現在、小ホールで上演するパフォーマンスの企画案を募集中の「第5回AACサウンドパフォーマンス道場」。
その選考委員の方々が今年は一新していますので、ここで改めてご紹介します!
山本裕之さん(作曲家、愛知県芸術大学音楽学部准教授)
まず、これまでに引き続き、名古屋市や愛知県に在住あるいは活躍されているアーティストの方として、山本裕之さんにお願いしました。
山本さんは、作曲家で、現在愛知県立芸術大学准教授でもあります。
その作品は、日本の作曲賞で最も主要な、武満徹作曲賞第1位(2002年、審査員は湯浅譲二)、第13回芥川作曲賞(2003年)を続けて受賞され、正統派の現代音楽の作曲家として新しい音の作品を創り活躍されています。
また自ら「音ヲ遊ブ 日本の現代音楽」というウェブサイトを運営して情報交換の場をつくり、多様な音の表現に関心を寄せておられます。
道場では、音を扱うアーティストの立場から選考やブラッシュアップに関わっていただきます。
畠中実さん(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]主任学芸員)
今年からは、アーティストではなく企画者の立場から関わっていただこうと、お二人の方にお願いしました。
一人は、NTTインターコミュニケーションセンター [ICC]主任学芸員の畠中実さんです。
畠中さんは1996年の開館準備よりICCに携わり、メディア・アート系の催しを多数企画してこられました。
主な企画には「サウンド・アート―音というメディア」展(2000年)、「ローリー・アンダーソン 時間の記録」展(2005年)、「みえないちから」展(2010年)など。「みえないちから」展では、昨年まで道場の選考委員を務めてくださった、佐近田展康さん、三輪眞弘さんによるユニット・フォルマント兄弟の《フォルマント兄弟の“お化け屋敷”》が展示されました。
畠中さんの企画では、展示だけではなく多数のライブ・パフォーマンスも開催され、パフォーマンスにも幅広い見識をお持ちです。
桜井圭介さん(音楽家、ダンス批評、吾妻橋ダンスクロッシング・オーガナイザー)
もうひとかた新しく、音楽と関わる他のジャンルの方として、桜井圭介さんにお願いしました。
桜井さんは、作曲家・編曲家として、ミクニヤナイハラ・プロジェクト、砂連尾理+寺田みさ子、ほうほう堂などのパフォーミング・アーツ・グループの作品創作に関わるとともに、「吾妻橋ダンスクロッシング」のオーガナイザーとして活躍されています。
「吾妻橋ダンスクロッシング」はコンテンポラリーダンス、現代美術、演劇、お笑いなどジャンルを横断したパフォーミング・アートの最先端を取り上げる公演で、ストレートでポジティヴな表現にこだわっておられます。
主催の愛知芸術文化センター側の企画学芸員としては、継続して藤井明子が関わります。
このように今年は昨年までとは全く違ったメンバーによる選考委員なので、応募される企画も自ずとこれまでにはなかった新しい企画になるのではないかと、期待しています。
それぞれの選考委員からのメッセージは、こちらをご覧ください。↓
http://www.aac.pref.aichi.jp/bunjyo/jishyu/dojo/index.html
応募締め切りは7/11まで。多数の応募をお待ちしています!!
(A.F)
2011年7月20日に愛知芸術センターコンサートホールにて、東北復興支援チャリティコンサートの一つとして、『吉田文&平山素子 オルガンとダンスの華麗な競演』が行われることになりました。
オルガニスト吉田さんの荘厳華麗なオルガンとともに、平山さんが「復興への祈り」を込めて踊ります。お二人は初めての共演ですが、お互い楽しみにされているそうです。
吉田さんは震災時、ドイツに滞在中だったそうで、「遠く離れていても出来ることを」と教会で日本のために祈るドイツの人々の姿に感銘を受けたそうです。
一人一人の祈りの心が集まって生まれる調和と、パイプオルガンの一つ一つ音が合わさり音楽になることが重なったそうです。
「客席を含めたホール全体で調和が生まれれば嬉しいです」とお話しされました。
平山さんは、『After the lunar eclipse/月食のあと』リ・クリエイションの公演会場のひとつである兵庫県立芸術文化センターを例に挙げ、「劇場が元気に発信していくことで、心の復興に繋がるのではないかと思います。」とおっしゃっていました。
7月22・23日に、愛知芸術文化センターの小ホールで行われる《平山素子ソロプロジェクト『After the lunar eclipse/月食のあと』 リ・クリエイション》での細部までこだわった完成度の高い作品と、音とのコラボレーションによる、即興的要素のある純粋な身体を見比べることができるのも貴重な機会ですね。
ぜひお越しください!
(吉田文さん、平山素子さんのお二人です!)
日 時 : 2011年7月20日(水)19:00-
会 場 : 愛知県芸術劇場 コンサートホール
料 金 : 無料 ※全席自由
*満席の場合は、入場をお断りすることがございます。
*チャリティとしてお一人様500円以上いただきます。
*チャリティとしていただきましたお金は、被災地の芸術文化の支援として用いさせていただきます。
出 演 : 吉田文(オルガン)、平山素子(ダンサー)
(T.Y)
アートライブラリーではただいま、
「どこかできいたクラシック音楽」をテーマに展示を行っています。
テレビ番組やCM、イベントのBGMなどでよく用いられる音楽を60曲以上集めました。
一例をご紹介すると、
などなどです。
展示されているCDはすべて館内でお聴きいただけます。
再生開始と同時にガツンとくる「カルミナ・ブラーナ」や、
まだお盆も来ていないのに、早くもお正月気分に浸れる「春の海」、
“2011年宇宙の旅”に出た、宇宙飛行士古川さんを思って聴く、
「ツァラトゥストラはかく語りき」など、楽しみ方はいろいろです。
なんとなく気になっていたあの曲、これまで聞き流してしまっていたあの曲を、
この機会にじっくり聴いてみませんか?
(ライブラリースタッフA.K)
アートライブラリー6月の新着図書・CDをご紹介します。
『ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア』
デボラ・ソロモン著 白水社 2011年
(請求記号 719/C88s 資料番号 9110495911)
この手作りの木箱に、何故どうしようもなく惹かれるのでしょう。
箱の中に古い書物の切り抜きやビー玉など、一見がらくたの寄せ集め。しかしそこには静謐な秩序が存在し、閉じられた空間を幸福とさえ感じるのです。
本書は伝記です。コーネルのひっそりとした生涯は、読んでいてワクワクするようなタイプのものではないかもしれません。しかし彼に寄り添うかのように親密に記された512頁は読み応え充分です。
作品をカラー図版で見たい!という方は、展覧会のカタログ等もご利用ください。
(ライブラリースタッフA.U)
『ようこそオペラ! ビギナーズ鑑賞ガイド』
加藤浩子著 春秋社 2011年
(請求記号766.1/Ka86y 資料番号9110495813)
オペラに興味はあるけれど「まず何から観たらいいの?」それが分からない…
また、「何を着て観に行けばいいの?」「拍手のタイミングは?」
この本は、そんな初心者ならではの疑問に答えてくれます。「オペラって何?」というところからはじまり、初めての人におすすめの演目紹介や、歌手、指揮者、演出家で見るオペラの楽しみ方、オペラの歴史、国内外の劇場での鑑賞のコツなど、内容はもりだくさんです。
合間にはさまれた「オペラこぼれ話」も楽しく、読めばいっそうオペラを観たいという気持ちが高まることと思います。
(ライブラリースタッフA.I)
『ウラジーミル・マラーホフ』
ダンスマガジン編 株式会社 新書館 2011年
(請求記号769.38/ Ma39u 資料番号9110495958)
バレエダンサーであり、芸術監督であり、コリオグラファーとしても活躍するウラジーミル・マラーホフの半生を収めた1冊。カラーの写真も沢山載っていて、中でも「コート」の写真は本当に空中を移動しているよう・・・。また、読み進めていくとマラーホフの才能だけではなく、人柄にも魅力を感じることができます。
この1冊を読み終えたとき、より一層ウラジーミル・マラーホフに魅了されてしまうでしょう。踊っているマラーホフを見たい!ということであれば、マラーホフの映像資料も何点か所蔵しておりますので、是非ご覧下さい。
(ライブラリースタッフW.N)
こちらはCDです。
『皇帝のビウェラ・市民のリュート NARVAEZ vs NEWSIDLER』
櫻田亨ビウェラ・リュート ワオンレコード 2010年
(請求記号C4ナ/サ 資料番号9310197156)
タイトルは対戦方式。不穏な雰囲気が醸し出されていますが、ご安心を。
中身を聴いて頂ければ、二つの楽器のそれぞれの良さが引き出された、心地よいメロディーを感じて頂ける穏やかなCDとなっております。
二人の作曲家が作曲したヴィエラとリュートの音色は、どちらも素朴でどこか哀愁漂う美しい旋律を奏でています。
市民のリュートは、そう言われる所以か、より温かみがあり、昼下がり、芝生でひと休みするイメージがたっぷりな楽曲を収録。(個人的な想像ですが…)
一方、皇帝のヴィエラは、ひとつひとつの音がはじけるように、すっきりと聴こえてきます。
はっきりとした物言い、そして時には優しさをも覗かせる、さすがは皇帝!と言わんばかりの音質です。
どちらの楽器も、どちらの楽曲も心を落ち着かせてくれ、和みます。是非、お試し下さいませ。
(ライブラリースタッフM.Y)
6月16日(木)愛知芸術文化センターにて、《平山素子ソロプロジェクト『After the lunar eclipse/月食のあと』 リ・クリエイション》の記者発表が行われました。
平山さんご本人も出席していただき、作品のテーマや《リ・クリエイション(再創造)》に挑んだ想いをお話ししていただきました。
(記者の方にお集まりいただきました)
《テーマについて》
作品の製作は、無重力実験の飛行機の中で踊った体験から重力に興味を持ったことが始まりだったそうです。
また、本作品が初めてのソロ公演であったことに対しては、「ソロであることが重要で、一人のストーリーとして提案することに意味があり、やりがいを感じるところでもあります。」過去・現在・未来といった時間の経緯を表現していく動きや衣装にも注目してもらえれば、とおっしゃっていました。
そして、タイトルの『月食のあと』から連想される《光と闇》というキーワードを挙げ、「光があることを繊細に感じ取っていただければ」という言葉が、とても印象に残りました。
(お話しをする平山さん)
《リ・クリエイションについて》
「再演はありがたいです。初演のときは夢中で作ったので、今回はじっくりと向き合うことが出来ました。」と平山さん。
「作品全体をコース料理にたとえるなら、メインが魚から肉になったりというようなメニューの変更をしたわけではなく、1つ1つの料理の繊細さと密度を上げていく作業をしていきました。(中略)振付の動きだけでなく、衣装などの演出的な部分(照明や音響など)をひとつひとつ見直していきました。」
その上で、
「初演をご覧になっている方には、ちょっとの変化の積み重ねでこんなにも印象が変わるんだ、と感じていただけると嬉しいです。」
とおっしゃっていました。
初演をご覧になった方にも新しい感覚で楽しんでいただけるのではないでしょうか。
(右:ポスターと同じポーズでパチリ! 左:写真撮影に応じる平山さん)
日時: 2011年7月22日(金)19:00-、7月23日(土)14:00- / 18:00-
※23日(土)14:00公演終了後、ポストパフォーマンス・トークあり。
出演:平山素子(構成・振付・ダンス)
逢坂卓郎(ライトアート)
スズキタカユキ(衣装)
唐津絵理(愛知県文化情報センター主任学芸員)
会場: 愛知県芸術劇場 小ホール
料金: 一般2,700円(当日3,000円) 学生1,500円(前売のみ) ※全席自由
*学生券は愛知芸術文化センタープレイガイドのみの販売となります(前売のみ)。
*4歳より入場できます(要チケット)
*前売り券が完売した場合、当日券は出ないこともございますので、予めご了承ください。
チケット好評発売中!
愛知芸術文化センタープレイガイド 052(972)0430
チケットぴあ 一般0570(02)9999 Pコード412-833
JCDNオンラインサービス http://dance.jcdn.org
イープラス (PC&モバイル) http://eplus.jp
6/10(金)より始まった、2つの上映会に関連する展示です。
テーマ上映会では、バスター・キートン、D.W.グリフィスの1910年代-1920年代の作品や、愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品より現代の作品が上映されています。
上映会で、ご覧になることが難しい方。
アートライブラリーでもご覧いただける作品もございます。ぜひお立ち寄り下さい。
↑先日の上映会で見逃してしまった!という作品も用意しております。
次の上映会へ行けないなあ・・・という方もご安心ください。観られるものもありますよ♪
↑バスター・キートンに関する作品などを紹介したスペース。
↑雑誌の記事や過去のカタログで関連するものも紹介。
展示スペースに置かれていても、貸出しができることをご存知ですか?
バーコードの横を見てくださいね。「貸出可」という青い文字のシールが貼ってあれば、貸出しできますのでカウンターまで!お好きな場所で、ゆっくり読んでくださいね。
雨が続く季節に入りましたね。
晴れの日には他の事にあてる時間を、映画鑑賞や読書の時間に贅沢にあててみてはいかがでしょう?
お待ちしております。
アートライブラリーM.N
「第5回AACサウンドパフォーマンス道場」の作品企画案の公募が始まっていますが、これに関連して、6/12(日)14:00から、新旧の選考委員によるシンポジウムを行いました。
さらにその様子はUstream中継されました。
実は愛知芸術文化センター主催の催しがUstream中継されたのは初めてなのでした。
シンポジウムでは、まず他には類を見ない特徴をもつ、この若手アーティスト育成プログラムの、開始からこれまでを振り返りながら、“道場”らしさを確認しました。
それは、書類選考で入選と決まったアーティストには、作品を上演するチャンスが与えられるのですが、上演までの間に、2回の「プレゼンテーション」などのブラッシュアップ・プログラムを受けていただくということ。
作品を磨き上げることを重要視していることが、このプロジェクトの大きな特徴です。
もう一つは、「音(サウンド)」と「パフォーマンス」の2つの条件を満たせば、どのような形でも応募可能であるということ。
このプロジェクトの立ち上げから第4回まで継続して選考委員を引き受けてくださった、佐近田展康さん、三輪眞弘さんが中心となり、記録映像も交えながらお話し、今回新しく選考委員を引き受けてくださった山本裕之さんは主に質問役として、いろいろと聞き出していただきました。
過去のいくつかの入賞作品の映像をみながら、さらに話を進めて、最後に、これからの道場に期待するものとして、入選者が企画案をブラッシュアップさせて作品を仕上げていくというプロセスを重視するという、道場らしいこの方法を継続しながらも、新しい選考委員に入れ替わったことにより、まずはこれまでにはなかった企画の応募があってほしい、ということで、シンポジウムが終了しました。
なお、シンポジウムの詳細は、Ustreamのアーカイブでいつでもご覧いただけます。
冒頭の数秒間が欠けてしまっています。どうぞご容赦ください。
↓↓↓
http://www.ustream.tv/recorded/15330089
作品企画案の募集は7/11(火)まで。多数の応募をお待ちしています!
(A.F)
2009年愛知芸術文化センタープロデュースによって製作された『月食のあと』。リ・クリエイションを経て東京・兵庫とツアーを行い、誕生の地、愛知に7月22・23日に帰ってきます。
そこで今回、2009年初演後のアフタートークで平山さん・ライトアーティストの逢坂卓郎さん・衣装デザイナーのスズキタカユキさんに、作品の製作についてお話ししていただいたことを、一部抜粋してご紹介させていただきます!
●今回の作品製作にあたって●
【平山さん】
「舞踊作品は総合アートとして、もっと多くの人と握手をしていくことによって、無限の可能性があると思いました。」
【逢坂さん】
「舞台照明というのは、やはりアーティストの空間を製作するためのスタッフというか。(中略)しかし今回は、ぼくは自分自身の作品を光のパフォーマンスだなと思って参加させていただきました。」
【スズキさん】
「平山さんをどういう立ち位置のものとして認識することから始まりました。自然界の精霊のような存在として衣装を提案するパターンと、肉体があって、人間かどうかはイメージのものなのでまた別のものですが、ある程度肉体を持ったものとして考えるか。今回は後者で、(中略)少しでも生身の存在を感じる要素を入れたという感じですね。」
●公演を終えて●
【平山さん】
「わたし、ずっと、ダンサーになりたいと思ったことがないんですね。(中略)今回、実はこの作品を頂くことで、本当に今、正直に、素直に、自分はダンサーになりたいと強く願うようになっています。それは、今までいかに自分がダンスみたいなもの、ダンサーみたいなことをしてきてしまったか、反省も含めて。」
【逢坂さん】
「(舞台は)限られた1時間という時間の中で、あらゆる感性に訴える。空間感覚もそうですけど、視覚、聴覚、(もしかしたら触覚的なこともあるかもしれませんけど)そういうものを総動員して体験できるという、いわばちょっと非日常的空間から得られるものってすごく大きいものがあるなと感じました。」
【スズキさん】
「いろんな方とやることによって、新しい発見をしていって、洋服っていうものがこんな見せ方もあるんだって。どんどんどんどん振れ幅を作っていくことで新しい提案が出来ていけるとおもしろいなという風に思っています。」
コメントを拝見しただけでも、アーティストの皆さんの情熱と初演時の興奮が伝わってきます。
そして、今回も7月23日14:00公演終了後、ポストパフォーマンス・トークが開催されます!
初演をご覧になっていらっしゃらない方はもちろん、『リ・クリエイション』されていますので、初演をご覧になられた方もまた是非お越しくださいませ!!
日時: 2011年7月22日(金)19:00-、7月23日(土)14:00-/ 18:00-
※23日(土)14:00公演終了後、ポストパフォーマンス・トークあり。
出演:平山素子(構成・振付・ダンス)
逢坂卓郎(ライトアート)
スズキタカユキ(衣装)
唐津絵理(愛知県文化情報センター主任学芸員)
会場: 愛知県芸術劇場 小ホール
料金: 一般2,700円(当日3,000円) 学生1,500円(前売のみ) ※全席自由
*学生券は愛知芸術文化センタープレイガイドのみの販売となります(前売のみ)。
*4歳より入場できます(要チケット)
*前売り券が完売した場合、当日券は出ないこともございますので、予めご了承ください。
(T.Y)
金曜夜に開催している様々な芸術分野の入門講座「はじめてアート講座」を今年も開催しています。
第1回は5月27日(金)、第2回は6月3日(金)にそれぞれ開催しましたが、第1回は86名、第2回は112名の方たちが聴きに来てくださいました。
各回とも、スライドや映像を使いながらの説明が分かりやすいと好評でした。
第1回の様子
第1回「現代音楽 企画運営と公演」
講師:藤井明子(愛知県文化情報センター主任学芸員)
第2回の様子
第2回「展覧会のできるまで」
講師:深山孝彰(愛知県美術館主任学芸員)
さて、今年は全部で6回開催する予定ですが、チラシなどでもすでにご案内しているように“スタンプラリー”を実施しております。
6回すべての講座に参加していただき、「はじめてアート講座」のチラシにスタンプを6個集めていただいた方には、8月6日(土)から開催される愛知県陶磁資料館の企画展「東海現代陶芸-思考する新世代-」にご招待することにしております。
さらに、ここで新しいお知らせです。
陶磁資料館の企画展に加えまして、急きょ7月9日(土)から愛知県美術館で開催することになった「棟方志功 祈りと旅」展にもスタンプラリーでご招待できることになりました!
当初、7月には「プーシキン美術館展」を開催する予定だったのですが、東日本大震災の影響により残念ながら中止となってしまいました。かわって、このたび東北復興支援特別企画として「棟方志功」展を開催することになったものです。
6回すべての講座を受講してスタンプラリーに参加された方は、陶磁資料館と愛知県美術館の二つの展覧会にご招待できることになりましたので、第3回以降も、ぜひご参加いただきたいと思います。
次回第3回の講座は、「オリジナル映像作品をプロデュースする」というテーマで、6月24日(金)に、やはり夜7時から、芸術文化センター12階 アートスペースAで開催します。
講師は、愛知県文化情報センター主任学芸員・越後谷卓司です。
少し間がありますが、ぜひ第3回以降も皆様のお越しをお待ちしています!
(H.S)
愛知県文化情報センターでは、6月7日からツイッターを始めました。
これまで、文化情報センターの自主事業の情報は、チラシやホームページ、そしてこのブログでのお知らせでしたが、ツイッターの活用により、より早く皆様に新鮮な情報をお伝えできるかと思います。
また、学芸員から皆様へ、作品をより楽しんでいただけるような情報もお伝えしていければと思っていますので、お楽しみに!
ぜひ、皆様、フォローをお願いします!!
アカウントは @AACbunjo
ハッシュタグは #a_bunjo
です。Follow me!!
http://twitter.com/#!/AACbunjo
(T.A)
テーマ上映会「映像の学校II」が始まります(会期:6月10日(金)-12日(日)、21日(火)-23日(木))。
タイトルに「II」と付いているのは、昨年「映像の学校」を開催し、その好評を受けた第二弾として企画したためです。
愛知芸術文化センターでは、実験映画やビデオ・アートに代表される、先端的な映像作品を軸に映像事業を行ってきましたが、実験映画の源流をたどると、歴史的に、その始まりが1910-20年代の前衛映画(アヴァンギャルド映画)にあることが分かります。
このサイレント映画(無声映画)の時代は、映画の黎明期であったため、アヴァンギャルドに限らず、映画それ自体が大いなる実験の渦中にあったといっても言い過ぎではありません。
サイレント映画では、昨年に続き、今日の劇映画のフォーマットを作り上げたD.W.グリフィスと、チャップリン、ロイドと並ぶ三大喜劇王の一人バスター・キートンを取り上げます。
グリフィスの『イントレランス』(1916年)は、サイレント映画における最大級の大作であるとともに、最も実験的ともいえる作品です。
今回上映するプリントが16mmフィルムのサウンド版であるので、11日(土)14:00はサイレント映画本来の映写スピード1秒間18コマで、21日(火)18:30には現在のサウンド映画のスピード1秒間24コマで、計2回上映を行います。サイレントとサウンド版の違いをスクリーンで体験できる、貴重な機会です。
(D.W.グリフィス『イントレランス』(1916年))
キートン『キートンの恋愛三代記』(1923年、共同監督:エディ・クライン)は、『イントレランス』のパロディとして作られたという説もある作品で、キートンが短編から長編へ進出するターニング・ポイントになったという意味でも重要です(上映は、10日(金)19:30)。
映像表現の新たな可能性を探り、革新しようという試みは、現代にもつながっているものです。
この上映会では、愛知芸術文化センターが制作する実験的な映像作品のシリーズ「オリジナル映像作品」より、映画監督が通常の劇映画の枠組みを離れて取り組んだ意欲作を中心に上映作品をセレクトしました。
『愛のむきだし』(2008年)や『冷たい熱帯魚』(2010年)などの作品で近年、注目を集めている園子温の『うつしみ』(1999年、シリーズ第8弾)は、園監督の自主制作映画時代の集大成という評価もある作品で、彼のフィルモグラフィーを語る上で欠くことのできないものともいえるでしょう。この作品はまた、『イントレランス』が試みた映画の構造的な実験を継承している、という側面も持っています。
昨年のプレミエ上映で、音を体感する新しいタイプの作品として高い評価を得た、柴田剛『ギ・あいうえおス -ずばぬけたかえうた-』(2010年、シリーズ第19弾)のアンコール上映や、七里圭『ホッテントットエプロン-スケッチ』(2005年、シリーズ第14弾)を2011年サウンド・リミックス版で上映することなど、音楽や音に関心を持つ方にも楽しめるでしょう。
ダンス・ファンには、昨年6月に逝去された舞踏家・大野一雄のドキュメンタリー『KAZUO OHNO』(1995年、シリーズ第4弾、監督:ダニエル・シュミット)は必見ですが、『イントレランス』〈バビロン編〉の祝祭的な群舞シーンで、アメリカ・モダンダンスの先駆者の一人、ルース・セント・デニスが出演している点も(出演場面自体は短いながらも)注目です。
来場者には、スタンプ・サービスも行います。
スタンプを3つ集めると、広報誌「AAC」や、イメージフォーラム提供による「イメージフォーラム・フェスティバル」カタログのバックナンバーなど、貴重な資料をプレゼント致します。
皆様のご来場をお待ちしております。
(T.E)
ただいま、アートプラザビデオルームにてイタリアオペラ上映会が開催されています。今週はヴェルディの中期から後期の最も脂の乗り切った時期の作品ばかりで、名作が目白押しです。満席の場合もありますので、ご来場はお早めに。
イタリアオペラというと、真っ先に挙げられるのがヴェルディとプッチーニですね。世界中のオペラハウスのどこかで毎日のように上演されています。2人のオペラの目ざすものは少し異なっています。ヴェルディは演劇的要素を取り込み、音楽のドラマ化を目指しています。特にシェイクスピアを題材にした『マクベス』、『オテロ』、『ファルスタッフ』などは歌と芝居が見事に融合していますね。人間の心理を実に見事に表現しています。
一方、プッチーニは天性のメロディストです。庶民的な題材と一度聞いたら忘れられなくなる美しいメロディにあふれ、多くの人に親しまれています。フィギュアスケートでも彼の音楽がよく使われています。
たとえていうと、ヴェルディはスケールが大きい大河ドラマで、プッチーニは、人情豊かなメロドラマでしょうか。筆者はプッチーニの『蝶々夫人』や『ラ・ボエーム』を見ると涙腺が刺激されてしまいますが、ヴェルディの場合は、そのようなことは余りありません。むしろ力がわきあがるような感動を覚えます。
みなさんはヴェルディとプッチーニどちらがお好きでしょうか。
ジュセッペ・ヴェルディ(1813-1901)
ジャコモ・プッチーニ(1858-1924)
さて、今回の上映会はメトロポリタン歌劇場(MET)の来日に関連して企画したものです。METといえば、世界でトップとも言えるオペラハウスですね。劇場の巨大さ(客席数3,800)、舞台の豪華さ、一流の名歌手と名手のオーケストラなど、世界で最も豪華なオペラが見られます。オーソドックスな演出が多いというのがオペラ好きの人にはやや不満な点ですが、最近では、あっと驚くような斬新な演出も増えてきています。今回、海外のオペラハウスの来日公演の中止が相次ぐ中で、来日を英断したのですね。うれしい限りです。
最近では、METライブビューイングという映画館で見るオペラが人気ですね。METで上演された最新の演目の映像を大画面で楽しむことができます。舞台裏でのインタビューや舞台展開のシーンなども挟まれ、楽しいひと時をすごすことができます。先日のライブビューイングでは、MET総裁のP・ゲルブ氏が「がんばれ日本」と日本へ励ましのメッセージを送っていました。
(C)Paul Masck
今回の上映会を見逃した方も、アートライブラリーにて両作曲家のオペラを楽しむことができます。どうぞご利用ください。
次回は「サウンドパフォーマンスと現代オペラ特集」です。オペラ好きの方は普段見る機会のない現代オペラも満載です、ぜひご覧ください。
(A.M)