各界の最高のアーティストたちを結集してお届けする
奇跡の舞台

愛知芸術文化センターでは、<愛・地球博>が最高の盛り上がりをみせる7月〜9月に わたって、「あいち芸術の森プロジェクト」と題した芸術フェスティバルを開催しています。 なかでも<愛・地球博>のテーマ「自然の叡智」に関連して、特別に開催する <ダンスオペラ>では、人間のもっとも原初的な自然なかたち、「身体」を照らし出す ことから、声、音楽、舞台美術、衣裳など、人間のすべての感性に呼びかける舞台作品を 創作し、21世紀の新たな神話を、ここ愛知から世界に向けて発信します。


ダンスオペラ「UZME」
※「UZME」は、下記の「U」「Z」「M」「E」の
4つの場面で構成されています。

NDERWORLD(アンダーワールド)
混迷と軋轢が生み出した破壊・恐怖。愛の隠された世界。
ERO(ゼロ)
絶対的な闇と暗黒の世界。
世界の終末と新しい時代の誕生の予感。
USES(ミューズ)
音楽・芸術・詩の神。
光を呼び戻すための祈りとウズメのアクション。
NERGY(エナジー)
圧倒的な光と新しい生命の賛歌。



ファルフ・ルジマトフ Farukh Ruzimatov

昨年、笠井叡さん振付の「レクイエム」を踊りました。 最初は、笠井さん独特の舞踊言語を修得することは非常に困難なことでしたが、 次第にその魅力に惹かれていきました。そしてその作品から新しい表現方法を 知ることが出来、それは私にとって、とても有意義な体験でした。
今回の『UZME』という作品について、日本の神話を題材としていることに まず興味を惹かれました。新しい作品を踊ることを楽しみにしています。



白河直子 Naoko Shirakawa

新しい多くの出会いに、今から身が引き締まる思いでおります。
全身全霊で取り組みたいと思います。



麻実れい Rei Asami

笠井叡さんはじめ、ルジマトフさん、白河直子さん、新上裕也さんとご一緒するのが、 何よりも楽しみです。『UZME』の企画をお聞きしたとき、まず思ったのは「見たい!」と。 アマテラスとなって、光り輝くことができますように。 皆様お待ちしております。



新上裕也 Youya Shinjyo

とても素敵な方々との出会いによって生まれた魅力的な空間。
演出、音楽などの、そこに関わる素晴らしい表現者達とのコラボレーションに 期待が高まります(凄く楽しみです!!!)。
ウズメという人間の心に浮かび上がる光と影には、単純な表裏というだけではない 深い魂(ソウル)を感じます。 これから本番までの一つ一つのライブな時間を大切に刻み込みながら、 素直に今までの自分を『UZME』という舞台の上で表現したいと思っています。



笠井叡(振付) Akira Kasai(choreography)

何と言うことだろう! 二十世紀最後の四半世紀に始まったこの情報文化は、これまでの歴史、社会、芸術、 経済、政治等のすべてを、その根底から変えてしまった。もはや人間は自分で考える ことを止め、人間とパーソナル・コンピューターとの差は日増しに消滅して行き、 生と死の境界線はなくなり、やがては唯一の身体的経済行為がある肉体労働も、 ロボットにゆずりわたされようとしている。
そのような「今」、想い起こすがいい。 これが現代における「天照大御神の天の岩戸隠れ」、あるいはギリシア神話で語るなら、 「冥府の王ハーディスによる、生命の女神ペルセポーネの地下の国への幽閉」ではなくて、 何であろうか? 生命の光が、情報の闇に完全に呑まれてしまったのである。 このような「闇の時代」の唯一の光は、ただ、「真の意味のダンスの復活」以外には ないであろう。現代人は神にも宗教にも国家にもイデオロギーにも、そして科学にも 失望し始めている。 カラダが唯一の「故郷」である時、ダンスがふたたび神話を創るだろう。 とはいえ、それは自分の持っているものすべてと引き換えにしてのみ成り立つ、 「悲劇的な賭け」である。 それでも「天の岩戸」は、今開かれなければならない。 「人間の尊厳」のためでも、自分の帰属する民族のためでもない。 ただ、自分が生まれて来た証しのようなものとして。



手塚眞(演出) Macoto Tezka(visual image)

まず最初にこの企画を聞いたとき、有名な神話であるアマテラスの岩戸隠れという物語を 「UZME」という舞台作品として見せること以上に、自分がこの創作に関わることで 何かが見えてくるのではないか、ということを直感的に感じました。 それから、自分とウズメの接点はどこにあるのかを探し始めたのです。
「UZME」に惹かれた理由にはいろいろありますが、公演日程が9・11 (セプテンバー・イレブン)にかかるということも大きな要因でした。 9・11以降、世界の人々の気持ち中のアマテラスが隠れてしまったような気がして、 それを呼び覚ますために何か出来ることがあればと思いました。 ただ単に昔のウズメという物語を舞台にのせて語るのではなく、今を生きる人たちの 心の闇を少しでも祓うようなアートが創れるのであれば最高です。
もうひとつ、ウズメを調べていくと、サルタヒコという神様が出てくるのですが、 手塚治虫が「火の鳥」の中で取り上げているなど、自分の中で縁が深いと感じていた 人物ということもあって、これはやらねばと、強く感じました。 愛・地球博のテーマなど、いろいろな想いやキッカケが重なって、全てが必然であったか のようにこの舞台に集約されていったと思います。
「ダンスオペラ」という新しい形式の中で、テーマにも重なる「光と闇」というものを ステージの上でどう表現できるかを考えています。この舞台を見た人すべてに、 それぞれの心の"光"と"闇"を感じてもらえればと思います。(談)



橋本一子(音楽) Ichiko Hashimoto(music)

ダンサー、振り付け、演出、美術、声、表現形態は異なってはいても、それぞれが、独自に、深く豊かな世界を築き上げることに、苦しみ、そして喜びを見出してゆく、ということは共通しています。今回この多くの要素を終結させたコラボレーションによって、関わる私たち、そして観る人すべてが、そのカオスの中から立ち上がってくる、スリルと、喜び、興奮を分かち合えることを...