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広小路・東栄町・堀川プロジェクトが開催中の「あいちアートの森」皆さんもう行かれましたか?15日付けのブログでも、パフォーマンスが紹介されていますね。

アートライブラリーでは「『あいちアートの森』関連展示」を開催中です。アートの森に参加しているアーティストの作品集や雑誌記事、CDを展示しています。

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現代美術の展示では雑誌をご紹介することが多いです。雑誌には制作の様子や作家さんのインタビューなどが掲載されているので、作家さんをより身近に感じることができますね。
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2000年4月号の美術手帖には堀川プロジェクトに参加している有馬かおるさんがご自宅で作品を制作されている様子がのっています。今もこのお家お住まいでしょうか。12月にダンス公演を行われた康本雅子さんが表紙を飾る2005年12月号の美術手帖ではスーツ姿でハイキックをする康本さんを見ることができます。カラー写真が多いのも雑誌の魅力です。


もちろん、作品集や展覧会図録も多数展示しています。
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個人的には堀川プロジェクトに参加されている山田亘さんの「立体めがね」がおすすめです。写真に見える、赤い本です。この本は展示が終われば貸出が可能になりますよ。

CDもご紹介しています。
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1月23日に東栄町でサウンドインスタレーションとワークショップ&コンサートを行う寺井尚行さんの曲が収録されたCDと、2月28日に常滑でパフォーマンスを行う八木美知依さんが制作参加しているCDです。行こうかどうか迷われている方はとりあえずCDを聞いてみてはいかがでしょう?


カウンター前のオレンジ色のポスターが目印です!もう会場に足を運ばれた方も、これからの方も、ぜひご覧ください。

(ライブラリースタッフT.K)
 

1月のおすすめ新着第2弾です。今回は本とCDをご紹介します。まずは、現代音楽の作曲家レイモンド・マリー・シェーファーの著書をご紹介。

『サウンドエデュケーション』新版
R・マリー・シェーファー著 春秋社 2009年出版
(請求記号 760.7/Sc1s 資料番号 9110480230)
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この世の中に存在するあらゆる音について、様々な課題を通じて考えるきっかけを作ってくれるのがこの本です。

私たちの聴覚は意外と多くの音を聞き漏らしたり、聞き流したまま忘れてしまったりしています。
たとえば紙を丸めてボールを作り壁に向かって投げたとき、どんな音がするでしょうか。
ボールが壁に当たった瞬間の音を思い浮かべた方が多いのでは?

しかしシェーファーは
(1)腕を上げる音
(2)ボールが手から離れる音
(3)ボールが空中で風を切る音
(4)ボールが壁に当たる音
(5)ボールが床に落ちてはずむ音
という一連の響きが存在していることを教えてくれます。
(とは言え実際に試してみたところ、球速が足りないためか(3)は聞こえませんでしたが・・・)

このような100の課題に取り組むことで音楽を聴いていないときでも、私たちのまわりには常に複雑な音の世界が広がっているのだと気づかされます。

ちなみにこちらは改訂版となっており、改訂前の版も当館で所蔵していますので併せてご利用ください。
(ライブラリースタッフA.K)


次はマルタ・アルゲリッチのCDです。

『マルタ・アルゲリッチ&フレンズ ライヴ・フロム・ザ・ルガノ・フェスティヴァル 2008』
マルタ・アルゲリッチ ピアノ,スティーヴン・コヴァセヴィチ〔ほか〕演奏
イーエムアイ クラシックス 2009年発売
(請求記号 C1*//ア3 資料番号9310195151 )
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今回初めて新着CDの紹介文を書くことになり、正直焦りました。元々クラシック音楽に精通している訳でもない私にとって、今月の新着CDのハードルはあまりにも高かった。この中で私が多少なりとも知っていたのは、ピアニストのアルゲリッチだけだったのです。
しかも私の記憶の中のアルゲリッチは、過去のCDジャケットや雑誌なので見かけた若かりし頃のもの…。

今回紹介文を書くためジャケットを拝見した所、そこには白髪のご婦人に変貌していたアルゲリッチの姿がありました。彼女は1941年生まれなので、今年でもう68歳になるんですね。そんなお歳とは知りませんでした。最近では第一線の活動から退き、後進の指導に力を注いでいるようです。

前置きが長くなりましたが、今回で7回目を数える「ルガノ・フェスティヴァル2008」の目玉は、アルゲリッチによるヤナーチェク、ピアソラ、プレトニョフの3人の作曲家作品を演奏したことだそうです。

その中でも私のオススメはピアソラの「3つのタンゴ」。奏者の1人であるエドゥアルド・ウベルトが2台のピアノ用にアレンジしたものですが、力強さと繊細さがミックスされた絶妙な演奏がとにかくカッコいいんです。

もう1曲オススメしたいのはモーツアルト。3人目の旦那さんだったスティーブン・コヴァセヴィチとの連弾なんですが、聴いているだけでは連弾とは全く分からないほどのシンクロ感があります。さすがは元夫婦ですね。

この他、当館には2002年から2005年に開催された「ルガノ・フェスティヴァル」の模様を収録したCDも所蔵しています。是非聴き比べてみてください。
(ライブラリースタッフT.I)


CDは館内でご利用いただけますので、ぜひ聞きにいらしてください。
(ライブラリースタッフT.K)

 

 今月もアートライブラリーに新しい本とCDが入ってきました。
当館は美術と音楽の専門図書館なので画集や音楽の本、楽譜を主に収集しているのですが、それ以外の建築や伝統工芸の本なども集めています。今回はそういった本をご紹介したいと思います。


『壊れても仏像 文化財修復のはなし』
飯泉太子宗著 白水社 2009年出版
(請求記号718/I28k 資料番号9110479794)
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形あるものはいつか壊れる。それは仏像だって例外じゃありません。
私たちが現代において古い仏像を見ることが出来るのは、何度も修理されてきたという事実があるからです。恥ずかしいことですが、私も読むまで仏像や文化財の修復を専門に行う仕事があることを知りませんでした。
本書では、仏像に関しては姿かたち、素材、製作方法を始めとしたもの。修復に関しては専門用語、方法や道具、どういった状況や状態なのかも場合によっては挿絵付きの説明もあり、それぞれが分かりやすく書かれています。
「どうやって直していくの?」と、少しでも疑問に思ったのでしたら是非読んでみてください。
読んだ後は仏像の見方が変わるかもしれませんよ。
(ライブラリースタッフE.S)

 

『沖縄染色王国へ』 
與那嶺一子著 新潮社 2009年出版
(請求記号753/Y82o 資料番号9110479874)
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沖縄のイメージ。
日本でありながら異国情緒に溢れ、懐が大きそうであるのに、簡単に馴染むことのできないひとつの「国」。強く、濃い、「国」。旅をするための「国」。
個人的な、イメージです。
独自の、音階、言葉、精霊の話を多くもつ島々。夜空いっぱいの星の数や、水や花の鮮やかな色、戸惑うほどのゆっくりとした時間。
・・・ぱらぱらとこの本を繰っただけで、思わず小旅行してしまいました。

この本の内容について。沖縄の、染物・織物の本です。
一目で「あの沖縄の衣装!」とわかる、鮮やかな染め、「紅型(びんがた)」。島の植物を原料とした織物、「芭蕉布」「宮古上布」。ロマンチックな意味を持つ八重山のミンサー織(真実は不透明。P117参照)、手巾(ティサージ)(こちらはP118参照)。

著者は沖縄に生まれ、その地にどっぷりと浸かっていた為、「沖縄の魅力」について分からなかったという、生粋の沖縄島民。自分のお郷の魅力については、意外と気づかないものかもしれません。

この本を手に取って、ただ、パラパラと見とれるのもひとつ。(オールカラー頁!)
自分のお郷自慢は何だろう?と思い浮かべてみるのもひとつ。(案外、個々の家庭単位でも「当たり前文化」の違いがあったりしますよね。)
私は、小旅行させていただきました。おすすめの一冊です!
・・・みなさんの後に、私もゆっくり楽しみます。(すこしかじっただけなので。)
(ライブラリースタッフM.N)

 

『有名建築その後』
日経アーキテクチュア編 日経BP社 2009年出版
(請求記号5231/Y97n 資料番号9110480276) 
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厳かにそびえ立つ大建物。
東京タワー・東京駅丸の内駅舎・東京都庁舎・中銀カプセルタワービル・国立京都国際会館…
表紙や背表紙を飾るのは、日本を代表する建築物達です。

まるで同一空間に封じ込められたかのような不可思議な感覚にさせるモノクロカバーページをめくれば、誕生秘話から今現在を解説するノスタルジックな経過の歴史まで、それぞれの生みの親である建築家等は子供たちに対する思い・そして将来の展望を語る…

国立国会図書館、国立西洋美術館本館、神奈川県立音楽堂など、アートライブラリーにとっても関わりの深い建物や、名古屋大学豊田講堂など、名古屋地域に縁のある建物も紹介されています。
どこか哀愁漂う、はたまた近未来へと誘う、そんな魅力が秘められている一冊です。

生涯残していきたい大切なものとはなにか?
皆さんもこの有名建築世界への旅路で、その答えを探してみませんか?
(ライブラリースタッフM.Y)


これ以外の新着図書はライブラリーHPでリストが見られますので、そちらをご覧ください。
新着図書はすぐ借りられてしまいますので、お早めに!
(ライブラリースタッフT.K)
 

 
 

当センターでは、 毎月第4水曜のお昼に無料のミニコンサート、フレッシュコンサートを開催しておりますが、今日は、この1月27日に出演予定の「モーツァルトメモリアル200」さんから、コンサートに向けてのコメントをいただきました。

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1月27日にフレッシュコンサートで演奏予定の「モーツァルトメモリアル200」の熊崎です。今回のコンサートの主題は「モーツァルトの誕生日」、そのモーツァルトについて、少しご紹介しますね。

 W・A・モーツァルトは、1756年1月27日(火曜日)午後8時、オーストリア、ウイーンから317キロ離れたザルツブルク、ザルツッハ川のほとり、旧市庁舎のうしろゲトライデガッセ9の4階で産声をあげました。それからわずか35年の短い生涯に600数十曲という作品を生み出したすばらしい作曲家です。

母はアンナ・マリア、父はレオポルド。

母アンナ・マリア.jpg          父レオポルド.jpg

父レオポルドはのちに「ヴァイオリン教本」を出版し、これは優れた音楽教育教材としてすでに18世紀当時、数ヶ国語に翻訳されるほどの音楽家でした。

モーツァルト4歳の時のお話を一つご紹介しましょう。

父        「なにしてるんだ?」
ヴォルフガング「いま、コンサートのピアノ曲を書いてるんだ」

(父が見ると、羽ペンで書いているものの、こぼしたインクのシミだらけの楽譜を書いています。)

父        「こりゃ難しいぞ!ヴォルフガング!」
ヴォルフガング「だからぼくコンサートの曲って言ったんだ。きちんと弾けるようになるまで練習しなきゃ!」

神童モーツァルトと言われていますが、こんな幼少の頃から、音楽が生活の一部となるほど練習を積み重ねていたんですね。子ども同士で遊んだことなどない少年時代だったかもしれません。幼い頃の肖像画は大人びていてその齢に見えない顔つきです。

幼時のモーツァルト.jpg

余談ですが、モーツァルトの生誕地、ザルツブルグの郊外アニフには、20世紀クラシック音楽の巨匠カラヤンの家と墓もあります。

飛行機好きで知られたカラヤンは、航空機を利用して世界中を旅して演奏活動を展開する人生を送りました。カラヤンの家の左右の精悍な馬の門柱を眺めていると、一生を通して旅を繰り返したモーツァルトと何か共通するものすら感じるのは私だけでしょうか?

来る1月27日は、そんな巨匠たちに敬意をこめて演奏したいと思いますので、どうぞご期待ください!

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当日は、モーツァルト作曲のコンサートアリア「Alma grande,e nobil core」を始め、歌劇「フィガロの結婚」等よりソプラノとバリトンの美しい歌声をご披露いただける予定です。会場でお会いできるのを楽しみに!

 (文責 K.K. ) 

アートの森ロゴ.jpg12月から、愛知県内6ヶ所で始まった、現代美術展&パフォーマンス・プロジェクト「あいちアートの森」。
6カ所のうち、現在開催中なのが、広小路・東栄町・堀川プロジェクトです。皆様、もう現代美術展の展示はご覧くださいましたか?美術館や画廊のようなホワイトキューブではない展示会場で、それぞれ、建物の特徴を生かしての展示など、大変おもしろいので、ぜひお出かけくださいね

さて、パフォーマンスも見所・聴き所満載に開催します。

まずは、1月26日(火)19時から、SMBCパーク栄にて開催する、「ダンス&ミュージック即興セッション「即興45min. 無の地点」。
これは、出演者が、3名の優れたダンサー、岡登志子・中村恩恵・垣尾優が、ミュージシャン内橋和久と行う即興セッションです。あまり広くない会場なので、どんな風に踊るのか、とても気になるところです。
神戸や東京で行う、同じ公演はもちろん有料なのに、名古屋では無料でご覧いただけます。この機会をぜひお見逃し無く!!
SMBCパーク栄は、かつてロボットミュージアムのあったところで、三越名古屋栄店の北側です。

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そして、もう1つは、1月30日(土)14時から、朝日神社にて、鬼頭哲ブラスバンドのコンサート。
名古屋を拠点に、オリジナル曲ばかりを演奏する元気なブラスバンドです。代表の鬼頭哲は、バリトンサックスの演奏者として国内外で活躍、「渋さ知らズ」や「東京中低域」といったグループのレギュラーメンバーとしても知られています。今回のブラスバンド・コンサートでは、25名以上が集合、栄の喧噪に負けない大音量で、寒さも吹き飛ばしてくれることでしょう。
こちらももちろん無料。朝日神社は丸善の北西側、中警察署栄交番の隣。約30分の公演は、屋外での立ち見となりますので、暖かくしてお出かけください!!

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堀川プロジェクト(2010年1月5日―3月7日)の情報は、
美術館ブログでもご覧いただけます
 『まちあるき×アート』『テニスクラブ×アート』


(A.F.)

 

あけましておめでとうございます。
今年の干支は寅ですね。トラはたくましくも愛らしいネコ科の動物です。

そんなトラにちなんで、アートライブラリー入り口横で
『ねこ特集 芸術家は猫が好き??』展を開催しています。

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猫を題材とした絵や、彫刻ののっている本、猫をテーマに作られた曲を収録するCDを集めました。

猫には芸術家をひきつける何かがあるのでしょうか?
猫好きで有名な藤田嗣治を筆頭に、多くの芸術家が猫を題材にした作品を残しています。
どの猫も可愛いです。


作家と猫の仲むつまじい写真の載った本や「猫を上手く描く」雑誌の特集などもご紹介していますよ。

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向かって右側の机に展示されている本は借りられます↓

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今回は借りられる本を多めに紹介していますので、お好きな猫をお家につれて帰ってくださいね。

ライブラリーHPトップの特別展示のお知らせページでは展示資料のリストを見ることができますので是非ご覧下さい。

(ライブラリー・スタッフT.K)
 

[ 映像 ]

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 現在、東京都写真美術館で開催中の「躍動するイメージ。 石田尚志とアブストラクトアニメーションの源流」展に、当センター・オリジナル映像作品として制作された、石田尚志監督『フーガの技法』(2001年)が出品されています。

 この展覧会で注目したいのは、この作品本来のフォーマットである16mmフィルムにより、展示室で常時、上映が行われていることです。美術展に映像作品が出品される場合、長時間、映写機を廻し続けることが困難なため、フィルム作品の場合、ビデオに変換して上映されるケースが多く、その点でこれは画期的なことです。(とは言うものの、映写機のコンディションによっては調整のため休止することもある様です。こうしたことは機械には付きものなので、そんな時は温かい心で見守ってほしい、と思います。)

                              →「躍動するイメージ。」展チラシ

 昨年、豊田市美術館で行われた屋外での上映では、夜間、美術館の水面に映像が映り込むことを計算した映写で、『フーガ』のこれまでになかった側面を引き出した石田監督だけあって、今回の展示も見応えがあります。特に作家が所蔵する大量の原画が同時に展示されていることは、アニメーションの制作に数多くの画が必要であることを知っている人も、改めてその膨大な枚数とそこに費やされた労力を実感できる、貴重な体験となるでしょう。写真美術館所蔵の映画前史の様々な装置や、オスカー・フィッシンガーら抽象アニメーションの先駆者の仕事と合わせた展示構成は、アニメーションの原理や歴史を知るという意味でも意義のあるものです。

 会期は2月7日(日)までありますので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。


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↑東京都写真美術館入口(最寄駅は恵比寿です)

(T.E)