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アートライブラリー1月のおすすめ新着図書のご紹介 第1弾

2010年01月19日

 今月もアートライブラリーに新しい本とCDが入ってきました。
当館は美術と音楽の専門図書館なので画集や音楽の本、楽譜を主に収集しているのですが、それ以外の建築や伝統工芸の本なども集めています。今回はそういった本をご紹介したいと思います。


『壊れても仏像 文化財修復のはなし』
飯泉太子宗著 白水社 2009年出版
(請求記号718/I28k 資料番号9110479794)
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形あるものはいつか壊れる。それは仏像だって例外じゃありません。
私たちが現代において古い仏像を見ることが出来るのは、何度も修理されてきたという事実があるからです。恥ずかしいことですが、私も読むまで仏像や文化財の修復を専門に行う仕事があることを知りませんでした。
本書では、仏像に関しては姿かたち、素材、製作方法を始めとしたもの。修復に関しては専門用語、方法や道具、どういった状況や状態なのかも場合によっては挿絵付きの説明もあり、それぞれが分かりやすく書かれています。
「どうやって直していくの?」と、少しでも疑問に思ったのでしたら是非読んでみてください。
読んだ後は仏像の見方が変わるかもしれませんよ。
(ライブラリースタッフE.S)

 

『沖縄染色王国へ』 
與那嶺一子著 新潮社 2009年出版
(請求記号753/Y82o 資料番号9110479874)
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沖縄のイメージ。
日本でありながら異国情緒に溢れ、懐が大きそうであるのに、簡単に馴染むことのできないひとつの「国」。強く、濃い、「国」。旅をするための「国」。
個人的な、イメージです。
独自の、音階、言葉、精霊の話を多くもつ島々。夜空いっぱいの星の数や、水や花の鮮やかな色、戸惑うほどのゆっくりとした時間。
・・・ぱらぱらとこの本を繰っただけで、思わず小旅行してしまいました。

この本の内容について。沖縄の、染物・織物の本です。
一目で「あの沖縄の衣装!」とわかる、鮮やかな染め、「紅型(びんがた)」。島の植物を原料とした織物、「芭蕉布」「宮古上布」。ロマンチックな意味を持つ八重山のミンサー織(真実は不透明。P117参照)、手巾(ティサージ)(こちらはP118参照)。

著者は沖縄に生まれ、その地にどっぷりと浸かっていた為、「沖縄の魅力」について分からなかったという、生粋の沖縄島民。自分のお郷の魅力については、意外と気づかないものかもしれません。

この本を手に取って、ただ、パラパラと見とれるのもひとつ。(オールカラー頁!)
自分のお郷自慢は何だろう?と思い浮かべてみるのもひとつ。(案外、個々の家庭単位でも「当たり前文化」の違いがあったりしますよね。)
私は、小旅行させていただきました。おすすめの一冊です!
・・・みなさんの後に、私もゆっくり楽しみます。(すこしかじっただけなので。)
(ライブラリースタッフM.N)

 

『有名建築その後』
日経アーキテクチュア編 日経BP社 2009年出版
(請求記号5231/Y97n 資料番号9110480276) 
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厳かにそびえ立つ大建物。
東京タワー・東京駅丸の内駅舎・東京都庁舎・中銀カプセルタワービル・国立京都国際会館…
表紙や背表紙を飾るのは、日本を代表する建築物達です。

まるで同一空間に封じ込められたかのような不可思議な感覚にさせるモノクロカバーページをめくれば、誕生秘話から今現在を解説するノスタルジックな経過の歴史まで、それぞれの生みの親である建築家等は子供たちに対する思い・そして将来の展望を語る…

国立国会図書館、国立西洋美術館本館、神奈川県立音楽堂など、アートライブラリーにとっても関わりの深い建物や、名古屋大学豊田講堂など、名古屋地域に縁のある建物も紹介されています。
どこか哀愁漂う、はたまた近未来へと誘う、そんな魅力が秘められている一冊です。

生涯残していきたい大切なものとはなにか?
皆さんもこの有名建築世界への旅路で、その答えを探してみませんか?
(ライブラリースタッフM.Y)


これ以外の新着図書はライブラリーHPでリストが見られますので、そちらをご覧ください。
新着図書はすぐ借りられてしまいますので、お早めに!
(ライブラリースタッフT.K)