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春休みアニメーション特集「アニメーションの歴史を楽しく学ぼう!!」開催中です

2012年03月28日
[ 映像 ]

3月も終わりで、温かくなったと思ったらまた冬のように寒くなったり、という日々が続いています。
でも、外に出ると早咲きなのか、一部には既に花開いている桜もあって、本格的な春ももうすぐだなぁ、と実感します。
栄周辺では、春休みに入っているので、子供たちの姿をよく目にするようになりました。

 

愛知芸術文化センターでも、春らしい企画をやろうという話が持ち上がり、地下2階アートプラザ内ビデオルームにて、春休みアニメーション特集「アニメーションの歴史を楽しく学ぼう!!」を行うことになりました(会期:2012年3月27日(火)-4月8日(日) *4月2日(月)休館)。
上映会の内容は、アートライブラリーが所蔵するDVD「世界アニメーション映画史」全20巻の内、18巻をセレクトして上映するものです。

 

映画が誕生する以前に、独自の技術で今日のアニメーションとほぼ同じ表現を実現したエミール・レイノーの『プラキシノスコープ』(1893年)に始まり、『ファンタスマゴリア』(1908年)などで知られるエミール・コールや、『リトル・ニモ』(1911年)や『恐竜ガーティ』(1914年)のウィンザー・マッケイといった最初期の作家や、猫のキャラクター、フェリックスを生み出したパット・サリバンの作品からは、本来静止しているはずの絵が動いて見えることの原初的な驚きに満ちあふれ、現代の私たちの眼にもプリミティブな喜びと楽しみを届けてくれるでしょう(レイノー作品は、第1巻「エミール・コール」に収録)。


道化師のココ、犬のビンボー(ビン坊)を始め、ベティ・ブープやポパイといった人気キャラクターを創造し、猥雑で活気ある都会的なセンスの作品で、ディズニーのライバルとして並び立ったマックス&デイブのフライシャー兄弟の作品が、第5、8、12、13、19巻と、計5巻にわたってたっぷり収められていることも、「世界アニメーション映画史」の特色の一つといえるでしょう。

フライシャー作品では、『ベティの地球競売』(1932年、監督:デイブ・フライシャー、第8巻収録)のように、漫画映画の枠組みの中で、ナンセンスというかシュルレアリスムにも通じる笑いが描かれていることに驚かされます。
こうした感覚は、ボブ・クランペット、テックス・アヴェリー、チャック・ジョーンズといった作家によって増幅され、シュルレアリスムを突き詰めたような狂気と紙一重の世界に展開してゆくといえます。
彼らの作品は、今日のアート系短編アニメーションにも影響を与えていると考えられ、その源流の一つという意味からみても興味深いでしょう。 

アニメ1.jpgデイブ・フライシャー『ベティの誕生日』

 なお最終日、4月8日(日)15:30の回は、特別企画として、「「第41回ロッテルダム国際映画祭」短編部門タイガーアワード受賞記念 愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品第20弾 牧野貴監督『Generator』上映会+解説」を開催します。
去る1月25日(水)から2月5日(日)まで開催された「第41回ロッテルダム国際映画祭」で、最高賞に相当するタイガーアワードを受賞したことは日本でも新聞等で報道され話題となり、受賞作を観たいという声も寄せられました。
当日はプロデュースを担当した越後谷卓司(愛知県文化情報センター主任学芸員)のトークも予定しています。こちらにもぜひ足をお運びください。


皆様のご来場をお待ちしております。(T.E)