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平山素子さん記者会見

2009年12月02日

12月に愛知でのソロ公演を控えた平山素子さんの記者会見の様子をご報告します。
この作品は、ダンス・アンソロジーという一連の企画の一つとして上演されるもので、今回の公演のために作られた新作です。

みなさん御承知のとおり、平山さんは様々なジャンルの方々と創作活動をなさっており、今回もライトアートの逢坂卓郎さんや衣装のスズキタカユキさんとのコラボレーションにより作品が作られるようです。
逢坂さんとは同じ大学に勤務されている関係から今までも交流がおありだったとか。

記者会見では創作の経緯や過程について熱く語っていただきました。
タイトルは、月食という自然現象によって影響を受けた人間の身体がそのあと変化していく様を踊りにできないかという思いからご自身で付けられたものだそうです。

 平山さん1.jpg

構成・振付を自分でやることについての質問を受けると、「自作自演の場合は、どんな作品でも客観的にみることができない。不安材料はあるが、最終的には自分が引き取って対応するんだろうなっていう、そういう覚悟と出会いの面白さを今回は楽しめそうかなと思います」と、とても楽しそうにお答えになっていました。

また、「生み出していくプロセスというものはギリギリでないと結論は出ないかもしれません。3回やったら3回とも違うかもしれませんね」とも。

本当にその時その場でのギリギリの決断を重ねながら創作をしておられるのだなぁと感嘆することしきり!

観客へのPRポイントを求められると、
「へとへとになるまで踊りたいと思います。今、不思議と楽しい。何をやっても辛いし、でも楽しい」と、とても力強く語っておられました!

お話を聞いていて、人生において常に実存的決断を下しながら前に進んで来られた方に共通する存在の煌めきみたいなものが感じられました。

 平山さん2.jpg

記者会見後のお話の中で、「常にがけっぷち、ギリギリのところを歩いているっていう感覚でいるし、それがとても楽しい」というようなことをサラリとおっしゃる平山さんをみて、思わず眩暈にも似た感覚にとらわれる・・・。

私は今回の記者会見でのお話を生の体験として経験したわけですが、その時その場限りの体験を通じてしか得られないパトスというものを感じました。
平山さんにはそういう強烈な感染力がおありだと思います。

12月19日、20日と2日間にわたって上演される平山素子さんの新作ダンスソロ公演「After the lunar eclipse / 月食のあと」、みなさんも是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?
同じ時代を生きている人間が生の舞台に立ち会うことによって、かけがえのない一回限りの体験として舞踊を観られると思います。
そして、みなさん方ご自身にも実存的決断を迫るような強いインスピレーションが得られるかもしれませんよ!

「ここがロドスだ、ここで跳べ!」
 

(アートマネージメント実践講座研修生H.M.)