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はじめてアート講座<ダンス>の2回目は、7月3日に開催します。
テーマは「バレエの進化」について。

「バレエ」という言葉からイメージするのは、「白鳥の湖」に代表されるようなお伽噺の世界?とばかり思っていると、大違い。バレエのテクニックはそのままに、あるいはさらに深化しつつ、より前衛的な作品が続々登場している世界のバレエ界です。

8月27日にダンスワークショップとショーイングを開催する大植真太郎さんや、12月に<ダンス・アンソロジー>で新作をもって愛知初登場する金森穣さんは、そんな海外の著名バレエ団で10代を過ごし、世界各地で大活躍の日本を代表するコンテンポラリーなアーティストたちです。彼らは日本でバレエを学んだ後、海外のバレエ団でダンスを磨き、現在は日本を代表するコンテンポラリーのダンサー、振付家として多彩な活動をされています。

ちょっと前の話しになりますが
、「サイトウ・キネン・オーケストラ」のオペラ出演のためにまつもと市民芸術館に集まった同年代のダンサーたちをキャッチ。ネザーランド・ダンス・シアター、リヨン国立バレエ、ハンブルク・バレエ団等など、数々の世界的なダンスカンパニーで活躍していたダンサーたちの久しぶりの再会は、海外に居た頃に戻ったようで、ほんとうに楽しそう。リラックスした素敵な雰囲気に、パチリ!とさせてもらいました。

本当に豪華な顔ぶれです
まつもと市民芸術館にて.jpg
写真手前中央から時計回りに金森穣さん、井関佐和子さん、大植真太郎さん、平原慎太郎さん、柳本雅寛さん(まつもと芸術館実験劇場にて)

金森穣さん、井関佐和子さんは 12月23日、24日のNoism09 新作公演(小ホール)で愛知初登場。
詳細は、後日発表しますので、お楽しみに!

また、大植真太郎さん、平原慎太郎さん、柳本雅寛さんには 8月27日のダンスワークショップ&ショーイングで登場していただきます。

実は、このオペラの空き時間に、大植真太郎さん、平原慎太郎さん、柳本雅寛さんが新作を創作、ショーイングを行いました。このときは、彼らのリハーサルを金森さんと井関さんが見学し、様々な意見を出し合っていたようでした。今年はこの作品をさらにヴァージョンアップ、9月に埼玉で開催される公演に先駆けて、愛知では新作のワークインプログレス公演として、観客も参加可能なちょっと変わったショーイングを開催します。皆さん、ご参加くださいね。

さて、世界最古のバレエ団といわれるパリ・オペラ座こそが、現在のコンテンポラリーダンスの源流だということをご存知ですか?

この続きは、7月3日19時、愛知芸術文化センター12階アートスペースAにて。皆様のお越しを
お待ちしております!

E.K)

5月から開催しているはじめてアート講座の<ダンス>1回目では、新しいダンスの歴史を振り返りながら、コンテンポラリーダンスまで続く、エポックメイキングなアーティストたちの斬新な活動を紹介しました。
なかでもウィリアム・フォーサイスなど現代のコンテンポラリーダンスの作家に大きな影響を与えた重要な舞踊家としてご紹介したのが、アメリカのスティーヴ・パクストンです。彼が1970年代に生み出した「コンタクト・インプロヴィゼーション」というダンス・メソードは、世界のダンス界のみならず、アートや一般の方のダンスセラピー(治療)の世界にも大きな影響を与えることになりました。
現在、このスティーヴ・パクストンの初めての本格的な展覧会が山口情報芸術センターで開催されています。先日そのプレヴューに参加してきましたので、その様子を写真で紹介します。
山口情報芸術センター.jpg
↑山口情報芸術センターを入ってすぐの所には、パクストンの映像が大きく映されています。


展示風景「背骨のマテリアル」
5つのスクリーンに囲まれたインスタレーションは、パクストン氏やダンサー、CGで合成された身体映像などが映し出されます。映像の製作にはベルギーの映像作家が協力。最新のテクノロジーを使って、最古の自然といわれる「身体」を考える試みです。
「背骨のマテリアル」展示風景.jpg


「背骨のマテリアル」について説明するスティーヴ・パクストン氏の話は、身体の本質へと・・・。次々に、興味深い言葉が並びます。
「動いていないと思っているけれども、常に身体は微細に動いている」
「私たちが認識している身体の範囲はとても狭い」
「その感覚はいつでも耕すことができる」・・・・・・・・・・・・。
スティーヴ・パクストン氏.jpg


同時に開催されていた関連イベントの数々「イメージとしての身体」
その中には、愛知芸術センターでも、<ダンスオペラ>『青ひげ城の扉』で、お馴染みのアーティスト、アレッシオ・シルヴェストリンによるインスタレーション『skinslides』がありました。この作品は、愛知県出身の大脇理知さんとアレッシオ、さらに音楽家の大友良英さんによるコラボレーション作品です。そして、愛知芸術文化センターのオリジナル映像も製作したことのある、勅使川原三郎さんの最新の映像作品もありました。
「Skinslides」.jpg


さらに、展覧会のプレビュー後、近くのスタジオで大脇理知さんとやはり関連展示作品『Pascal pass scale』の出品作家の高嶋晋一によるパフォーマンスも開催され、センターに訪れた人たちが大移動してパフォーマンスを観賞。
大脇理知&高嶋晋一パフォーマンス.jpg


さらに、やはり講座の中でお話したマルチ・メディア・アーティストの元祖<ダムタイプ>のアーティストである高谷史郎さんにお会いしました。山口情報芸術センターのエントランスでポーズを決めてもらいました
高谷史郎さん.jpg


展示、公演の詳しいレポートはこちらからご覧ください。
アドレスリンクhttp://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-osaka/nagoya0906a.html

(E.K)

 35回目を迎えた今回は、奥村陽子さんのアルパ演奏でお楽しみいただきました。いかがでしたでしょうか。

 アルパは、別名をインディアンハープとも言い、南米を代表する民族楽器(「アルパ」という名前自体、ハープのスペイン語読みが語源だとのこと。)です。クラシックギターに似た美しい音色と華やかな演奏、人柄がにじみでるあたたかいトークに、お越しいただいた大勢のお客様には十分お楽しみいただけたのではないかと思います。

 奥村さんが今回演奏されたアルパは、本場パラグアイで購入されたもの(あの美しい民族衣装も!)だそうです。とても美しい彫刻が施されていて、とても大切に扱っていらっしゃいました(修理などする場合、国内に対応できるところがないため、パラグアイまで送ってお願いするのだそうです)。
 少しだけ触らせていただいたのですが、見た目よりもずっと軽いのですね。重そうにみえる下部に穴が開いていて(中は空洞!)、アルパの音色は、そこから出てくるので、今回、マイクをほとんど床置き状態にしてアルパの音色を拾いました

 演奏終了後には奥村さんとアルパを取り囲んで、二重三重の人の輪ができ、楽器について質問されたり、美しい民族衣装に触れたりされたのですが、人の輪はなかなか途切れることがなく、お客様が今回の演奏でアルパという楽器とその演奏へ強く興味をかきたてられたことを感じました。
 
・曲目
♪ジェガーダ(到着)
♪カスカーダ(滝)
♪コンドルは飛んでいく
♪浜辺の歌―ふるさと―夏の思い出
♪コーヒールンバ

次回第36回は、2009年6月24日(水)午後0:15から30分間、新田尚美さんによるピアノソロ(電子ピアノ)演奏をお届けする予定です。曲目はNHK大河ドラマの「天地人―メインテーマ」、「旅の夜風―映画愛染かつらより―」、「モルダウ」など。親しみやすい曲で、楽しいコンサートになりそうです。スタッフ一同も楽しみです

では、会場でお会いできることを楽しみに

 (k.k)


アルパと美しい民族衣装♪.jpg

 
 アルパに興味津々の人々.jpg
 

 6月14日(日)17:00より、愛知特別プログラム「あいちの新世代たち2009」の上映が行われます。このプログラムは同時期の6月17日(水)から21日(日)まで開催する「イメージフォーラム・フェスティバル2009」と連動したもので、同フェスティバルの一般公募部門「ジャパン・トゥモロウ」への応募作品より、愛知県在住・出身作家の秀作をセレクトして上映するものです。
 当初、このプログラムは4作品の上映を予定していましたが、その後、出品交渉を続けていた作家からのOKが得られたので1作品が追加され、最終的には、以下のとおり5作品を上映することになりました。

横井正樹『countdown』.jpg
横井正樹『countdown』2009年、ビデオ、8分

亀山千尋『フィクションなファクト』.jpg
亀山千尋『フィクションなファクト』2008年、ビデオ、11分

林一嘉『あい』.jpg
林一嘉『あい』2008年、ビデオ、10分

岡田昭憲 『親愛なるアピタ様へ』.jpg
岡田昭憲『親愛なるアピタ様へ』2009年、ビデオ、12分

ユクタケ“カトウ”シンペイ『Jaaja/YAN YAN』.jpg
ユクタケ“カトウ”シンペイ『Jaaja/YAN YAN』2008年、ビデオ、1分 *追加上映が決まった作品です

 近年、映像の世界ではデジタル化の進展によって、高画質の映像が一般レベルでも比較的容易に撮影できるようになりました。それにともない自主制作による映像作品のクオリティも全般的に向上していて、これらの作品は現在、映像表現のヴィヴィッドな動きとして見過ごせないものになっています。この機会に映像表現の新しい動向に触れてみてはどうでしょう。ご来場をお待ちしております。

(T.E)

実験映画の17年展.jpg現在、地下2階アートプラザビデオルームでは「芸文・実験映画の17年展 ―テーマ上映会・プラザプレイベント― 」を28日(日)まで開催中です!
この催物は、6月12日(金)から14日(日)、6月23日(火)から25日(木)までアートスペースAにて開催されるテーマ上映会「実験映画の長編&大作」のプレイベントとして企画されました。

愛知芸術文化センターの開館以来定期的に行われてきた、実験映画をテーマに取り上げた主催事業の17年をふりかえり、今まで上映された実験映画の貴重な資料を展示し、当日配布されたプログラムなども、手にとってご覧いただけます。今まで開催されたポスターや資料が並ぶ様子は、なかなかの見ものです
また、展示だけでなく実際に映像作品もご覧いただけるよう、期間限定ではありますが6月12日(金)、16日(火)、27日(土)、28日(日)に、ゴダールの『映画史』全8章を上映します。

ゴダール.jpg
ジャン=リュック・ゴダール
『映画史』全8章 1988-98

 
 この作品は、1988年に制作を開始、映画生誕100年の年である95年を通過して、98年に完成した、ジャン=リュック・ゴダールのビデオによる大作です。昨年度開催された、第13回アートフィルムフェスティバルでも上映されました。

 なにしろ4時間25分の大作なので、第1章から第4章(6/12、27)、第5章から第8章(6/16、28)と日にちを分けて上映します。上映当日は、1→4、5→8の順番で2回、繰り返し上映します。12日はテーマ上映会とは開演時間が重ならないようになっていますので、テーマ上映会に参加予定の方も、会場に向かわれる前にぜひお立ち寄りください。また、テーマ上映会に参加された後「もっと色々観たい!」と思われる方もいらっしゃるかと思い、テーマ上映会終了後の土日に上映されるように設定しました。

実験映画とは、「新しく先鋭的な表現の可能性を常に追求している映像表現」とのこと。そのため芸文センターでは、劇映画やドキュメンタリーでも、映像表現の新たな可能性を追求する作品を幅広く取り上げてきました。ヌーベルヴァーグの作家と一般的には知られているゴダールの『映画史』も、そんな一本です。
新しく先鋭的って、一体どんな作品なのだろう?と思われた方、「百聞は一見にしかず」ともいいますし、この機会にぜひ一度ご覧ください。観た後には、今まで気づかなかった世界が開けるかもしれません。

ちなみに、実験映画は「あいちトリエンナーレ2010」でも取り上げる予定です(作品は未定です)。愛知初のトリエンナーレ開催前に、現代芸術を体感してみてください。
今回のゴダール『映画史』上映は、入場無料、事前申込も不要、いつでも気軽に入場できます!

(K.A)

このブログを見ていただいている皆さん  はじめまして・・

金曜夜の芸術講座として好評をいただいている「はじめてアート講座2009」が始まりました。

この講座の進行を担当していますKです。

チョットばかり遅くなりましたが、これまでに、2回終わりましたので、私からみなさんへ報告したいと思います。

第1夜は、5月22日(金)、第2夜は、5月29日(金)いずれも午後7時から愛知芸術文化センター12階のアートスペースAで開催しました。
 

第1夜の様子は、コチラ↓です。はじめてアート第1回.jpg
 第1夜「コンテンポラリーダンス最前線 ―ダンスを否定するダンス― 」講師:唐津 絵理

第2夜の様子は、コチラ↓です。
はじめてアート第2回.jpg
第2夜「実験映画って何?という人のために」講師:越後谷 卓司

第1夜は、84名、第2夜は、73名と多くの方に来ていただきました。
今年は、チラシの配布が遅れてまして実は心配していました。
特に第1夜は、雨模様の中でしたが、参加いただいたお顔を見て心からうれしく思いました。
また、第2夜の「実験映画」というのは、私にとっても未知の世界のことでどんなお客様がいらっしゃるのかなぁなんて思っていましたが、これまたたくさんの方に来ていただきました。

それから、アンケートをお願いしましたところいろいろなご意見をいただきました。
うれしいご意見やご要望などたくさんいただきました。今後の参考にさせていただきます。
それぞれの講座のご意見を少しばかりですが紹介させていただきます。

第1夜
・系統立てた説明で、大変わかりやすく、勉強になった。(40代、女性)
・コンテンポラリーダンスという言葉しかしらなかったので、一つ一つの系譜や映像のすべてが新鮮だった。(20代)
・バルトークの曲が出てきたのはうれしかった。(特に弦四No.4)日本でも過激なダンスが発表されたら良い。(50代、女性)
・映像がもっと見たい。(20代)
・日本のBUTOHについてもっと知りたい。(40代、男性)
 第2夜
・実験映画というものを体系的に見ることができてとても面白かった。映画の見方が変わるかもしれない。(40代、男性)
・初めてこういう講座があることを知りました。無料で聴講できてうれしかった。(20代、女性)
・初心者にもわかるように、基本的な事柄の定義から最新の手法、作品への歴史的な関連まで、大変興味深い内容でした。30代、女性)
・よい意味で、欲張りなとても充実した講座だった。実権映画に触れる機会はあまりないので、3つの分野をより掘り下げた内容も聞いてみたいです(20代、男性)
・レジュメがもう少し詳しいとよかった。(60歳以上、男性)
・前列に座っていたが、光が入って見にくかったので、もう少し暗くしてほしい。(20代、女性)

貴重なご意見ありがとうございます。
 
明日(6/5(金))も「バクッと現代音楽、創造の歴史」という内容で午後7時から開催します。

 お待ちしております。

(Y.K.)