2010年07月12345678910111213141516171819202122232425262728293031

昨年から開催しているアートマネジメント基礎講座が今年も開催されています。
まず今年度の前半分として計4回の講座が終了しました。

7月7日 第1回「地域における劇場の役割」
講師;平田オリザさん(劇作家、演出家、劇団「青年団」主宰)

7月15日 第2回「劇場法(仮称)について」
講師;平田オリザさん(劇作家、演出家、劇団「青年団」主宰)

7月21日 第3回「公立文化施設の意義とアートマネージャー」
講師;高萩宏さん(東京芸術劇場副館長)

7月26日 第4回「生きる力育む公共劇場」
講師;田村孝子さん(静岡コンベンションアーツセンターグランシップ館長)


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▲第1回及び第2回 平田オリザさん


3人の方はいずれも文化庁・文化審議会委員を務めておられ、
劇場でのパフォーミング・アーツの要となって活動しておられる方々です。
異なる視線での劇場への考察が、
劇場、そしてパフォーミング・アーツの問題点を浮き彫りにし、
それぞれの講義を聴く事によって多角的に『劇場の価値』を見直し、
これからの劇場や、実演家や、たくさんの関わる人たちにとっての指標を感じる事
ができました。

第3回.jpg劇場とは何か?
劇場とはどうあるべきか?
外国から比べると日本の芸術の振興はどうなのか?

芸術文化は何かを呼び込む力になります。
そして、発信する力にもなります。
芸術文化の拠点の一つは劇場です。
世界のたくさんの劇場が文化芸術を発信し、
また世界中から観客を呼び、周りの経済活動に影響を与えるほどの劇場があります。
地方からも、そういう劇場を育てていこうとするきっかけになるかも知れません。

                                        ▲第3回 高萩宏さん


劇場は重要な文化拠点であり、ひいてはわたしたちの生活や文化に関わるものであるのは間違いありません。
                                     
それぞれの講義では、かなりシビアなご意見もありましたが、劇場でのパフォーミングアーツの原点について考えさせられた講座でした。
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愛知県芸術劇場のある愛知芸術文化センターを中心に、
『あいちトリエンナーレ2010』が8月21日から10月31日まで開催されます。
世界の芸術、そして実演芸術(パフォーミングアーツ)を体感するチャンスです!

また、アートマネジメント基礎講座の後半は、あいちトリエンナーレ2010が終了した後、
11月ごろを予定していますので、こちらも是非お足をお運びください。
詳細が決まりましたら、ウェブサイトやチラシに掲載しますのでご期待ください
                                        ▲第4回 田村孝子さん

(Y.U.) 

あいちトリエンナーレ2010がもうすぐ開催されますね!
アートライブラリーではあいちトリエンナーレ2010関連展示を行っています。

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あいちトリエンナーレに関連する本、雑誌記事、ビデオ、DVDをご紹介しています。
参加アーティストがとても多いので、棚がきゅんきゅんです…。
お目当てのアーティストの本が見つけられなかったらカウンターに聞いてくださいね。

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入り口付近に飾られている本は全て借りられますよ。 リブ-トリ展3.jpg


借りられる本の後ろにはあいちトリエンナーレプレイベントで行われたワークショップの写真も飾っています。
とても楽しそう!
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 これから少しずつ、展示してある本をこのブログでご紹介していこうと思いますので、お楽しみに!
(ライブラリースタッフT・K)
 

現在開催中の、アート・アニメーション・フェスティバル2010に関連してアートライブラリーで、関連資料の展示を開催しています!
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アニメーションの入門書や
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アート・アニメーション監督のインタビュー記事などをご紹介しています。
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ベティさんは多くの雑誌で特集が組まれていました。人気ですね。
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色々なアニメーションをビデオブースで見ることもできますよ。
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前回のアート・アニメーション・フェスティバルで上映された世界アニメーション映画史の1から10や、ヤン・シュヴァンクマイエル、ブラザーズ・クエイなどのアニメーションをご覧いただけます。
デザイナーとして有名なイームズのアニメーション作品も!
愛知芸術文化センターの自主制作アニメーションもおすすめです。あいちトリエンナーレにも参加される、石田尚志さんや辻直之さんのアニメーション作品を一足先にお楽しみいただけます。

アート・アニメーション・フェスティバル2010にお越しの際は、ぜひ1階のアートライブラリーにもお立ち寄りください。お待ちしています。

(ライブラリースタッフT・K)
 

[ 映像 ]

明日7月27日(火)より、「アート・アニメーション・フェスティバル2010」が開催されます。2007年に始まったこの上映会では、昨年「イメージフォーラム・フェスティバル2009」に出品を果たした山田園子や、今年「あいちトリエンナーレ2010」への出品が決まった岡田昭憲、有吉達宏らを取り上げ、近年活性化している日本の自主制作アニメーションのフィールドから、新しい作家の発掘と紹介を行ってきました。


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▲プリート・パルン『地球は本当にまるいの?』(1977年、2006年デジタルリマスター版)2点とも

今回のプログラムのメインとなるのは、エストニアの作家で、ヨーロッパ・アニメーション界のゴダールとも賞賛される、プリート・パルンの特集です。今年は昨年までとはやや趣を変えて、アート・アニメーションの世界で巨匠とされる作家をまとまった形で紹介することになります。デビュー作『地球は本当にまるいの?』(1977年、2006年デジタルリマスター版 *チラシでは邦訳タイトルを『世界は本当にまるいの?』としましたが、直前に変更になりました。ご了承ください)から、最新作『雨のなかのダイバー』(2010年、共作:オルガ・パルン)まで、主要な作品を集め、さらに制作の背景を伺えるドキュメンタリー2本を加えており、入門者にとっても最適なプログラミングになっています。

他に、昨年上映し好評だった「世界アニメーション映画史」の続巻に当たる第11―20巻(当センター・アートライブラリー所蔵)や、昨年開催した「第3回愛知デジタルコンテンツコンテスト」一次審査通過作品の上映も行います。

上映スケジュール等、詳細は当センターのホームページをご覧ください。
皆様のご来場をお待ちしています

(T.E)

 

7月28日(水)に開催される第49回フレッシュコンサートに出演予定のDuo、カミングプリンセスさんから、出演に際しメッセージをいただきました

こんにちは。フルートとピアノのDuo、カミングプリンセスです。
今回は暑い季節、芸文のロビーにフルートが涼やかに響き渡るような曲を選ばせて頂きました。
「マイ・フェア・レディ」はおなじみの映画曲、なかでも「踊り明かそう」はひときわ有名です。
ガーシュインの「そんな事はどうでもいいさ」、変わったタイトルですが、黒人社会を背景にしたオペラ「ポギーとベス」の中で、ならず者が教会に行こうとする子供達に歌う歌です。
「ムーランルージュの歌」はロートレックの生涯を描いた映画の主題歌で、古き良き日々に思いを馳せるような、優しいメロディーが印象的です。
「インベンション13番」元はバッハのピアノ曲ですが、フルートとピアノが追いかけあう、スパイ映画のような編曲で聴いて頂きます。
最後には日本の歌「木曽節」を現代のアレンジで、フルートとピアノでこんな木曽節もあるの、と思って頂けたらうれしいです。

28日皆様のご来場を心よりお待ちしています。

 私たち運営スタッフもフルート&ピアノのハーモニーをとても楽しみにしています

 この4月にピアノ(電子ピアノではありますが)を導入して以来、当フレッシュコンサートにお申込いただく演奏編成に、○○○&ピアノというパターンが増えてまして(今後、8月、10月、12月とピアノが活躍予定です。)、それも嬉しい担当者です。
それでは会場でお会いできるのを楽しみに!
 

(K.K.)

 アートライブラリーに新しい本が入りました。そのなかからおすすめの本とCDをご紹介します!
今月はなんだか可愛らしい表紙が多いです。

『パウル・クレー 絵画と音楽 (岩波アート・ライブラリー)』
ハーヨ・デュヒティング 解説、後藤文子 訳、岩波書店、2009年出版
(請求記号723F/Kl31p 資料番号9110473146)

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「…芸術に満たされている、と余韻を感じていることができる…」。休暇中、繰り返しバッハを演奏していたクレーの言葉です。
彼は音楽家の両親と妻を持ち、クレー自身も生涯を通じてヴァイオリンの演奏を好みました。美しい色彩と独創性の高い抽象モチーフで知られる作品は、音楽のリズムのように描かれていると言われます。この本ではクレーにとっての音楽の意味と絵画との深い関係が解説されています。掲載されている多くの作品がその理解を助け、また絵を眺めても楽しめる1冊となっています。
(ライブラリースタッフM.K)


『美しい絵本。 (pen BOOKS)』 
ペン編集部 編, 阪急コミュニケーションズ 2009.12出版
(請求記号 7265/U96h 資料番号 9110473182)

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雑誌「pen」の2008年6月1日号の特集「大人の創造性を刺激する、美しい絵本。」
を再編集したものです。
みなさんは、子どもの頃読んだ絵本を憶えていますか?
この本が、また読み返してみるきっかけをつくってくれるかもしれません。
子どもの頃は、次から次へと(たまに固執。)贅沢に読めた気がしてなりませんが、大人の絵本読みもまた、深読み気味(近視気味?)になったりして、楽しいものです。
この本には、美しい絵本が新旧勢揃い。改めて、絵本の贅沢さを再確認させられます。
(アートライブラリースタッフ M.N)


『サラ・ベルナール メディアと虚構のミューズ』
白田由樹著 大阪公立大学共同出版会 2009年出版
(請求記号 77235/B38s 資料番号 9110473048)

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 サラ・ベルナールという名前を聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか? 画家や芸術作品に詳しい人ならば、アルフォンス・ミュシャの名前が出てくるのではないでしょうか。かくいう私もミュシャの本で彼女の名前や姿を知りました。
本書ではそんな女優としてのサラ・ベルナールが生きた時代や社会、当時の女優業がどういったものだったのかも書かれているので、ちょっとした歴史の勉強になるかもしれません。
 この本の表紙にもなっている写真は、撮影された写真の中で「もっとも美しい写真の一つ」と本書で書かれているだけあって、どこか人を惹きつける魅力が表れているようにも思えます。
(ライブラリースタッフE.S)


『クラシック音楽は「ミステリー」である』 
吉松隆 著, 講談社 2009年出版
(請求記号760.4/Y91k 資料番号9110472980)

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あなたの聴いている音楽に実は暗号が隠されているとしたら?
どんな秘密がどのような方法で隠されているのでしょうか?作曲家の吉松隆さんが、音楽に潜むメッセージを、時に妄想もまじえながら解き明かします。
そして多くの作曲家同様、吉松さんも作品の中に沢山の暗号を潜ませています。難解な現代音楽に異を唱え、幻想的かつ叙情的なメロディを生み出す吉松さんの音楽に対して、心を無にして耳を傾けるのも、もちろんよいでしょう。が、この本を読んでしまったらそんなことは言っていられません。アートライブラリーでは吉松隆さんの楽譜14冊、CD37点を現在所蔵しています。是非、隠された秘密に挑んでみてください。
(ライブラリースタッフA.K)

最後にCDのご紹介です。
『ヤナーチェク オペラからの管弦楽組曲第3集』
ヤナーチェク作曲,Peter Breiner指揮,アイヴィー発行,ナクソス発売,2009年
(請求記号A2ヤ/フ 資料番号931019563)

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まず、目に飛び込んできたのは、かわいらしくもあり、少々おっかないキツネの写真。
興味をそそられ聴いてみると、これまたなんと別世界に迷いこんだのかと思えるほど冒険的で幻想的なメロディー…。
このCDには、ヤナーチェクの作品の中で、特に親しみやすいとされるオペラ、『利口な雌狐の物語』とシリアスな『死者の家から』が収録されています。
両作品とも映像資料もありますが、音だけの情報を頼りに、本編とはまた違った自分だけのストーリーを組み立てていくのも一興かもしれません。
日々の生活にちょっぴり疲れた、忙しいけどどこかに出かけたい、と感じている方、このCDで新たな世界観を切り開いてみませんか?
(ライブラリースタッフM.Y)

 

新着図書はすぐ借りられてしまいます。お目当ての本がある人はお早めにどうぞ!
(ライブラリースタッフT.K)
 

 開催まであと1ヶ月半とせまった「あいちトリエンナーレ」のパフォーミングアーツ関連のプレ企画として、出演団体をフィーチャーしたビデオ上映会をビデオルームで開催しています。
 今回は、ただいま上映中の平田オリザ氏の演劇ビデオについて紹介します。
平田オリザ氏は、日本を代表する劇作家・演出家です。1980年代に『青年団』の活動を通して、全く新しい演劇技法「静かな演劇」を確立、今もなおその方法論と著作が国際的に高い評価を受けています。
今回の映像『平田オリザの現場』は、氏が手がけた舞台の数々を収録したシリーズです。毎日異なる映像を上映しています。この中では、特に岸田國士戯曲賞を受賞した「東京ノート」が日本を代表する作品として有名で、9ヶ国語に翻訳され、また、世界各国でも上演されています。(7月7日上映予定)

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平田氏の演劇は、暗転や舞台転換も、効果音もBGMもなく、劇全体が一つの場面となっていることが多いのですが、日常そのもののせりふをじっくりと味わうことができます。対話の中から揺れ動く人間関係が浮かび上がり、新たな発見や感動が沸き上ってきますよ。
なお、トリエンナーレのオープニングとして、平田オリザ+石黒浩研究室プロジェクトによるロボット版『森の奥』が8月21日から始まります。同プロジェクトによるロボット演劇の劇場初公開です。果たしてどのような舞台を繰り広げるのか、公演が楽しみですね。(チケットはただいま発売中)
ビデオ上映会は、この後も、ヤン・ファーブル、チェルフィッチュ、Nibroll、ローザスと続きます。上映日をご確認の上、ぜひお越しください。
(A.M)