劇場スタッフのリアルな解説付き
愛知県芸術劇場の魅力がわかる!
ガイドツアー

春は新しい出会いの季節。
3か月間の休館を経て、
4月に再開する愛知県芸術劇場へようこそ。
ホールのエントランスに入った瞬間から、
「劇場に来た」という非日常的な高揚感で
心が踊り、
注目ポイント満載で興味が開花する。

オルガン担当者とチェック!

コンサートホール パイプオルガン
Concert Hall Pipe Organ

愛知県芸術劇場が誇る国内最大級のパイプオルガンを知れば知るほど、コンサートが楽しめるはず。
楽器の中で一番大きく、たった一台でオーケストラのように演奏できる「楽器の王様」と呼ばれ、
多彩な音色や響きを持つ秘密とは。

(1)オーダーメイド

手掛けたのはドイツのカール・シュッケ・ベルリン・オルガン製作所。ベルリンでの設計・製作に約4年、劇場内での組み立て・整音に半年近くかけて、1992年9月初旬に完成した。

(2)パイプ(笛)

総本数は6,883本。長いほど低い音、短いほど高い音が出て、長さは4階ほどの高さの11mくらいから、小指の爪ほどの1cmくらいまである。1本のパイプは1種類の音色のみ、素材(金属or木製)、形、発音方法によって音色が異なる。

関本プロデューサー

パイプに風を通して音を出す笛の集合体で、管楽器と鍵盤楽器の仲間。

関本プロデューサー

(3)鍵盤

高木企画制作スタッフ

演奏台(コンソール)には手鍵盤5段と足鍵盤(ペダル)1段、その左右にストップがずらりと並ぶ。鍵盤を押さえると弁が開いてふいごからパイプに空気が流れ込み、音が出る仕組み。

白黒さかさまの手鍵盤(写真右)は18世紀の主流だった。

高木企画制作スタッフ

(4)ストップ(音色)

当劇場のオルガンのストップは93種類。管楽器系、弦楽器系、あるいは人の声や天上の声とされる音色も。ノブを引いて出したい音色を選び、組み合わせることで無限の音色になる。オルガニストは公演前の音色作りが欠かせない。

ストップの数は個々のオルガンで異なり、個性豊かな音色が作られる。

(5)リモートコンソール

舞台の上から遠隔で演奏できる、言わばメイン・コンソール(演奏台)の分身。両手両足で自由自在に楽器を操るオルガニストはもちろん、譜めくりやストップ操作をするアシスタントにも注目を。

(6)ふいご(送風機)

パイプオルガンの裏にある心臓部。鍵盤を押すとオルガンの内部で空気をためている「ふいご」からパイプに風が送り出されて、美しい音が生まれる。昔は人力で動かし、今は電動ファン(モーター)に。

(7)ツィンベルシュテルン zimbelstern(シンバルの星)

中央のアクセサリーのような小さい星は、オルガン職人の遊び心で取り付けられたパーツ。
鉄琴や鈴のような可愛らしい音が鳴り、星がくるくる回る。聴けたらラッキー★

ホールの響きが豊かで、荘厳で壮大な音楽を聴くことができる。
2階席前方は突き出したパイプから、音圧をダイレクトに感じられる。
音のシャワーを浴びるなら、3階席がオススメ。

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