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シェイクスピア歴史劇上映会開催中

2012年08月01日

 ただいま、アートプラザでは、愛知県文化振興事業団主催の「子どものためのシェイクスピアカンパニー『リチャード3世』」公演(8月25日(土)、26日(日))に関連し、シェイクスピアの歴史劇を上映しています。
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 ウイリアム・シェイクスピア(1564-1616)

 シェイクスピアは生涯で37タイトルの作品を残していますが、いずれも傑作で人類の遺産と言えるでしょう。
 彼の作品は悲劇、喜劇、ロマンス劇、歴史劇と区分されていますが、今回は、歴史劇に焦点を当て、10作品を取り上げました。『ジョン王』、『ヘンリー4世第1部』、『同第2部』、『ヘンリー5世』、『ヘンリー6世第1部』『同第2部』、『同第3部』、『リチャード2世』、『リチャード3世』、『ヘンリー8世』です。どれも2時間以上もかかる大作ばかりで、中には4時間もかかるものもあります。「ばら戦争」、「英仏百年戦争」(ジャンヌ・ダルクで有名)など、イギリスの歴史を念頭においてから見ると理解しやすいでしょう。

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 ジャンヌ・ダルク(1412-1431)

上映作品のメインは、英国放送協会(BBC)制作の映像です。オーソドックスな演出でかつ当時の時代を髣髴させる美しい映像なので、とても楽しめます。当時の音楽も使われています。また、日本を代表する演出家の蜷川幸雄による『リチャード3世』と『ヘンリー6世』も必見です。市村正親、上川隆也、大竹しのぶなど日本を代表する俳優陣の白熱した演技をお楽しみください。
 戯曲以外にも、関連したオペラ、映画なども充実しています。まず、オペラでは、サン・サーンスの『ヘンリー8世』がとても珍しい作品です。
また、ヘンリー8世の愛人アン・ブーリンを題材にしたドニゼッティの『アンナ・ボレーナ』も、今をときめく歌姫のアンナ・ネトレプコの主演する大変美しい作品です。

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     ヘンリー8世(1491-1547)                                       アン・ブーリン(1507-1536)

 映画では、アル・パチーノ監督の映画『リチャードを探して』はドキュメンタリーでシェイクスピアや『リチャード3世』入門にぴったりです。
 また、『わが命つきるとも』は、ヘンリー8世の時代、愛人アン・ブーリンとの再婚に反対する大法官トマス・モアを描いた作品で、神(又は良心)への忠誠とヘンリー8世への忠誠の間で悩みながらも意志をつらぬくモアの姿は感動的です。

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 トマス・モア(1478-1535)

 歴史劇の他にも、シェイクスピアの映像作品は、アートライブラリーで多く所蔵しています。暑い夏はシェイクスピアとともにお過ごしください。

(A.M)