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作品の創作過程を垣間見るおもしろさ2 ― AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション1

2009年08月27日
[ 音楽 ]

 8月22日(土)16:30-21:00、AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション1が行われました。会場は、新栄にある、カフェ・パルル。書類選考で入選となった4組のアーティスト自身が、直接自分の作品について説明し、作品の一部をデモンストレーションしました。飲み物片手に、長時間、入選者のプレゼンテーションに聞き入り、意見を交わしました。
第1回プレゼンのはじまりです.jpg


 最初は、Craftwife【クラフトワイフ】による 『Craftwife』。名前から推測されるように、このグループは、ドイツのテクノポップ・グループ、「Kraftwerkクラフトワーク」を意識したグループで、iPhoneを片手に演奏します。もちろんコピーバンドではありません。wife(妻)なのです。どこまでがコピーでどこからがオリジナルなのか。wife?女性としてのパフォーマンスとは?そのあたりを考えさせる/あるいは全く考えさせないほど楽しいパフォーマンスになりそうです。Craftwife.jpg


 2組目は、coup d'etats【クーデターズ】による 『Frictional noise』。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)からインスピレーションを得たキャラクターに扮し、曼荼羅のように描かれたイラストの上で、ノイズ・アクションペインティングを行います。鉛筆の芯に含まれる黒鉛が電気を通すことから、そこから描画を音に変換。日本刀(金属)を、小道具兼音を発する楽器(?)として用いる、ガスマスクに取り付けた小型カメラでパフォーマーの手元を映像に写し、ガスマスクに仕込んだマイクでパフォーマーの喘ぎをリアルに伝えるなど、視覚的にも聴覚的にも、ものすごくユニークでインパクトの強いパフォーマンスのようです。
coup d'etats.jpg


 そして、非常に長い名前のグループ、groove transformiste-INTER-DISCIPLINE;INTO-MUSIC-【グルーヴ・トランスフォルミスト―インター・ディシプリン;イントゥ・ミュージック―】 。東京芸術大学大学院などに在学中のメンバーによるこのグループは、生楽器による作曲された音楽の演奏に、電子音響を融合させ、さらに映像と身体パフォーマンスなどを加えて、21世紀初頭現在の超領域的なパフォーマンス作品を目指しています。4企画のなかで、最も、いわゆる「現代音楽」っぽい作品ですが、プレゼンテーションでは、断片しか紹介されず、次回どうなるかが期待されます。
groove transformiste-INTER-DISCIPLINE;INTO-MUSIC-.jpg

 最後は、池田拓実さんによる『テーブルの音楽(Table Music)』。テーブルを真上から監視するカメラとテーブル付近の音を拾うマイク用いて、テーブル上に物を置いたり並べ替えたりする行為から加工音や合成音を発するパフォーマンス。作品名から、18世紀ドイツの作曲家テレマンの有名な作品集「食卓の音楽(ターフェルムジーク)」を思い出す人もいらっしゃるかもしれません。しかし、宮廷の宴席で好んで演奏された室内楽という「ターフェルムジーク」とは全く違った、現代的な音によるパフォーマンスになりそうでした。
池田拓実.jpg


 これらの作品は、第2回のプレゼンテーションの時には、またさらなる発展した姿へと進んでゆきます。ぜひその過程を見に来てください!プレゼンテーションはすべて無料です!!

(A.F)