2013年09月123456789101112131415161718192021222324252627282930
[ 映像 ]


 現在、開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」に、愛知県文化情報センターの学芸員がキュレーターやプロデューサーとして参加しています。普段、文情の映像事業をご覧になられている皆様に、見逃せない企画が9月22日(日)から始まる「映像プログラム」です。

finalcut.jpg
 

 まず22日の18時から、岡崎市の松本町会場・松應寺で、〈オープニング上映〉としてパールフィ・ジョルジ監督『ファイナル・カット』(2012年)を上映します。『ハックル』(2002年)や『タクシデルミア ある剥製師の遺言』(2006年)が日本でも劇場公開されている、パールフィ・ジョルジ監督の最新作で、古今東西の劇映画450本をリミックスしたものです。既存の映画をその本来の文脈から離れて、独自の視点から再構成する手法はファウンドフッテージと呼ばれ、実験映画などでもよく用いられているのですが、アニメーションも含む多くの映画から、男女が出会い、恋をして、愛し合い、ケンカをして分かれ、再び出会い、よりを戻し・・・、という恋愛の要素を抽出した知的で批評的な構成は、ジャン=リュック・ゴダール『ゴダールの映画史』(1988-98年)にも通じるものがあるといえるでしょう。著作権の関係で、現在は教育目的や映画祭等での上映しか許可されていない作品ですので、この機会にご覧になられることをお薦めします。
 上映会場となる松應寺に打ち合わせに伺った際のご住職のお話では、1560年(永禄 3年)に徳川家康が、父・松平広忠の菩提を弔うために建立したとされる松應寺のお堂で、映画を上映するのはおそらく初めてではないだろうか、とのことでした。通常では体験することが出来ない、トリエンナーレならではの貴重な機会になると思います。(この作品は、10月12日(土)19時から、愛知芸術文化センター12階アートスペースAでも上映があります。)
 入場無料ですが、定員40名のため、事前申し込みが必要です。
 申し込み方法は、Eメールで、氏名(ペアご希望の場合、その旨を明記)、電話番号(日中、連絡可能な連絡先)をご記入の上、<filmprogram@aichitriennale.jp>あてに「オープニング上映鑑賞希望」とお書きの上、お申し込みください〈9月15日(日)必着〉。なお、申込多数の場合は、抽選となりますので、ご了承ください。
 松應寺への交通アクセス等の情報については、〈http://aichitriennale.jp/participate/2013/08/post-16.html
もご参照ください。
  引き続き、9月25日(水)-10月17日(木)に愛知芸術文化センター12階アートスペースAにて、『なみのおと』〈2011年、監督:濱口竜介、酒井耕〉や『Playback』〈2012年、監督:三宅唱〉等の作品から構成されるメイン・プログラムが上映され、10月19日(土)には長者町会場の名鉄協商パーキング長者町第3で、SjQ++によるライブ上映『arc』(2013年)が行われます(上映スケジュール等はについては、
http://aichitriennale.jp/news_data/2013/07/002603.html
をご参照ください。)アートスペースAでの上映は、国際美術展のチケットで、全プログラムをご覧いただけます。『arc』は入場無料です。
 映像関連の情報で、うっかり見落としがちなのが「モバイル・トリエンナーレ〈http://aichitriennale.jp/mobile/index.html〉です。この催しは、トリエンナーレの主会場から離れた4箇所で、出品作家の本展とは別の作品を展示する企画ですが、映像プログラムからも3名の作家の作品を上映します。
 上映作品は、ひらのりょう『河童の腕』(2009年)、川口恵里『花と嫁』(2012年)、姫田真武『ようこそぼくです2』(2012年)、『ようこそぼくです3』(2013年)となっていて、メイン・プログラム上映作品の前後に制作された、もう一つの代表作と呼ぶべきものが選ばれています。既に会期を終えた豊橋会場でも、これらの作品は老若男女を問わず好評でした。9月13日(金)-16日(月・祝)には知多市歴史民俗博物館(知多市緑町12-2、
http://www.city.chita.aichi.jp)、9月20日(金)-23日(月・祝)は文化フォーラム春日井(春日井市鳥居松町5-44、http://www.kasugai-bunka.jp)、9月27日(金)-29日(日)は東栄町の旧東部小学校(北設楽郡東栄町大字下田字軒山13-7)と、まだ鑑賞のチャンスはありますので、お近くにお住まいの方など、ぜひご覧ください。
 皆様のお越しをお待ちしております。(T.E)