ステージ上の私も想定してはいましたが、事はうまく運びません(汗)。

長い討論の末、オーディエンス賞とは別の意味で、観客の皆様に選考委員の意見を聞いた上で納得する方に挙手していただくことに。挙げられた手を数えてみると・・・同じ数。もう一度数えてみても同じ数!全くの同率ということで、優秀賞を2作品選びました!
高いレヴェルで均衡していた4作品。どれが賞を受賞してもおかしくない作品内容で、出演者の皆さんも「とても満足した」とのことでした。

☆『優秀賞』☆
00 (オゥオゥ)   「object」(オブジェクト)
鈴木悦久    「自動演奏ピアノのための組曲 ?Chromatic scale variation?」

☆『オーディエンス賞』☆
徳久ウィリアム 「VOIZ」(ヴォイズ)

(N.S/撮影:加藤 光)

「ジャズ・ピアノ6連弾」と題したコンサート終了後の山下さんです。ホッと一息のところ、楽屋にお邪魔しました!
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 ↑突然の携帯での撮影にも快く応じてくださった山下さん。居合わせた関係者とも気さくに一緒に写ってくださいました。


世界的なジャズピアニストの山下さん。実はこれまで自主事業での登場回数が最も多いアーティストのお一人です。振り返ると本当にいろんなことをお願いしてしまいました。
演奏中に、こんな体験は、後にも先にも、1度だけ。

さて、その体験とは・・・・。ミエ・コッカムポー(ダンス)、日比野克彦(ライトアート)とのコラボレーションでのこと。
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 ↑2002年、愛知芸術文化センター10周年記念『ジャズとダンスとライトアート』(2階屋外フォーラム)
 (撮影:南部辰雄)
 


最初に出演をお願いしたのは、13年も前の『日韓音楽祭』。愛知県美術館、名古屋市美術館が同時企画開催した『日韓現代美術展』やコラボレーション『空間創出』、『アジアの実験映像』など、全館的なフェスティバルとして開催した<Human Collaboration’95>のメインイベントでした。
日本の伝統音楽の邦楽、韓国のサムルノリやパンソリ、そして、両間をつなぐジャズ・ミュージシャンたちのコラボレーションは、鳥肌ものの感動でした。

そして、10年後の2005年。愛知万博会場『森の中のパレード2005』にて山下さんの本公演のためのオリジナル曲「森の中のパレード」を名電高等学校ブラスバンド部の生徒たちと演奏中。途中で即興セッションの相手をしてあげていた山下さん。
山下さんの指導で、どんどん上手になる高校生の即興演奏!(思わず顔がほころびます)

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 ↑愛知万博会場『森の中のパレード2005』(演出・振付:近藤良平、音楽監督:仙波清彦)
  第1部:森の中の音楽会
 
 

こんなこともありました。
2002年、蟹江小学校で開催した伊藤キムとのコラボレーション『跳ぶ教室』での一場面
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 ↑世界的な名ジャズピアニストが、ピアニカを抱え、チンドンヤ風に運動場をパレード中。(撮影:南部辰雄)
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 ↑体育館のステージ上での伊藤キムとの即興セッション(撮影:南部辰雄)



でも、実は・・・・・自主事業では山下さんのコンサートホールでの演奏は一度もなかったんです。
大ホール、小ホール、公共ホールのフォーラム、万博会場、学校と、こんなに様々な場所で演奏していただいているにも関わらず、なぜか本家本元の「コンサートホールでは一度もなかったんだ」と、コンサートホール客席に座って、はじめてそのことに気がついた・・・。(汗)

 ↓ここは小ホール、ユーリ・ン(ダンス)とアーチ(DJ)とのコラボレーション
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 ↑2002年、『スイッチ・オン!』にて、デザイナーの久野周一さん製作のベスト着用中!(撮影:南部辰雄)

 

「また、あんな面白い企画やらないの!」、と山下さん。
燃え盛るピアノを演奏したこともある山下さんから「面白い」なんていっていただけるのは、企画者冥利に尽きます。
でも、うーん、困りました。山下さんに驚いてもらえるようなユニークな企画を考えるには、もう少々時間が必要なようです。
 
(E.K)

コラボ体験は、ついに大人から子どもにチェンジ。今回はプロからアマチュア、大人から子どもまで、本当に幅広い方々にダンスと音楽のコラボレーションを体験してもらうことになりました。
クラス1には、多数の申し込みの結果、抽選でめでたくも選ばれた小学校低学年のこどもたちが参加。おもちゃのような楽器や、講師の方々のユニークなパフォーマンスに、ぐいぐいと引っ張られて、ダンスや音楽といったジャンルの垣根もわからないままに(ジャンル分けなんて大人がしたもの。ダンスと音楽、本来はひとつなんですよねー)、丸ごと体感していました。

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 ↑講師自己紹介ダンス&ピアノ 「白井剛&中川賢一即興デュオ」

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 ↑音のでるおもちゃを使ってみんなで演奏を楽しみました。保護者も急遽参加!!

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 ↑まずは講師の見本から:音具を使って2人で会話

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 ↑色んな曲に合わせて、からだを動かします。

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 ↑ピアノに触れて、ピアノの鼓動を聴いてみよう!

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 ↑へ・ん・し・ん!! 今は何に変身? ワニ? カブトムシ? かえる?

 


続くクラス2には、小学校3年生から6年生までの子どもたちが参加。ちょっと落ち着いた雰囲気のこどもたちは、興味深そうに講師お二人のお話を聞いていました。クラス2だけの飛び入り参加となった「書」とのコラボには、さらに真剣な眼差しが。筆が走る半紙を食い入るように見つめていました。ダンスとピアノと書のコラボレーションも一同初体験となりました。

 おもちゃでチャチャチャ.jpg
 ↑おもちゃでチャ・チャ・チャ! あひる? りんご? 

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 ↑誰もがもっている声という楽器。声に合わせて踊る白井さんと子どもたち

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 ↑中川さんの指揮に合わせて、みんなで声のオーケストラ体験

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 ↑様々に変化するピアノの音に合わせて踊ります。

 ティッシュダンス.jpg
↑ティッシュでダンス:子どもたちはティッシュを渡した途端、ティッシュになりきって、フワフワと漂い・・・。

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 ↑ピアノと書のコラボ体験! 

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 ↑書きあがった「書」を、踊りで表現してみると、こうなります。

 
さて、いよいよ12月3日には、白井剛さんが世界最高峰の現代音楽カルテット、アルディッティ弦楽四重奏団と共演するパフォーマンスコンサートが開催されます。この公演は、コラボレーションのひとつの指標といってもよい(と思う)完成度の高い作品です。超絶技巧を繰り出す身体は、エネルギッシュ。パフォーマンス度の高いカルテットたちのからだと音楽、白井さんのダンスと映像、細やかな演出は必見です。日本での最終公演を是非ともお見逃しなく!!

(E.K)

[ 音楽 ]

9月22日(月)に愛知県芸術劇場小ホールにてAACサウンドパフォーマンス道場の第2回プレゼンテーションが行われました。
本番の公演と同じ場所でのプレゼンテーション。第1回プレゼンテーションでもらったアドバイスや問題点をどのような形で乗り越えるのか。出演者達も緊張の面持ちでした。

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↑「3m×3mの巨大な箱が登場!どんなパフォーマンスをするつもりでしょう(汗)」

「選考委員の方々の意見をどのように解釈するのか。そしてパフォーマンス作品としてどのようにまとめるのか。目的と意図がはっきりしなければならない。」
私が今年のブラッシュアップ・プログラム全てに出席させていただき、肌で感じたことです。

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↑「作品に使用される自動演奏ピアノ。運ぶときに私の腰は砕かれました(笑)」

第1回プレゼンテーションからのアーティストと作品の成長、変化は大きなものでした。
プレゼンテーションの特長は、固まろうとするアイディアを一度分解することにあるのではないでしょうか。
でもそれは単なる分解ではなく、作品の再構築に向けてのものであり、それをどのように解釈するかにアーティストの力が求められる。
選考委員からだけではなく足を運んでいただいたお客さまからも質問・意見が飛び交う、緊迫したプレゼンテーションでした(汗)
いよいよ10月4日(土)に公演が迫ってきました!是非ともご来場していただき、皆様の目でそれぞれのアーティストの作品を観て下さい!
(N.S)

すっかり打ち解けて、ワークショップ2日目は、最初から講師も参加者もエネルギー全開。様々な試みを経て、最後には、沢山の小品の卵が生まれました。最後の「失われたリズムを求めて」という音楽に合わせての30名全員参加即興大セッションでは、2日間で経験したことを色々と試しながらも、狂喜乱舞、お祭のような大盛り上がりとなりました。講師も参加者もエネルギー全開.jpg

↑白井さんと中川さん(後姿)のコラボ。中川さんが握り締めている楽器は…?(答えは「続きを読む」で)

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↑事前に白井さん&中川さんのおふたりでこれから使う楽器(?)吟味中

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↑どんな音がでるのかな

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↑準備OK! これ、全部音の出る「楽器」です

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↑おもちゃのラッパ使用中

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↑中川さん熱血指導中 「もっと激しく、もっとのけぞって?」(中川談)

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↑中川さん即興演奏中 あまりに速くてシャッタースピードが追いつきません。

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↑トリオ即興1 ジャンベ&ギター編 

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↑トリオ即興2 アコーディオン編 

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↑トリオ即興3 テルミン編 

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↑リュック・フェラーリ作曲「失われたリズムを求めて」に合わせた即興大セッション

最近流行りの「異ジャンルコラボレーション」ですが、ジャンルを超えるためには、まずは互いに理解し合おうと、相手の言葉に耳を澄ますことが大切なんだな、とあらためて感じたワークショップでした。
ダンサーと音楽家、互いの「共通言語」を理解するための第一歩となったようです。

(E.K)

日本を代表するコンテンポラリーダンサーの白井剛さんとピアニストの中川賢一さんによるダンスと音楽のコラボレーション・ワークショップを行いました。おふたりにとってもダンスと音楽によるコラボワークは初めてということで、事前に数回の打ち合わせを重ね、入念な準備を行っての本番となりました。

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↑ワークショップ開始前まで入念な打ち合わせ

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↑予定外の「白井&中川 即興コラボ」に参加者の目は釘付け

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↑白井さんのリードで、ヨガ風のストレッチを行うダンサーズ

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↑中川さんのリードの元に、白井さんとミュージシャンズとの即興

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↑ミュージシャンと一緒にダンサーもピアノの連弾

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↑ダンサーズ&ミュージシャンズ即興コラボレーション

そして、コラボレーション・ワークショップの2日目に続きます。

(E.K)

昨年に引き続きピアニストの中川賢一さんによる現代音楽を楽しく学ぶアーティストトークが開催されました。今年は「メシアン生誕100年」を記念して、現代音楽の最重要人物のひとりとされるオリヴィエ・メシアンの「丸ごとメシアン」レクチャー&コンサート。

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↑メシアンの「幼子イエスにそそぐ20の眼差し」を演奏する中川さん

中川さんが「カラフル」と形容される、色彩溢れるメシアンの音楽。その魅力を余すところなく引き出す中川さんのピアノ。ピアノからキラキラと舞い上がる沢山の音の粒たち姿が目の前に見えるような素敵な演奏でした。これまで気がつかなかったピアノの様々な表情を感じることのできたコンサートになりました。
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↑メシアン特集にぴったりの「カラフル」なネクタイで魅力的なお話をする中川さん

そして翌日のダンスと音楽のコラボレーションワークショップのために、またまた念入りな準備をしてくれています。

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↑自転車用の空気入れで風船をふくらませる中川さん

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↑ワークショップ用楽譜作成中

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↑色とりどりの可愛い楽器(?)たち

いったいどうやって使うのでしょう?ワークショップ当日が楽しみです!

(E.K) 

[ 音楽 ]

7月末日。今年で3回をむかえるAACサウンドパフォーマンス道場の選考委員会が行われました。
応募総数18作品企画案!厳しい書類選考。私も緊張しました。(汗)
その中から4つの入選作品企画案と、それぞれのアーティストたちが決定しました。 

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↑「8月16日(土) 舞台技術セミナー後の入選者の顔合わせ」

「入選しただけでは、小ホールの舞台には上がれない。」
募集したのは作品の企画案であって、出来上がった作品ではありません。そこがAAC道場の見所!ブラッシュアップ・プログラムがあるのです。

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↑「8月17日(土)  第1回プレゼンテーション KDハポンにて」

第1回プレゼンテーションでは、入選したアーティストが選考委員を中心とした方々に、様々な角度からアドバイス・・・を受けていました。そして今月22日には第2回プレゼンテーション。これらを経て、作品やアーティストまでもが確実に変化し、成長してゆきます。 
10月4日(土)の小ホールでの本公演より、先ずは、第2回プレゼンテーション。さてさて、どのような作品になるのか、いまから楽しみです。(N.S)