進化し続けるダンスの可能性
勅使川原三郎
新たな興味の行方

ダンサー・振付家・演出家として国際的に活躍する、当劇場の芸術監督・勅使川原三郎。
世界のダンス史に名を刻んだ2022年。9月の「天上の庭」公演に続き、さらなる創作意欲を燃やす次回作に熱視線が注がれる。

2022年9月「天上の庭」公演
アンケートの感想より

とても緊張したり、心が熱くなったり、のびやかになったり、さまざまに翻弄されながら、終わってみれば至福の時間でした。

余計なもののない美しい舞台だった。チェロの音響も良かった。夢の中の出来事のようだった。

異空間に連れていってもらったような感覚でした。照明が変わるたびに胸を打たれ、永遠に観ていたいと思いました。

「数々の困難を乗り越え、
唯一無二の先鋭性が輝く

2020年4月、当劇場芸術監督に就任してまもなく3年。勅使川原三郎はコロナ禍でエネルギッシュに創作を続けてきた。20年度は、芸術監督就任記念シリーズ『白痴』『調べ―笙とダンスによる』『ペレアスとメリザンド -デュエット版-』の3作品を小ホールで上演。21年度は大ホールで2つの文学作品に挑んだ。『羅生門』では国内外の才能豊かなアーティストとともに、芥川独特の文体をダンスで表現。『風の又三郎』ではオーディションによって選ばれた地域の若手ダンサーと一緒に創り上げ、翌年に再演へと続いた。22年7月にヴェネツィア・ビエンナーレ・ダンス部門金獅子功労賞を日本人で初めて受賞。独自のダンスメソッドに基づく独創的な身体表現は世界に衝撃を与え、「新しいダンス言語」と評された。受賞後9月の『天上の庭』では海外からチェリストを招き、コンサートホールを黒幕で覆った意表をつく舞台美術、照明、衣装にも美意識を貫き、音楽とダンスを純粋に楽しむ公演で観客を魅了。期待を超える圧倒的な世界観に、いつまでも鳴り止まない拍手が贈られた。10月、文化功労者に選出された際、勅使川原は「困難や見果てぬもの、知らないことがあることによって、私は大いに力を与えられてきました。この機会は自分にとって新たな興味を抱かせるきっかけになると、そう捉えることができます。『これからももっとやれ』と言われているような気がしています」とコメント。新作は勅使川原と長年にわたり活動をともにするアーティスティックコラボレーター佐東利穂子とのダンス公演だ。次はどんな常識を覆してくるだろうか。

新作ダンス作品「ワルツ」

淡々とした単純な調子を繰り返す音楽から始まり
魅惑的で時に魂が奪われるような陶酔を誘い
三拍子の渦に巻き込まれ
時に悲劇的に
時に歓喜狂乱し
さらに爆発的な終わり無き繰り返し
あらゆるワルツが展開する音楽宇宙

勅使川原三郎

出演
勅使川原三郎(振付 演出 装置 照明 衣装)
佐東利穂子(アーティスティックコラボレーター)
ハビエル・アラ・サウコ

勅使川原三郎(振付 演出 装置 照明 衣装) 佐東利穂子(アーティスティックコラボレーター) ハビエル・アラ・サウコ

2023年7月16日(日)・17日(月・祝)開催
愛知県芸術劇場芸術監督 勅使川原三郎
新作ダンス作品「ワルツ」
場所/愛知県芸術劇場大ホール(愛知芸術文化センター 2階)
時間/16日(日)18:00〜、17日(月・祝)16:00〜
料金/S席5,000円、A席3,000円、【U25】S・A席 各半額
プレミアムシート6,000円
チケット/6月16日(金)より販売
※【U25】は公演日に25歳以下対象(要証明書)。
※未就学のお子さまは入場できません。17日(月・祝)のみ託児サービスあり(有料・要予約)。

詳しくはこちら

■聴覚に障がいがあるお客さまへ
聴覚支援システムとして「ヒアリングループ(磁気ループ)」が客席の一部で作動します(要予約)。



記事の一覧に戻る

BACK NUMBERバックナンバー