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マーラー「大地の歌」とローザス
 重厚壮大な「マーラー」の音楽と斬新でポップなコンテンポラリーダンス・カンパニーの「ローザス」、この2つはどういう関係なのか、首をひねる方もいらっしゃると思います。この企画はあいちトリエンナーレの最後を飾るパフォーミングアーツ『3Abschied(3つの別れ)』の関連事業なのですね。『3 Abschied』では、マーラーの大作「大地の歌」の終楽章「告別」が生演奏され、ローザスを率いるアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル他によるダンスが加わるコラボレーション作品です。さらに、演奏は現代音楽を得意とするアンサンブル・イクトゥスです。日本初演となる記念すべきこの公演もぜひご覧ください。(この公演の詳細は次のホームページをご覧ください。)

 http://aichitriennale.jp/artists/performing-arts/-anne-teresa-de-keersmaeker-jerome-bel-ictus.html


マーラー1.jpg生誕150年のマーラーと「大地の歌」
 グスタフ・マーラー(1860年―1911年)は今年、生誕150年、さらに来年は没後100年という2年連続のアニバーサリー作曲家です。マーラーは後期ロマン派の作曲家で100人以上の編成による大規模な交響曲を11曲書きました。(第10番は未完に終わりました。)
 この「大地の歌」は1908年に書かれた9番目の交響曲です。6楽章からなり、テノールとアルトが交互に独唱をつとめています。歌詞は李白らによる唐詩に基づき、ドイツの詩人・翻訳家のベートゲが自由に翻訳した詩集『中国の笛』に基づいています。色彩的で耽美的な表現や漂う東洋的な無常観、厭世観のゆえにマーラーの作品の中でも人気の高い曲となっています。
 全6楽章のうち終楽章「告別」は約30分かかる大曲です。前半が孟浩然の詩、後半が王維の詩によっています。現世との別れ、生への告別を扱ったもので、「死」という厳粛なテーマを扱ったものと言えるでしょう。
なお、今回の「3Abschied」の公演では、シェーンベルクが編曲した室内楽バージョンでの演奏ですので、
原曲 の大オーケストラ演奏の重厚さとは異なる演奏となりますので印象が異なると思います。

 

「大地の歌」のビデオ
 今回は、バーンスタイン指揮とデイヴィス指揮の2種類の映像をお楽しみいただきますが、特にマーラーを得意とするバーンスタイン/イスラエルフィルの演奏は圧倒的です。マーラーと同じユダヤ人の血が流れているためか、全身全霊をこめた感動的な演奏となっています。

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「大地の歌」ジャケットも展示しています
LPやLDという名前を聞いて懐かしく思われる方もいると思います。今では、CDやDVDに媒体が変わってしまいました。昔のLPジャケットはデザイナーが丁寧に工夫をこらして作成しており、一つのアートとも言えるでしょう。今回、「大地の歌」の12枚のジャケットを展示しています。(一部愛知県立芸術大学から資料提供いただきました。)中国の風景や写真をイメージしたもの、指揮者をクローズアップしたものなど様々です。ジャケットから何かが見えてくるかもしれません。


(A.M)
 

9月の新着図書・CD紹介

2010年09月21日

アートライブラリー9月の新着図書、CDのご紹介です。

『透明水彩で描くおしゃれな果実の植物画』
高橋京子著 日貿出版社 2010年出版
(請求記号7244/TA33T 資料番号9110484121)
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学校での図工の時間、果物を描かれた経験はありませんか?
思わずじゅるり、となりそうなほど、とっても新鮮で味わい深く、そして優しさ溢れる果実たち。
本書は、そんな彼らの魅力を存分に表現できるテクニックを学べる「おしゃれ」な指南本です。
当時の私にこの本があったなら、現物よりもむしろこちらの果実たちを凝視していたかも…。
まだまだ暑いこの季節、果実を描きながら、思わず手に取ってしまうのも微笑ましい構図。
秋の気配を感じつつ、穏やかな気分でスケッチをしたい方、必見です。
(アートライブラリースタッフM.Y)


『ヴィーナスの片思い』
視覚デザイン研究所・編集室編 視覚デザイン研究所 1995年出版
(請求記号 702.3/V74S/ 資料番号 9110483714)

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 この本のタイトルにもなっている「ヴィーナス」って? 誰かの人の名前ですか?ボッティチェリの描いた「ヴィーナスの誕生」で名前は知っているけど……。そんな疑問に対して、この本ではストーリーを追っていく形で解説されているので、理解しやすくなっています。
 取り扱っているものはヨーロッパで広く知られる神話を題材とした作品がほとんどで、私たち日本人には特に馴染みのない・聞いたことのない名前が多いですが、面白く読めてしまうのは先に述べたとおりの解説方法や、豊富な図版があるおかげではないかと思います。
 また同じ出版社から出ている、「マリアのウィンク(請求記号702.099/MA51S 資料番号 9110483705) 」や「悪魔のダンス(請求記号 720.4/A39S 資料番号9110483394)」もオススメです。
(ライブラリースタッフE.S)


『言葉をかみしめて歌いたい童謡・唱歌』 
由井龍三著 春秋社 2010.2出版
(請求記号 7677/Y97k/ 資料番号 9110484257)
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意味など知らず、先生のオルガンか何かで、ひたすら歌っていた歌がありませんか?
 私は、「ちいさい秋みつけた」(サトウハチロー/詞、中田喜直/曲)を敬老の日で(しょうか)に、
おじいちゃんおばあちゃんの前で、みんなと熱唱した記憶があります。♪めかくし鬼さん♪の所はかなしいと思った記憶があります。
ちびっこなりに、「かなしいうただけどすき。」な歌のひとつでした。そして、2番以降の詞の記憶
はゼロでしたが、美しい詞なのですね。
 どの歌も、意外と憶えていないのが、2番目以降の詞です。ほぉ・・と、静かに読みたい一冊です。
(アートライブラリースタッフ M.N)


『ボクたちクラシックつながり ピアニストが読む音楽マンガ (文春新書 622)』
青柳いづみこ 著、文藝春秋、2008年出版
(請求記号760.4/A57b 資料番号9110484005)
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「どうして音楽を聴いただけですぐに弾けるの?」「オーケストラが鳴る指揮者とは?」
この本では、音楽大学の教授が『のだめカンタービレ』などの音楽マンガを読み解きながら、クラシック世界の疑問に答え、その魅力について語っています。わかりやすい説明で、クラシックやマンガに詳しくない方にも楽しんでいただける内容です。コンクールや留学についても語られているので、音楽を志している若い方には特にオススメです。
「演奏には人間が出る」「演奏は作曲家の音楽を表現する透明なガラス」「同じ曲を二度と同じように弾かない」「音楽を仕事とする幸せを感じながら生活している」など、心に残る言葉がたくさんあり、音楽への愛に満ちた一冊です。
(ライブラリースタッフK.M)


最後にCDのご紹介です。

『ソロ・ド・コンクール』 
マティアス・ヘフス(トランペット)演奏, オクタヴィア・レコード 2010年発売
(請求記号C5*//ヘ 資料番号9310196130)
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何というか、個人的には「大河ドラマ」を思い起こさせるCDです。
もともとトランペットの音色は戦いを想起させますが、華やかな曲では勝利を祝うラッパに聞こえ、
静かな曲では戦のあとに穏やかな日常が戻ったようなイメージが浮かびます。
一通り聴き終えると、まるで「あるサムライの一生」を追体験したかのような錯覚に陥ります。
と、感想はさておき、いったいどうやって吹いているのかと思うような技巧的なパッセージや、
柔らかく心地よい音色など、聴きどころが沢山詰まった一枚です。
(ライブラリースタッフA.K)


 

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突然、いや、あまりにも自然に舞台は始まった。メトロノームのような音、装置はラジカセが1台というシンプルな舞台。水色のブリーフ姿のマルコと、ピンクのブラジャーとショーツを身につけたナディーンが登場し、準備体操にしては怪しいポーズで、腕や股関節をならしていく。

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おそらく、朝。恋人たちがベッドから這い出し、洋服を着て、仕事に出かける。夜はナイトクラブでダンスを楽しみ、激しく愛し合う・・・。それを身体だけで表現する二人。奇妙な動作に、筋肉がうねる。アクロバティックに交わる恋人たちの、最高の瞬間。腰を絡めたまま客席に向かって腕を広げ、無表情に場内を見渡す二人。その決めポーズが笑いを誘う。

私たちの日常の動作には、類型化されたものと、意味のない個性的なものがある。身体だけを浮かび上がらせてみると、こんなにも滑稽で愛しいとは!

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ラストシーンでは、ポラロイドカメラと、二人の全身写真から顔の部分を切り抜いた記念撮影用パネルを残して会場を去ったマルコ。日本初来日というのに、意外なポイントで日本人の習慣をとらえていた。彼らの視点のユニークさが、こんなところでも強調されていたように思う。

(アートマネジメント実践講座研修生 A.Y)

 

 今回は、9月末から10月初旬に発表されるアーティストに関連した図書2冊とDVD1点をご紹介します。

『+/― [the infinite between 0 and 1]』
池田亮二ほか企画、エスクァイアマガジンジャパン、2009年出版
資料番号9110482628  請求記号T719/I32t/2009
 池田2209.jpg 44-45ページの画像
この光のタワーは2008年にパリで発表されたものです。今回、9月24日(金)・25日(土)に名古屋城二の丸広場で、このように空に向かって直立する白色光の壮大なタワーと、サイン波による音風景とによる巨大なインスタレーションが展開されます。名古屋のどの場所からも見えるそうですので、この日は夜空を見上げてみませんか?
他にも、音楽・時間・空間を数学的に捉えて発表された作品が数多く掲載されています。


『MOTOKO HIRAYAMA』
alfalfa・平山素子企画編集、alfalfa、2009年出版
資料番号9110482314  請求記号769.12/H69h  【貸出可】
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平山素子さんはコンテンポラリーダンサー&振付家。この本は彼女の舞踊世界を垣間見ることができるフォトブックです。迫力と力強さをとても感じます。いくつもの賞を受賞されている高い芸術性をぜひご覧になってみてください。DVDも所蔵あり。トリエンナーレでの上演は10月3日(日)です。


『フリータイム』(DVD)
岡田利規作・演出、チェルフィッチュ出演、プリコグ、2008年制作
資料番号943000147  収録時間73分
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チェルフィッチュの上演は9月24日(金)から26日(日)。このDVDは、ある女性が東京のファミレスで毎日の出勤前に過ごす、ささやかで、大切で、ちょっと異様な30分のフリータイムを描いています。管理社会における「自由」とは何かを問う意欲作。今回の上演を観る人も観ない人も、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか? 岸田國士戯曲賞受賞の「三月の5日間」も所蔵しています。


あいちトリエンナーレで、さまざまな分野の現代アートを楽しんでくださいね。アートライブラリーにはたくさんの関連する資料がありますので、アートを深めるためにもご利用いただけたらうれしいです。
 (ライブラリースタッフK.M)
 

日差しは水の底まで届いている。水面のすぐ上に、雲ひとつない空。青と青に挟まれた世界で行われる今回のパフォーマンス。太陽に照らされ熱々になったコンクリートのにおいは、私を懐かしい気分にさせてくれた。プールサイドに体操座りして、これから行われるパフォーマンスを待つ。
ハーメルンの笛吹きのように、一列でリコーダーをならしながら野村誠さんを筆頭に音楽隊が入場してきた。彼らが順番に「ドッボーン」とプールに飛び込むたびに、舞い上がる大きな水しぶき。「びしょびしょだ!」もう、これからどれだけ水をかぶろうと平気になった。全部で7曲演奏された『プールの音楽会』から、数曲報告する。
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『バタ足クインテット』
二人の指揮者がプールの端と端に分かれ、水中に譜面台を立てて、指揮をし、その間を音楽隊がバタ足で行ったり来たり。指揮にあわせながらのバタ足。その光景だけでも十分におもしろいのに、途中で入る演者のブレス(息継ぎ)が、「はーーーっ」と必死! それがおもしろくて、おもしろくて。かなりの体力と肺活量を要する水中での演奏。演出だったのか?本気だったのか?観客もみな声を出して笑っていた。
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『ウォーター・トガトン』
竹筒を持った12人が竹と竹を打ち鳴らしたり、竹筒を水中に落とし込みながらプールの隅々を駆け回る。「トプーン、トプーン」12人がそれぞれの場所で竹筒を上下することで生まれるハーモニーは美しく、繊細な音に耳をそばだてた。
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『ペットボトル・ドラミング』
水面が平原だったなら、ペットボトルはそこに放たれた羊のよう。それぞれ手にもったペットボトルを打ち鳴らす音楽隊は羊飼い。ペットボトルの羊たちは、さすがに「メェ、メェ」とは言わいけれど、それぞれが波に揺られ、水面をたゆたい、ぶつかったり離れたり、それぞれが意思を持って音楽を奏でているみたいだった。
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『バタフライとゴジラ』。
ゴジラというのは野村さんの泳ぎのこと。小さい頃、水泳があまり得意ではなかった野村さん。バタバタと、もがきながら泳いでいる姿を見て、友人たちにまるでゴジラが暴れているようだと笑われた経験があり、野村さんは、その「ゴジラ泳ぎ」を肯定したかったそう。それが出発点となり、「ゴジラ泳ぎ」は水から生まれる音楽の共演という今回のパフォーマンスになったよう。野村さんの鍵盤ハーモニカのソロは、さすがだなぁと思わせる貫禄があった。
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『ウォーターパーカッションオーケストラ』
音楽隊は水中をぐるぐると行進。先ほどしんと静まり返っていた水面が、一気ににぎわい出す。キャラバンが浮き沈みするたびに、リコーダーも水中を浮き沈み。「ピーピー」「ぴょろぴょろ?」。リコーダーを水の中でならすとこんなにおもしろい音がするんだ!小さい時は、リコーダーを水の中でならすなんて、絶対叱られそうな気がしてできなかったのにな。そのせいか、なんだかこの音、とってもイタズラ心をくすぐられる。
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「楽しむ心」というのは、いつまでたっても失わないものなのかも知れない。
(アートマネジメント実践講座研修生 M.F)

あいちトリエンナーレの開幕を飾って上演された『ロボット版 森の奥』の囲み取材が2010年8月19日(木)に行われ、アートマネジメント実践講座の研修生が取材に同席し、レポートとしてまとめました。人間とロボットによる世界初の演劇『ロボット版 森の奥』は大きなセンセーションを起こして終了しましたが、その作品をご覧になった方も、またならなかった方も、ぜひ関係者の生の声をお聞きください!

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取材当日、平田オリザ氏(作・演出/青年団主宰)、石黒浩(テクニカルアドバイザー/大阪大学教授)、黒木一成(ロボット側監督/株式会社イーガー代表取締役会長)の3名が取材陣を前に挨拶。平田氏は大阪大学でロボット演劇を共同制作することになったきっかけや、作品がめざす方向性などについて説明。石黒氏は「演劇は、研究室よりは日常に近い形での実験になったと思います。」と話し、人とロボットが自然なコミュニケーションをとるために演劇が役立ったことなどを紹介。黒木氏はコミュニケーションが言語伝達だけではなく、表情や動作で感情を伝えることも重要であると述べ、今後の製品開発に応用していきたいと語った。


Q:ロボットにこだわったわけはなんですか?囲み1.jpg

平田:芸術家ですから、「世界で初」ということがしたかった。商業ベースでやると何千、何億というお金がかかる。大学のフィールドがあってこそ、実現できたことです。いいおもちゃを与えられた感じです。中身は子供ですから(笑)。


Q:演出面での苦労はありましたか?

平田:最初の稽古の流れがつかめないときは、ちょっと戸惑いました。それは、ロボット側の技術者の方々も同じだと思います。技術者の方々は芝居の稽古なんて初めてでした。ロボットはプログラミングを2,3分で修正できることもあれば、1時間かかることもある。でも、直ったことは何度やっても、同じようにできます。人間の俳優にダメ出しして、1回でできたとしても偶然だったりして、次にやった時にはできなかったりします。


Q:俳優陣に戸惑いはありませんでしたか?

平田:私は俳優じゃないから分からないけど(笑)、たぶん、ないと思いますよ。ただ、ロボットは決まった動きしかできないから、人間側が間違えられないプレッシャーはありますよね。私の演出は「もう何センチ前に立って」とかなので、うちの俳優陣は「ロボットに対するダメ出しがいつもと一緒だな」と思ったみたいです。もともと、「頑張れ!」とかの精神論は言いませんから。「あいつは俺らのことをやっぱりロボットみたいに動かしていたんだ」と思ったのではないでしょうか(笑)。


Q:順調ですか?

平田:とにかく初めてのことですから。(比較できるものがないから)順調かどうかは分かりません。ただ、幕が開いて何かあっても、人間は何とかできるけど、ロボットは対応できないことが不安です。

石黒:そこが将来の課題ですね。プログラミング以外の臨機応変な対応ができるようにしたいですね。


囲み2.jpgQ:あえて名古屋を初演にしたのは何故でしょうか?

平田:呼ばれたから、というのが正直なところ。本当は観光などの面も考えて大阪で発表したかったのですが、私自身は芸術家で、ボーダーレス。どこが地元という考えはありません。
大学も会社(イーガー)も大阪でしたし、何より大阪には文楽という伝統がある。開催地にこだわらないということが結果として「ボーダーレス」という、今回のあいちトリエンナーレのテーマに沿ったものになったのではないかと思います。



Q:今回、「森の奥」を選んだ狙いとは何ですか?

平田:もともとは、以前、ベルギーの劇団に書き下ろしたものです。隣にいる石黒先生は「ロボットと人間」が、私の知り合いの類人猿の研究をしている教授は「ゴリラと人間」が、お二人の話を聞く限り、同じものだと思っているように思いました。これまで、ロボットを題材とした本や映画を観てきましたが、ロボットに対する偏見や人間との違いをテーマにしたものばかりでした。ですからこの作品では、ロボットが、人間と類人猿との違いについて語るというところに焦点をあてました。人間とは何だ?という、固定観念にゆさぶりをかけたい。


Q:何故、ゆさぶりをかけたいのですか?

平田:それが芸術だから、と思うからです。


本日は、お忙しいところありがとうございました。

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(アートマネジメント実践講座研修生T.Y)
 

さまざまなジャンルで活躍していた、マルコ・デルガドとナディーン・フッシュは、より実験的であり、創造的でもあるパフォーマンスを追及していくために、2002年スイスのベルンでダンスデュオ「デルガド・フッシュ」を結成しました。

彼らが創造するパフォーマンスやインスタレーションはシュールでシリアス、でもコミカルでユニークです。
しかし不真面目、くだらないという感覚に陥ることはありません。

作品の持つ曖昧性が、私たちに自己の曖昧性を浮き彫りにさせていきます。

人間の本質とは何か。そして多様化した現代の影響とはどのようなものでしょうか。

あいちトリエンナーレでは、2007年初演の代表作『桃色のズボンと赤いヌバックの先の尖ったハイヒールをはいて、襟ぐりが緩んだセーターの上に着た空色のウールのロングコート』を上演することになりました。

鍛え上げられた肉体から生み出される迫力あるダンスと、従来のダンスの概念を超越して構成されたユニークな振り付け。そしてマルコ・デルガドを有名にした臀部の動きにも注目しながら、パフォーマンスをお楽しみください!当日券の情報は、あいちトリエンナーレ2010http://aichitriennale.jp/をご確認ください!


写真は、小ホールを下見中のデルガドさんとフッシュさん。
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(アートマネジメント実践講座受講生I.K)