「3.11」大切な人を奪い、生まれ育った故郷の姿を一変させたあの日から3年が経ちました。しかし、復興はまだ道半ばです。ふるさとを離れ、帰れるめどの立たない人々がたくさんいます。福島第一原発事故は、いまもまだ終わりが見えません。あのとき何が起きたのか、いま被災地がどうなっているのか、あらためて震災のもたらしたものを考えるとともに、復興に向けた思いを新たにしていただく機会となればと思い、企画しました。
41点の写真は、主に朝日新聞報道カメラマンが現地で撮った選りすぐりの写真ばかりです。一枚一枚から被災者や被災地の深い悲しみ、驚き、喜び、希望、復興への期待などが生々しく伝わってきます。思わず涙ぐんでしまう写真もあります。この報道写真展は、今回で4回目となりますが、前回に比べ、復興への希望や前に進もうとする決意が感じられる写真が増えています。
写真展は4部構成で、
第1部 あのとき何が
第2部 原発事故
第3部 悼む
第4部 明日
となっています。
その写真の一部を紹介します。(写真とキャプションは朝日新聞社提供)
「配給食」
避難所の炊き出しで、配給のパンをもらって涙を流す女性
「どこにいるんだ」
行方不明の娘を探して福島第一原発ちかくの海辺を歩く男性。震災発生当時7歳で小学校1年だった。一時帰宅のたびに捜索を続けている。
「こらえきれぬ思い」
追悼行事が仮設の商店街で開かれる中、男性が涙を流していた。地震で親族を亡くした。「思い出さなくてもいいことまで思い出しちゃって」
「出発」
三陸鉄道の陸中野田―田野畑間が運転再開し、出発する列車を見送る人たち
「仮設の苦しみなお」
岩手県陸前高田市の仮設住宅に82歳の妻と暮らす90歳の男性は、別の町に住む息子に面倒をかけたくないと仮設での生活を続けている。「被災地は忘れ去られたようなもんだ」と話した。
報道写真展は、3月30日(日)まで地下2階アートプラザ前で開催しています。ぜひお越しください。
また、写真展に関連してアートプラザ・ビデオルームでは、原発事故をテーマにしたオリジナル映像作品の上映会を開催中です。あわせてご覧ください。
A.M