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第76回 フレッシュコンサートを開催しました ♯♪♭

2012年11月16日

第76回 フレッシュコンサートを10月24日(水)にフォーラム(2階)で開催しました。

『日本語による日本人のための“泣き歌”』と題して、テノールの山崎英明(やまざき ひであき)さんによる独唱と時松亮(ときまつ りょう)さんのピアノ伴奏で、150名以上の方にお楽しみいただきました。


fc76-1.jpg【山崎英明(左)さんと時松亮さん】

◎今回の歌曲
アンコールを含めて、8曲を演奏していただきました。
最初は、「ほうずき(荻原朔太郎作詞、三善晃作曲)」を歌いました。
ほうずきを漢字であらわすと「鬼灯」と書くように、その実は赤色で、男女のモチーフになっていて、花ことばは「偽り」といわれています。
コンサートテーマが誇張したものなっていますが、日本人による作詩の“泣き歌”をお聴きください。
皆さんからの拍手が私たちのご馳走です、とお話がありました。
その後、お二人の自己紹介がありました。


2曲目は、「さびしいカシの木(やなせたかし作詞、木下牧子作曲)」を歌いました。
作曲家の木下牧子さんは、50歳台の方、分かりやすい曲を作っているとのお話がありました。
 

3曲目は、「霧と話した(鎌田忠良作詞、中田喜直作曲)」を歌いました。
中田の苗字の呼び方が「なかだ」であること、中田喜直は「めだかの学校」「夏の思い出」「ちいさい秋みつけた」「雪の降るまちを」など四季風情を表した曲をたくさん作曲し、また校歌も多く作曲していること、愛知県では、県立明和高校、岡崎北高校や名古屋市立清水小学校などの校歌を作曲していることなどのお話がありました。


4曲目と5曲目は、プログラムの曲順を変更して「出船〈でふね〉(勝田香月作詞、杉山長谷夫作曲)」「死んだ男の残したものは…(谷川俊太郎作詞、武満徹作曲)」の2曲の泣き歌を続けて歌いました。
出船は山崎さんのアカペラ(無伴奏)の独唱で始まり、その後時松さんのピアノ伴奏が加わる、しんみりとした、悲しみを帯びた雰囲気の歌でした。
 

6曲目は、「鷗〈かもめ〉(三好達治作詞、木下牧子作曲)」を歌いました。
この曲の歌詞は、『ついに自由は彼らのものだ』で始まり、終わる詩で12回も繰り返されます。
三好達治が終戦直後に書いたもので自由の素晴らしさを感じさせられる感動的な詩です。
「空、雲、東の太陽、海、故郷、西の太陽、星、朝焼け、夕焼け」の中で飛ぶカモメたちに戦争でなくなった若者たちの魂にたとえたのではないかと思います。
 

7曲目は、「人 愛しくて(柚梨太郎作詞・作曲)」を歌いました。
来場者の皆さんは、山崎さんの歌が終えるたびに、温かい拍手を送っていました。
また、山崎さんの駄洒落を交えたお話も、笑いが起こっていました。
山崎さんからは、岡崎市のコンサートホール“コロネット”で、大学院修了記念のコンサートを来年の2月15日(金)に開催するとの紹介もありました。

 
アンコールは「夢見たものは(立原道造作詞、木下牧子作曲)」を歌いました。

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来場の皆さんからは…‥
◎今回が初めての方々から
・『怪しげな日本語が飛び交う昨今、ひさしぶりに綺麗な日本語を聴き、大変感激しました。今後もこのような企画をお願いします。』《60歳台、男性》
・『美術館を訪ねに、そのとおり、フレッシュコンサートに出会って、心が癒されました。』《70歳以上、女性》

◎いつも来られる方々から
・『「死んだ男に残されたものは…」は、戦争体験のある者にとっては、胸、詰まる思い。それを夫に当てはめると、泪が出そうなメロディです。』《70歳以上、女性》 
・『美しい日本語、小学校、中学校の音楽時間にぜひ。本を読まなくなった日本人、ことばの大切さ、今一度、学び、正確な日本語でおしゃべりしたい。』《60歳台、女性》

など、様々な感想をいただきました。ありがとうございました。

 ≪ お二人の出演後のメッセージ ≫

山崎英明さん
前日の悪天候が心配でしたが、晴天の中で行えたコンサートは、
演奏するこちらも大変心地よいものでした。
お客様との距離の近さが、このフレッシュコンサートの醍醐味だと思います。
反応も上々で、30分という時間が嘘のよう,
あっという間に終わってしまいました。
また、機会がありましたら、是非とも参加させていただきたく思います。
最後に、お客様はもちろん、全スタッフの皆様、
貴重な経験ができました。
本当にありがとうございました。


時松 亮さん
お客様を身近に感じる環境でのコンサートで、密度の濃い30分間でした。
ついつい忘れがちですが、
コンサートはお客様と共に仕上げなければなりません。
今日はその事を再認させてくれるものでした。
貴重な経験となりました。
最後になりましたが、
スタッフの皆様の協力とお越し下さったお客様に
感謝を締めの言葉とさせて頂きます

 

さて、第77回フレッシュコンサートは11月28日(水)のお昼(午後0時15分?0時45分)にフォーラム(2階)で開催予定です。
『Happy 150th Birth year Debussy!』と題して、キャトルクルール(Quatre‐Couleures)の演奏で弦楽四重奏をお届けします。



◎○◎ お知らせです ◎○◎  ※受付終了しました
平成25年4月から9月までの「フレッシュコンサート出演者」の募集締め切りは、平成24年12月17日(月)となっています。ご応募をお待ちしています。

(M.K)