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東京都写真美術館で『フーガの技法』を上映中!

2010年01月07日
[ 映像 ]

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 現在、東京都写真美術館で開催中の「躍動するイメージ。 石田尚志とアブストラクトアニメーションの源流」展に、当センター・オリジナル映像作品として制作された、石田尚志監督『フーガの技法』(2001年)が出品されています。

 この展覧会で注目したいのは、この作品本来のフォーマットである16mmフィルムにより、展示室で常時、上映が行われていることです。美術展に映像作品が出品される場合、長時間、映写機を廻し続けることが困難なため、フィルム作品の場合、ビデオに変換して上映されるケースが多く、その点でこれは画期的なことです。(とは言うものの、映写機のコンディションによっては調整のため休止することもある様です。こうしたことは機械には付きものなので、そんな時は温かい心で見守ってほしい、と思います。)

                              →「躍動するイメージ。」展チラシ

 昨年、豊田市美術館で行われた屋外での上映では、夜間、美術館の水面に映像が映り込むことを計算した映写で、『フーガ』のこれまでになかった側面を引き出した石田監督だけあって、今回の展示も見応えがあります。特に作家が所蔵する大量の原画が同時に展示されていることは、アニメーションの制作に数多くの画が必要であることを知っている人も、改めてその膨大な枚数とそこに費やされた労力を実感できる、貴重な体験となるでしょう。写真美術館所蔵の映画前史の様々な装置や、オスカー・フィッシンガーら抽象アニメーションの先駆者の仕事と合わせた展示構成は、アニメーションの原理や歴史を知るという意味でも意義のあるものです。

 会期は2月7日(日)までありますので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。


写美・石田展入口.jpg
↑東京都写真美術館入口(最寄駅は恵比寿です)

(T.E)