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第83回  フレッシュコンサートを開催しました ♯♪♭

2013年06月13日

「第83回 フレッシュコンサート」を5月22日(水)にフォーラムI(2階)で開催しました。

『クラリネットとモーツァルト』と題して、モーツァルト200メモリアルの石井梨恵子(いしい りえこ)さん、工藤雄司(くどう ゆうじ)さん、船渡美歩(ふなと みほ)さん、水野沙織(みずの さおり)さんによるクラリネット四重奏の演奏に、熊崎雅芳さんの演奏曲等の説明が加わり、170名以上の方にお楽しみいただきました。


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【 左から、熊崎雅芳さん、石井梨恵子さん、工藤雄司さん、船渡美歩さん、水野沙織さん 】

◎ 今回の演奏曲は…‥
演奏曲はアンコールを含め6曲の演奏でした。
熊崎さんから、「プログラムを少し変更し、モーツァルトのサプライズ曲を加えて演奏します。」とのお話がありました。併せて、メンバーの紹介も行ないました。

第1曲目と2曲目は、クレーア・グランドマン(1913-1996)作曲の「BAGATELLE(バガテル)」と「CAPRICE(カプリース)」でした。
「バガテル」はフランス語で「つまらないこと、ささいなこと」を意味しますが、小品曲を表し、ベートーヴェンはピアノの小品に好んでこの名をつけています。演奏は春らしい軽快なメロディーでした。
「カプリース」はイタリア語では「カプリチオ」と言い、「気まぐれな、気ままな」意味で、形式に縛られない自由で気まぐれな性格を現す小品に名づけられます。リズミカルな、つい飛び跳ねたくなるような曲でした。

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続いて、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756.1.27‐1791.12.5)の3曲を演奏しました。
3曲目は、サプライズの曲として、「クラリネット五重奏曲 イ長調 KV581第2楽章、第4楽章」を演奏しました。
この曲は、モーツァルトの死の2年前に完成し、友人のバセットホルン奏者であるアントン・シュタートラーのために作曲されました。モーツァルトの作曲した最も美しい曲の一つです。
音楽評論家の故吉田秀和氏は、ブラームスのクラリネット五重奏曲と比べ「神のようなモーツァルトという言葉が、つい口元まで出かかってしまう。」と言っています。クラリネット四本のための編曲でしたが、天国のような美しいモーツァルトの世界が繰り広げられました。

熊崎さんから「クラリネットは、18世紀の初めに発明され、バセットホルン(※現代では、代用としてF管のアルトクラリネットを用いられる。)はホルンの名が付いていますが、クラリネット属の木管楽器である。」との説明がありました。


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4曲目は、「Adagio in F (Fragment) KV580a(Anh.94)アダージョヘ長調(断片)」を演奏しました。
 
5曲目は、カールス・N・スミス編曲の「LULLABY(ララバイ)」を演奏しました。
この「子守歌」は、「モーツァルトの子守歌」として親しまれていた曲ですが、その後の研究で、モーツァルトと同時代の医師ベルンハルト・フリースの作曲であることが判明し、モーツァルト作品から除外されました。
親しみやすい、ゆったりとしたメロディーに観客の皆さんは、うっとりと聴きほれていました。


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アンコールは、「Eine kleine Nachtmusik(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)ト長調KV525」を熊崎雅芳さんによるパロディー編曲バージョンで演奏しました。サブタイトルは「Dies ist Mozart! Das Leben seiner großen!(モーツァルト!彼の偉大な人生!)ということです。

とても楽しく、リズミカルな演奏と編曲で観客の皆さんは、楽しんで聴いておられました。

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≪  ものしりあれこれ    ケッヘル番号(KV)とは…  ≫
「ケッヘル番号」とは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの作品を時系列的に配列した番号で、この作業を最初にルートヴィヒ・フォン・ケッヘルが行い、1862年に「モーツァルト全作品目録」を出版したことから「ケッヘル番号」と呼ばれている。番号はKV1からKV626まである。
表記は、オペラ『フィガロの結婚』の場合、ドイツ語圏では「KV429」、英語圏では「K.429」と表記されている。
ケッヘル番号は何度か改訂され、1937年にアルフレート・アイシュタインの第3版、1964年にフランツ・ギーグリンク、ゲルト・ジーベルス、アレクサンダー・ワイマンによる第6版では大幅な訂正が行なわれた。最新のものは第8版となっている。

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来場の皆さんからは…‥
◎ 今回が初めての方々から
・『大変、珍しい曲を聴きました。アダージョ(断片)の曲は初めて聴きました。』《70歳以上、男性》
・『曲も、演奏も素晴らしかったです。やわらかい音色が心地よかったです。今の爽やかな季節にあっていると思いました。』《40歳台、女性》

◎ いつも来られる方々から
・『グランドマンの曲は初めて聴きました。軽快な楽しい曲でした。モーツァルトは、クラリネットの音色が美しかったです。』《40歳台、性別未回答》 
・ 『演奏者の表情が見えて、とてもよかったです。また来たいです。』《60歳、男性》

など、様々な感想をいただきました。ありがとうございました。

<<出演後のメッセージは……>>

石井
 この度はフレッシュコンサートに出演させて頂きありがとうございました。
とても響きも良く、たくさんのお客様にお聴き頂いて素敵なひとときを過ごせました。
未完成の4重奏は今回私たちも初めて存在を知っての演奏でした。未完成ではあってもモーツァルトがこの曲をクラリネットのために手がけてくれていた事に感謝します。次回は是非バセットホルンで挑戦したいです!

工藤
 コメント:とても響きの良い場所で、そしてたくさんのお客さまの前で演奏でき、とても有意義なひとときでした!ありがとうございました。またの機会、楽しみにしています。

船渡
 この度は出演させていただきありがとうございます。
たくさんのお客さまとモーツァルトの音楽を共有することができ、とても幸せでした。
モーツァルトはまだまだ奥の深い作曲家です。素敵な曲がたくさんありますので、またいつか皆さまの前で演奏できることを楽しみにしております。

水野
 モーツァルトの素晴らしさ、面白さがクラリネットを通して少しでもお伝え出来ていましたら、幸いです。皆様と暖かい時間を共有できたことをとても嬉しく思います。ありがとうございました。


熊崎
 はじめに、バセットホルンで演奏できなかったこと、お詫び申し上げます。モーツァルトが亡くなって222年になりますが、企画し演奏してみて、時空をこえた彼の不滅の音楽を実感しました。われわれの演奏を最後まで聞いてくださってありがとうございました。また、コンサートでお会いするのを楽しみにしています。
 
 

さて、次回は、第84回フレッシュコンサートを、平成25年6月26日水曜日のお昼(午後0時15分-0時45分)にフォーラムII(2階)で開催を予定しています。
『弦楽四重奏の魅力』と題して、Quartet “A”nimare(クァルテットアニマーレ)の糸原彩香さん、荒巻理恵さん、橋本歩さん、阿曽沼裕司さんによる演奏で、「ハイドン、チャイコフスキー、メンデルスゾーン作曲の『弦楽四重奏曲』の魅力(聴き比べ)」を楽しんでいただきます。
 


◎ ○ ◎ お知らせです ◎ ○ ◎  ※受付終了しました
平成25年度下半期(平成25年10月から26年3月まで)の「愛知芸術文化センター フレッシュコンサート出演者」を募集しています。ご応募は、平成25年6月24日(月)までに「フレッシュコンサート出演申込書」をご提出ください。
多くのご応募をお待ちしています。

 (M.K)