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 愛知県美術館では、「ピカソ、天才の秘密展」を、3月21日(月・祝)まで開催中です。アートライブラリーでもこの展覧会にあわせて、ピカソに関する資料(図書、図録、映像など)を展示しています。その中から、今回は、展示中のピカソに関する2つの映像を紹介します。

 1つ目は、ピカソ主演のドキュメンタリー映画。題名は、展覧会と同じ「ミステリアス・ピカソ 天才の秘密」(1956年フランス)です。この映画は、サスペンス映画の巨匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾーが監督した作品で、1956年カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞、84年にはフランス政府によって国宝として指定された伝説のフィルムなのです。


 なんと、ピカソ本人が出演し、自ら作品を創作するのですね。ピカソの絵筆の動きとともに、新たな作品が生まれる過程をスリリングな映像でとらえています。

 これまでも実在の画家を扱った映画はたくさんありますが、このように一人の画家の制作過程をクローズ・アップ的に克明に描いた映画は他にないでしょう。1本の線から他の線が加わり、何が描かれているのかはっきりしてくるのですが、それが塗りつぶされ、いつの間にか別の形象に変化していきます。人が現れ、馬が現れ、牛が現れ、それがいつの間にか別の風景に変わっていったり・・・・

 ピカソのイマジネーションの豊かさに驚嘆するばかりです。

 まさに、ピカソのマジック(魔術)ですね。

 この映画のために描かれた20点にのぼる絵画は、収録後破棄されているとのことで、この作品の中でしか見られないと言われています。
この映画を見て、ピカソ展を見れば、ピカソの芸術の秘密が少しでもわかるのではないでしょうか。
 


 もう一つのビデオは「ピカソとダンス/パリ・オペラ座」(1993年フランス)です。
ピカソは、1920年前後には、舞台芸術の分野でも精力的に活躍しました。

 当時、パリを中心にセンセーショナルな成功をおさめたのは、ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)でした。
サティ、ストラヴィンスキー、ミヨー、ファリャ、マティス、ローランサン、コクトー、シャネルなど当時の最先端の音楽家、美術家、文学者などがバレエ・リュスに結集し、新しい芸術を生み出していったのです。
ピカソもディアギレフの依頼により、舞台美術を担当しました。

 最初に1917年に生み出されたのが『パラード』(エリック・サティ作曲)です。前衛的作品で、舞台芸術に初めてキュビスムを導入した作品と言われています。それがきっかけで、ロシア人のバレリーナ,オルガ・コクローヴァと知り合い最初の結婚をするのですね。(オルガの肖像画も「ピカソ展」で展示してあります。)
 その後、1919年にピカソは『三角帽子』(マニュエル・デ・ファリャ作曲)で美術、衣裳、舞台幕などを制作します。


 今回紹介するビデオには、『三角帽子』の公演が収められています。世界最高峰のパリ・オペラ座バレエが、ピカソ没後20年を記念して上映したもので、ピカソの製作した美しい衣装や装置は、公演の素晴らしさを一層引き立てています。

この他にも、ピカソがドロップ・カーテンを描いた「青列車」(ダリウス・ミヨー作曲)とドキュメンタリーが収められています。

 

 なお、「ピカソ、天才の秘密」展と連携したコンサート「ピカソの見た夢」が3月20日(日・祝)に愛知県芸術劇場コンサートホールで開催されます。(http://www.aac.pref.aichi.jp/syusai/picasso/index.html
こちらは地元の名フィルと日本を代表する歌手たちが演奏します。

上述した「パラード」を始め、バレエ・リュスに関連した作品を堪能できます。実演ではなかなか聴けない作品もあり、聴き逃すのはもったいないです。

コンサートを聴いてピカソとバレエ・リュスとの関わりに思いを寄せたいですね。

(A.M)

いよいよ展覧会も終盤に入りました!!

 

愛知県美術館では「ピカソ、天才の秘密」展を平成28321日(月・振休)まで開催しています。

大変多くの方にお越しいただいており大盛況です!

 

まもなく来場者数は10万人を突破します

この機会にぜひピカソの作品ご堪能ください!!

 

ピカソ展コラボメニューをご紹介します。

Part1、Part2では、ピカソの出身地スペインにちなんだメニューをご紹介しました。この機会にスペインの郷土料理&スイーツを食べてピカソの少年時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

今回紹介するのは、ピカソの「画風の変遷」にちなんだスイーツです。

展覧会を見た後は、2階のアフロディーテで「秘密のゼリー」を食べながら、もう一度ピカソの「天才の秘密」を復習してみましょう。

 

 

 

このゼリーの特徴は、「青いソース」と、「暖かな色彩の様々なフルーツ」です。

 

「青」!?

 

「青」と聞いてすでに展覧会をご覧になった方は「ピンっ!」と来たのではないでしょうか。

 

「青の時代」(1901年?04年(ピカソが20代前半の頃です))

親友カサジェマスの自殺を契機に、ピカソは貧しい人々や体の不自由な人など、当時、社会的に疎外された情況に置かれていた人々を、独特の青い色彩により表現しました。

 ピカソは、この青い色彩で、20代前半の絵を表現しました。

 

 自分の20代前半の時期を色で表すとしたら、皆様はどんな色で表現しますか?

思い出してみてください。

初めての恋を知って毎日が輝いていた方、青春の甘酸っぱさを知った方、将来の夢に悩んで葛藤した方、人それぞれの思い描く色があるのではないでしょうか。

 

 同じ「青」でも、フェルメールやシャガール、ゴッホの青ともまた違った表現をしていますよね。「幻想的な青」、「知性的な青」、「恐怖の青」、それぞれの画家によって表現の仕方が多様な青色を感じてみてはいかがでしょうか。

 

 

「秘密のゼリー」に戻ります!

青いソースに出会ったあとは沢山の暖色系のフルーツがぎっしり詰まったゼリーが待っています。

 

 「あれっ?」と思った方もいるのでは。

そうです!このゼリーがイメージしているのは「バラ色の時代」です。

 

 「バラ色の時代」(1904年?06年(ピカソが20代半ばの頃です))

恋人フェルナンドをモデルにしていた時代で、オレンジやピンクを用いた明るい色調に変わり、線描の質は青の時代の単純さと力強さに代わって、繊細さや優美さが顕著になってきました。

 

 暖かな色彩のゼリーは、食べると「ふっ」と気が付くことがあります。

恋をしたことがある人ならわかるのではないでしょうか。甘い中にもちょっぴり酸っぱさが…

 このゼリーには8種類のフルーツが入っています。8種類のフルーツを探しながら食べてみるのも面白いかもしれません。

 

 シェフのこだわりが沢山詰まった「秘密のゼリー」は期間限定の発売です。

通常価格600円(税込)ですが、「ピカソ、天才の秘密」展または、ピカソ展連携コンサート「ピカソの見た夢」のチケット持参で一割引きになります。

 

「ピカソ、天才の秘密」展を観覧したあと、ぜひこの「秘密のゼリー」を食べながらピカソをより身近に感じてみてはいかがでしょうか。

 

 その他にも「ピカソ、天才の秘密」展のチケットを提示すると美術館周辺の50店舗以上のお店で割引などの様々なサービスが受けられますので、お得にお店巡りをしてみてはいかがでしょうか。

 

★半券サービスについて、詳しくはこちら

 

(Ak.M