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ドビュッシー生誕150年 トーク&ミニコンサートが開催されました。

2012年11月13日

 2012年は、フランス近代の作曲家クロード・ドビュッシー(1862-1918)の生誕150年の記念の年です。アートプラザでは、これを記念し、「キーワードで聴くドビュッシーの名曲」と題したトーク&ミニコンサートを11月10日に開催しました。講師は音楽学がご専門の中村ゆかりさん、ピアノは愛知県立芸術大学大学院博士後期課程在学中の金澤みなつさんです。とても興味深いトークと素晴らしい演奏を皆さんにお楽しみいただきました。

ドビュッシー1.jpg 中村ゆかりさん(トーク)

 中村さんには、「ドビュッシーは、印象派の音楽家?」、「最愛の人に捧げた音楽」、「世紀末のパリの芸術のはざまで」、「ドビュッシーをめぐる水の音楽」の4つのキーワードごとに、金澤さんのピアノ演奏や当時の写真・映像などを交えながら、ドビュシーの生涯や音楽の魅力についてわかりやすくお話しいただきました。聴いていて多くの新たな発見がありました。

ドビュッシー2.jpg 金澤みなつさん(ピアノ)

 「子供の領分」というドビュッシーの有名なピアノ組曲の中に「ゴリーウォーグのケークウォーク」という曲があります。楽しく陽気な曲ですが変わった曲名で、中村さんの説明でその意味がよく分かりましました。ゴリーウォーグというのは当時はやっていた黒人の子供のマスコット、ケークウォークは20世紀初頭にパリではやった2拍子の軽快なダンスとのこと。当時のケークウォークのダンス映像が残っていたので、金澤さんのピアノの生演奏に映像のダンスステップをシンクロさせながらスクリーンに投影されました。とてもおもしろい試みでした。

ドビュッシー3.png ゴリーウォーグ(中央の黒人の人形)

 

ドビュッシー4.jpg ケークウォークダンスのレッスン

 

 また、今回のミニコンサートでは、ユニークな試みを行いました。ピアノの鍵盤を真上からと斜め横からの2箇所からビデオカメラで撮影し、演奏と同時に舞台背後のスクリーンに切り替えながら投影したのです。真上からの映像は、ピアニストの打鍵と反対向きとしたので、客席から見ると、あたかも自分がドビュッシーの曲を弾いているかのように見え、指の形や指使い、打鍵の様子もわかりとてもユニークな体験でした。
ドビュッシーのピアノ曲は難しい作品が多いのですが、金澤さんは微妙な色彩の変化を見事に表現していました。

ドビュッシー5.jpg 真上からの映像をスクリーンに投影

 

ドビュッシー6.jpg 斜め横からの映像をスクリーンに投影

 

ドビュッシー7.jpg 終演後の中村さんと金澤さん

 なお、このトーク&ミニコンサートは、ドビュッシーのビデオ上映会の関連企画として開催されたものです。上映会は、12月2日(日)まで、ビデオルームで開催しています。
ぜひお越しください。
(A.M)