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「第71回 フレッシュコンサート」を5月23日(水)に2階のフォーラム(大ホール前)で開催しました。

『歌とピアノのスプリングコンサート』と題して、愛知県立芸術大学大学院生の高木彩也子さんと金澤みなつさんに、ソプラノの歌唱とピアノの演奏を、160名以上の来場者にお楽しみいただきました。


FC71-1.jpg 【 金澤みなつ(左)さんと高木彩也子(右)さん】

 

◎今回の演奏曲は…

アンコール曲を含めて、8曲を演奏していただきました。


『雨降りかと心配していましたが、初夏のような晴れになりました。今回は春に因んだもの、春にまつわるものを選びました。短いひと時をお楽しみください。』
との高木さんのトークで始まりました。

演奏曲の最初は、ロベルト・シューマンの歌曲「もう春だ」を高木さんが春の風に乗って春が来た喜びを歌いました。
 

続いて2曲目も、シューマンの歌曲「くるみの木」、『この曲は、ロベルト・シューマンがクララと結婚する際に献呈された歌曲集『ミルテの花』の中に含まれた曲。庭にあるくるみの木の青々した葉、満開の花々が風になびくその情景を表し、シューマンのクララへの愛情に溢れた曲である。』との高木さんの説明がありました。

流れるような美しいピアノと歌が掛け合うようで、ロマンチックな気分に満たされた演奏でした。


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3曲目は、金澤さんがピアノ独奏で、フェリックス・メンデルスゾーン作曲の『無言歌集作品62-6「春の歌」』を演奏しました。

『無言歌集は全8巻、全48曲のピアノ独奏のための作品集、この作品集にある有名な曲の一つで、素敵な曲である。歌詞をつけるならと想像して聴いてください。』との金澤さんの説明がありました。

春の喜びが事前に湧き上がってくるよな素敵な演奏でした。

 
 

 

4曲目と5曲目は、高木さんが、日本の歌「むこうむこう」と、「おぼろ月夜」を歌いました。

『「むこうむこう」は、三井ふたばこの作詞に中田喜直が作曲したもので、作詞は全てひらがなで書かれた詩、「むこうにあるもの」への憧れ、希望に溢れる曲であること。「おぼろ月夜」は、高野辰之作詞、岡野貞一作曲の文部省唱歌で、日本のよき田園風景を感じさせる歌。』との説明がありました。
日本語の歌は会場を懐かしく暖かい雰囲気で包みました。

 

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 ≪ご存知ですか?≫ 
三井ふたばこ(1918-1990)
西条八十の長女で、日本の童謡作家、詩人、随筆家。

中田喜直(1923-2000)
「小さい秋見つけた」や「めだかの学校」「雪の降るまちを」などを作曲。
また「県立明和高校」や「県立岡崎北高校」などの校歌を多く作曲。
父の中田章は日本の歌百選の「早春賦」を作曲。

高野辰之(1876-1947)
国文学者、作詞家。文部省唱歌の「春が来た」「春の小川」「故郷」「もみじ」を作詞。

岡野貞一(1878-1941)
作曲家。高野辰之の詩「春が来た」や「春の小川」「故郷」「もみじ」を作曲。
「桃太郎」「夕やけ」や160校を超える校歌を作曲。 

(出典 フリー百科事典)

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6曲目は、金澤さんが、クロード・ドビュッシーのピアノ曲「夢」を演奏しました。
『今年はドビュッシー生誕150年の記念の年。ドビュッシーの曲をよく聴かれると思います。ピアノ曲のうち「月の光」は最もポヒュラーな曲。「夢」は、幻想的な曲で、少年のころのドビュッシーは夢みがちな少年であった。曲はその性格が現われていますので、夢心地になってお聞きください。』との説明がありました。

ピアノからつむぎ出される幻想的な音色と響きに、皆さんは夢見心地で聴き入っていたようです。


7曲目は、高木さんがシャルル・グノーのオペラ『ファウスト』より「宝石の歌」を歌いました。

FC71-3.jpg『物語は、メフィストフェレス(悪魔)が用意した宝石箱をファウストが玄関に置き、それを見つけた村の若くて美しい娘(マルグリート)が宝石を身に着けながら、うきうきした気持ちで歌う曲。』との解説がありました。

高木さんは、美しい宝石に憧れる無邪気な乙女心を見事に演じ、歌いました。


多くの拍手の中で、ジャコモ・プッチーニのオペラ『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」をアンコール曲として、歌われました。

プッチーニの甘美なメロディと美しい歌声は、フォーラムの空間を感動で満たしました。

 

来場の皆さんからは…


◎今回が初めての方々から

・『日々、落ち着いて聴くことができませんでした。30分と言う短い時間に、内容素晴らしく、心豊かにさせていただきました。たいへん素晴らしかったです。曲の解説もあり、親しみやすく聞かせていただきました。何曲か、知らず知らずに涙がこぼれてきました。本当によい時間を過ごせていただき、幸せでした。』《50歳台の女性》

・『母が好きなので、偶々こちらを見つけて来ました。 こんなに本格的な演奏をオペラが聴けるとは思っていなかったので、びっくりです。しかも無料(笑)。 平日のお昼ですのでいつも来られるとは限りませんが、また機会がありましたら聴きにきたいと思います。』《40歳、男性》


◎いつも来られる方々から

・『弾いたり、歌ったりでなく、曲の説明、解説があってよろしいです。 歌唱力のみならず、表現力も素晴らしい。』《70歳以上、女性》
 
・『丁寧な曲の説明があり、中田喜直の「むこうむこう」は始めて聴きましたが、高木さんが池田町出身と聞き、私は大垣なので、いっそう親しみを感じました。年寄りには、童謡当などが特にうれしいです。』《70歳以上、女性》

・『日本語の歌2曲も(むこうむこう、おぼろ月夜)入れてくださってありがとう。シューマンがドイツという紹介があり、歌詞は何語で歌っているのかを教えてほしかった。笑顔で歌ってくれて、春を感じました。』《70歳、男性》

 
など、様々な感想をいただきました。ありがとうございました。

 

≪ 高木彩也子さんからの出演後のメッセージ ≫

『高い吹き抜けから暖かな陽の光がさす、明るい会場。

春をテーマにお送りした「スプリングコンサート」には、最も適した素晴らしい空間のなかで、皆さまと共に、とても幸せな音楽の時間を過ごさせて頂きました。

私の歌に耳を傾け、笑顔で聴いてくださるお客様のお顔がはっきりとわかり、音楽を通して皆さまと会話をしているかのような、そんな感覚になりました。

コンサートホールよりも、お客様との距離を間近に感じ、とても幸せな気持ちで演奏させて頂きました。

このフレッシュコンサートで経験させて頂いた気持ちを胸に、さらに素晴らしい音楽を奏でられますよう、努めてまいります。

このような場を提供して頂いたスタッフの方々、会場にお越し下さった皆々様、本当にありがとうございました。』

 

≪ 金澤みなつさんからの出演後のメッセージ ≫

『いつも見ていたフレッシュコンサートにまさか自分が出られるなんて、そしてあんなにたくさんの方々に聴いてもらえて本当に幸せでした。

あの会場ならではの響きの中で、とても気持ちよく演奏することができました。
お客さまの反応も直に見ることができて、笑顔を向けてくださる方々にホッと安心しました。

足を運んでくださったお客さま、会場を設営してくださったスタッフの方々、全ての人に感謝致します。』

 


さて、次回、第72回は、来週6月27日(水)のお昼(午後0時15分?0時45分)に2階フォーラムで開催予定です。

『金管楽器 音の響きを楽しもう!』と題して、La Belle Equipe(ラベルエキップ)の5人による演奏をお届けします。
<演奏者 Tp:土屋公乃&新玉真士、Hr:池田智美、Tb:小田原美賀、Tu:福岡尚子の皆さん(敬称略) >


当日、皆さんと会場でお会いできることを楽しみにしています。

 

◎  ◎ お知らせです ◎  ◎ ※受付終了しました

平成24年10月から25年3月までの「フレッシュコンサート出演者」の募集締め切りは、6月25日(月)となっています。ご応募をお待ちしています。


(M.K)
 

 2012年は、ピアニストのグレン・グールド(Glenn Gould 1932-1982)の生誕80年及び没後30年の記念の年となることから、ビデオ上映会を企画しました(6月24日までアートプラザ・ビデオルームで開催中)。

 数々の伝説に彩られた、カナダが生んだ孤高の天才ピアニストであるグールドは、20世紀の芸術家の中で、最も人気のあったピアニストの一人です。クラシック愛好家だけでなく、ジャズやロックの愛好家にまで幅広い層から愛されました。特に日本での人気は大変高いものでした。彼の演奏は、クラシック音楽の約束事にはこだわらないことから、評価は大きく分かれますが、自由奔放な解釈や疾走しスイングする音楽やリズムが多くの人の心を掴んだといえますね。グールドの研究家の宮澤淳一氏は、「グールドはクラシックの音楽家ではない」とまで言っています。

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 グールドは、デビュー・アルバムとしてバッハの「ゴールドベルク変奏曲」を1955年に録音し、世界中に衝撃を与え、それまでのバッハの演奏概念を大きく変えました。日本では評価が低かったのですが、先日亡くなられた音楽評論家の吉田秀和氏は、この盤を聴き、グールドの素晴らしさを絶賛しています。日本でグールドの真価を広く伝えたのは吉田秀和氏の功績です。その後カラヤン、バーンスタイン、セルなど一流の指揮者と共演し、名声を築きますが、1964年31歳の時に全てのステージから引退するいわゆる「コンサート・ドロップアウト」を行い、以後はレコーディングと音楽の創作、著作活動に専念しました。1982年に亡くなりますが、その直後にリリースされたのが「ゴールドベルク変奏曲」の再録音盤です。地下2階オアシス連絡通路のポスターケースにゴールドベルク変奏曲の新旧LPジャケットが展示してありますので、是非ご覧ください。
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 「ゴールドベルク変奏曲」ジャケット(左は再録音版、右が初録音版)

 

 今回の「グレン・グールド・コレクション」は、1954年から77年までにカナダ放送協会(CBC)で放映されたテレビ番組をフランスの映像作家B.モンサンジョンが12のプログラムにまとめ直したもので、グールドの演奏だけでなく、名ヴァイオリニストのメニューインとの対話やラジオ番組のためのテレビCMなどが盛り沢山です。類まれなる天才ピアニストの多彩な姿をとらえたグールド・ファン必見の映像作品をお楽しみください。

 

 さらに、グールドのLPレコードジャケットもビデオルームに多数展示していますので、ジャケット・アートもお楽しみください(LPジャケットの多くは、愛知県立芸術大学の図書館から借用したものです。)。

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 なお、今回のビデオを見逃した方は、1階アートライブラリー・ビデオブースにて視聴できますので、どうぞご利用ください。
(A.M)

[ 音楽 ]

 5月27日(日)の午後、美術館ロビーに3人の可愛い魔女(笹野大栄さん(箏)、大橋淑恵さん(ヴァイオリン)、大脇薫さん(ソプラノ))が登場し、魔術や魔女に関連したコンサートが開催されました。この3人の方々は、愛知県で活躍する芸術家などで構成される団体、愛知芸術文化協会(ANET)の若手・中堅の芸術家のグループ“てな”のメンバーです。“てな”は社会貢献を主な活動の一つとし、各地でチャリティコンサートなどを行なっています。
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左から大脇薫(Sp)さん、大橋淑恵(Vn)さん、笹野大栄(箏)さん。

 さて、オープニングは、魔法使いの帽子とマントを着けた3人の魔女が登場したので、観客の皆様はびっくり。琴とヴァイオリンとソプラノという異色の編成で、和楽器と洋楽器が溶け合った不思議で幻想的な世界が現出しました。『魔女の宅急便』や、オペラ『アルチーナ』など魔女がテーマの音楽やパガニーニの奇想曲など悪魔をテーマとしたもの、レスピーギの「Nebius」など幻想的な作品等、中には珍しい曲も含まれ、趣向をこらした多彩なプログラムでした。

 なお、プログラムの中の「キビタキの森」(1979年作曲)は、作曲家の宮田耕八朗が福島県白河の「キビタキの森」を訪ねたときの印象を表した邦楽曲で、自然の美しさが見事に表現された素敵な音楽です。今回、東北復興のチャリティのため、琴で演奏されました。
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 会場の盛大な拍手に応えたアンコールの『もののけ姫』のテーマ曲が演奏されました。観客の皆様には、素敵な美術品に囲まれ、最後までファンタジーの世界を楽しんでいただきました。

 

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 演奏会終了後には、魔女の姿の出演者が募金箱を持って立ち、会場の皆様から合計38,350円の義援金をいただきました。義援金は、全国美術館会議を通して被災地の文化財、美術品救援活動に充てられます。どうもありがとうございました。

 (A.M)

[ 映像 ]

 2年前に開催された「あいちトリエンナーレ2010」で現代美術に触れて、現代の作品には映像を使ったものが多いなあ、と感じられた方も少なくなかったのではないでしょうか。そして、なぜ映像を用いた作品が多いのだろうか、疑問をもたれた方もいらしたことでしょう。


 実は映像と美術の出会いは、1910-20年代のアヴァンギャルド映画(前衛映画)の時代にまでさかのぼることが出来ます。アヴァンギャルド映画は、この時代の前衛芸術運動であるダダやシュルレアリスムの理論を、当時のニュー・メディアである映画において実践したもの、という側面があります。このヨーロッパで発生した映像アートの最初の動きは、第二次世界大戦をへてその中心地をアメリカへと移します。1950-60年代に、この国を起点に世界的に波及していったのがアンダーグラウンド映画(地下映画)のムーブメントです。アヴァンギャルド映画からアンダーグラウンド映画へと連なる流れで生み出された、商業的な劇映画において固定化した方法論によらず、映像メディアの新しい可能性を追求するアプローチは、実験映画と総称されるようになります。


 さらに1970-80年代には、フィルムにくらべ扱いが容易なビデオが普及し始め、アーティストによる映像制作がより容易となり、ビデオ・アートと呼ばれる映像表現の新しい試みが盛んになります。ビデオ・アートとは、フィルムとは異なるビデオの表現メディアとしての可能性を追求する試みですが、実験映画の方法論やボキャブラリーを継承しているという指摘もあり、実験映画の流れを汲むものといえるでしょう。


 今回開催する「ビデオ・アートから映像アートへ」は、愛知県文化情報センターが所蔵するビデオ・アート作品より、このジャンルのパイオニアであるナム・ジュン・パイク、第二世代を代表する作家のビル・ヴィオラ、フィルムからビデオまで様々なメディアとジャンルを横断する独自の活動を行った映像作家・松本俊夫の作品をセレクトして、1970-90年代に到る流れを抽出し、ビデオ・アートがその表現としての精度を高め、深みを増すことによって、映像アートというべき今日の映像を用いた美術表現を用意していったことを照らし出します。

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【左:ビル・ヴィオラ『歯のすき間の空間』(1976年、『四つの歌』より)
右:ナム・ジュン・パイク『グローバル・グルーブ』(1973年、共作:ジョン・J・ゴットフリー)】

 会期中には、今後の活躍が期待される若手作家をフォーカスした、愛知特別プログラム「愛知の新世代たち」や、昨年開催された「第5回あいちデジタルコンテンツコンテスト」一次審査通過作品の上映も行います。映画館で観る劇映画とは異なる、映像による自由で新しい表現にぜひ触れてみてください。皆様のお越しをお待ちしております。

 会期は、6月8日(金)-10日(日)、19日(火)-21日(木)の6日間です。6月13日(水)-17日(日)は、国内最大級の映像アートの祭典「イメージフォーラム・フェスティバル2012」を開催しますので、ぜひこちらにも足をお運びください。
会場は、愛知芸術文化センター12階アートスペースAです。

(T.E)
 

今年度も「はじめてアート講座」が始まりました。


第1回の6月1日の夜は、「実験映画から映像アートへ」と題して、愛知県文化情報センターの越後谷卓司主任学芸員が講師を務めました。
前から「映像」というジャンルに興味があり、過去何回もという方や、「映像」というアートってどんなもの?と興味を持ち始めた方など、81名もの皆様に受講していただきました。
実際に映像作品を見ていただきながらの内容の濃い講義で、皆さん熱心に受講されていました。

はじめてアート-1.jpgアンケートで、今後も「映像」の催しを見たいとの声を多くお聞きかせいただき、ありがとうございます。

6月8日から愛知県文化情報センター所蔵作品上映会も開催いたしますので、是非、こちらもご覧ください。

 

第2回目は6月22日(金)に「1枚の伊万里焼から世界が見える!知っておもしろい、やきものの見方」と題し、愛知県陶磁資料館の堀真子学芸員が、分かりやすく、やきものの見方をお話しいたします。今までと、やきものの見方が大きく変わるかも知れません。ご期待ください。


受講料・事前申込みは不要ですので、お気軽にぜひご参加ください。金曜日の夜は芸術について学びませんか。

(K.F)

[ 音楽 ]

 5月26日(土)の午後、美術館ロビーにモーツァルトの美しい弦楽四重奏が響き渡りました。演奏したのは、モーツァルト200メモリアルの皆様で、舘奈緒さん(第1ヴァイオリン)、荒川芳子さん(第2ヴァイオリン)、小川克子さん(ヴィオラ)、深谷展晃さん(チェロ)の4人によるカルテットです。

 モーツァルト200メモリアル(主宰:熊崎雅芳)は、モーツァルト没後200年の1991年に創設された団体で、モーツァルトの様々な曲の演奏会を開催しています。愛知芸術文化センター主催のフレッシュコンサートでも何度も素晴らしい演奏を披露いただいております。

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 さて、魔術展とモーツァルトとは一体、何の関係があるのかと思われる方もあるでしょう。魔術や魔法といった世界は、西欧の音楽やオペラでもよく描かれています。モーツァルトもオペラ「魔笛」で、魔法の世界を楽しくメルヘンのように描いています。

 今回のメイン曲である「不協和音」は、第1楽章の冒頭に、作曲当時としては、極めて大胆な和声効果を持つ序奏が置かれていることから、こう呼ばれています。序奏の後は、モーツァルトらしい、明快な曲が始まります。美しい旋律と転調の妙が、弦楽四重奏というがっちりとした形式の中に完全に調和した作品です。室内楽の最高傑作の一つです。

 4人の演奏は、4つの声部がある時は調和して一つとなったり、ある時は親密に対話したり、ある時は対決したり、カルテットの醍醐味が味わえる名演で、あっという間の30分でした。

 最後は、誰でも知っている名曲中の名曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク(小夜曲)」の第1楽章でした。とても優雅で美しい演奏に、観客の皆様も満足そうな表情でした。

 ロビーには吉本直子さんの《白の棺》なども展示してあり、観客の皆様は美術作品を観ながらのコンサートで、他では味わえない時空を超えた感動を覚えられたことと思います。

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左から荒川芳子さん(2nd Vn)、 舘奈緒さん(1st Vn)、熊崎雅芳さん、深谷展亮さん(Vc)、小川克子さん(Va)。

(A.M)