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 「愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品」として制作された、大山慶監督『HAND SOAP』(2008年)が、4月29日(木)―5月4日(火)にドイツで開催される、「第56回オーバーハウゼン国際短編映画祭」のインターナショナル・コンペティション部門に出品されます。この映画祭は、1954年に始まった、世界で最も歴史のある短編映画の国際映画祭として知られています。
 「オリジナル映像作品」としては、1995年に天野天街監督『トワイライツ』(1994年)が、1996年にダニエル・シュミット監督『KAZUO OHNO』(1995年)が、それぞれ出品されています。特に『トワイライツ』は、「オーバーハウゼン」でグランプリを受賞し、映画初監督作品が最高賞を獲得したという快挙となり、当時、大いに話題になった、縁のある映画祭です。この時期、日本はゴールデン・ウィークという大型連休に当たりますが、ドイツも春の最も過ごしやすい時候なので、映画祭自体がとても気持ち良く楽しめる催しになっています。

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(▲左から、『トワイライツ』(1995年 天野天街、スチル写真撮影:羽鳥直志)、『HAND SOAP』(2008年 大山慶)

 『HAND SOAP』の国際映画祭出品の話題が続きます。6月7日(月)―12日(土)にフランスで開催される、「アヌシー国際アニメーション映画祭2010」への出品も決定しました。「アヌシー」は1960年に始まった、国際アニメーション映画協会(ASIFA)公認の映画祭で、今年、第50回を数え、アニメーションの映画祭としては世界最大規模を誇るものと評価されていますが、この歴史と権威のある映画祭に実験的なニュアンスを持つ『HAND SOAP』が出品されることは、特筆すべき出来事だと言ってもいいでしょう。国内外で注目される『HAND SOAP』ですが、今後、どのような上映の機会が得られるかにも、引き続き注目してください

「オーバーハウゼン国際短編映画祭」公式サイト
http://www.kurzfilmtage.de/

「アヌシー国際アニメーション映画祭」公式サイト
http://www.annecy.org/home/

(T.E.)

アートライブラリー4月の新着図書・CDをご紹介します。

『ビュフェとアナベル』
フォイル 2007年出版
 (請求記号723F/B85b 資料番号9110482305)

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シグニフィカント・アザー。意味は重要な他者。
ベルナール・ビュフェと妻アナベルも、互いに重要な他者という関係にありました。
画家として確固たる地位を築いていたビュフェ、モデルやシャンソン歌手として活躍していたアナベル。華やかな成功の一方で、互いに通り抜けてきた悲しい過去。けれどそれ以上に2人の時間は幸せだったのではないかと、この本の言葉や写真が語ってくれます。・・・ちょっと憧れますよね。
素敵な春の出会いがありますように!2人の軌跡の1冊です。
(ライブラリースタッフA.U)


『コルビュジエさんのつくりたかった美術館』
 五十川藍子 文 金子ともこ絵 echelle?1  2009年出版
(請求記号 523/L49i 資料番号9110471061)

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美術館へいっても展示作品のみを見ていて建物に注意を払っていませんでした。しかし、
ル・コルビュジェは美術館を「アートが集まる場所だけではなく、世界を見る装置であり、
どんどん広がり続けるもの」としてとらえていました。
そんな彼の構想をもとに建てられたものが、国立西洋美術館です。
らせん状に展示室が広がり、中央の光を感じながら回る美術館。
残念ながら、いろいろな事情で彼の目指したものとは完全には一致しませんでしたが、
この本はコルビュジェの美術館への思いを教えてくれます。
また、この本はとても分かりやすい文章とイラストで書かれています。
親子で楽しめる一冊です。
(ライブラリースタッフE.I)


次はCDのご紹介です。
『望郷のバラード 無伴奏ベスト』
天満敦子 演奏、キングレコード、2009年
(資料番号9310195554)

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無伴奏バイオリン曲「望郷のバラード」で有名な天満敦子さんのデビュー30周年を記念した、初の無伴奏ベストアルバムです。収録されている曲は全て無伴奏バイオリン曲。まるで、無伴奏バイオリンコンサートに訪れたような気分が味わえます。
「お客様に、私の『音』に浸っていただきたい」(CD解説書より)というこだわりゆえに、無伴奏バイオリンコンサートのステージでは天満さんの姿さえ良く見えないほど、抑えた照明の中で演奏されるそうです。ぜひ部屋を薄暗くして聞いてください…と言いたいところなのですが、当館のCDブースは明かりの調整が出来ませんので、目を閉じてバイオリンの音色に浸ってみてくださいね。
(ライブラリースタッフT.K)

この他の新着資料はライブラリーHPの「新着資料」で見ることが出来ます。こちらもご覧ください!

 

たとえスタッフといえども、見学者の入室不可!
とのオハッド・ナハリン先生の厳しいお達しがあったため、参加しました!GAGAワークショップ。
(いえ、もちろん「GAGA ピープル」です)

はじめは、照れくさいやら気後れするやらで隅のほうにいた私たちですが、参加者の皆さんの熱心さに巻き込まれて、いつの間にか楽しく踊っていました。

当然ですが、受講中の写真撮影もご法度ですので、お見せできるのは終了後のこの集合写真だけ。GAGA1.jpg続いての舞踊歴3年以上の人向け「GAGA ダンサー」は、30分時間オーバーで、外で待つ私たちにもそのハードさが伝わってくるほど。

参加者の方のアンケートから、感想を一部抜粋して、せめて雰囲気だけでもお伝えします。
・ハードだったが、心のおくから何かがはじけてくる感じがあった。解き放たれた気持ちになった。
・外に広がる感覚が気持ちよく、バランスを崩すことを気にしないで動けました。
・自分の体の中の「動いてなかった」パーツに出遭えて、身体中に水がまわるような思いがしました。

そして最後に行われたアーティスト・トーク。GAGAtalk.jpg
乗越たかおさんの軽妙な解説とともに、オハッド・ナハリン氏自ら暴露した裏話なども聞けたし、バットシェバ舞踊団『MAX マックス』の公演予告も見たりできたし、すっかり得した気分です。

ちなみにGAGAワークショップの模様は、乗越さんの超面白ブログにも掲載されてます!
そしてGAGAについてもっと知りたい方は、GAGA Japanのサイトへどうぞ!
(Y.M)