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あいちトリエンナーレ2010まちなかパフォーマンス

2010年10月14日

あいちトリエンナーレ2010もあと2週間です! これまでにも、アートマネジメント実践講座研修生が行われたパフォーマンスの様子を報告してくれましたが、ここでまた3つまとめて紹介します。


まことクラヴ『長者町繊維街の日常』(9/3,4開催)

今回のまことクラヴの作品タイトルは『長者町線維街の日常』。会場に選ばれたのは婦人服などの企画・製造・販売を行っている繊維総合商社・丹羽幸(株)の荷さばき場。「会社見学へようこそ」という開演前のアナウンスがあり、丹羽幸の社員もパフォーマンスに参加。まことクラヴのメンバーと社員が一緒になって、丹羽幸の社歌を合唱したり、商品やまことクラヴ部員(!)をダンボール箱に詰めたりと、その場と人とを存分に生かしたものになっていました。

makoto.jpg

「日常と非日常」が一緒になった作品。でも、社員が段ボールに服を詰めていく作業の手慣れた手つきは、正しいフォームがあるかのような無駄のない綺麗な動きで、見慣れない私にとっては非日常的な一つのパフォーマンスに思えました。逆に想像ではありますが、まことクラヴの部員は、毎日のようにパフォーマンスを考えたり実行しています。一般的な日常というものはどういうものか、考えてみたくなりました。

(アートマネジメント実践講座研修生T.Y)



umeda1.jpg梅田宏明『Adapting for Distortion』『Haptic』(9/11,12開催)

海外で活躍している梅田宏明は、映像、音、照明、振り付け、ダンスをたったひとりでやってしまう。しかも今回の作品は日本初上演だ。舞台は途中、休憩を挟んで25分ずつの2作品の上演となっている。

『Adapting for Distortion』

静寂の中で暗転したかと思うと、小さな光のドットが一列になって増えていった。遠くから聞こえてくるような雨音がだんだん強くなってくると、白い衣装にスキンヘッドの梅田が静かに中央に立つ。音響は一変してリズミカルなデジタル音に変わり、光の直線やグリッド線の激しい変化で舞台が埋め尽くされていった。彼自身の身体も生きたスクリーンとなり、2次元世界の3D映像の中にいるような不思議な感覚に襲われた。

『Haptic』

黒い衣装をまとった彼の体が、多彩な色の中でうねりながら、まるで浮き上がっていくようだった。

umeda2.jpg
意外にも彼は、自分の表現にダンスは不必要かもしれないと考えているという。納屋橋会場では実験的インスタレーションも行っている。彼の舞台は、ドンドン進化していきそうだ。

(アートマネジメント実践講座研修生I.K)



コンタクト・ゴンゾ『non title』(9/18-20開催)

コンタクト・ゴンゾのパフォーマンスはかなり独特です。コンタクト・インプロビゼーションというメソッドのダンスを軸に、彼らは接触(コンタクト)行為を非常に激しいものへと変化させました。そのためパフォーマンスが「殴り合い」と称されています。
彼らは、気持ちの中で「押す」と「殴る」をイコールにすることで、アウトプットする表情がなくなるのだと語っています。もちろん信頼関係を築いた上での行為でありますが、痛みを感じる行為ゆえに、観客は時として目を背けてしまいます。

gonnzo.jpg

今回の3日連続のパフォーマンスは、それぞれ、梅田哲也(アーティスト、9/18)・姫野さやか(ドラマー、9/20)とのコラボによるものと、彼らのみのパフォーマンスと毎回違う演出で楽しめました。「コンタクト」を単に彼らの身体の接触としてとらえるか、コラボしたアーティストや観客を含むすべての人の出会い(コンタクト)ととらえてみるのも面白いかもしれませんね。

(アートマネジメント実践講座研修生S.K)