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オンド・マルトノによる音楽とダンスによる新しい作品の創作が進んでいます!

2011年10月30日

オンド・マルトノという楽器をご存じですか?


1928年(昭和3年)にフランスで発明された電気を使った楽器です。
電気を使った楽器としては、同じ頃ロシアで発明された「テルミン」という楽器に続いて古くからある、アコースティックとエレクトロニクスが合体したような楽器です。

オンドマルトノ全体.jpg これがオンド・マルトノです!】


スピーカー.jpg

 

写真中央のオルガンのような本体だけでなく、その周囲にある銅鑼のようなものや弦を張った葉っぱのような形のものは、実はスピーカー。


つまりこれら全部で1つの楽器なのです。本体の鍵盤を弾くと、また鍵盤の前にあるリボンを押さえるようにして演奏すると、その音が周囲のスピーカーか

ら出されます。
スピーカー自身が銅鑼や弦からできているため、とてもアコースティックな音がします。

【左はシュロの葉の形をしたパルムスピーカー】


 

 

9月21日には、愛知県芸術劇場大リハーサル室にて、「2台のオンド・マルトノによるレクチャー」を開催し、この楽器の歴史や構造、特徴について、演奏を交えながら語っていただきました。
講師は、岐阜県在住のオンド・マルトノ奏者である、市橋若菜さんと、坪内浩文さん。

    レクチャー写真.jpg【レクチャーの様子です。右が市橋さん、中央が坪内さんです。】


そして今、この楽器による音楽とダンスによる、新しい舞台作品の創作が進んでいます!


作品タイトルは「プロメテウスの光」。
曲を作曲したのは、名古屋在住の作曲家、伊藤美由紀さんです。
愛知県立芸術大学を卒業した後、マンハッタン音楽院やコロンビア大学で学んだ伊藤さんは、現在フランスやメキシコなど海外からも作曲の依頼がある、気鋭の作曲家。
今回の曲は、このオンド・マルトノに、ギター、クラリネット、さらにエレクトロニクスも重ねた音楽となりました。
9月には、初めて音あわせを行い、録音して、振付家・ダンサーのもとに送られました。

 

録音風景.jpg

【録音の風景です】


そして、この曲にダンスを振付け、演出を行うのは、現在日本で最も活躍中のコンテンポラリー・ダンサーの一人、鈴木ユキオさんです。
舞踏出身で、今や国内外で公演やワークショップを重ねている鈴木さんは、ミュージシャンとのコラボレーションも豊富ですが、オンド・マルトノという楽器を知ったのは今回が初めてだそう。
音高を滑るように行き来し揺れるような音色のオンド・マルトノや、メロディに縛られない伊藤さんの曲に、大変共感したと言います。
というのも、鈴木さんご自身も、日常の動きとダンスの境界、あるいはその揺れにとても興味があったから。

 

鈴木取材.jpg

【インタビューを受ける鈴木ユキオさん】

鈴木作品.jpg

                 【鈴木さんの過去のダンス作品の写真。
                  右は「犬の静脈に嫉妬せず」(青山円形劇場、2009年)
                  左は「HEAR」(金沢21世紀美術館、2010年)】


こうして創られつつある作品は、11月29日に小ホールで上演します。

さてどのような作品が生まれるのか。
ぜひ皆様自身が確かめてください!
現在チケット好評発売中です!

公演の前半は、オンド・マルトノのソロやピアノとのデュオ曲の演奏。
たっぷりとオンド・マルトノ自身の音色をお楽しみいただけます。


11/29(火)19:00-
「オンド・マルトノ・コンサートとコラボレーション・ダンス公演」
・チケット 
一般2,700円(前売り)
学生1,500円(前売り・愛知芸術文化センタープレイガイドでのみ取扱)


なお、11/25には、「鈴木ユキオ ダンスワークショップ」も開催。
経験者クラスのほかに、どなたでも参加できる一般クラスもあります。
申込みは11月13日まで(必着)。受講無料です!  ※受付終了しました

(A.F)