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オリジナル映像作品『HAND SOAP』が、「第49回アナーバー映画祭」ベスト・アニメーション賞を受賞!!

2011年04月22日
[ 映像 ]

 「愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品」のシリーズ第17弾として制作された、大山慶監督『HAND SOAP』(2008年)が、去る3月22日(火)-27日(日)にアメリカ・ミシガン州で開催された「第49回アナーバー映画祭」(49th Ann Arbor FilmFestival)に出品され、ベスト・アニメーション賞(Chris Frayne Award Best Animated Film)を受賞しました。

 

 「アナーバー映画祭」は、1963年に始まった北米では最も古い歴史を持つ映画祭の一つとされ、自主映画や実験映画、ビデオ・アートを中心に、全米および世界20ヶ国の映像作家から応募があり、6日間の会期中、40プログラム、188作品(うちアニメーションは26作品)が上映されました。
 この映画祭は過去にケネス・アンガー、アンディ・ウォーホル、オノ・ヨーコ、ガス・ヴァン・サント、バーバラ・ハマー、ジョージ・ルーカスらを輩出しており、新進の映画作家がデビューする、最も活動的な実験映画祭の一つとの評価も得ています。
 2007年には、ケン・ジェイコブスと松本俊夫の回顧上映も行われ、話題となりました。
 また同年には、「オリジナル映像作品」第15弾となる辻直之監督『影の子供』(2006年)が奨励賞を受賞しており、今回の受賞は、本シリーズとしてこの映画祭二度目の受賞ともなるものです。

 

 『HAND SOAP』は、2009年10月31日(土)-11月29日(日)に開催された「ヨコハマ国際映像祭2009」で、コンペティションの第2位に相当する「優秀賞」を受賞し、その後国内外の様々な映画祭や特集上映会に出品されています。
 2010年4月29日(木)-5月4日(火)にドイツで開催された「第56回オーバーハウゼン国際短編映画祭」では、インターナショナル・コンペティション部門に出品され、「オーバーハウゼン国際短編映画祭賞」を受賞しました。
 5月18日(火)-23日(日)にチェコ・テプリツェで開催された「第9回国際アニメーション映画祭・アニフェスト2010」で審査員特別賞、7月30日(金)-8月1日(日)にスロバキア・ジリナで開催された「第3回国際アニメーション映画祭・フェストアンカ」で第3位、8月7日(土)-11日(水)開催の「第13回広島国際アニメーション映画祭」で優秀賞、8月25日(木)-29日(日)にイタリア・コンヴェルサーノで開催された「第8回イマジナリア映画祭2010」では、短編アニメーション部門(自由作品の部)でグランプリを受賞。11月3日(水)-7日(日)にオランダ・ユトレヒトで開催された 「第14回オランダアニメーション映画祭」で、短編部門グランプリを受賞。また11月19日(金)?23日(火)にエストニア・タリン他で開催された「第12回アニメーション映画祭・アニメーテッド・ドリームス2010」においてグランプリを受賞するなど受賞が続き、今回の「アナーバー」での受賞は都合9回目を数えることになります。

 

 思春期の少年と家族が暮らす家庭の中で、その日常生活から生じるナイーブでデリケートな緊張関係を、大山監督独自の実写とCGを融合する手法で描いたこの作品が、海を越えて、共感を持って広がっている様子がうかがえます。

 

              ▼大山慶『HAND SOAP』(2008年)HAND SOAP(blog).jpg

 

 今後『HAND SOAP』は、4月23日(土)に「あいちトリエンナーレ2010」のメイン会場の一つだった長者町の万勝S館(元・ATカフェ、名古屋市中区錦2-10-30)で行われる「One Day Cafe #1」(主催:あいちトリエンナーレサポーターズクラブ事務局)や、6月10日(金)-12日(日)、21日(火)-23日(木)に当センター12階のアートスペースAで開催するテーマ上映会「映像の学校II」でも上映を予定しています。

 

この機会に、ぜひご覧ください。

 

〈参考〉アナーバー映画祭ホームページ〈http://www.aafilmfest.org/

 

(T.E)