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第93回  フレッシュコンサートを開催しました ♯♪♭

2014年03月28日

フレッシュコンサートの最終回となります「第93回 フレッシュコンサート」を3月19日(水)にフォーラムI(2階)で開催しました。
当センターは、平成26年4月1日からの指定管理者制度を導入することになり、今回のフレッシュコンサートをもちまして、終演することになりました。
ファイナルステージは、『母から子へ伝えたい名曲』と題して、ソプラノの木崎美和(きざき みわ)さんとメゾソプラノの後藤志歩(ごとう しほ)さんの歌唱を石川彩子(いしかわ あやこ)さんのピアノ伴奏で、20人以上のお子様を含め200名を超える皆様にお楽しみいただきました。

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【 左から、石川彩子さん、後藤志歩さん、木崎美和さんとその愛娘ちゃん 】

◎ 今回のコンサートは…‥
教会音楽、子守唄、歌劇のアリア、日本の歌曲などの名曲とアンコールを含めて、10曲の歌唱でした。

1曲目は、セザール・フランク(1822-1890年)が作曲した「天使の糧(パン)」をソプラノとメゾソプラノの二重唱で歌いました。
透き通ったソプラノの高音とメゾソプラノの中音の美しい声がフォーラムの吹き抜けに響き合い、まさに教会の中にいるような敬虔な気持ちで聴くことができました。
作曲家のフランクは、ベルギー生まれで、1858年にフランス、サント・クロチルド教会のオルガニストになりました。この曲は、1860年「3声のミサ曲イ長調」の中に合唱曲として作曲され、1858年に作曲の「荘厳ミサ曲」を1872年に改訂する際に、「天使の糧」を独唱曲としたものです。この美しい曲は、多くの歌手に愛され、歌われています。

演奏後、後藤志歩さんからメンバーの自己紹介がありました。
「私たちは、子育て真最中の三人です。コンサートテーマの『母から子へ伝えたい名曲』を童心に帰って、お聴きください。」とお話がありました。


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2曲目は、シャルル・フランソワ・グノー(1818-1893年)が作曲した「アヴェ・マリア」を二重唱で歌いました。
お二人の清らかで澄んだハーモニーは、心を癒されるような感動を与えられました。
この曲は、1859年にヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』の「前奏曲 第1番 ハ長調」を伴奏に、ラテン語の聖句「アヴェ・マリア」の歌詞を用いての声楽曲です。
グノーは、フランスの生まれで、オペラ、劇音楽、交響曲、宗教音楽などを作曲し、ゲーテの原作をオペラとした『ファウスト(1859年)』やシェイスクピアの原作をオペラとした『ロメオとジュリエット(1867年)』がよく知られています。また、バチカン市国の国歌と言える「賛歌と教皇の行進曲」も作曲しています、

3曲目は、後藤さんから「次は、ブラームスの『子守唄』を私の独唱で歌います。この曲は、合唱団用に作られた曲です。」と紹介がありました。
後藤さんがドイツ語の詞をしっとりと優しく歌い、その美しい声に心を動かせられました。あたかもゆりかごに載せられ、スヤスヤと眠りに引き込まれるような心地よい雰囲気になりました。
この曲は、ドイツ生まれのヨハネス・ブラームス(1833-1897年)が作曲した『5つの歌曲op.49 (1864-1868年)』の第4曲です。ブラームスが指導していた合唱団員ベルタ・ファーバの第2児出産祝いに贈られた曲とされています。


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4曲目は、アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904年)作曲の『ジプシーの歌』より第4曲「我が母の教えたまいし歌」をソプラノ独唱で歌いました。
木崎さんの高く伸びのある歌と、ドヴォルザークの哀愁のあるメロディーは、来場の皆さんに感動を与えたと思います。
この曲は、ボヘミアの詩人アドルフ・ハイドゥークの詩をチェコ生まれの作曲家ドヴォルザーク自身がドイツ語に訳して1880年に作曲した全7曲からなる歌曲集『ジプシーの歌』の中にある第4曲です。「年老いた母が私に歌を教えてくれたとき、母は目に涙を浮かべていた。今、私も泣きながら子供に歌を教えている。」という意味の歌です。
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5曲目は、木崎さんから「次に歌う『ユモレスク』は、もともとピアノ曲でドヴォルザークが作曲しました。二重唱で歌います。」と紹介しました。
歌に編曲された「ユモレスク」は珍しいですが、とても楽しく、心が躍るような素敵な演奏でした。
この曲は、1894年に作曲され、ピアノ曲集「8つのユモレスク」の中の第7曲変ト長調で、最も有名なピアノ曲の一つです。日本では「ユーモレスク」とも言われますが、「ユモレスク」はフランス語の「humoresque」で、「気まぐれな、陽気な、滑稽な」という意味です。

6曲目と7曲目は、ヴォルフガン・アマデウス・モーツァルト(1756-1791年)とジャコモ・プッチーニ(1858-1924年)作曲のオペラのアリアを歌いました。
最初のアリアは、モーツァルトが1786年に作曲した歌劇『フィガロの結婚』第二幕より「恋とはどんなものかしら」でです。
後藤さんが若い男の子が恋する一途な気持ちを美しく歌いました。
このオペラは、フランスの劇作家カロン・ド・ボーマルシェが1784年に書いた戯曲の原作を基に、イタリア人のロレンツオ・ダ・ポンテ(1749-1838年)が台本(リブレット)を書き、1786年にモーツァルトが作曲しました。封建貴族に仕える家臣のフィガロの結婚式をめぐるもめごとを通して痛烈に貴族を批判したオペラです。「恋とはどんなものかしら」のアリアは、伯爵の小姓である若いケルビーノが伯爵夫人を恋する気持ちを歌った歌です。

続いて、プッチーニの歌劇全一幕『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」を木崎さんが歌いました。甘く切ない美しいメロディーに会場の皆さんも陶酔されているようでした。
このオペラは、プッチーニが1918年に作曲した一幕物オペラで、彼が作曲した唯一の喜劇オペラです。「私のお父さん」は、娘であるラウレッタが恋人のリヌッチョとの結婚をかなえるために、父親のジャンニ・スキッキに「結婚を許されないなら河に身を投げてしまう。」と、娘の気持ちを歌った歌です。


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次に、後藤さんから「日本で、3月の春の季節に広く親しまれている日本の歌を2曲歌います。」と紹介がありました。
8曲目は、日本の代表的な歌である「さくらさくら」を二重唱で歌いました。桜を愛する日本人の感性と情緒を感じさせられました。
この曲は日本古謡と表記されますが、作曲者は不詳。江戸末期頃に子どもの手習いのために作曲されたとされています。1888(明治21)年に文部省の『筝曲集』に収められ、1941(昭和16)年に文部省の『うたのほん下』に掲載されました。

9曲目は、後藤さんから「四季の『花』の本来のタイトルは『花盛り』でしたが、雪月花に合わせるために『花』に変わった。」というお話がありました。
日本で親しまれている歌曲集『四季』より第1曲「花」を二重唱で歌いました。
隅田川を行き帰りする小舟や岸辺の花など春の生き生きした情趣が目に浮かぶかのようでした。
この歌曲集は、武島羽衣(1872-1967年)が作詞し、瀧廉太郎(1879-1903年)が作曲した楽曲です。因みに歌曲集『四季』の他の曲は、第2曲が「納涼」、第3曲が「月」、第4曲が「雪」となっています。

来場の皆さんからの温かい拍手の中で、アンコールとして、東日本大震災の復興を願って『花は咲く』を二重唱で歌いました。
「花は咲く」は、2012年に東日本大震災の被災地及び被災者の物心両面の復興を応援するために制作されたチャリティーソングです。作詞は、宮城県出身の映画監督、映像作家、脚本家などで活躍する岩井俊二(1963年- )さん、作曲・編曲は、宮城県出身の作曲・編曲家、音楽プロデューサー、歌手などで活躍の菅野よう子さんです。
NHKでは、この曲を国内向け放送、国際向け放送の編成の空いた時間帯を利用して流しています。

木崎さん、後藤さんのお二人の温かく、品のある美しい声と石川さんが奏でる洗練されたピアノ伴奏は、春のさわやかな感動を伝えるとともに、歌われた数々の名曲は、子供になったような気持ちで、懐かしい感動を与えられました。
本当にありがとうございました。


来場の皆さんからは…‥
◎ 今回が初めての方々から
・『私も育児をしながら仕事を持ち、日々忙しく過ごしていますが、母でありながら、素晴らしい歌声、技術さらに美しく、強く、素敵な姿を見せていただき、感動しました。「私のお父さん」は一人目の授乳中に、不安な気持ちを抱かえながら、いつも聴いた曲です。今を大切にまた、頑張る勇気が出ました。』《40歳台、女性》
・『現役時代に忘れていた「心」を思い出されてもらえた気持ちです。「心を洗える」というか、「赤心」に返れました。』《60歳台、男性》
・『無料のイベントを開いていただけることは、お年寄、子育ての母、子どもなどにいいチャンスだと思います。「花は咲く」の歌では、涙がこぼれました。』《40歳台、女性》

◎ いつも来られる方々から
・『ファイナルとは残念です。毎月楽しみにしていました。再開されることを希望します。』《70歳以上、女性》 
・『この演奏会で音楽の素晴らしさ、楽しさを知りました。これで終わりと思うと本当に残念、残念でたまりません。』《60歳台、男性》 
・『ファイナルとは、残念です。ま近でいろいろな音楽を楽しめて、嬉しかったです。再開を願いたいと切望します。』《70歳以上、女性》

など、様々な感想をいただきました。ありがとうございました。


≪ 木崎美和さん、後藤志歩さん、石川彩子さんからのメッセージ ≫
たくさんのお客様、そしてお母さん、小さなお子様達にもお越しいただき、
最後まで熱心に聴いてくださり本当に幸せな気持ちで
演奏させていただきました。
気持ち良くお昼寝してしまったお子様もいらっしゃったようです。
アンケートにてたくさんの励ましのお言葉を頂戴し、
これからも子育てしながら演奏を続けていきたいと思いました。
サポートしてくださったスタッフのみなさまどうもありがとうございました。
また、このフレッシュコンサートが再開され出演できる日を楽しみにしています。


↓過去のフレッシュコンサートのブログはこちらをご覧ください。
http://www.aac.pref.aichi.jp/bunjyo/jishyu/fresh/index.html
 (M.K&A.M)