2館のコレクション、ずらり!
コレクションズ・ラリー
愛知県美術館×愛知県陶磁美術館 共同企画

愛知県美術館が所蔵する約8,800件の作品と、愛知県陶磁美術館所蔵の約8,300件。
両館のコレクションの中から、4つのテーマに沿って作品を紹介するオムニバス形式の展覧会。

When Two Collections Meet

Co-curated by the Aichi Prefectural Museum of Art
and the Aichi Prefectural Ceramic Museum

同じ愛知県立の美術館同士
県美と愛陶が奏でるハーモニー

愛知県瀬戸市にある愛知県陶磁美術館。「愛陶(あいとう)」の呼び名で親しまれている同館は、2023年6月から改修工事のため休館中(25年4月に再開予定)。この機会に愛知県美術館と愛知県陶磁美術館の合同企画で、両館のコレクションを紹介する展覧会がコレクションズ・ラリー展です。両館の学芸員が目下、テニスのラリー(ボールの打ち合い)のように、アイデアを出し合いつつ準備中ですが、ここではいち早くその内容をご紹介します。

本展は両館からの2名ずつ、計4人の学芸員で担当しています。2館のコレクションの中から各自が「これは」と思う作品を選び、日頃から温めてきたテーマで展示を構成するオムニバス形式の展示です。第1章のテーマは「JOMON」。日本のやきもの史上、最古にして最大の人気を誇る縄文土器。その造形のどんなところに人々は惹きつけられるのか。土、形、文様などの視点からその魅力を探りつつ、共鳴する作品とともに楽しみます。続く第2章は「うーまんめいど」と題して女性作家の作品を特集します。映像作家・出光真子の著書『ホワット・ア・うーまんめいど』に着想を得たこの章では、近年の新収蔵作品も展示します。第3章は、硬い岩と重金属をそのまま直訳した「ハードロック/ヘヴィメタル」。文字通りゴツゴツした物質感や、重さや硬さなどを想起させる作品が並ぶ空間には、なんとなく大音響が響き渡っているような気がするかも?最後となる第4章の「祈り」では、仏教美術や墓の副葬品など宗教や祭礼に関係する作品が集められます。

同じ愛知県立の美術館同士ですが、意外にもこのように大きな規模での共同企画を行うのは初めてのこと。愛知県陶磁美術館が休館中だからこそ実現したこの企画。2館のコレクションが出会うことで生まれる作品同士の共鳴を楽しんでいただきたいと思います。

愛知県美術館 主任学芸員  石崎尚

愛知県美術館


久野真《鋼鉄による作品 #272》1975年 愛知県美術館蔵

愛知県陶磁美術館

1978年、日本最大級の窯業地である愛知県瀬戸市に、愛知県政100年記念事業として開館。日本やアジアをはじめ世界各地のさまざまなやきものを紹介し、国内屈指の陶磁専門ミュージアムとして成長してきた。2013年、開館35周年を期に「愛知県陶磁美術館」に名称変更。コレクションは3点の重要文化財を含む8,310件(22年3月末)にのぼる。改修工事のため25年3月末まで休館するが、休館中も出張展示や出張陶芸体験などを実施する予定(作陶体験施設は24年11月に先行再開予定)。


《深鉢》縄文時代中期(紀元前3,000〜2,000年頃)
愛知県陶磁美術館蔵(工藤吉郎氏寄贈)

2024年1月16日(火)〜4月14日(日)開催
コレクションズ・ラリー
愛知県美術館・愛知県陶磁美術館 共同企画
場所/愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
時間/10:00〜18:00 ※金曜〜20:00(入館は閉館の各30分前まで)
休館日/毎週月曜日(ただし2月12日[月・祝]は開館)、2月13日(火)
料金/一般500(400)円、高校・大学生300(240)円、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金

トークラリー(学芸員による展示説明会)
両館の学芸員による作品解説を行います。
日時/1月21日(日)、2月10日(土)、4月6日(土)各回11:00〜12:00
3月8日(金)18:30〜19:30
会場/美術館展示室内
定員/各回先着30名(申込不要)
※チケットをお持ちの上、開始時刻に美術館ロビーにお集まりください。

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