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カラヤンLP大集合

2012年03月12日

 ただいま「名指揮者『カラヤン』特集ビデオ上映会」にあわせ、アートプラザ・ビデオルームで巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤンのLPジャケットを約60枚展示しています。1950年代から1980年代までのライブラリー所蔵資料を中心に、ほぼ録音年代順に並べました。

カラヤンLP1.jpg

カラヤンLP2.jpg


 
 並べて見てみると、いろいろなことがわかり楽しいです。
1.壮年期のカラヤンの凛々しい顔が老人の顔になっていくのは寂しいですが、一方で、共演者の若かりし顔が楽しめるのもおもしろいです。例えば、ムター(今は貫禄たっぷりのヴァイオリニスト)の可愛いらしい姿はご愛嬌です。

2.レーベルによりジャケットの作り方が違います。ドイチュ・グラモフォンはさすが、一貫してイエローレーベルを前面に出しています。ややしつこい気はしますが。EMIは、ジャケットも趣向をこらしていますので、楽しめます。カラヤンはドイチュ・グラモフォンと長い間契約していたのでその録音が多いのですが、EMIとも若い頃と1970年代以降に契約しています。

3.LP製作時の当時の社会の雰囲気も感じられます。特に1950年代のジャケットはやや貧弱なイメージですね。時代が新しくなるほど洗練されてきます。

4.カラヤンの写真は意識的にポーズをとっているものが多いですね。カラヤンは写真に厳しく、自分がOKを出さないものは決して外に出すことを許可しませんでした。この中で一番傑作は『R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」』(EMI)のジャケットです。黒の革ジャンに赤のタートルネックで、後から後光がさしているようなライトを大きく反射させています・・・「私が英雄である」とでも言いたいような写真ですね。カラヤンは斜め横からのショットが多いのですが、真正面からとった珍しい写真です。これが世に出たとき、アンチ・カラヤン派の人はヒトラーのようだと批判したということです。

 カラヤンLP3.jpg
【英雄の生涯・・・上段真中】

 

 展示されているLPのほとんどは、展示終了後、アート・ライブラリーにて視聴することができます。たまにはLPレコードに針を下ろしてアナログの音に浸るのも楽しいと思います。

 ビデオ上映会は3月25日まで開催中です。ぜひお越しください。

(A.M)