2009年04月123456789101112131415161718192021222324252627282930
[ 音楽 ]

「AACサウンドパフォーマンス道場」は、作品の企画案を公募し、優秀な作品を書類選考、入選作品を小ホールで上演してもらうプロジェクトです。単に優劣を決めるのではなく、制作費の補助やブラッシュアップ・プログラムなど、若いアーティストを応援し、作品を磨き上げることを重視するユニークなコンペティションです。
(*AACはAichi Arts Center(愛知芸術文化センター)を意味します。)
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 ↑ブラッシュアッププログラムでのプレゼンテーション1

今年で第4回を迎えるこのプロジェクト。募集する作品は、「サウンドパフォーマンス」です。そもそも「サウンドパフォーマンス」って一体なに?と思われるかもしれません。
サウンドパフォーマンス ―音を使ったパフォーミング・アート― は、古くて新しいアートです。音楽やダンスは人類の歴史と重なる長い歴史をもち、一方で近年はメディア・テクノロジーを融合させた新しい可能性が無限に広がっています。そこで、あえて条件を「音が作品の重要な要素であること」と「舞台に人間の身体そのものが登場するパフォーマンスであること」の2点とし、それを満たせばどんな形でもOKとしています。

例えば、第1回に入賞した、山口崇洋「音響書道 ― Sound Calligraphy」。筆や紙にセンサーを取り付け、「書」を書く時の音が響く作品です。紙に墨が垂れる音、筆が紙に乗ったときの音、筆使い、パフォーマーが動く音などが、加工されて劇場内に響きわたりました。
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第2回にオーディエンス賞を受賞した、安野太郎「音楽映画第三番(名古屋) 世界は律動でできている」は、舞台いっぱいに名古屋の様々な場所の風景を次々に映し出し、パフォーマーが目に入ったものの名前や状況を読み上げます。早口で繰り返したり、時にはゆーっくりと語るなど、言葉だけなのにリズム感があり、さらには前に読み上げた声がオーバーラップして、とても複雑な音の層ができあがりました。
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そして第3回で優秀賞を受賞した鈴木悦久「自動演奏ピアノのための組曲 ― Chromatic scale variation ― 」。音はピアノだけで、音階などシンプルな曲ですが、演奏するのはピアニストとピアノ自身。ピアノとパフォーマーが、お互い弾き比べたり聞き合ったり、様子をうかがいながら演奏します。実は、ピアノとピアニストはあるゲームで勝負をしているという作品でした。
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いかがですか?今までどこにもなかった、新しい体験をさせてくれるような、独創的で挑戦的な現代のサウンドパフォーマンス作品を期待しているのです。今年の第4回ではどんな企画案が集まってくるのでしょうか?
ただいま6月から募集を開始するために、静かに準備を進めています。詳細は、愛知芸術文化センターのウェブサイトに掲載します。皆様、どうぞご期待ください!

(A.F)

2010年秋に開催されるあいちトリエンナーレのプレイベントとして3月末に開催されたダンスカンパニーのニブロール公演『no direction』の舞台写真をアップしました。
満員御礼で観ることができなかった方もいらっしゃったかな?舞台の雰囲気だけでもご覧下さいね。
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ニブロール舞台衣装2.jpg
舞台美術が衣装の一部なんですね。

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まるで包まれているように感じられる迫力の映像たち。次々と移り変わるスクリーンに目は釘付け。

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この場面だけは、パンダとの戦い?「だって、みんなパンダばかりを見てるんだもん・・・・。」
と嘆くのはダンサーたちの声・・・。

アフタートークでは、2010年の新作への抱負も語っていただきました。公演本番の日も、空き時間を見つけては、ニブロールのディレクターが集まって、2010年のための打ち合わせをされていました。
「あいちのトリエンナーレを契機にこれまでの常識を壊すような、新しい試みに挑戦する」と断言されたニブロールの方々。すでにパフォーミングアーツの最先端を疾走しているニブロール。さらに先へ先へと進んで行く予感・・・・。おいていかれないように、ついていかなきゃ!どんな新しい表現を見せていただけるのか、本当に今から楽しみですね!!
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アフタートークにて、右から衣装ディレクターの矢内原充志氏、映像ディレクターの高橋啓祐氏、主宰で振付家の矢内原美邦氏、あいちトリエンナーレ2010の建畠晢芸術監督、愛知県文化情報センター主任学芸員の唐津絵理

(E.K)