2014年11月123456789101112131415161718192021222324252627282930
 

 オペレッタは「喜歌劇」とも訳され、歌・芝居・踊りが三位一体となった音楽劇です。オペラも同じ音楽劇ですが、音楽的要素が重視されるのに対し、オペレッタはセリフや踊りが多いのが特徴と言えましょう。また、内容もわかりやすく、大衆的で、ハッピーエンドで終わるものが多く、観客も気軽に楽しむことができます。

 今回取り上げるのは、ほとんどが「ウィンナ・オペレッタ」と呼ばれる、19世紀終わりから20世紀初めにかけて作られたものです。ウィンナ・オペレッタの「金の時代」と呼ばれるJ.シュトラウス2世、「白銀の時代」と呼ばれるレハールやカールマンの作品に至るまでお楽しみいただきます。

 

unitel1.jpg J.シュトラウス2世(1825-1899)

 

 

unitel2.jpg フランツ・レハール(1870-1948)

 

unitel3.jpg エメリヒ・カールマン(1882-1953)



 「ウィンナ・オペレッタ」には独特の魅力があります。美しく甘いメロディ、心躍るリズム、ウィンナワルツやチャールダッシュ(ハンガリーの民俗舞踊),フレンチカンカンなどの楽しい踊りにあふれています。また、テーマのほとんどは「愛」です。身分の違う愛、片思い、浮気など様々な「愛」が歌われ、語られます。見る人は、登場人物と一体となり、一喜一憂しながら、進展を見守り、最後のハッピーエンドに喜ぶのですね。見ればどんなに疲れていてもたちまちハッピーとなる不思議な魅力にあふれていますね。まさに夢の世界です。
   

unitel4.jpg ウインナワルツ      

 

unitel5.jpg  チャールダッシュ

 

unitel6.jpg フレンチカンカン(19世紀後半のポスター)

 



 映像はドイツの映像制作会社ユニテルによるもので、舞台上演では見られないような現地の農村の風景や宮廷の情景、豪華な衣装、大変豪華でリアルなセットが見どころです。演技も歌も踊りも上手な美男・美女が登場するのも楽しみです。
 これらの映像の中での最高傑作の一つは、カールマンの「チャールダッシュの女王」です。カールマンはハンガリーの作曲家です。その音楽はハンガリー色豊かな魅力的な歌にあふれています。むせび泣くかのようなヴァイオリン、もの憂いジプシーの響き、そして激しいダンスは大変魅力的です。主役の美人ソプラノのアンナ・モッフォとテノールのルネ・コロや他の出演者のアンサンブルも最高です。ぜひご覧ください。
 なお、今回の上映作品はすべて、アートライブラリーで視聴することができますので、見逃した方もぜひご利用ください。
(A.M)