2013年10月12345678910111213141516171819202122232425262728293031

第87回  フレッシュコンサートを開催しました ♯♪♭

2013年10月30日

「第87回 フレッシュコンサート」を9月25日(水)にフォーラムI(2階)で開催しました。

『アプリコトリオによるオータムコンサート』と題して、フルートの坂本実奈美(さかもと みなみ)さん、ヴァイオリンの加藤由佳(かとう ゆか)さん、ピアノの酒井絢子(さかい じゅんこ)さんによる演奏で、180名以上の方にお楽しみいただきました。



 aprico1.jpg
【左から、酒井絢子さん、加藤由佳さん、坂本実奈美さん】

◎ 今回の演奏会は…‥
「三重奏曲ト長調 op.119」、日本の四季のメドレーなどアンコールを含め6曲を演奏しました。

第1曲目は、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759年)作曲の組曲『水上の音楽』より「ホーンパイプ」を演奏しました。
演奏後に、坂本さんが、「アプリコトリオは、明るい、陽の当たったという意味の『アプリコ(以後)」から名付けた。今回、演奏するさまざまな曲を聴いていただきたい。」とお話し、メンバーの自己紹介をしました。
演奏した組曲「水上の音楽」については、第1組曲ヘ長調(9曲)の第8曲「ホーンパイプ」をフルート、ヴァイオリン、ピアノの三重奏にアレンジしたことの紹介がありました。
この組曲「水上の音楽(HWV348-350)」は、三つの組曲19曲からなる管弦楽組曲で、ヘンデルの代表的な管弦楽作品の一つとして知られています。ドイツ生まれのヘンデルは、1712年にイギリスに移住し、1727年に帰化した作曲家です。

≪  ものしりあれこれ 1 「ホーンパイプ」とは… ≫
17世紀後半に生まれたイギリスのフォークダンス、その舞曲。ホーンパイプにはいくつかの種類(4/4拍子、3/2拍子、9/4拍子など)がある。
クラシック音楽でもイングランドの作曲家が取り入れ、有名なものは、ヘンデルの「水上の音楽」やヘンリー・パーセル(1659-1695年)の歌劇「妖精の女王」などに3/2拍子のホーンパイプがある。

  aprico2.jpg

2曲目は、エドワード・エルガー(1857-1934年)作曲の「愛の挨拶」を演奏しました。
この曲は、「エルガーの婚約者キャロライン・アリス・ロバーツとの婚約記念に贈った曲である。エルガーは、有名な行進曲『威風堂々』を作曲した。」との紹介がありました。
この「愛の挨拶」は、元はピアノ曲ですが、いろいろな形に編曲されています。
美しく、ロマンチックなメロディーを観客の皆さんは、愛する人への思いを込めて聴いていたのではないでしょうか。

3曲目は、ダリウス・ミヨー(1892-1974年)作曲の組曲『スカラムーシュ』より第3曲「ブラジレイラ」を演奏しました。
「ミヨーはフランス人の作曲家で、ブラジルの生活(1917?1918年)でブラジル民謡に強く惹かれた。ミヨーがブラジルを表現した組曲『スカラムーシュ』より第3曲「ブラジレイラ」をお楽しみください。」との紹介がありました。
激しいサンバのリズムで始まり、中間部での和音による旋律とリズムが目まぐるしくかけあうさまは、ブラジルの女たちが踊り狂っているように感じられました。
観客の皆さんは、陽気で心が弾む思いがしたのではないでしょうか。

≪  ものしりあれこれ 2 「ダリウス・ミヨーの作曲」には… ≫
ミヨーは、ピアニスト、指揮者としても活躍。ブラジル音楽の影響した曲には、「男とその欲望」「屋根の上の牛」など。歌劇、バレエ音楽、交響曲、管弦楽曲、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、弦楽四重奏曲、歌曲、声楽を伴う管弦楽曲、映画音楽など幅広い分野で作曲している。


 aprico3.jpg

4曲目は、アプリコトリオのアレンジによる「日本の四季メドレー」を演奏しました。
初めのメロディーは「故郷」で始まり、春の「花」で、「夏の思い出」と続き、再び「故郷」を奏でながら、秋の「赤とんぼ」、そして冬の「雪」に移り、コーダを三度「故郷」のメロディーで締めるという素敵なアレンジでした。
観客の皆さんは、四季のイメージを思い浮かべながら、うっとりと聴きほれていました。
「故郷(ふるさと)」は、1914年に尋常小学唱歌(文部省唱歌)に発表され、高野辰之作詞、岡野貞一作曲であるといわれています。「花」は、1990年に滝廉太郎によって発表された歌曲集『四季』の第1曲で、第2曲が『納涼』、第3曲が『月』、第4曲が『雪』となっています。「夏の思い出」は、江間章子作詞、中田喜直作曲の唱歌で、1949年にNHKのラジオ番組『ラジオ歌謡』にて石井好子の歌で放送されるや否や日本人の心を捕え、歌詞に現れる「尾瀬」の人気が高まった曲です。「赤とんぼ」は、三木露風作詞、山田耕筰作曲の日本の代表的な童謡の一つで、詞は1921年、曲は1927年に作られました。「雪」は、1911年に尋常小学唱歌(二)に発表され、作詞者、作曲者はともに不詳です。

 aprico4.jpg

プログラムの5曲目は、フリードリヒ・クーラウ(1786-1832年)作曲の「三重奏曲ト長調 Op.119」で、今回のメイン曲となります。
クーラウは、ナポレオン戦争の徴兵を逃れて、デンマークに移住したドイツ生まれの作曲家で、「ピアノのソナチネ」の作曲家として知られていますが、フルート音楽を多く作曲し、「フルートのベートーヴェン」とも呼ばれています。
この曲はクーラウ最晩年の作品で、全3楽章から成り、ロマンの香りが漂う大変美しい曲です。さまざまな編成で演奏されますが、今回のフルート、ヴァイオリン、ピアノによる演奏は、クーラウの明るく、輝かしいメロディーを美しく奏で、あっという間の15分間でした。観客の皆さんからは、温かい拍手が贈られました。

この拍手に応えて、日本人の郷愁を感じさせられる「浜辺の歌」をアンコールとして演奏しました。
この曲は、1916年に発表された成田為三作曲、林古渓作詞による唱歌です。
フルート、ヴァイオリン、ピアノの音が溶け合った明るく、優しい調べに観客の皆さんも心を満たされたことでしょう。
アプリコトリオの坂本さん、加藤さん、酒井さん、本当にありがとうございました。
 

来場の皆さんからは…‥
◎ 今回が初めての方々から
・『通りすがりのコンサートに嬉しく聴きました。聞き覚えのある曲が「愛の挨拶」という曲名であることを知りました。暑い中、素敵なハーモニーで心が癒されました。』《60歳台、女性》
・『平日にミニコンサートを企画は、とても良いと思います。お昼の時間帯に癒されました。奏者3人とも、とても輝いていました。クラッシクの生演奏は、とても心地よいですね。』《40歳台、男性》

◎ いつも来られる方々から
・『日本の四季メドレーは良かった。三重奏曲ト長調の第2楽章のピアノの演奏はすごく良かった。』《60歳台、男性》 
・『柔らかな音色に心が癒された。こころの栄養をいただき、頑張る元気をもらいました。』《60歳台、女性》 
・『今回は座って聴きましたが、8Fや10Fで上に抜けてくる音楽を聴くのも楽しいです。生の音楽を聴けるのはいいですね。』《40歳台、女性》
・『初秋にぴったりの爽やかなコンサート、3人の意気のよくあって、それぞれのパートも素晴しかったです。』《50歳以上、女性》

など、様々な感想をいただきました。ありがとうございました。


≪ 出演者からのメッセージ ≫
坂本実奈美さん
本当にたくさんのお客様に来ていただきとても嬉しく、
私たちも楽しく演奏することができました。
終わった後にみなさんによいお言葉をかけて頂き、本当に感謝しています。
また、これからも日々演奏活動を頑張っていきますので、
また、私達の演奏を聴きにきて頂けると嬉しいです。
本当にありがとうございました。

加藤由佳さん
この度はフレッシュコンサートに出演させていただき、
ありがとうございました。
多くのお客様が熱心に耳を傾けて下さり、とても楽しく演奏することができました。
これからも3人で音楽と向き合い、精進致します。
また、いつか皆様に聴いていただくことができれば嬉しいです。
ありがとうございました。

酒井絢子さん
沢山の方に聴いて頂けて本当に嬉しかったです。
また、生のピアノで聴きたい!!と思って頂けたら幸いです。
これからも3人でアプリコトリオの色を作り上げていきたいです。
ありがとうございました。


 (M.K&A.M)