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「魔法とオペラ・バレエ」ビデオ上映会開催中

2012年04月16日

 県美術館の「魔術/美術」展に関連して、アートプラザ・ビデオルームで「魔法とオペラ・バレエ」ビデオ上映会を開催しています。「魔術」「魔法使い」「悪魔」「魔女」「妖精」など「魔法」に関わるオペラ・ビデオをに集めました。

 「魔法」に関するオペラ・ビデオが意外に多いことにびっくりし、リストアップした作品はもっと多かったのですが、できるだけ有名な演目を選びました。
最も有名な作品はモーツァルト(1756-1791)の「魔笛」ですね。モーツァルトの死の3ヶ月前に完成した作品です。透明で美しい音楽と愉悦感に満ち溢れ、生きる喜びと力を与えてくれます。
なお、モーツァルトは「フリーメイソン」(会員同士の親睦を目的とした友愛団体・秘密結社)に加入しており、この作品にはフリーメイソンのさまざまなシンボルや教義に基づく歌詞や儀式が用いられていることが知られています。
フリーメイソンとの関わりを覚えながら、この作品を見ると新しい発見があるかもしれません。

 魔術1.jpg
「魔笛」初演200年記念切手(DBP1991)


 
魔術2.jpg
フリーメイソンの入会儀式の一部(1800年頃)

 

 今回「魔笛」の4種類の映像を用意しました。この中でユニークなものはベルイマン監督による映画版「魔笛」です。ベルイマン(1918-2007)はスウェーデン出身で映画界の鬼才とも呼ばれ、難解な作品も多いのですが、これはメルヘン的で素朴な雰囲気をよく表現しています。小劇場で上映されているという設定で、出演者がくつろいでいたり、幕の隙間から観客席を覗く光景などもあります。映像は「サクリファイス」のスヴェン・ニイクヴィストによるもので、夢幻的な映像美が、愛と夢の世界を美しく描いています。オペラと映画が見事に融合した作品です。なお、歌唱はスウェーデン語です。
 魔術3.jpg
 「野いちご」撮影中のベルイマン(1957)

 

 「魔笛」のほかに、「シンデレラ」「真夏の夜の夢」では異なる作曲家によるオペラとバレエの2種類の作品が楽しめます。比較して観賞するのもおもしろいでしょう。

 なお、これらの作品は一部を除き、上映会終了後にアートライブラリーで見ることができます。今年3月からビデオブースの機器を入れ替えるとともに、観賞席も4ブースから6ブースへと増やしました。こちらもどうぞご利用ください。

(A.M)