2009年05月12345678910111213141516171819202122232425262728293031

1999年から10年に亘って開催してきた「文化情報センターゼミナール」。現代アートについて、ジャンルを横断して知ることができる大変珍しい講座として、芸術文化センターの超人気企画のひとつになりました。
「芸術が身近になった」、「様々なジャンルのアートに同時に触れられる」、「内容の理解に役立った」、とリピーター続出のこの講座が、とうとう10周年、今年も5月22日から開講します!

5月から7月までにかけて、計8回にわたる今年の内容は「ダンス」「音楽」「映像」「美術」の4ジャンル。
いずれも現代アートにフォーカスしながらも、アートの歴史やそれぞれの特徴、最新情報まで、どなたにもわかりやすくご紹介していく予定です。

第1回目は「ダンス」。ダンス界のみならず、美術や音楽、演劇、映像と様々なジャンルから注目を浴びている「コンテンポラリーダンス」の世界に迫ります。「コンテンポラリーダンス」って何?という方から、少し興味を持ち始めた方まで、現在最前線で活躍中のアーティストの作品の映像を交えながらその魅力をお話しします。
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 ↑あいちトリエンナーレ2010に参加予定のヤン・ファーブル振付作品(撮影:Christophe Raynaud)

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 ↑コンテンポラリーダンスシリーズ4「都会をダンス」より 珍しいキノコ舞踊団(撮影:南部辰雄)

無料で、予約も必要ありません、途中からでも参加可能です。
興味を持たれた方は、気軽にお出かけくださいね。
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 ↑第1回目は私が担当させていただきます。   (資料の準備中)

(E.K)

愛知県文化情報センターでは、自主企画イベントを開催するにあたり、多数のボランティア「サポートスタッフ」にお手伝いいただいています。 

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職員と一緒に上映会の受付。
「いらっしゃいませ、資料をどうぞ」
公演のフロント業務。
「チケットを拝見します。」「パンフレットです、どうぞ」

そもそもはじめてボランティアの方にお手伝いいただいたのは、2002年、愛知芸術文化センター開館10周年記念イベント「あいち芸術文化フェスタ2002」でした。72人の方が応募してくださり、「木之下晃写真展」の監視や、「カルミナ・ブラーナ」公演の楽屋担当、「愛知県立芸術大学ブラスバンドコンサート」の観客整理係などを担当してくださいました。

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写真1,2,3 木之下晃写真展  4 カルミナ・ブラーナ(撮影:南部辰雄) 5 愛知県立芸術大学ブラスバンドコンサート

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「いらっしゃいませ、チラシをどうぞ」

右端の首からスタッフ証をかけている方。
観客整理をしながらお客さんに混じってコンサートも聴きます。


翌2003年からは、1年を通して、愛知県文化情報センターの自主事業のお手伝いをしていただくボランティアとして登録、活動が始まりました。2005年には「サポートスタッフ」という名称を決定。この年の秋には、愛知芸術文化センターだけでなく、愛・地球博の会場でも、ダンスオペラ3「UZME」(EXPOドーム)と「森の中のパレード」(愛・地球広場)の上演を行い、たくさんのサポートスタッフの方々が出演者の子どもたちの対応や楽屋係など大活躍してくださいました。

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  ↑愛・地球博 愛・地球広場 懐かしいですね!もうすぐ「森の中のパレード」始まるところです。

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  ↑公演が始まりました。最後はモリゾーとキッコロも登場。

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後ろの四角いテントが子どもたちの控え室です。
舞台から誘導の手順を確認中。

「お疲れ様。足元気をつけるんだよ。」
やさしく誘導します。

そして現在、130名の方がサポートスタッフとして登録してくださっています。お願いする仕事も多岐に渡り、上映会・講演会・公演などの受付、チケットもぎりなどのフロント業務、楽屋係だけでなく、会場の設営準備、チラシのデザイン、DM発送作業、記録写真の撮影など様々です。プロジェクトアシスタントといって、学芸員スタッフと一緒に一つの事業にずっとたずさわり、そのプロジェクトを全面的に補助するお仕事をしてくださる方もいらっしゃいます。

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ワークショップのサポート。講師や受講者と一緒に踊っちゃいます。これも仕事。

会場設営準備。椅子や座布団を並べたり、スピーカーを設置したりします。


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  ↑サポートスタッフデザインによるちらし。

長い方だと、2002年からもう7年間も継続してくださっている方もおられます。
昨年度末に行ったアンケートでは、

・全然知らなかったアーティストの方達にお会いして、お話ができたり、少しのお手伝いでも喜ばれ、感謝してくださるので、嬉しいです。多くの裏方さんのご苦労を知って作品作りの大変さ、楽しさもわかり、とてもよかったと思っています。

・舞台が出来てゆく過程に関わることができ、自分が全く知らない舞台の裏側でいかに多くの方が関わっているか、どんな苦労があるかわかりました。

・普段鑑賞者としてみているダンスや美術などを、別の角度から見たり、身近に接することで、理解を深めることができました。

・スタッフ仲間とコミュニケーションが取れたのも有意義でした。

・短時間ではあるが、知らない人と協力して、仕事ができるのが楽しいし、やり甲斐があります。

などなど、皆さん、大変やりがいをもって楽しみながらお仕事をしてくださっているようすで、私達もとてもうれしくありがたく思っています。サポートスタッフの皆さんは、観客ともアーティストとも違った立場で、この愛知芸術文化センターを支えてくださる、大切な方々なのです。

現在、新しいサポートスタッフの募集は行っていませんが(ゴメンナサイ!)、もうすぐボランティアの方に力を発揮していただく場がやってきます。それは「あいちトリエンナーレ2010」。2010年愛知芸術文化センターでは、現代美術と舞台芸術を中心とした芸術祭「あいちトリエンナーレ2010」を開催します。ここでは、さらにたくさんのボランティアの方々のお力をいただきながら進めます。「あいちトリエンナーレ2010」のボランティアの募集は、もう今年の秋から始まる予定です。(詳細は「あいちトリエンナーレ2010」のウェブサイトに掲載されます)
皆さん、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

(A.F)

[ 映像 ]

 6月12日(金)から14日(日)、23日(火)から25日(木)の6日間に渡り開催する、テーマ上映会「実験映画の長編&大作」の上映プログラムが決定し、上映スケジュールをホームページ(HP)で公開しています。チラシの作成には、デザインや印刷などの作業が必要なので、時間が掛かってしまうのですが、決定とほぼ同時に公開できるのは、HPの大きな利点ですね。(ちなみに、17日(水)から21日(日)には、映像アートの祭典「イメージフォーラム・フェスティバル2009」を開催します。この時期、芸文センターでは約2週間に渡り実験映画を集中的に鑑賞できることになる訳です。)

 毎年6月には、初心者向けの実験映画入門といった主旨でテーマ上映会を開催していて、学生の方からシニア層まで幅広い年代の方々に会場にお越しいただいています。昨年は「実験映画&ビデオ・アート名画座」と題し、ルイス・ブニュエル『アンダルシアの犬』(1929年、協同脚本:サルバドール・ダリ)や、ルネ・クレール『幕間』(1924年)など、実験映画という枠組みのみならず、映画史上にもその名を刻んでいる、古典的な名作を上映し、私たちが予想した以上の反響があり、多くの方々に楽しんでいただくことが出来ました。

遠くを見れない男.jpg 今回の上映会タイトルは「実験映画の長編&大作」です。『アンダルシアの犬』にせよ『幕間』にせよ、10分前後の上映時間で、ストーリーのない、抽象的な作品というのが、実験映画の一般的なイメージになっているのですが、今回はこうした常識に留まらない、30分から60分級のまとまった長さを持つ作品や、劇映画並みの90分級の作品、あるいは劇映画でも大作と呼んでいい3時間級の作品までをプログラムしています。短編では難しい、じっくり時間を掛けてテーマやモチーフを追求する面白さを、今年は味わってください。

 入門編とは言っていますが、愛知初公開となる作品も含んだ、これまで上映会にお越しいただいている方々にもお楽しみいただけるプログラムになっています。例えば、ピーター・ローズ『遠くを見れない男』(1981年、写真右)もこれまで上映機会のなかった作品です。スチル写真をご覧いただくと、実験映画のイメージを大きく逸脱するようなスケール感があると思いませんか?(→橋を吊す巨大なケーブル上部を、人が渡っているのです)
 これはぜひ、スクリーンで体験していただきたい作品です。

(T.E)