8月23日(火)16時30分過ぎから20時過ぎまで、第5回AACサウンドパフォーマンス道場プレゼンテーション1を行いました。
会場は、伏見・長者町にオープンしたばかりの「アートラボあいち」。
この場所は、昨年開催された「あいちトリエンナーレ2010」で「ATカフェ」として親しまれてきた会場でしたが、交流と若いアーティストの作品づくりや発表の場所として再度使っていこうとオープンしました。
ここで、書類選考で入選となった4組のアーティスト自身が、直接自分の作品について説明し、作品のデモンストレーションを行いました。
それに対して、選考委員をはじめ集まった観客の方々が、質問をしたり、感想を言い合ったり、また可能性や評価する点を延べ、期待することや批評を延べるなど、長時間意見を交わしました。
【選考委員のみなさんです】
最初は、井藤雄一さんによる『fmiseq』。
コンピュータそのものを一種の楽器として捉え、映像とシンクロして音を奏でていく作品です。
システムについて簡単に説明があり、音と映像が直接つながって映像をコントロールすることで音を奏でていく作品がテスト的に上演されました。
ここではあえてモノクロで幾何学的な模様の映像でしたが、今後どのように変わっていくか、あるいはパフォーマンスとして組み立てられていくのか、可能性が膨らむ作品です。
2組目は、ヒッチハイカー(島本和秀×浜田洋輔)というグループによる『ヒッチハイク』。
島本さんが俳句を詠む声と、俳句の17文字に様々なシーンで録音された環境音を割り当て流すことによって生まれる音空間は、まるで自然のなかや街の中にいるような風景を、聴く者の心のなかにもたらしてくれます。
本公演では3句ほど詠むそうですが、どんな風景が現れるのか、楽しみです。
休憩を入れて、後半最初は、堀江俊行さんによる『ずれ木魚』。
機械ではない人間が演奏するからには逃れることのできない僅かな「ずれ」に着目し、木魚を叩いた時に生じるずれをコンピュータで拾って、木魚の音と様々にコラボレーションさせていくような作品です。
口頭で説明をしながら、片手で木魚を叩き、右手ではパソコンを操作して音を操るその様こそ、立派なサウンドパフォーマンスという感想が出るほど、一人で何役もこなしていました。
本公演では、あくまでシンプルさを追求するのか、そうではなく豊穣なパフォーマンスとするのかによって、全く違った作品にしあがりそうです。
最後は、垣尾優×高村聡子による『一撃1200』。
高村さんを中心に20分(1200秒)をカウントダウンして唱えていく中に、「聴く」ことにまつわる様々な台詞を盛り込み、垣尾さんを中心に身体動作をくわえる演劇的な作品。
プレゼンテーションでは、5分間(300秒)をカウントダウンしていく仮作品を発表しました。
本公演の台本はこれから煮詰めていくそうで、どのような作品に仕上がるのか、期待が高まります。
これらの作品は、第2回のプレゼンテーションの時には、またさらなる発展した姿へと進んでゆきます。
ぜひその過程を見に来てください!プレゼンテーションはすべて無料です!!
(A.F)