「3.11」未曾有の災害をもたらした東日本大震災から2年が経ちました。
しかし、復興はまだこれからです。ふるさとを離れ、帰れるめどの立たない人々がたくさんいます。福島第一原発事故は、いまだに終わりが見えません。
あのとき何が起きたのか、いま被災地がどのようになっているのか。あらためて震災のもたらしたものを考えるとともに、復興に向けての思いを新たにしていただきたいということで企画しました。
写真は、朝日新聞の報道カメラマンが現地で撮った、選りすぐりのものばかりです。悲しみ、うめきから、希望、喜びまで、被災地の方々の思いが生々しく伝わってきます。
写真展は、次の4部から構成されています。
第1部 あのとき何が
第2部 原発事故
第3部 悼む
第4部 明日へ
これらの写真の中から一部をご紹介します。(写真・キャプションは朝日新聞社提供)
「慟哭」
大津波で壊滅的な被害を受けた宮城県名取市閖上地区で、道路に座り込み涙を流す女性(2011/3/13宮城県名取市閖上)
「見つけたよ」
「あったあ!」。全壊した自宅の中からお気に入りのノートを見つけ出した小学2年生(2011/3/30宮城県石巻市)
「無念」
「原発さえなければ」。新築したばかりの堆肥舎の壁にメッセージを残し、酪農家は命を絶った。出荷停止で原乳を捨てる日々が続いていた。(2011/6/13福島県相馬市)
「いたわる」
高田松原で津波被害に耐えて1本だけ残った「奇跡の一本松」。中秋の名月がいたわるように照らす。衰弱のため枯れてしまい伐採されたが、特殊加工されてモニュメントに(2011/9/12岩手県陸前高田市)
「帰ってきて」
明かりを頼りに死者が帰ってくると言われる「松明かし」を自宅跡地でする女性。震災で母と祖母を亡くし、当時4歳の長男は行方不明。「いつまでもずーーっと帰りを待ってるからね」(2012/8/14岩手県大槌町)
「笑顔輝く」
福島第一原発事故の影響で外遊びを控える子どもたちにと、福島県立美術館に敷布団の巨大オブジェがつくられた。子どもたちの笑顔が輝く(2012/11/9福島市)
「待望 」
津波で大きな被害を受けた宮城県名産の養殖カキが解禁された。県内初の仮設処分場が完成し、殻むき作業をする人たち。「この日を迎えられたことに感謝したい」(2012/10/15宮城県南三陸町)
写真展は5月12日(日)まで開催中。「矢野きよ実被災地支援プロジェクト 子どもたちの心の音―石巻・陸前高田.・亘理・福島より―」も同時開催中。入場無料ですので、お気軽にお越しください。
(A.M)