愛知芸術文化センター1階 ART LIBRARY
おすすめの1冊!

「僕ら」の「女の子写真」からわたしたちのガーリーフォトへ
長島有里枝 大福書林、2020年

現在、準備中の安井仲治展(今号に掲載)。戦前に活動した写真家を、現代の視点からどう語られるのかが見どころの一つです。というのも、写真家も作品も、時代や地域ごとに語られ方は変化するためです。それらの写真をめぐる語り方の変化を、スリリングに感じさせるのがこの一冊。女性写真家である長島有里枝が、自分の作品に向けられた言葉を振り返り、表現も言葉も、時代と共に変わること、変わらねばならないことを力強く訴えます。ぜひライブラリーでご覧ください。(愛知県美術館 主任学芸員 中村史子)

NEWS

エレベーター改修工事に伴う愛知県芸術劇場の休館のお知らせ

愛知県芸術劇場内にあるエレベーターを今後も安心安全にご利用いだたくために、休館期間を設けてエレベーター改修工事を実施します。以下の期間、愛知芸術文化センター内の愛知県美術館をはじめ、他の施設は通常通り営業しています。皆さまにはご不便とご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきますようお願いします。

休館の期間

【小ホール】
2023年12月1日(金)〜2024年3月31日(日)
【大ホール、コンサートホール、大・中リハーサル室】
2024年1月4日(木)〜3月31日(日)

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© Aichi Arts Center

キュビスムの創始で知られる画家
ジョルジュ・ブラックの絵画を愛知県美術館が個人から受贈

愛知県美術館は今年度、名古屋市在住の個人からの寄贈により、フランスの画家ジョルジュ・ブラック(1882-1963)の絵画《水浴する女性と3つの果実》(1926年 油彩・砂、画布 100.0×81.2cm)を収蔵しました。作品は、第一次世界大戦後のフランス文化に広く認められた、「秩序への回帰」と呼ばれる古典古代への憧れを反映したものです。ブラックの飽くなき表現の探求と挑戦を示す本作は、ピカソとブラックを中心に、第一次大戦前のキュビスムから戦後の「秩序への回帰」への変化を紹介する特集展示にてお披露目しています。

2023年度第2期コレクション展
ブラックとピカソ キュビスムと「秩序への回帰」
開催/〜2023年9月17日(日)
場所/愛知県美術館展示室7(10階)
料金/一般500(400)円、高校・大学生300(240)円、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金

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オリジナル映像作品・清原惟
『A Window of Memories』を初公開

『わたしたちの家』(2017年)に続く2作目の長編『すべての夜を思いだす』(22年)が今年の「ベルリン国際映画祭」に出品され、話題となった清原惟監督。建築や空間と人物との関係を独特の感性で描出する清原監督は、当センター・美術館の「オリジナル映像作品」制作作家に選出され、新作を完成させています。人間には父方と母方の双方に祖母が存在するということを考察した『A Window of Memories』(23年)は、この秋に開催する「第27回アートフィルム・フェスティバル」で初公開されます。ドキュメンタリーの領域にも踏み込んだ意欲的なこの作品を、ぜひお楽しみください。

清原惟『A Window of Memories』
(2023年、愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品第31作)

第27回アートフィルム・フェスティバル
開催/2023年10月下旬
場所/愛知芸術文化センターアートスペースA(12階)
料金/無料

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