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アートライブラリー7月の新着図書・CDのご紹介

2010年07月20日

 アートライブラリーに新しい本が入りました。そのなかからおすすめの本とCDをご紹介します!
今月はなんだか可愛らしい表紙が多いです。

『パウル・クレー 絵画と音楽 (岩波アート・ライブラリー)』
ハーヨ・デュヒティング 解説、後藤文子 訳、岩波書店、2009年出版
(請求記号723F/Kl31p 資料番号9110473146)

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「…芸術に満たされている、と余韻を感じていることができる…」。休暇中、繰り返しバッハを演奏していたクレーの言葉です。
彼は音楽家の両親と妻を持ち、クレー自身も生涯を通じてヴァイオリンの演奏を好みました。美しい色彩と独創性の高い抽象モチーフで知られる作品は、音楽のリズムのように描かれていると言われます。この本ではクレーにとっての音楽の意味と絵画との深い関係が解説されています。掲載されている多くの作品がその理解を助け、また絵を眺めても楽しめる1冊となっています。
(ライブラリースタッフM.K)


『美しい絵本。 (pen BOOKS)』 
ペン編集部 編, 阪急コミュニケーションズ 2009.12出版
(請求記号 7265/U96h 資料番号 9110473182)

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雑誌「pen」の2008年6月1日号の特集「大人の創造性を刺激する、美しい絵本。」
を再編集したものです。
みなさんは、子どもの頃読んだ絵本を憶えていますか?
この本が、また読み返してみるきっかけをつくってくれるかもしれません。
子どもの頃は、次から次へと(たまに固執。)贅沢に読めた気がしてなりませんが、大人の絵本読みもまた、深読み気味(近視気味?)になったりして、楽しいものです。
この本には、美しい絵本が新旧勢揃い。改めて、絵本の贅沢さを再確認させられます。
(アートライブラリースタッフ M.N)


『サラ・ベルナール メディアと虚構のミューズ』
白田由樹著 大阪公立大学共同出版会 2009年出版
(請求記号 77235/B38s 資料番号 9110473048)

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 サラ・ベルナールという名前を聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか? 画家や芸術作品に詳しい人ならば、アルフォンス・ミュシャの名前が出てくるのではないでしょうか。かくいう私もミュシャの本で彼女の名前や姿を知りました。
本書ではそんな女優としてのサラ・ベルナールが生きた時代や社会、当時の女優業がどういったものだったのかも書かれているので、ちょっとした歴史の勉強になるかもしれません。
 この本の表紙にもなっている写真は、撮影された写真の中で「もっとも美しい写真の一つ」と本書で書かれているだけあって、どこか人を惹きつける魅力が表れているようにも思えます。
(ライブラリースタッフE.S)


『クラシック音楽は「ミステリー」である』 
吉松隆 著, 講談社 2009年出版
(請求記号760.4/Y91k 資料番号9110472980)

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あなたの聴いている音楽に実は暗号が隠されているとしたら?
どんな秘密がどのような方法で隠されているのでしょうか?作曲家の吉松隆さんが、音楽に潜むメッセージを、時に妄想もまじえながら解き明かします。
そして多くの作曲家同様、吉松さんも作品の中に沢山の暗号を潜ませています。難解な現代音楽に異を唱え、幻想的かつ叙情的なメロディを生み出す吉松さんの音楽に対して、心を無にして耳を傾けるのも、もちろんよいでしょう。が、この本を読んでしまったらそんなことは言っていられません。アートライブラリーでは吉松隆さんの楽譜14冊、CD37点を現在所蔵しています。是非、隠された秘密に挑んでみてください。
(ライブラリースタッフA.K)

最後にCDのご紹介です。
『ヤナーチェク オペラからの管弦楽組曲第3集』
ヤナーチェク作曲,Peter Breiner指揮,アイヴィー発行,ナクソス発売,2009年
(請求記号A2ヤ/フ 資料番号931019563)

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まず、目に飛び込んできたのは、かわいらしくもあり、少々おっかないキツネの写真。
興味をそそられ聴いてみると、これまたなんと別世界に迷いこんだのかと思えるほど冒険的で幻想的なメロディー…。
このCDには、ヤナーチェクの作品の中で、特に親しみやすいとされるオペラ、『利口な雌狐の物語』とシリアスな『死者の家から』が収録されています。
両作品とも映像資料もありますが、音だけの情報を頼りに、本編とはまた違った自分だけのストーリーを組み立てていくのも一興かもしれません。
日々の生活にちょっぴり疲れた、忙しいけどどこかに出かけたい、と感じている方、このCDで新たな世界観を切り開いてみませんか?
(ライブラリースタッフM.Y)

 

新着図書はすぐ借りられてしまいます。お目当ての本がある人はお早めにどうぞ!
(ライブラリースタッフT.K)