完売御礼!!
3月25日、26日に開催のニブロール公演『no direction。』の前売り券は、売り切れました。
当日券は、両日とも開演の1時間前から発売いたします。
いずれの日程も20枚程度となりますので、ご希望の方は、お早めに!!
3月25日、26日両日ともに小ホールロビー受付にて当日券を販売します。
25日(水)は18時30分より販売開始。
26日(木)は17時30分より販売開始になります。
お一人様につき1枚の販売となります。
学生券の当日券販売はございませんのでご了承ください。
↑振付家の矢内原美邦さん、会場到着。
↑音響チェック中の音楽家・スカンクさん
(E.K)
パフォーミングアーツ・カンパニーのニブロールが愛知初公演を行うことになりました。これは、2010年に開催される「あいちトリエンナーレ2010」のプレイベントとして開催されるものです。
↑『no direction。』(撮影:聡明堂)「トリエンナーレ」「ビエンナーレ」といったら、美術の祭典を指すことが多く、「あいちトリエンナーレ2010」も美術が中心となる国際芸術祭ですが、実はそこにもうひとつの大きな柱として、「複合芸術(パフォーミング・アーツ)」へのアプローチが掲げられています。
現代では、ダンス、演劇、音楽、美術などとカテゴライズすることが難しい新しい作品が沢山生まれています。これらのジャンルを横断した舞台は、これまでの私たちの予想を遥かに超えた、驚きや刺激に満ちた斬新な作品たちです。
日本初の本格的な複合文化施設である愛知芸術文化センターを中心に開催される「あいちトリエンナーレ2010」では、このようなジャンルの境界を越えて活動するアーティストたちによる最先端の舞台作品を紹介していきます。
プレイベントで登場するニブロールは、ダンス、演劇、音楽、映像、衣装など、各界で活動するディレクターたちの集団で構成され、日本の最先端の表現を行うカンパニーとして国内外で活躍されています。まさに「複合舞台」のイメージを膨らましていただくには、ぴったりのカンパニーですね。
この3月中旬、ニブロール率いる矢内原美邦さんが公演のPRのために来名し、3時間にわたって、カンパニーの生い立ちから、作品のコンセプト、自身の興味、作品創作のきっかけなど、様々なお話を伺いました。いずれも興味深いお話ばかりでしたが、なかでも印象に残ったのは、「アートが社会とどうつながっていくか」という視点です。
アートは一部の好事家のものではなく、常に社会と繋がっていなければならないと語っていた矢内原さん。本作品のタイトル「no direction。」も、「方向性がない」という意味だとのことですが、それは、私たちひとりひとりがマニュアルのような地図を持たないで、自分で考えて進む方向を決めていくことが大切なのではないか、という彼女からのメッセージです。より良い社会の形成には、個人が自ら考えて歩くことが必要だとの思いから、舞台を通して、「自らが様々な方向性で生きていけることを提案したい」と語っておられました。
3月26日(木)の公演後には、矢内原さんと「あいちトリエンナーレ2010」芸術監督の建畠哲氏によるアフタートークも行われます。2日間のチケットは売り切れ間近。この機会をお見逃しなく!
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「ニブロール」公演「no direction。」
日時:2009年3月25日(水) 午後7時30分開演
3月26日(木) 午後6時30分開演
会場:愛知県芸術劇場小ホール(愛知芸術文化センター地下1階)
※開場は開演の30分前になります。
※3月26日にはポストパフォーマンストークがあります。(同日公演のチケットをお持ちの方のみ入場いただけます。)
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(E.K)
日本には舞踊を学ぶ本格的な学校がありません。ダンスやバレエのテクニック学ぶ民間のダンス教室はとても多い愛知県ですが、そのダンサーを使って作品を創作する「振付家」となると、自ら目指そうとする人はなかなか生まれてこないという実情があります。「踊りたいけど、創れない・・・」というダンサーたちの呟きが聴こえてくるようです。
そこで2006年夏、愛知県が若手のアーティストを育成するという目標を掲げるにあたって、舞踊部門では「振付家」を育てることを提案しました。
とはいうものの、振付家を育てるなんて途方もないこと、どうやったら実現できるのか? 悩んだあげく、思いついたのが、日本の現役の振付家にアドバイザーとして若手を指導していただくということ。舞踊の不毛といわれるこの日本で、指導者もいない中、日本のベテランの振付家たちは、自ら悩み考え、作品を作り続け、そして今日の地位を築きあげてこられました。決して恵まれている状況ではないこの日本において一定の成果を挙げてこられた振付家のみなさん。彼らのこれまでの蓄積から発せられる助言こそ、現代の日本の若手の振付家のために役立つものだと考えたのです。
公演の後にはアフタートークを開催し、それぞれの思いを語ってもらいました。
左から鈴村さん、服部さん、講師の平山さん、宝栄さん、講師の佐多さん、竹之下さん、講師の山崎さん
「振付家」には、文字どおり、動きをつける「振付」のほか、音楽や美術や照明などを駆使して、作品全体の時間と空間を構成する「演出力」が不可欠です。またダンサーやスタッフ等、作品に関わるすべてのことに目を配り、どのように発言をすれば、自分のイメージを上手く伝えることが出来るかなど、学ばなければならないことは多岐にわたります。
2007年に続いて第2回目となった今回の公演では、作品の長さも前回の20分から40分へと長くなり、参加のハードルも高くなりました。これはコンクールや合同公演で比較的短くてコンパクトな作品を創作することに慣れている振付家に対して、ボリュームのある作品の振付に挑戦してほしい、という思いがありました。
数ヶ月の短い期間ではありましたが、熊本、愛知、東京と、異なる場所で合宿のような生活を送ったような参加者もいました。若手振付家にとって、このような講師との凝縮した時間は、何ものにも変えがたい貴重なものとなったようです。
このプロジェクトの目的は、若手アーティストの育成。ですから舞台公演といっても、それは、単なる通過点でしかありません。実際に、第1回目の参加者6名のうち、その半数の3名が、すでにこのプロジェクトで創作した作品をさらに練り直し、再演しています。これから彼らがどのように活動を広げて行ってくれるのか、それを皆で応援していきたいと思っています。皆さんも彼らの活動に是非ご注目くださいね。そして、振付家を目指す方々の参加もお待ちしております。(隔年開催の予定です)
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