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「トーク&ミニコンサート リスト&ショパン」が開催されました。

2011年10月28日

 「生誕200年記念リスト展」関連行事として、リストとショパンに関するトーク&コンサートが10/22に開催されました。講師は、愛知県立芸術大学非常勤講師の中村ゆかりさん、演奏は若きピアニストで同大学大学院の博士課程在学の金澤みなつさんです。金澤さんの奏でる名曲を聴きながら、リストのパネルに囲まれ、二人の作曲家の個性の違いを味わう楽しいひと時をすごしました。
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 今回の演奏にはサプライズな演出がありました。ピアノ鍵盤をビデオカメラで撮影して同時にそのまま背後のスクリーンに投影するもので、ピアニストの手や指の動き(打鍵や運指など)がアップで見ることができ、ピアノを習っていない方でも興味深々でした。ビデオルームだからこそ実現できた仕掛けです。
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 さて、中村さんからは二人にまつわる3つのエピソードを紹介いただきました。
最初が「愛」。二人とも女性にとても人気があったとともに、それぞれ夫ある女性と激しい恋愛を経験します。(今でいう「不倫」ですが、当時の上流階級では寛容だったとのこと。)献身的な女性の支えがあったからこそ素晴らしい名曲が多く生み出されたのですね。金澤さんの弾くリストの『愛の夢』、ショパンの『ワルツ第7番』とも作曲家の想いを感じさせられました。「愛」は芸術にインスピレーションを与えるのですね。
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マリー・ダグー伯爵夫人(1805-1876)                        ジョルジュ・サンド(1804-1876)
  ※リストの愛人                                         ※ショパンの愛人

 
 2番目が「技巧」です。2人ともヴィルトゥオーゾ(イタリア語、完璧な演奏技巧によって困難をやすやすと克服することのできる、卓越した演奏能力の持ち主に対する称賛の言葉)として有名です。特にリストの技巧は「ピアノの魔術師」と言われるくらいすさまじいものでした。
リストの指もスライドで見ましたが、ショパンに比べてもかなり大きいものでした。
リストは難しい曲も初見で弾けましたが、唯一ショパンの練習曲Op.12は初見で弾けず、残念だったとのこと。金澤さんもリストの超絶技巧にチャレンジし、熱演していました。

 
 リストトーク5.jpg「リストの手」の切手(1961東ドイツ)


 3番目が「作曲家」です。繊細なピアニズムで魅せるショパンと華麗な技巧で熱狂させるリスト、ショパンの『ノクターン』とリスト編曲の『菩提樹』と2人の対照的な音楽を楽しみました。シューベルトの『菩提樹』が華やかなピアノ曲に変身しているのは驚きです。
リストは編曲魔としても知られ、多くの曲をピアノ用に編曲し、ヨーロッパ中を演奏旅行して新しい曲を広めていったのですね。

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リストやショパンのCD、DVDはアートライブラリーで視聴できます。ぜひご利用ください。
(A.M)