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ロボット版『森の奥』、公演は残すところあと1日です!

2010年08月23日

8月21日からあいちトリエンナーレ2010が始まりました!
小ホールでの公演第1弾は、平田オリザ+石黒浩研究室 ロボット版『森の奥』です。
ロボットと人間の俳優による演劇、いったいどんな作品なのでしょうか?文化情報センターのアートマネジメント実践講座研修生が、レビューを書いています。


ロボット版『森の奥』?人間とは何か?ロボット演劇3.jpg

舞台は近未来、アフリカ、類人猿「ボノボ」を飼育する研究室です。ここでは、ロボットと人間が研究者として対等に働いています。一人の研究者が、自分の息子は自閉症である、とロボットに打ち明けます。ボノボに、人工的に自閉症をおこさせ、人間の治療のために役立てたい、と。その研究は価値があることなのだ、と感情がたかぶる人間に対し、ロボットは反論も賛成もしないフラットな態度で応対します。平田オリザさんは、この演劇で「人間とは何か」を考えてほしいと話していますが、「人間」だけがもつエゴイズムややり切れなさが浮かびあがるようで、印象的でした。

この演劇に登場するロボットは、しぐさや間の取り方が「人間」っぽく、文楽の人形遣いの方からヒントを得たそうです。

近い将来、人間のココロのもやもやも、ロボットは受け入れ、いやしてくれるのかな・・・という気持ちにさせられました。色々な切り口で、考えさせられる実験的な演劇でした。

(アートマネジメント実践講座研修生I.N)


ロボット版『森の奥』ロボット演劇2.jpg

これは、漢方薬のような効き方をする芝居である。舞台は、類人猿ボノボを飼育するアフリカの研究室。そこで働く数名の日本人研究者とロボットの会話によって、構成されている。

ルワンダの部族間の殺戮、子殺しなどの例をとり、人が人を殺す人間と、殺し合いがないボノボのどちらが優位なのかという問いかけ、動物実験の是非などの問題が、会話の中にちりばめられる。いわば、レクチャーの演劇仕立てといった要素がある。

場面の転換、音楽といったものはなく、無機的なロボットの音声が唯一のポイントで、数人の話をきちんと聞くという種類の忍耐を強いられる。が、それゆえ、最後、アフリカにかかる虹をみなで見に行こうと研究室を出る彼らに混じり、私たちにもその虹が見えるかのような想像力をひきおこされる。

そして、日常にもどったとき、類人猿、ロボット、人間の境界だけでなく、境界それ自体のあいまいさと、一瞬の中にある希望をじんわりと意識させるのである。

(アートマネジメント実践講座研修生N.O)


いかがでしょうか?この話題の世界初演も、残すところ、明日24日(火)14時と19時の2回の公演のみ。当日券はどちらも公演の1時間前から小ホールの入口にて若干出る予定。詳細はあいちトリエンナーレ2010ウェブサイトのニュースにてご確認下さい。

お急ぎください!! 

(A.F)