NISSAY OPERA 2021『ラ・ボエーム』©ニッセイ文化振興財団 photo by Chikashi Saegusa

2017年初演のプロダクションを
新たな視点から再構築して上演

イタリア人作曲家プッチーニの最高傑作と称され、1896年の初演以来、世界中で上演が続いている人気作『ラ・ボエーム』。オペラをより多くの方に楽しんでもらいたいとの思いで名作をシリーズ化している日生劇場が、選りすぐりのアーティストを集めてお届け。

ミミの存在感を強める演出など
人物像の新たな描き方に注目を

 19世紀半ばのフランス・パリに住む若者たちの夢や恋、友情を描いた甘く切ないオペラ『ラ・ボエーム』。2017年に日生劇場で演出したプロダクションの再演となるはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、根本から演出を一新した21年版をお届けする。初演時の演出は、仲間を失った若者たちがかつての青春時代を回想するというコンセプトに基づく。今回の演出は、これと正反対と言える視点に立つものになっている。このドラマを眺める「視点の違い」に注目だ。また、日本語訳詞上演であることから、初心者の方でも観やすい公演と言えるだろう。
 この、日生劇場による「NISSAY OPERA」は、一流の舞台を、求めやすいチケット料金で届ける公演で、華やかで美しい空間と極上の舞台に出合うことができる人気シリーズ。今回のプロダクションも多分にもれず、オーケストラは地域の音楽界をリードする名古屋フィルハーモニー交響楽団、指揮はイタリアで研鑽を積んだマエストロ・園田隆一郎、演出は近年目覚ましい活躍を見せる伊香修吾、そして本プロダクション最大の特長である日本語訳詞は、声楽家でもある宮本益光が手掛ける。そのほか、ソリストたちも実力派が揃う充実の布陣。クリエイターたちの知恵と努力、優れた芸術家たちによる熱演が成す本物の舞台に触れ、人気オペラの魅力や困難な現状を乗り越えるエネルギーに触れてみては。

愛知県芸術劇場 プロデューサー 水野 学

充実したソリストたちのオペラを日本語で観ることができる、初心者の方でも親しみやすい作品になっています。また、ミミとロドルフォが意図的に接近する演出になっていたりと、今まで『ラ・ボエーム』を観たことがある方にもきっと新しい発見があると思います。

2021年10月30日(土)開催
NISSAY OPERA 2021 プッチーニ作曲 オペラ『ラ・ボエーム』
全4幕(宮本益光訳詞による日本語上演・日本語字幕付)
場所/愛知県芸術劇場大ホール(愛知芸術文化センター2階)
時間/14:00~(公演時間は約2時間10分、休憩1回含む)
料金/S席10,000円、A席8,000円、B席6,000円、C席4,000円、【U25】各半額
※【U25】は公演日に25歳以下対象(要証明書)。
※未就学のお子さまは入場できません。託児サービスあり(有料・要予約)。
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2021年10月28日(木)には地域の将来を担う子どもたちに質の高い舞台芸術に触れてもらう「劇場と子ども7万人プロジェクト」を実施。約1,400名の中学生を公演に招待します(一般のお客さまはご覧いただけません)。

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