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「イタリアオペラの魅力 ヴェルディ&プッチーニビデオ上映会」が開催中

2011年06月01日

 ただいま、アートプラザビデオルームにてイタリアオペラ上映会が開催されています。今週はヴェルディの中期から後期の最も脂の乗り切った時期の作品ばかりで、名作が目白押しです。満席の場合もありますので、ご来場はお早めに。

 イタリアオペラというと、真っ先に挙げられるのがヴェルディとプッチーニですね。世界中のオペラハウスのどこかで毎日のように上演されています。2人のオペラの目ざすものは少し異なっています。ヴェルディは演劇的要素を取り込み、音楽のドラマ化を目指しています。特にシェイクスピアを題材にした『マクベス』、『オテロ』、『ファルスタッフ』などは歌と芝居が見事に融合していますね。人間の心理を実に見事に表現しています。
一方、プッチーニは天性のメロディストです。庶民的な題材と一度聞いたら忘れられなくなる美しいメロディにあふれ、多くの人に親しまれています。フィギュアスケートでも彼の音楽がよく使われています。


 たとえていうと、ヴェルディはスケールが大きい大河ドラマで、プッチーニは、人情豊かなメロドラマでしょうか。筆者はプッチーニの『蝶々夫人』や『ラ・ボエーム』を見ると涙腺が刺激されてしまいますが、ヴェルディの場合は、そのようなことは余りありません。むしろ力がわきあがるような感動を覚えます。
みなさんはヴェルディとプッチーニどちらがお好きでしょうか。

 イタリアオペラ1.jpg
ジュセッペ・ヴェルディ(1813-1901)

 

 イタリアオペラ2.jpg
ジャコモ・プッチーニ(1858-1924)


 さて、今回の上映会はメトロポリタン歌劇場(MET)の来日に関連して企画したものです。METといえば、世界でトップとも言えるオペラハウスですね。劇場の巨大さ(客席数3,800)、舞台の豪華さ、一流の名歌手と名手のオーケストラなど、世界で最も豪華なオペラが見られます。オーソドックスな演出が多いというのがオペラ好きの人にはやや不満な点ですが、最近では、あっと驚くような斬新な演出も増えてきています。今回、海外のオペラハウスの来日公演の中止が相次ぐ中で、来日を英断したのですね。うれしい限りです。


 最近では、METライブビューイングという映画館で見るオペラが人気ですね。METで上演された最新の演目の映像を大画面で楽しむことができます。舞台裏でのインタビューや舞台展開のシーンなども挟まれ、楽しいひと時をすごすことができます。先日のライブビューイングでは、MET総裁のP・ゲルブ氏が「がんばれ日本」と日本へ励ましのメッセージを送っていました。


イタリアオペラ3.jpg (C)Paul Masck

 

 今回の上映会を見逃した方も、アートライブラリーにて両作曲家のオペラを楽しむことができます。どうぞご利用ください。
 次回は「サウンドパフォーマンスと現代オペラ特集」です。オペラ好きの方は普段見る機会のない現代オペラも満載です、ぜひご覧ください。

(A.M)