■7月25日(火)5:45PM、フォーラムUからスタート。
■参加無料
 

 愛知芸術文化センターの巨大な吹き抜け空間、フォーラムを、さまざまなアートが練り歩きます。舞踊と民族音楽を中心とする6つのパフォーマンスが、美術館や劇場という鑑賞のための空間とは異なるオープンスペースの特性を自由に活かしながら行われます。マルチビジョンの前で、映像と連動しながら身体を照射する舞踊。センターの入り口を大きく開け放ち、館内に人間の原初的な魂を呼び込み、震わせるサムルノリ。次々と連続的に登場するアーティストたちの移動にあわせ、観客も館内を動き回ります。

 フォーラムは、複合文化施設にあって、劇場と美術館と文化情報センターを結ぶ役割を果たし、センターの象徴ともいえる空間です。しかし、通常はそれぞれの施設へ移動するための広いニュートラルな空間に過ぎません。「フォーラム・イベント」は、そこでパフォーマンスを行うことにより、いつもは通り過ぎてしまうこの空間をダイナミックに変容させることをねらいとします。そして、ジャンルを限定せず、思いもよらない形で身近にアートに出会えるという、フォーラムが本来持つ、芸術のインデックスという可能性を引き出します。

 

 
17:45 フォーラムU(地下2階)
浜島嘉幸(身体表現)
パフォーマンスと舞踊の中間領域に注目した身体表現。

18:15 通路(地下1階)→(2階)
アンサンブル・ゾネ(モダン・ダンス)
空間に身体を置くことから始まる出来事。岡登志子等4名出演。

18:45 フォーラムT(2階)
マコ・テンポックス+アルファ(音楽)
民族音楽をベースにした音楽即興演奏。打楽器、ベース、ほか。

19:15 南玄関→フォーラムT(2階)
風物魂振(サムルノリ)
歩き踊りながら演奏し、人間の魂を呼び込む韓国民族音楽、サムルノリ。

19:45 フォーラムT(2階)
李惠京(モダン・ダンス)、金大換(予定)、渡辺香津美(予定)
韓国の伝統舞踊とモダン・ダンスが融合した独自の舞踊。「日韓音楽祭」に出演する音楽家も加わりコラボレーションを試みる。

 

李惠京 リ・ヘイ・キョウ
【モダン・ダンス】
1960年韓国・釜山生まれ。幼少よリ韓国舞踊を学ぶ。82年釜山女子大学入学、モダン・ダンスを専攻。89年より中央大学大学院(ソウル)で本格的に舞踊を学ぶ。92年『高圧前線』を発表、高い評価を受ける。93年「ソウル・アートセンター・オープニング記念イベント」にて金大換(キム・デハン)とのコラボレーション(ソウル)、94年「Ny-Max芸術祭」(ニューヨーク)では白南準(パイク・ナムジュン)の企画に参加するなど、ジャンルの異なるアーティストとのコラボレーションにも積極的に取り組んでいる。

風物魂振 プンムルホンジン
【サムルノリ】
1987年名古屋近郊に住む在日韓国朝鮮民俗文化研究会として結成。風物(プンムル)とはケンガリ、チャンゴ、プク、チンという韓国の民族楽器を奏でるという意味。また魂振(ホンジン)とは魂を呼び起こし、震わせるという意味である。大須大道町人祭に毎年レギュラーで参加するなど名古屋を中心に幅広くコンサート活動を行い、好評を得ている。

Mako Tempox +α
マコ・テンポックスプラスアルファ
【実験音楽】
打楽器奏者、Z・Tempoh(山田武司)と、弦楽器奏者、河端一による実験グループ、Mako Tempox。今回はここに、べース、東洋之、ディジュルドゥー(アボリジニの管楽器)榊原大司、サムルノリ・グループpu1gasariのDoo(チョン・ビョンドゥ)が加わり、即興演奏を行う。民族音楽の現代的イディオムをべースに、実験的に、音楽の解体と再構築をコンセプトとする。

アンサンブル・ゾネ Ensemble Sonne
【モダン・ダンス】
1991年岡登志子を中心にドイツで結成された。感覚と身体表現が対話できる状態であるニュートラル状態を基本に、踊りというものを「身体でしか言えない言葉」として創作活動を行っている。
岡登志子は、故法喜晶子、和田敦子らに師事した後、ピナ・バウシュ、スザンネ・リンケ、ライン・ホルト・ホフマンらを輩出したドイツのFolkwang大学舞踊科を92年卒業。94年より拠点を日本に移し、ソロ、またグループ、アンサンブル・ゾネとして活動を行っている。

浜島嘉幸 はまじまよしゆき
【身体表現】
1952年愛知県岡崎市生まれ。名古屋大学で美学美術史専攻、かたわらで8o映画製作。85年田中泯の主宰する「舞塾」第4期集中トレーニングに参加後、活動を身体領域へと移す。89年「月曜出勤シリーズ」と題し、「出勤」の名のもとに毎週月曜にパフォーマンスを展開。また「身体表現という舞踊」をテーマに、パフォーマンスと舞踊の中間領域に注目するなど、身体を論理からもアプローチしている。