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アートプラザ クリスマス ミニコンサートが開催されました

2010年12月20日

 12月18日(土)の昼下がり、芸文センターに男声の力強い歌声が響き渡りました。びっくりされた方も多いでしょう。地下2階の大型ビジョンの前の仮設ステージで、クリスマスツリーやリースを背景に13人の男たちが歌い始めました。クリスマスと男たちという不思議な組み合わせです。


演奏者を紹介しましょう。合唱は、「昭和男爵コーラス」の皆様です。名古屋市の昭和生涯学習センター主催の講座受講生が母体で、平均年齢が67歳とのこと。中には合唱のベテランも含まれています。指揮とソプラノは加藤佳代子さんです。加藤さんは声楽家でオランダ留学後、地元を中心にソロや合唱の指導など幅広く活躍しています。芸文センターでもAC合唱団に加わったり、15周年記念行事でもソロを歌ったこともあり、関わりが深いのです。ピアノは小森真紀さんです。 
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前半は日本の名曲を4曲歌いました。(『高原列車は行く』『水色のワルツ』『雪の降る街を』『島原地方の子守唄』)13人の男声のハーモニーから、男たちの熱いロマンが漂ってくるように感じました。若い人たちの声からは出せない、人生の重みを感じさせられますね。特に「雪の降る街を」はスタッカート気味に始まり、意表をつきましたが、雪の中をとぼとぼと歩く寂寥感が見事に表現されていました。
加藤佳代子さんの指揮ぶりもとっても表現豊かで、歌詞の意味や感情をうまく引き出し、見ているだけでこちらも歌いだしたくなるようでしたね。

後半はがらっと趣が変わり、クリスマスに関わる宗教曲です。『Dona Nobis Pacem(私たちに平和をお与えください)』は美しい3声のカノンです。
『カッチーニのアヴェ・マリア』では加藤佳代子さんのソプラノ独唱が加わり、清らかな歌声が会場に響きわたります。加藤さんはクリスチャンですので、自らの信仰が自然に歌に現われているのです。とても美しい陶酔的な曲ですね。イタリアの作曲家カッチーニ(1545-1618)の作と言われていますが、実はそうではなく、ソ連の音楽家ヴァヴィロフ(1925-73)が自作をカッチーニの名前を借りて発表したものとか。確かにバロック音楽らしくありませんね。
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最後の曲は世界中で愛されている『きよしこのよる』です。お客様と一緒になって歌い、3番では加藤さんの美しいハイソプラノが加わりました。
この曲には有名な伝説があります。1818年のクリスマス・イヴのこと,オーストリアのオーベンドルフの聖ニコラス教会では,教会のオルガンが壊れてしまって,賛美歌の伴奏をすることができなくなってしまったため、取り急ぎ教会助祭のヨーゼフ・モール(1792-1848)が詩を書き、同教会のオルガニストで小学校長のフランツ・グルーバー(1787-1863)がギターを伴奏とした新しい曲をつけ、イヴの日の真夜中のミサで無事に初演されたというものです。心にしみわたってくる名曲ですね。 
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きよしこの夜100周年ポスター(左上:モール、右上:グルーバー)

あっという間の30分でしたが、午後の楽しい一時を過ごすことができました。

アートプラザビデオルームでは、時々ミニコンサートも行っています。次回は1月23日(日)「チェリスト天野武子によるトーク&ミニコンサート」を開催します。ただいま受講者を募集しています。(往復はがきによる申込み)詳細はホームページをご覧ください。

(A.M)