2008年12月12345678910111213141516171819202122232425262728293031

名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会にお邪魔しました。常任指揮者のティエリー・フィッシャーによって<ツァラトゥストラシリーズ>と題された今年のシーズン、第7回目のテーマは「舞踏の歌」です。
踊りと音楽の発祥はほぼ同時だったのではないかと言われるほど、踊りと音楽の関係は切り離すことができません。踊りには音楽が不可欠なのです。にもかかわらず、これからのクリスマス・シーズンに日本中で上演される『くるみ割り人形』などで有名なチャイコフスキーの三大バレエをはじめ、バレエのために書かれた優れた音楽は沢山ありますが、経費的な理由などでテープ演奏が主流な現在、実際にオーケストラ演奏で上演される機会が少なくてとても残念!ですから有名な音楽からめったに演奏されない音楽まで、充実したラインナップでのこのようなコンサートはとても魅力的です
 

大友さんトーク風景.jpg振り返れば1999年5月、ストラヴィンスキーの『春の祭典』を、名フィルさんと一緒にコンテンポラリーダンスで上演するという新しい試みを行いました。実はこの作品が、バレエのために書かれた音楽であるという歴史的な事実に反して、『春の祭典』が日本で上演される場合、そのほとんどがコンサート形式のものだったのです。(1913年、バレエ・リュスの新作バレエとして、伝説のダンサー、ニジンスキーの振付で上演。この音楽の成功が、ストラヴィンスキーのその後の評価を決定的なものにしたんです。)
当時は、『春の祭典』誕生の当時の生き生きとした世界を体現してみたい、という気持ちで、名フィルさんを中心とした100名を越す音楽家たちと共に舞台を創り上げました。そのときの指揮者が、今回のコンサートと同じ大友直人さんです。


←『春の祭典』出演者によるアフタートークでの大友さん。
(撮影:南部辰雄)

亡き高円宮殿下からのご紹介だったのですが、そのときには大友さんはダンスとの共演、さらに名フィルさんでの指揮は初めてと話しておられました。その後、東京文化会館の音楽監督として、ダンスカンパニー、H・アール・カオスと東京交響楽団による『ボレロ』の企画をされるなど、ぐっとダンスとの距離が身近になられたよう。そして「舞踏の歌」をテーマにした名フィルさんでの演奏会。なんか色々なご縁が、見えない糸で繋がっているようで嬉しいです。

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↑1999年 オーケストラとダンスによるH・アール・カオスの『春の祭典』より(撮影:南部辰雄)
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↑オーケストラ演奏でのダンス公演は、迫力が違います。(撮影:南部辰雄)
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↑公演と関連して、『春の祭典』初演時の舞台衣装やデザイン画、ピナ・バウシュやモーリス・ベジャール等様々な振付家のバージョンによる『春の祭典』の写真などの展示も行いました。

今回のコンサートは、「剣の舞」で有名なハチャトゥリアンのバレエ『ガイーヌ』、ショスタコーヴィッチの『バレエ組曲』、ルーセルのバレエ『バッカスとアリアーヌ』、ラヴェルの『ボレロ』そして同じくラヴェルの歌曲集『シェエラザード』が演奏されました。特に、『シェエラザード』では、フランスから一時帰国をされたソプラノ歌手の浜田理恵さんが素晴らしい独唱を聞かせてくれました。オーケストラの演奏とコンサートホールに響きわたる歌声、中央で指揮をする大友さんの立ち姿が、踊っているようでしなやかでとても美しかったです。
「また一緒に面白い企画をしたいね」と有難いお言葉をいただきました。

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↑コンサート直前の大友直人さん、楽屋にて。

(E.K)

今回ご紹介するのは愛知芸術文化センターの地下2階アートプラザにある、ビデオルームというスペースです。
以前よりアートプラザをご利用いただいている方はご存知かもしれませんが、数年前まではここで「プラザシアター」という上映会を定期的に開いていました。しかし設備の見直しに伴い、残念ながら一旦終了することになりました。
その後、ビデオルームは多目的ルームとして、色々な催し物を開催してきました。その中には上映会もありましたが、テレビを利用しての上映会でした。

それがこの度、上映の設備を整える機会ができ、大きな画面と音質のよいスピーカーで上映会を企画できるようになりました!
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↑テレビ画面より迫力ある大きな画面とスピーカー

すでにこの環境を利用して、「ふるさと秋の祭in愛知 民俗芸能映像祭」を11月17日から12月7日まで開催しました。次回開催は12月20日から12月25日のクリスマスシーズンにあわせて「Xmasはオルガンだ!クリスマスコンサート・ビデオシアター」を開催します。

クリスマス.jpgビデオルームからクリスマスを感じる音楽が聞こえたら、覗いてみてください。無料で、いつでも入場できます。
2005年に開催した「Xmasはオルガンだ!4」も上映されますので、12月23日開催の「Xmasはオルガンだ!6」の雰囲気を事前に感じることができ、当日の公演をよりいっそう楽しめるのではないでしょうか。

クリスマスの雰囲気をビデオルームで感じて、楽しい年末をお過ごしください♪
(K.A)


 

いよいよ本番の日。多くのお客様にご来場いただき会場はとても賑やかでした。

リハーサル中のアルディッティSQ.jpg
↑リハーサル中のアルディッティ弦楽四重奏団

アルデッティSQはとてもかわいらしいお人柄で楽屋でもいつもニコニコされていて、スタッフにもジョークを言ったりして場を楽しい雰囲気にしてくれました。
公演中ホールに広がった笑い声で彼らの人柄も伝わったのだと思いました。
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↑こちらもリハーサル中の風景。素敵な笑顔のアーヴィン・アルディッティさん。カメラを向けるとお茶目な表情で近づいてきてくれました

前半はアルデッティSQによる現代音楽の演奏でした。3曲目の「弦楽四重奏曲第4番(ヌルシンハ)」の作曲者、西村さんもご来場されていました。あまり現代音楽に慣れていない私は最初はその響きと音量に驚きましたが、次第に鼓動のような不思議な響きに引きつけられていきました。
演奏中のアルディッティSQ.jpg
↑「弦楽四重奏曲第4番(ヌルシンハ)」演奏中のアルディッティ弦楽四重奏団
西村さんとアルディッティSQ.jpg
↑写真中央が作曲家、西村 朗さん。関西からかけつけて下さいました。


後半はダンサーの白井さんも加わったコラボレーション作品です。白井 剛さん.jpg

白井さんのダンスはしなやかで自由。空間すべてと優しく戯れているようでした。

右手に風船、左手に紙飛行機.jpg
↑白井さんのリハーサル風景。右手には風船。左手には紙飛行機を持っています。
風船と紙飛行機.jpg
↑上の写真の風船と紙飛行機は、白井さんに導かれながら舞うように浮かびます。
アルディッティSQと風船と白井さん.jpg
↑アルディッティ弦楽四重奏団と白井さん。時には離れて・・・
演奏に寄り添うように.jpg
アルディッティSQに囲まれて.jpg
↑時にはお互い寄り添うように。

またこのような会場が一体となるような公演が行われたら素敵だなと思いました。

終演のあいさつ.jpg

(記事:サポートスタッフ S.T、 撮影(リハーサル風景以外):サポートスタッフ 加藤 光)

「続きを読む」で、公演終了後の写真が見られます♪

コンサートホールに入ると真っ先に目に入るのが大きなパイプオルガンです。このパイプオルガンは開館からずっとホールでの公演を見守っています。今回の公演は様々な公演を観てきたオルガンもさぞかし驚くでしょう
パイプオルガンの前で倒立!.jpg

↑パイプオルガンの前で倒立!不思議な光景です


舞台に広がる映像・照明が作り出す幻想的な空間は普段のコンサートホールとは全く違う雰囲気です。明日はこの空間にアルデッティSQの演奏と白井さんのパフォーマンスが加わりさらに厚みのある空間に変貌すると思うと今から期待が高まります。
照明が不思議な空間をつくります.jpg柔らかな光に照らされて.jpg
↑照明の効果により、普段とは違う顔に見えるコンサートホールの舞台

また、公演で使われるキラキラした風船の色がパイプオルガンのシルバーと統一感があって素敵ですね。ぷかぷかと浮かぶ風船とずっしりと構えるパイプオルガンの対比も面白そうです。
独特の雰囲気を持つパイプオルガン.jpg
↑宙に浮いているのが銀色の風船。中に入っているのはヘリウムガスです。

コンサートホールすべてをつつみこみ、どんな公演が行なわれるのかますます楽しみになりました。
(サポートスタッフ S.T)