現在、愛知芸術文化センターでは、【東北復興支援ウィーク】を行っています。
その一環として7月23日(土)、24日(日)の2日間「東北復興支援チャリティ映象上映会」を開催します
東日本大震災の現地における困難な状況は、TVニュースを通じて日々、私たちに届けられていますが、報道とは違う視点から、個人の映像作家による記録撮影の活動も並行して行われています。
こうした活動が作品として、ある程度のまとまった形となるには、編集や整音などの作業をへるなど、まだ時間が必要ですが、デジタル機器の利点を生かして、短編という形で公開される作品も現れています。
この上映会では、今年5月に発表された、復興への第一歩を感じさせる短編映像作品と、岩手県北上市岩崎地区に伝わる民俗芸能「岩崎鬼剣舞」を記録したドキュメンタリーを合わせて上映し、復興への思いに結び付けたいと思います。
今回上映するのは、次の2本です。
岡本彰生『BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW #01 ISHINOMAKI』
2011年、5分、DV
映像作家・前田真二郎が企画したオムニバス作品『BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW』の一編。
ある一日を記録した5分間の映像に、その前日と翌日に録音した音声をサウンドとして使用する、という前田の指示に基づき、国内各地の20名以上の作家が参加し、作品をネット上で発表する企画で、平行してオムニバス映画としてまとめる構想も進んでいる。
岡本による本作品は、2011年5月4日に、宮城県石巻の避難所で開催された編み物ワークショップを撮影。地震と津波により瓦礫が山となった灰色の風景と、ワークショップで紡がれる毛糸の色の鮮やかさが対比をなす。
災害時にアートによって出来ることとは何かを、観る者に想起させる短編作品。
三宅流『究竟の地-岩崎鬼剣舞の一年』
2007年、161分、DV、愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品第16弾
岩手県北上市岩崎に伝わる民俗芸能「岩崎鬼剣舞」を取材したドキュメンタリー。鬼剣舞にたずさわる人々、この地域に生きる人々の姿を一年間に渡って捉えている。
鬼剣舞は、農業や大工、あるいはサラリーマンとして勤めるなど、仕事をしながら、その合間をぬって皆で集まり練習を重ね、公演を行っている。
また保育園や小学生では授業の一環として、また高校生では部活動としても行われるなど、あらゆる世代に浸透し、あたかもこの地域では生活と芸能が渾然一体となった様相を呈している。
この映像作品により、東北地方の風土が育んできた独自の文化の豊かさに触れ、復興への誓いを確かめ合う機会としたい。
■上映日時・会場
7月23日(土)14:00、18:00/24日(日)14:00
愛知芸術文化センター12階アートスペースEF
皆様のご来場をお待ちしております。
(T.E)