演出:粟國 淳(あぐに じゅん)

 1967年東京生まれ。70年に父・粟國安彦のオペラ研鑽に同行するためイタリアのローマに渡る。同地で義務教育を終え、サンタ・チェリーリア音楽院ヴァイオリンコースに入学、併せて指揮法も修める。
 オペラ演技・演出法をマルチェッラ・ゴウ゛ォーニに師事。98年より1年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてヘニング・ブロックハウス氏の助手として研鑽を積む。
 日本では舞台監督集団ザ・スタッフ/田原進氏のもとで舞台裏の実際の多くを学ぶ。94年ローマ歌劇場公演に日本側スタッフとして参加、その業績によりローマ歌劇場の演出部に迎えられる。同時期に藤原歌劇団公演での外来演出家の演出助手として日本での活動を開始。
 96年にはマチェラータ音楽祭でH・ブロックハウス演出の『アッティラ』で演出助手を務め、同氏の絶大な信頼を得、その後イタリア各地での活動を広げる。
 98年新国立歌劇場開場記念公演/フランコ・ゼッフィレッリ演出『アイーダ』を始めとして同劇場の様々な公演で来日する外来演出家のアシスタントを務め、各氏から絶大な信頼を得るとともに、ピエロ・ファッジョーニ、アルベルト・ファッシーニ氏の片腕として活躍の場をヨーロッパ、アメリカに広げる。
 97年、文化庁青少年芸術劇場公演、藤原歌劇団公演『愛の妙薬』で演出家デビュー。同歌劇団での2001年『イル・カンピエッロ』はスタイル性のある舞台と演出で高い評価を受けた。
 新国立劇場では02年『セビリアの理髪師』で演出デビュー。続いて、小劇場オペラシリーズ『幸せな間違い』、03年『ラ・ボエーム』、04年『外套』、05年『おさん』を手がける。03年イタリア・サッサリ州ヴェルディ歌劇場『アンドレア・シェニエ』でイタリアに於いてデビューを果たす。その的確な演出は、観客のみならず出演者達から高い評価を受けた。07年9月東京二期会『仮面舞踏会』を演出、08年5月関西二期会『セビリアの理髪師』では斬新でアイデア溢れる軽妙な演出の中に個々のキャラクターや心情を余す所無く表現し、観客からの熱狂的な賛辞をうけた。
 10年は愛知の『ホフマン物語』の他にも村上春樹原作・望月京作曲オペラ『パン屋大襲撃』(サントリー音楽財団創設40周年記念公演)〈ドイツ語上演〉、カレッジ・オペラハウスのモーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』などが予定されている。