愛知芸術文化センター
30年の歴史
Aichi Arts Center 30years of history
この秋30周年を迎える栄の愛知芸術文化センター。
施設のオープンからのべ5400万人以上の方にご来場いただき、作品や人、感動との出会いの機会が生まれた。
展覧会や公演などは現在にも結びつくものがさまざまあり、今号では過去の催しを紐解き、振り返る。
年表
1992 10月30日 愛知芸術文化センター開館
1997 開館5周年
2002 開館10周年記念。「あいち芸術文化フェスタ2002」を開催
2005 「愛・地球博」を記念した芸術フェスティバル開催
2010 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」初開催(総来場者数57万2,023人)
2012 開館20周年
2016 「第31回国民文化祭・あいち2016」開催
2018 栄の街を再発見するミニフェスティバル「久屋ぐるっとアート」初開催(今号に掲載)
2022 開館30周年記念。これまでの美術館、劇場の歩みを振り返る「開館30周年記念ポスター展」を開催
1992 オープニング記念
劇場はドイツ・バイエルン国立歌劇場の総監督サヴァリッシュさんが指揮し、三代目市川猿之助さんが演出した、大規模なオペラでオープニングを飾り、国際的に人気を誇る山海塾の舞踏公演などが華やかに連続開催。美術館では20世紀の絵画に最初の革新をもたらしたフォーヴィスムと、その影響を受けた日本近代洋画の展開を合わせて紹介し注目を集めました。
愛知県美術館
フォーヴィスムと日本近代洋画
愛知芸術文化センター・オリジナル映像制作
様々なジャンルの作家を登用し、「身体」をキーワードにして実験的な映像作品を自主制作するプログラム。開館以来、愛知県文化情報センターが1年に1本のペースで作品を制作していました。事業は2014年度に愛知県美術館へ移管され、継続しています。
愛知芸術文化センター・オリジナル映像制作
第1作の岩井俊雄『シンボル映像』(1992年)
※現在も地下2階フォーラム大画面などで定時放映
愛知県芸術劇場
バイエルン国立歌劇場
オペラ公演 R.シュトラウス作曲『影のない女』
指揮:サヴァリッシュ 演出:市川猿之助
山海塾 そっと触れられた表面ーおもて
イベントーク
現代の芸術・文化をめぐるトークショーと今日の先鋭的なパフォーマンスを行う人気シリーズ。企画コーディネーターは元演劇実験室「天井棧敷」の萩原朔美さん。
愛知県美術館
1992-2022 愛知芸術文化センター・オリジナル映像制作
1994 愛知県美術館友の会発足
2003 木村定三コレクション受贈
名古屋の著名な美術品収集家・木村定三氏(1913-2003)及びそのご遺族から3,307件の作品を受贈。与謝蕪村や浦上玉堂などの文人画をはじめ、熊谷守一や小川芋銭など近代の画家たちの作品や、陶磁器、工芸、考古資料、仏教美術といった、幅広い時代と分野の作品が美術館のコレクションに加わりました。
与謝蕪村《富嶽列松図》江戸時代中期(18世紀後半)重要文化財
美術館は受贈作品の調査研究を進めるとともに、コレクション展でその一部を順次公開。
2005 ゴッホ美術館/クレラー=ミュラー美術館
所蔵作品による ゴッホ展
日本国際博覧会(愛・地球博)が愛知県で開催された年。美術館で開催したゴッホ展では、過去最高の入場者数42万人(総入場者数42万3,745人 )を記録しました。
入場を待つ人々の様子
1日に9,000人が入場したことも!
2012 生誕150年記念 クリムト
「黄金の騎士」をめぐる物語
愛知県美術館の開館20周年記念展は、ウィーンの世紀末美術を代表する画家グスタフ・クリムトの展覧会。愛知県美術館が所蔵する至宝《人生は戦いなり(黄金の騎士)》の制作経緯、作品の背景、様々な影響関係などを、同時代のウィーン分離派・ウィーン工房の活動、日本の工芸品とともに検証しました 。
所蔵作品研究が結実した意義深い機会。
2012-17 APMoA Project, ARCH
各学芸員が推薦し、美術館全体で議論して決定した、いま取り上げるべき作家の個展を年間数本実施しました。プロジェクト名「ARCH」は、美術館が作家の表現活動をサポートするだけではなく、企画自体が作家、美術館、鑑賞者の架け橋(アーチ)となるようにという思いを込めて。
1992年の美術館開館より続く「テーマ展」を改め、作家と学芸員が協同で作った展覧会。
2020-22 アーティスト等緊急支援事業
新型コロナウイルス感染症拡大により活動を制限せざるを得ないアーティストを支援すべく、2020年度から3年間、美術品等取得基金に1億円の特別枠が設けられ、若手芸術家の作品を集中的に収集。また、県内文化施設と連携したオンライン・アートプロジェクトでは、9作品の制作・配信を行いました。
AICHI⇆ONLINEロゴ(デザイン:三重野龍)
収蔵後初公開の20年9〜12月コレクション展風景
斉と公平太(今号に掲載)の収蔵作品《ARTくん》を、22年1〜3月のコレクション展で公開。
愛知県芸術劇場
2000-22 AAF戯曲賞
愛知発の文化の発信と演劇界の次代を担う人材の発掘・育成などを目指して本戯曲賞はスタート!上演を前提とした戯曲賞のスタイルは今も続いています(今号に掲載)。
第1回受賞の『大熊猫(パンダ)中毒 』は天野天街(少年王者舘)さんによる演出。
2002-22 クリスマスはオルガンだ!
オアシス21がオープンしたこの年、冬のコンサートホールの風物詩として親しまれる本シリーズが始まりました。第1回は名古屋市出身の藤枝照久さんが演奏。ダイナミックかつ繊細な演奏を楽しんだ後、最後は観客全員で“きよしこの夜”を合唱。2020年には、コロナ禍で多くの方々から期待が寄せられ、追加公演を開催!
オルガンを演奏する藤枝照久さん
本シリーズはおかげさまで今年で20周年!これまでにトランペットやハープ、ヴァイオリンなど、さまざまな楽器と共演してきました。今年はカウンターテナーとの共演に期待!(今号に掲載)
2005 あいち芸術の森
プロジェクトダンスオペラ3 『UZME(ウズメ)』
愛・地球博に合わせた公演として、愛知県文化情報センターが日本神話に登場するダンサーの起源「ウズメ」 を題材にした舞台を創作し、大ホールと万博会場で開催。後のダンスを中心にジャンルを横断した世界レベルの公演が楽しめる「ダンス・コンサート」シリーズ(今号に掲載)の前身として、ダンスファンはもちろん、地域から多くの賞賛を得ました。
2010 あいちトリエンナーレ2010 ローザス
芸術祭のフィナーレを飾ったのは、ベルギーを拠点にする世界的ダンスカンパニー「ローザス」。芸術監督・振付家のアンヌの登場や、現代音楽アンサンブルのイクトゥスが全く演奏しない演出など、驚きの連続で会場を沸かせました。海外のダンス公演は、これまでも県内外から多くのリクエストがあり、今につながっています。
今年はアクロバティックな動きが満載のフランスのカンパニーが大ホールに登場(今号に掲載)。
2017 共同制作オペラ『ばらの騎士』
当劇場も中心メンバーとなって全国ツアーの共同制作オペラを初開催。イギリス・グラインドボーン音楽祭と提携し、ドイツ・ロマン派オペラの傑作を国内3会場で開催しました。愛知に縁あるソリストも多数出演。「とても美しく心がふるえてしまいました」などの感想が寄せられました。
今年度も共同制作オペラを開催!『道化師』&『田舎騎士道』を今話題沸騰の上田久美子が演出(今号に掲載)。
2018 劇場オルガニストに都築由理江が就任
2020 劇場の初代芸術監督に勅使川原三郎が就任
今号に出演する公演を掲載。