新年あけましておめでとうございます! ウィーンでは、Frohes Neues Jahr ! と言います。
ニューイヤーというと音楽好きな方なら、元日のウィーン楽友協会大ホールでの「ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート」を思い浮かべることでしょう。ウィーンの作曲家たちのウインナワルツやポルカなどの華やかで心躍るような音楽は、まさに新春にぴったりですね。今年はご覧になりましたか? 指揮は世界で最も有名な指揮者の一人マリス・ヤンソンスでした。かっこよかったですね。
さて、ニューイヤーの気分が残る1月の限定企画として、ウインナ・オペレッタ映画上映会をアートプラザ・ビデオルームで行います(入場無料)。
オペラというと、上演時間が長く、内容も難しくて敬遠する人が多いのですが、ウインナ・オペレッタはそんな心配はいりません。上演時間も短く、とにかく楽しい! 美しく甘いメロディ、心躍るリズム、ウインナワルツやチャールダッシュ(ハンガリーの民俗舞踊),フレンチカンカンなどの楽しい踊りにあふれています。しかもなぜか、美男美女が登場するのですね。見ればどんなに疲れていてもたちまちハッピーとなる不思議な魅力にあふれています。
今回の上映会の前半はワルツ王と言われる、J.シュトラウス2世の珠玉の代表作 『ヴェネチアの一夜』 『ジプシー男爵』 『こうもり』 『ウィーン気質』の4本です。
ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)
この中で最もウィーンらしい作品が『ウィーン気質(かたぎ)』です。気難しく生きるも人生、笑って生きるも人生、どうせこの世が一度きりなら楽しく陽気に生きれば幸せ! そんな人生謳歌の底抜けに明るい響きが『ウィーン気質』には溢れています。ワルツ『ウィーン気質』をはじめ、『酒・女・歌』『浮気心』『電光石火』『百発百中』など、楽しいJ・シュトラウス・メロディーの宝庫です。また、この映画では、シュテファン大聖堂やベルヴェデーレ宮殿、シェーンブルン宮殿といったウィーン旧跡でのロケーション撮影、ギターとバイオリン、アコーディオンが奏でる哀愁を帯びた酒場音楽(シュランメル)など、ウィーンの魅力がたっぷり味わえます。
主演はドイツが生んだ20世紀最高のテノールでハンサムなルネ・コロ。さらに、インゲボルグ・ハルシュタイン、バレリーナから歌手に転じたプロポーション抜群のダグマール・コラー、エネルギッシュに踊りまくるヘルガ・パポウシェクなど、女性たちが皆美人なのも、映画ならではのお楽しみです。
ワルツ「ウィーン気質」の楽譜表紙(1873年)
次回は、後半のウィンナ・オペレッタ「白銀の時代」を御紹介します。
残念ながら、見逃してしまった方は、アートライブラリーで視聴できますので、気軽に御利用下さい。
(A.M)